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30周年記念「信長の野望」最新作発表会をレポート。 シリーズ最新作「信長の野望・創造」をはじめ,30周年を記念したさまざまな事業が発表
本発表会では,「信長の野望・創造」以外にも,同シリーズが30周年を迎えたことを記念したさまざまな事業展開が発表された。また,会場には歴史アイドルの美甘子さんが登場し,開発陣と「信長の野望」に関するトークセッションを行った。本稿では,発表会の模様をレポートしよう。
「信長の野望・創造」公式サイト
「信長の野望」30周年記念サイト
初代「信長の野望」は1983年3月30日に発売され,最初はじわじわと口コミで評判が広がり,その年末に大ヒットになったという。いわば「お客様に育てていただいたタイトル」であり,それが今やコーエーテクモゲームスの主力となるタイトルに育ったと,感慨深げに振り返る。
またシブサワ氏は,ここまでシリーズを展開できたのは,30年もの間,声援を送り続けてくれたファンのおかげであり,そういったファンに向けて,今までにない新しい面白さを提供していこうと,新しいチャレンジ/切り口/技術を取り入れ続けてきた成果ではないかとコメントした。
ここでシブサワ氏が,シリーズ最新作となる「信長の野望・創造」を発表。日本全国を統一して新しい時代を作ることを夢見た織田信長が,“創造”と“破壊”を繰り返して時代を駆け抜けたことに触れ,その「創造」の部分に焦点を当てた新しいゲームを作ろうとしていると,タイトルの由来について説明した。
小笠原氏はまず,史実においては,織田信長が目指した“天下”は,政治,経済,文化に至るすべてが革新的だったと述べる。「信長の野望・創造」のコンセプトは「新時代の創造」であり,織田信長が成し遂げられなかった天下布武,そして新しい世界の創造をプレイヤーが目指していく,という内容になるのだという。
また,「信長の野望・創造」では,「リアリティ」「ダイナミック」「ドラマティック」の3つがテーマに掲げられている。
小笠原氏曰く,「リアリティ」は内政や外交の部分で強く感じてもらえるのではないか,とのこと。
フル3Dで作られた1枚マップは,城下町を細かく確認できるところから,日本全土を見渡せるところまで,シームレスに変更が可能。領国や城下町のビジュアルも大きく刷新され,リアリティを感じられる描写になっている。そのため,プレイヤーの“創造”で,国の規模がリアルに変化していく様子を強く実感できると語っていた。
「信長の野望・創造」では,内政で大兵力を集めて力で押すという戦略より,内政/外交/人的要因などを総合的に判断しながら戦況を作り上げていくことが有用になるとのこと。また,シリーズ最多となる300以上の城が登場し,複数の城から出撃した軍団を多面的に運用する,ダイナミックなスタイルで合戦が進行することになる。
そのため合戦では,自領の城でどのようなネットワークを構築するのか,いかに敵本陣の城を孤立させて戦力を分断させるかなど,これまで以上に多角的な戦略を構築できるようになっている。
本作では,プレイヤーが創造する“歴史ドラマ”を重視している。さまざまな史実をイベントとして“見る”だけでなく,クエスト方式を採用することで,プレイヤーが当時の状況をドラマティックに体感できるものになるとのこと。
小笠原氏は,本作では発売後にも追加ダウンロードコンテンツを配信し,地域/武将/勢力などを継続的に追加/拡張していく予定であるとコメント。
最期に,本作がPCとPS3で2013年内に同時発売予定であること,スクリーンショットなどを含めたゲームの続報は,夏頃に発表予定であると述べ,プレゼンテーションを締めくくった。
まず,「信長の野望」30周年記念キャンペーンは,実施済みの春の陣に続き,6月より「夏の陣」がスタートする。こちらでは,ダブルポイントキャンペーンや賞品が当たるクイズなど,プレゼントキャンペーンが実施される。また,「信長の野望 Online」「100万人の信長の野望」「のぶニャがの野望」でも,さまざまなキャンペーンが実施されるとのこと。また本キャンペーンは,秋の陣/冬の陣まで継続する予定だ。
本作品は,これまでに発売された「信長の野望」シリーズの13作品を,パワーアップキットも含めてすべて収録している。また,パッケージ内容には,歴代タイトルのサウンドトラックCD(全12枚),歴代パッケージアートブックなども含まれている。
ちなみに,「GAMECITY オンラインショッピング」でのみ販売される限定版には,家紋,ロゴ,シリアル刻印,台座付きのオリジナル火縄銃(※観賞用レプリカ)が同梱される。
なお,「信長の野望・創造」では,世界的に有名なあの山本寛斎氏とのコラボが決定し,氏が手がけるコラボレーション衣装がゲームに登場するという。詳細は今後の発表を待ってほしい。
そのほか,織田信長の命日である6月2日には,京都府の本能寺跡にオープンする「信長茶寮」とのコラボがスタートし,11月には,菊正宗酒造から「信長の野望」30周年記念ラベルの純米大吟醸酒が限定販売される予定だ。
また,30周年記念クラシックコンサート,映画「劇場版 タイムスクープハンター」とのコラボ,「信長の野望」を題材にしたコミック連載,全国各地での戦国イベントに参加など,今後もさまざまな展開が予定されている。これらタイアップ企画の詳細は,公式サイトで確認してほしい。
初代「信長の野望」は合計38機種でリリース? シブサワ氏が,シリーズの歴史を振り返る
最初の話題は,「信長の野望」の誕生について。シブサワ氏は,「信長の野望」が発売された1983年3月頃は,ゲームと言えばゲームセンターのゲームやPCゲームが主流だったが,同年7月に登場した任天堂のファミリーコンピュータによって,現在のゲーム業界の原型が確立されたとコメント。
当時は反射神経が求められるアクションゲームが多かったが,シブサワ氏は戦略や戦術を楽しむ思考型のゲームが作りたかったこと,氏自身が歴史が大好きだったことから,自然と「信長の野望」の世界観やゲームシステムに向かっていったと,シリーズ誕生の経緯を明かした。
小笠原氏は,コーエーテクモゲームス(氏の入社当時は光栄)に入社してから20年になるが,もともとは「信長の野望」を作りたくて光栄を選んだという。就職活動時には,ゲームメーカーは光栄しか受けなかったそうである。
それだけに,シリーズ本流作品である「信長の野望・創造」でプロデューサーを任されたのは本当に嬉しいと,満面の笑顔で話していた。
また,右の写真にあるとおり,「信長の野望」シリーズでは,さまざまな派生タイトルがリリースされている。中でも「のぶニャがの野望」は,シブサワ氏ではなく,現場のプロデューサーの発案から生まれたものだそう。
シブサワ氏は,ネコ武将が戦うというのは自身の発想では出てこなかっただろうと述べ,発案したプロデューサーを褒めていたが,そのプロデューサーは,冗談みたいなタイトルでシブサワ氏に怒られると思っていたのだとか。
ほかにも,2012年に発売された「ポケモン+(プラス)ノブナガの野望」(NDS),2013年にサービスを開始した「AKB48の野望」(iOS/Android)といった異色(?)コラボタイトルも登場している。
これらは,ポケモンの石原恒和氏やAKB48総合プロデューサーの秋元 康氏が,「信長の野望」のファンだったことが発端で生まれた企画とのこと。シブサワ氏は,「信長の野望」ファンは各業界にいるので,今後もコラボレーションをしていきたいと,意欲をのぞかせていた。
美甘子さんから出た質問には,「歴史シミュレーションの魅力とは?」というものがあった。
これに対して小笠原氏は,歴史シミュレーションとは,現実にあったことをシミュレートしていくものと回答。プレイヤーの知識とゲームの中の情報をミックスして,頭の中で膨らませながら,緊迫した状況が楽しめることが魅力だと話していた。
シブサワ氏は,「疑似体験を楽しむ」というコンセプトがシミュレーションの面白い部分だと述べる。それは経営シミュレーションや恋愛シミュレーションにも言えることであり,シミュレーションは,ゲームの中の1ジャンルとして,ずっと続いていくのではないかとコメント。その中で,「信長の野望」は,シミュレーションの王道を行きたいと話していた。
最後に,小笠原氏とシブサワ氏が,来場者に向けてスピーチを行った。
小笠原氏は,入社後もずっと「信長の野望」を作りたいと思っていて,とくにこの10年は,日本中を旅行したり,本を読んだりと,「信長の野望」を作る準備をしてきたとコメント。
また,氏がこれまで携わってきたタイトルで蓄積したノウハウを「創造」に注ぎ込み,シリーズファンはもちろん,「信長の野望」から離れていた人にも面白さが伝わるような作品にしたいと,完成に向けての意気込みを語った。
シブサワ氏は,「信長の野望」が30周年を迎えられたのは,ひとえにファンのおかげであるとあらためて述べた。
「創造」では,前作「信長の野望・天道」のいい部分を引き継ぎ,テーマである「リアリティ」「ダイナミック」「ドラマティック」を大切にしながら,ゲームを組み立てているところであり,ファンの期待に応えるべく,小笠原氏とともに頑張っていくので,ぜひ期待してほしいとコメントし,発表会を締めくくった。
「信長の野望・創造」公式サイト
「信長の野望」30周年記念サイト
(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
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