インタビュー
もう一つの擬人化兵器モノ「少女兵器web」とは何なのか? 運営チームと補佐官の声を担当する中村繪里子さんと今井麻美さんに話を聞いてきた
本作の開発を担当するFUN YOURS Technologyは,人気ブラウザゲーム「聖痕のエルドラド」と「燐光のレムリア 〜Lemuria of phosphorescent〜」を手掛けたことで知られており,日本人ウケのよい絵柄ということもあって,注目を集めている開発会社だ。本作もそれらの開発で得たノウハウによって,日本のプレイヤーにウケる要素がふんだんに盛り込まれた作品に仕上がっている。
ちなみに,台湾では少女兵器webを含めたFUN YOURS作品が上記3タイトルがサービスされているが,少女兵器webの人気が最も高いのだとか。
今回は,少女兵器webのゲーム内容を紹介しつつ,その魅力を日本運営チームに聞いてみた。また,プレイヤーの頼れるパートナーであり,ゲームを彩る「補佐官」のキャラクターボイスを担当した中村繪里子さんと今井麻美さんにも話を聞いているので,あわせてお読みいただきたい。
少女兵器とは何なのか?
では,少女兵器webのセールスポイントはどこなのか。一番に挙げられるのは,やはり「少女兵器」の可愛いグラフィックスだろうか。そこで気になるのが,そもそも少女兵器とは何なのかという点だ。
2007年には「少女兵器」初の商業本が,現在所属しているコンテンツ開発会社「友善文創(Friendly Land)」から発売されて大人気となり,その後もシリーズ化されて台湾国内では漫画やカードゲームが発売されている。
台湾の学術機関が日本の文化をテーマにした機関誌を発行した際には,皇宇(ZECO)氏が描く第二次世界大戦頃の日本の戦艦をモチーフにした美少女キャラクター達が日本でも話題になり,日本で艦隊擬人化の漫画「Battleship Girl -鋼鉄少女-」を連載するに至っている。
お堅い学術機関誌を通じて話題になり,大ブレイクした「少女兵器」であるが,現在では第二次世界大戦の枠を超えて,さまざまな兵器を“美少女化”したキャラクターが若者を中心に大いに話題になっている。実際,日本でも漫画が連載されたり,カードゲームが翻訳されて発売されていたり,携帯電話用のゲームになっていたりする。さらに今後はドラマCDやアニメ化の話もあるそうで,着実に人気が高まってきているようだ。
キャラクター紹介欄には,モチーフになった兵器名も記載されているので,リアルな兵器と擬人化された兵器を比較すると,どこが特徴なのかを知ることもできる。
そんな少女兵器は,作中でバトルを行うわけだが,カード風の立ち絵があるだけでなく,ユニットとしてデフォルメキャラが画面の中を動き回り,スキルが発動するとカットインの演出が挿入されたりもする。オープンβテストの時点で70種類程度の少女兵器が存在しているが,動きはそれぞれ異なるというこだわりようだ。
「皇宇氏をはじめとする台湾の少女兵器関係者の方々は,日本展開に積極的で,少女兵器webの開発に関しても協力的に動いてくれました」(日本運営チーム)
原作の皇宇氏との協力関係も良好なようで,同氏が描く魅力的な少女兵器達は今後も数が増えていきそうだ。こういった美少女モノのカードゲームは珍しくないかもしれないが,本作に登場するキャラは,すべて皇宇氏のデザインによるものとなっている。そのため,絵柄の統一が取れているのはもちろん,全体的なクオリティも保証されている。
なお,別のイラストレーターを起用した日本独自のキャラクターの導入も決定しているらしいので,そちらにも注目しておこう。
やはり可愛いキャラクターを集めて育成することが中心か
本作のゲーム内容は,少女兵器の収集と育成,拠点の発展,バトルという三つの要素を中心としたものになる。その中で,プレイヤーにとっての一番の楽しみはどこになるのか運営チームに聞いてみた。
「キャラクターの魅力を前面に押し出したタイトルですので,ガールアームズ(少女兵器)を集めて育成していく部分をより楽しめるよう,キャラクターの背景を充実させています。また「好感度システム」を採用していまして,ガールアームズと仲よくなると,そのキャラクター固有の物語が展開します。そちらにも注目してください」(日本運営チーム)
プレイヤーは指揮官となり,実際にバトルを行うガールアームズ部隊を編成して,物語の鍵を握る「アヴァロン」の探索を行っていく。
育成は,ガールアームズ同士を合成することで,ステータスの強化やスキル習得等が行えるタイプだ。また「探査」を実行することでもキャラクターは成長していく。探査は,時間と探査場所を設定し,その時間が経過するとレポート形式で結果が返ってくるというもの。探査中のキャラクターはバトルに参加できないというデメリットはあるが,探査によって好感度もアップできる。最短15分という短い時間でも探査は行えるので,お気に入りのキャラを中心に何度も実行していこう。
拠点は近未来的な雰囲気になっていて,金属や石油といった兵器に縁のある資源を生み出す施設を建築できる。資源類はバトルを行ううえで必要不可欠なものなので,地道に建築物のレベルアップを行って戦闘に備えよう。
クエスト類も豊富なので,ゲーム序盤はクエストに合わせて建築物を建てていって,クエスト報酬の資源も活用していくと効率的に拠点の運営ができそうだ。また,探査でも資源を入手可能なので,困ったときは長時間探査をしてみるのもいいかもしれない。
タクティカルコンバットで相手を撃滅せよ
メニューの「制圧」から,NPCを相手にしたバトルに挑むことができる。手持ちのガールアームズから5機を選択してタクティカルコンバットを行う。マップをクリアするとどんどん新しいマップに挑戦できるようになり,先に進むほど敵は強力になっていく。マップに配置された敵は毎回決まっているので,有利に戦えるようガールアームズを編成するのが攻略のポイントだ。
敵味方ともに,ユニットは「空タイプ」と「陸タイプ」のどちらかに分類されていて,対空攻撃/対陸攻撃/対空防御/対陸防御というステータスを持っており,キャラクターによってタイプとステータスは違ってくる。
なお,この制圧クエストをクリアしていくとメインストーリーも進んでいくので,これが本作のメインコンテンツといえそうだ。
また,PvEだけでなく,PvPコンテンツも用意されており,自分の作ったガールアームズ部隊の実力を試すことも可能だ。ランキングの上位に入賞すると,ゲーム内通貨がもらえたりするので,ぜひ挑戦してみてほしい。
実際のバトルは,1部隊(最大5名)を出撃させ,四角いマス目上で移動と攻撃を繰り返して敵を全滅させるのが目的だ。射程や移動距離にも違いがあるので,戦術を練って挑めば格上の敵を撃破することも不可能ではない。戦闘結果が分かりきっている格下の敵との戦いには,自動戦闘を行うことで時間の短縮も図れる。
「戦闘中のキャラクターの動きが豊富なので,最初はじっくりと戦略を練ってバトルを楽しんでほしいですね。ブラウザゲームにお手軽さを求めている方は,自動戦闘を使っていただき,ガールアームズの育成に集中されるのもいいかと思います。
なお,少女兵器webは一人でコツコツとプレイするだけでも楽しめるバランスになっていますが,連合(ギルド)というコミュニティを活かしたコンテンツも導入する予定です。今から共に戦う仲間を探しておくことをオススメします」(日本運営チーム)
補佐官役の中村繪里子さんと今井麻美さんに聞くコロランとグロリアの個性
少女兵器webの魅力の一つとなっているのが「補佐官」の存在だ。補佐官は,元気で明るく好奇心旺盛な「コロラン」(CV:中村繪里子)と,内気でクールな「グロリア」(CV:今井麻美)の二人。当面は直接バトルに参加することはないが,拠点での他愛のないものからストーリー進行時のシリアスな場面まで,とにかくよくしゃべる。ゲーム開始時にどちらかの補佐官を決めなければならず,以降補佐官を変えることはできないことに注意しよう。
最後にキャラクターボイスを担当した中村さんと今井さんのコメントを掲載しておくので,補佐官を決める際の参考にしてもらえると幸いだ。
4Gamer:
キャラクターボイスの収録前にご自身が担当するキャラクターのイラストを見せてもらったと思いますが,どんな第一印象をもたれましたか?
コロランはピンクの髪が印象ですね。ここ最近,ピンクの髪の子を演じる機会が増えていまして(笑)。ピンク髪でボクっ娘。そんなコロラン役に抜擢してくださったことは嬉しく思います。
今井さん:
グロリアは,女の子らしいフォルムをしていたので,最初は可愛らしい子なのかなと思っていました。メガネを掛けていたので,頭は良い子なんだろうなとも思っていたのですが,予想以上にプレイヤーさんに向かって手厳しいセリフを話したりします。毒舌キャラとして,気持ちよく演じさせていただきました(笑)。
4Gamer:
少女兵器webに登場するキャラクターは,兵器を擬人化したものなのですが,ご自身の演じたキャラがどんな兵器なのか分かりますか?
中村さん:
コロランはミサイルですよね……?
4Gamer:
確かにミサイルに乗っていますね(笑)。実は,コロランだけはモチーフになっている実在の兵器は存在しないと聞いています。漠然としたミサイルのイメージなのかもしれません。グロリアのほうはどうでしょうか?
中村さん:
今井さん:
グロリアは……これは偵察機じゃないかな?
4Gamer:
おお,さすがですね。グローバルホークという偵察機がモチーフで,頭に乗っているものを含めて実物の面影があります。ちなみに,グロリアの本名は,グロリア・ホークだそうです。
中村さん:
なるほど! コロランにはモチーフになったものがないから苗字がないのかもしれませんね。
4Gamer:
少し脱線してしまいましたが,続けまして役を演じる中で注意した点はありますか?
中村さん:
コロランは冒頭から元気ハツラツなキャラクターです。一方,プレイヤーを補佐する役目も持っています。元気な部分と補佐役を真面目に行う部分,そのバランスに気をつけました。
今井さん:
グロリアは,最初はプレイヤーにあまり興味がなくて淡々と話します。しかし,ストーリーの後半になってくると,プレイヤーとグロリアの距離も縮まってくるので,少しずつ感情を出すようにしました。
収録は,ゲームチュートリアル部分から始まって,ストーリーを追っていくように行いました。最初のチュートリアルのときは,ゲーム内容をそれほど理解していなくて,想像力が追いついていなかったりもしました。これは,コロランちゃんも同じだと思うんですけど(笑)。でも,ストーリーが進んでドラマティックな展開になってくると,演技に自然と力が入りましたし,演じていて楽しかったですね。
4Gamer:
コロラン,グロリアともにドラマティックな展開があるんですね。そうしたドラマの中で,各キャラクターの魅力はどんなところにありますか?
中村さん:
徹頭徹尾変わらない,裏表のない性格がコロランの魅力です。最後までプレイヤーの傍にいてくれるコロランに,プレイヤーの皆さんは安心感を覚えると思います。勝手にですが,逆にグロリアは,変わっていくことこそが魅力なんじゃないかなーと思っているんです。
今井さん:
そうですね。興味がなかったはずのプレイヤーのことが少しずつ気になっていく。そんなグロリアは本当に可愛いと思います。ちなみにですね,夜中にヘッドフォンを付けて,爆音で少女兵器webをプレイしていたとします。いきなりプラグが抜けて音声が外に漏れたとき,コロランを選んでいると大変なことになりそうです(笑)。その点は,物静かなグロリアのほうが安心感があると思いますよ。
中村さん:
コロランがご近所迷惑に! 大変(笑)
4Gamer:
夜から深夜にかけてプレイする人が多いと思いますが,ヘッドフォンの扱いには細心の注意が必要そうですね(笑)。続けまして,ドラマの中で思い出に残っているシーンはありますか?
中村さん:
コロランは自分を熱血バカとか表現してたりするのですけど,後半のシリアスなシーンでは,彼女の心がおバカなだけじゃない豊かなところが見出せたりして印象的でした。コロラン格好良かったです。あとは,コロランとしてではなくて個人的な思い出なのですが……漢字が多くてですね,間違えないぞと気合を入れて収録に臨んだことも思い出深いです(笑)。
今井さん:
グロリアは,クールで格好イイがデフォルトだったりしますが,シリアスな場面などで素の自分が出てくると,弱い部分が見えたりして……えっと,これ以上はネタバレになりそうなのでやめておきますが,女の子らしい可愛いグロリアも見れるかもです。
4Gamer:
演じられた役とご自身で,共感できる部分はありましたか?
中村さん:
コロランは,一つの物事に対して分かりやすく感情を出していく,お祭り娘みたいなところがあると思うんです。その点はちょっとだけ似ているかもしれません(笑)。
今井さん:
私はですね……グロリアがかなりの毒舌家ですので,似ているかと言われると微妙な気持ちになってしまうのですが(笑)。先を考えて行動できるグロリアには,共感というより憧れのほうが強いでしょうか。
4Gamer:
コロランとグロリアは,ゲーム内では同じ場面に立ち会うことはないのですが,今回はインタビューという形で二人が出会うことになりました。少女兵器webはオンラインゲームですので,アップデートのたびに進化していきます。そのとき,またお二人に会えることを楽しみにしています。では,最後に4Gamerの読者に向けてメッセージをお願いします。
中村さん:
ネット環境があればプレイできるゲームですので,この記事を読んで気になったら,そのままゲームを始めてくださるといいなーと思います。コロランとグロリア,どちらを選んでも楽しい世界が広がっています。どっちを選んでくれるかな?
今井さん:
今回のお仕事をもらったときに,台湾で制作されているゲームだと聞いて,すごくワクワクしました。海外のメーカーさんから仕事を受けられることを光栄に思います。ほかの国で作られたゲームがどういうものなのか興味がありますし,また今後の展開にも夢が膨らむ思いです。今はまだコロランとグロリアしか声が実装されていませんが,ゲームが盛り上がってくれば,いろんなキャラクター達に声が吹き込まれていくんじゃないかなと思いますので,よろしくお願いします。
4Gamer:
今後,ボイスキャラが増えることに期待したいですね。
本日はありがとうございました。
「少女兵器web」公式サイト
- 関連タイトル:
少女兵器web
- この記事のURL:
キーワード
Copyright USERJOY JAPAN Co.,Ltd. All Rights Reserved.
Copyright ZECO/Friendly Land Creative Co.,Ltd. All Rights Reserved.
Copyright FUN YOURS Technology Co.,Ltd. All Rights Reserved.
Copyright Unalis Group. All Rights Reserved.