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[gamescom]本気で作られている冗談のようなゲーム「Plants vs. Zombies: Garden Warfare」のプロデューサーにインタビュー
PC/モバイル端末を中心とするプラットフォームで,女性ゲーマー層からも大きな支持を得ている「Plants vs. Zombies」シリーズだが,それがなぜチーム対戦型のアクションシューティングになるのか,筆者を含め不思議に思っている人は多いだろう。
現世代ではトップクラスのゲームエンジンとされる「Frostbite 3」を利用し,デフォルメされたひまわりを無駄にリアルに描いているところなど,一見すると本気なのか冗談なのか分かりづらいのではないだろうか。しかし,E3 2013で披露されたライブデモや,その後公開されたトレイラー(関連記事)を見る限り,そのアンバランスな感じが妙にゲーマー心をくすぐるのも確かなのだ。
Plants vs. Zombies: Garden Warfareの発売時期は2014年春の予定。gamescom 2013ではショーフロアやビジネスブースでの出展はなかったものの,Electronic Artsのプレスカンファレンスでは,Xbox 360およびXbox One向けに29.99ドルで販売されるという情報とともに,プレイヤーがゾンビ側でも遊べる「Boss Mode」が紹介された(関連記事)。まだまだ情報の少ない本作だが,はたしてほかのプラットフォームでのリリースもあり得るのだろうか?
4Gamer:
本日はよろしくお願いします……あれ,名刺を見ると(PopCap Gamesのある)シアトル近郊の住所ではありませんね。支部ができたんですか?
いえ,Garden Warfareの開発はEA Canadaで行っているんです。「SKATE」や「Need for Speed: The Run」を手がけたチームですね。
4Gamer:
ああ,なるほど。カジュアルゲームを得意とするPopCap Gamesが,Frostbite 3 Engineを使いこなしていたので不思議に思っていましたが,これで謎が解けました。
Lindley氏:
我々は,2011年の年末にリリースした「Need for Speed: The Run」で,EA DICE社外では初めて「Frostbite 3 Engine」を使った経験があるので,技術的なノウハウは蓄積しているんですよ。このGarden Warfareも,Need for Speed: The Runを発売した直後から開発を始めています。
4Gamer:
Garden Warfareというタイトルは,他社製FPSのパロディだということはすぐに分かりました。以前にも「Glass Effect」や「Dead Face」など,Electronic Artsのゲームを意識したアートワークを公開しましたもんね。E3 2013でGarden Warfareを見たときは,半分位ジョークだと思ってました(笑)。
Lindley氏:
ならば我々としても大成功ですね(笑)。同様に冗談だと思っていた人は多かったようで,E3 2013ではGarden Warfareの広告看板も「良くできたジョーク」と捉えていた人がいたようです。
4Gamer:
一見クレイジーに思えるGarden Warfareのアイディアは,どこから生まれたものなんでしょうか。
Lindley氏:
ご存じのように,「Plants vs. Zombies」はPCやモバイルで1700万本もの売り上げを誇る大ヒット作です。PopCap Gamesとしては,正統な続編である「Plants vs. Zombies 2: It's About Time」を企画しつつ,より多くのゲーマーにアピールできるジャンルでの作品化を熱望していました。そんなときに,Electronic Artsとの協力関係が生まれたというわけです。
4Gamer:
今回のgamescomでは,Xbox One専用となる「Boss Mode」が発表され,驚かされました(関連記事)。これについて,もう少し詳しく説明してもらうことは可能ですか?
Lindley氏:
はい。Boss Modeは,多くのファンから寄せられた「ゾンビでもプレイしたい」という声から生まれたもので,プラント軍,ゾンビ軍それぞれのキャラクターをクラス化した,チーム戦ベースのアクションシューティングゲームです。
具体的に言えば,「Battlefield 4」のコマンダーモードをPlants vs. Zombies風にアレンジしたもので,プラント軍ではクレイジー・デイブが,ゾンビ軍ではドクター・ゾンボスがボス,つまりコマンダーとしての役割を担います。ほかのプレイヤーが対戦しているのを,俯瞰視点で確認し,的確な指示やヘルプで自軍を勝利に導くわけです。
4Gamer:
ああ,なるほど。単体のゲームモードというよりも,マルチプレイヤーモードにおけるバリエーションの一種,という感じなんですね。
Lindley氏:
そういうことです。ボス役のプレイヤーは,資源を獲得しながら特殊なアビリティでフィールドのプレイヤーをサポートしたり,攻撃したりできます。指揮やサポートが得意な人がボスになると,チームの勝率もグッと上がるでしょう。
4Gamer:
資源というと,プラント軍は太陽光だというのは想像できるんですが,ゾンビ軍は何なんですか?
Lindley氏:
脳みそです。
4Gamer:
脳みそですか(笑)。まさか,人間から回収するわけじゃないですよね?
Lindley氏:
ええ(笑)。単なる資源として,時間の経過や仲間アクションによって蓄積されていく仕組みです。これが溜まると,例えば敵の居場所を一定時間把握したり,仲間のヘルスを回復したりするオブジェクトを設置できるようになります。資源の溜め具合によって,どんなアビリティを発動できるかが決まる感じですね。
4Gamer:
なるほど。確かにBattlefield 4のコマンダーモードですね。ところで,このモードがXbox One専用で,Xbox 360に対応しない理由はどこにあるんでしょうか。
Lindley氏:
Boss Modeは,KinectやXbox SmartGlassとの連動を意識して制作しています。マップに点在する資源を腕の振りで集めたり,モバイル端末を使ってマップ上にアイテムを投下したりといった要素があるんですよ。例えば,あるプレイヤーがソファーに座り,テレビででGarden Warfareをプレイし,その横でボス役の友人や家族が一緒にプレイする……というようなプレイスタイルが想定されると思います。
なるほど,理解できました。次はキャラクタークラスについて教えてください。すでに各チーム4体ずつのキャラクタークラスが公開されていますよね。例えばプラント軍だと,長距離攻撃が得意な「Cactus」がいますが,ゾンビ軍にはそれに対応しそうなクラスがいません。どちらの軍を選ぶかによって,戦い方も大きく変わってくるんですか?
Lindley氏:
はい。Plants vs. Zombiesシリーズは,キャラクター人気も高いゲームなので,仮にクラスバランスを均等にしても,最終的なゲームバランスには結びつきにくいんですよね。ゲームバランスを整えるのはかなり難しそうですが,結果的に平等な戦いを楽しめるゲームにしていきたいと考えています。
4Gamer:
ゲームプレイ中に,キャラクタークラスやそのロードアウトを変更することは可能ですか?
Lindley氏:
ええ,できますよ。キャラクターのカスタマイズ機能は,Garden Warfareの重要なポイントです。クラスの存在意義を壊さない程度に,さまざまなカスタマイズを可能にするつもりです。
4Gamer:
なるほど。では最後に一つ聞かせてください。Garden Warfareは,PCやPlayStationプラットフォームでもリリースされる予定はありますか?
Lindley氏:
まだ正式なアナウンスはしていませんが,Boss Modeはともかく,Garden Warfareそのものは「Xbox Oneで最初にリリースされる」と発表しているだけなので,Xboxプラットフォーム専用のゲームとは断言できません。そもそも「Plants vs. Zombies」シリーズは,さまざまなプラットフォームでリリースされ,多くのファンを獲得したゲームですからね。時期がくれば,具体的な発表があると思うので,楽しみにしていてください。
4Gamer:
分かりました。本日はありがとうございました。
「Plants vs. Zombies: Garden Warfare」公式サイト
- 関連タイトル:
プラント vs. ゾンビ ガーデンウォーフェア
- 関連タイトル:
プラント vs. ゾンビ ガーデンウォーフェア
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(C)2013 Electronic Arts Inc. PopCap and Plants vs. Zombies are registered trademarks of Electronic Arts Inc.
(C)2013 Electronic Arts Inc. PopCap and Plants vs. Zombies are registered trademarks of Electronic Arts Inc.