プレイレポート
“中世らしさ”を本格的に追求したブラウザシミュレーションRPG「百年戦記 ユーロ・ヒストリア」の先行体験テストレポート
「百年戦記 ユーロ・ヒストリア」公式サイト
本作の舞台となるのは,中世ヨーロッパをモデルとした架空の世界「ユーロ大陸」。イングランド王国,フランス王国,神聖ローマ帝国が争いを繰り広げるなか,プレイヤーは傭兵から名乗りを上げた領主として,イングランド王国とフランス王国が対立する“百年戦争”へと身を投じることになる。
一般論であるが,日本国内のゲームで中世を舞台にする場合,剣と魔法の“ファンタジー”,または日本独自のアレンジが施された“JRPG”のスタイルで描かれることが多い。しかし,たとえば本作に登場する英雄達は中世に実在した人物がモデルとなっており,イラストの絵柄も比較的落ち着いたテイストである。BGMはクラシックの名曲をアレンジしたもので,ゲーム内では“騎士道”について学べるコンテンツも登場する。プレイしてみると全体的に重厚さが感じられ,こうした世界観は意外とありそうでなかったものだ。
自分だけの「領地」を発展に導く醍醐味
本作に登場する資源は主に食料,木材,石材の3種類。自分の領地に各資源に対応した採集用施設を建てると,一定時間ごとに資源を獲得できる。その集めた資源で「パン屋」などの商業施設を建てて,ゲーム内通貨のゼニーを生み出していくのだ。また,NPCからちょっとしたお願いごとをされる「リクエスト」や,英雄を遠征に向かわせて資源などを探す「領外調査」といったイベントもある。
こうした領地における行動には「内政ポイント(Dp)」が必要で,これは時間と共に少しずつ回復する仕組みだ。「鬼武者Soul」や「CityVille」といったゲームをプレイしたことがあれば,容易にイメージがつかめることだろう。小まめにログインしてコツコツと“領主の仕事”をこなすことで,着実にゼニーが増えていく――この醍醐味は“村ゲー”そのものだ。
クエストを通じてプレイヤーのレベルを上昇
クエストは基本的に“一本道”の構成となっており,「クエストポイント(Qp)」を消費しながら「探索」コマンドを行うと,新たな「英雄」が配下に加わる,資源やアイテムを獲得する,敵とのバトルなどのイベントが発生する。さらに探索コマンドを続けていくと,ボスとのバトルが待ち受けており,見事倒すことができればクリアといった流れだ。
本作においてクエストは重要で,領主たるプレイヤーが経験値を獲得し,レベルアップするための唯一の手段である。プレイヤーのレベルが上昇すると,配下に加えられる英雄の数,各種ポイントや資源のキャパシティ,そして領地の面積などが拡大していくのでゲームの柱となる要素なのだ。
1つの兵団に配置可能な英雄の数は5人まで。しかし,配置場所に応じて味方を強化したり,敵を弱体化したりといった効果を付与する「支援兵」を兵団に設定できる。テキストだけでは少々分かりにくいかもしれないが,たとえ強力な英雄を揃えたからといって必ずしも勝てるわけではなく,英雄の配置による相性や発揮される効果,さらには運がある程度介在するゲームバランスとなっている。
豊富に用意されたバトル系コンテンツ
前述のクエストのほかにも「交戦」「百年戦争」「メレ」といったバトルにフォーカスしたコンテンツがあり,これらの存在が「ユーロ・ヒストリア」をより奥深いゲームにしている。それぞれを順に説明していこう。
交戦はほかのプレイヤーの兵団と1対1で戦うコンテンツで,対戦相手のマッチングはランダムだ。バトルで勝利を収めると,獲得ポイントに応じてさまざまな報酬が手に入るだけでなく,ランキングも上がっていく。ちなみに交戦と百年戦争に参戦するためには「交戦ポイント(Bp)」が必要で,これはDpやQpと同じく時間経過により回復する仕組みだ。
百年戦争は,本作において最も大規模なイベントバトル。全プレイヤーがイングランド王国,またはフランス王国に自動的に振り分けられ,一定期間にわたって戦い抜くことになる。バトルそのものは1対1で行われるので,交戦は常時開催の対人戦,百年戦争は期間限定の対人戦と言い換えてもいいだろう。なお,報酬やランキングのシステムは交戦とは別に用意されている。
プレイヤーが参戦できる戦場は3か所あり,イベント終了後に勝ち越している戦場が多い軍の勝利となる。そのため,自軍が大きくリードしている戦場より,拮抗している戦場に赴くほうが勝利に貢献しやすいようだ。
最後に紹介するメレは,ほかのプレイヤーと協力して強大な英雄達と戦うコンテンツだ。メレに挑むには,Bpではなく「メレポイント(Mp)」が必要となる。
メレで戦うことになる英雄はクエスト進行中に出現するが,通常の敵よりもはるかに強く,1回の戦闘で勝利するのは至難の業。しかも,出現してから一定時間内に倒せないと撤退してしまう。そこで,同じ騎士団に所属するプレイヤーに加勢を求め,多人数で何度も戦って撃破を目指すのだ。また,一気に勝負をかけたいときには,大量のMpを消費する代わりに大ダメージが与えられる「全力攻撃」というコマンドも用意されている。
「英雄酒場」で兵団を強化していく
英雄はランダムで出現するので,いわゆる“ガチャ”に近いものだが,「ユーロ・ヒストリア」では英雄のラインナップと出現率が表示されている。また,クエスト,交戦,百年戦争,メレといったコンテンツによって獲得できる宝石が異なっており,ひいては英雄のラインナップも異なる。今回のテストでは4種類の宝石が用意されていたが,このほかに3種類の宝石が追加されるようだ。
ゲームが進むにつれて多数の英雄を獲得することになるが,余ってしまった英雄は売却や,生贄(いけにえ)とすることでほかの英雄を成長させることにも使える。なお,レベルキャップまで達した英雄はランクアップによって,さらなる強化が可能だ。前述したように,1つの兵団には5人の英雄が登録できるので,ゆくゆくはこうした方法で兵団の強化に心血を注ぐことになるだろう。
しかも本作では,各コンテンツにそれぞれ兵団を編成することになる。つまり,クエスト用,メレ用,交戦用(攻撃/迎撃),百年戦争用(攻撃/迎撃),内政用と複数の兵団が必要になるので,英雄の育成に関わるボリュームは十分すぎるほどあるのだ。
中世ヨーロッパの世界観が新鮮に感じられる
以上,「ユーロ・ヒストリア」の主なゲームシステムを紹介してきたわけだが,今回のテストプレイを振り返って,とくに印象に残っているのは“中世の世界観が新鮮だった”という点。英雄達の意外な一面が垣間見える「イベントクエスト」や,中世の文化を学べる「騎士道指南」といったコンテンツも興味深く,なかなか独自性のあるゲームに仕上がりそうだ。ブラウザゲームではあるもののグラフィックスの解像度が高く,アレンジされたクラシックのBGMと相まって,“大人向け”の雰囲気が感じられた。
さらに,各コンテンツに必要な行動ポイントが4種類(内政,クエスト,バトル,メレ)に分かれているため,想像していた以上に“遊べる”。英雄の育成を含めて,ゲームのボリュームがたっぷりとあるので,やり込み派のプレイヤーにとっても手ごたえは十分だろう。
本作の正式サービス開始は12月19日とのことで,やや先の話ではあるが,“中世ヨーロッパの世界に浸れるブラウザゲーム”に興味を持った人は続報に注目しよう。
「百年戦記 ユーロ・ヒストリア」公式サイト
- 関連タイトル:
百年戦記 ユーロ・ヒストリア
- この記事のURL:
(c)CAPCOM CO., LTD. 2013 ALL RIGHTS RESERVED.