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「スマブラ」「マリオカート」「ヨッシー」などWii Uの新作情報が目白押しだった「Wii U Direct Nintendo Games 2013.1.23」詳細レポート
今回の主なテーマは,任天堂のWii U向け自社タイトル,Wii U関連サービスの今後について。これまでのNintendo Directでは,主に発売時期の近いタイトルの見どころなどが紹介されてきたが,今回は発売時期の定まっていない初出となる新作タイトル情報も一挙に披露された。本稿では,配信の詳細をレポートしていこう。
【主な発表内容】
- Miiverseがどのようなものか,現状どのように使われているかについて
- Wii Uの本体アップデートについて
- 任天堂および,プラチナゲームズ,アトラス,モノリスソフトが手がける新作について
Wii U公式サイト(任天堂)
Miiverseを活用してよりゲームを楽しむWii Uユーザー達
本題に入る前に岩田氏は,Wii U本体や,(将来的には)スマートフォン,PCなどからも利用可能となるコミュニケーションサービス「Miiverse」の現状に触れた。現在のところ,MiiverseはWii U本体からのみ利用可能なサービスである。今回は,Wii Uを持っていない人などにもその雰囲気が伝わるよう,いくつかの具体例が紹介された。
Wii Uの本体アップデートを春と夏に実施。春の更新後には,Wii U版バーチャルコンソールがスタート
Miiverseの紹介後に発表されたのは,Wii U本体のアップデート情報だ。
Wii Uの本体機能に関しては,「初回のアップデートに時間がかかる」「ソフトの切り替えに要する時間が長い」などの不満や要望が,ユーザーから上がっているようで,2012年12月19日に配信された「ちょっと Nintendo Direct ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」(関連記事)では,岩田氏が「今後,順次改善してまいります」と対応を約束していた。
また,春のアップデート後には,待望のWii U版バーチャルコンソール(以下,VC)もサービス開始となる。
ただし,Wii向けに提供されているVCのタイトルが一挙にWii Uへ対応するのではなく,少しずつラインナップを増やしていく形となるらしい。Wii U版VCのサービス開始時点では,ファミリーコンピュータとスーパーファミコンのソフトが提供される予定で,「まるごとバックアップ」機能(タイトルのセーブ機能に関係なく,プレイしている状況をまるごと保存して再開できる機能)や,Wii U GamePadのみでのプレイ,Miiverseへの投稿などの機能が備わるという。さらに将来的には,ゲームボーイアドバンスなど,Wii版のVCでは対応していなかったプラットフォームのソフトも配信するとのことだ。
なお,Wiiで購入したVCのデータ等をWii Uに引っ越した人は,Wii Uでは同じソフトを「優待価格」で購入できるという。
Wii U版VCのサービス開始に先駆けて,「ファミコン生誕30周年記念 Wii U バーチャルコンソール 体験キャンペーン」がスタートしていることも覚えておきたい。これは,ファミリーコンピュータが2013年7月に発売30周年を迎えることを記念したもので,30日間の期間限定で,ファミコンもしくはスーパーファミコン用のソフトが1本ずつ,30周年特別価格の30円(税込)で提供されるというものだ。
キャンペーンは1月から7月まで実施される予定で,対象ソフトのラインナップは,以下のとおり。
第1弾(1月配信開始):バルーンファイト(FC)
第2弾(2月配信開始):ファイアーエムブレム 紋章の謎(SFC)
第3弾(3月配信開始):MOTHER2 ギーグの逆襲(SFC)
第4弾(4月配信開始):星のカービィ 夢の泉の物語(FC)
第5弾(5月配信開始):スーパーメトロイド(SFC)
第6弾(6月配信開始):ヨッシーのたまご(FC)
第7弾(7月配信開始):ドンキーコング(FC)
第1弾の「バルーンファイト」は,今回のNintendo Direct終了直後から配信がスタートしており,本稿の執筆時点(2013年1月24日10:00現在)には,すでにMiiverse上にある同作のコミュニティの参加人数が900人を突破している。かなり盛り上がっている様子だ。
ちなみに,キャンペーン対象ソフトのうち,「バルーンファイト」や「MOTHER2」は,岩田氏がプログラマーとして直接開発に携わっていることでも有名だが,MOTHER2が配信される3月20日からは「MOTHER2 ふっかつさい」というイベントも実施される。
このイベントでは,MOTHERの生みの親である糸井重里氏本人が,MiiverseのMOTHER2コミュニティに登場する。Miiverseを介して,糸井氏やファン達が当時の思い出を語りあうという趣向のようだ。MOTHERシリーズはファンの熱量が非常に高いタイトルで,先日,糸井氏が今回のMOTHER2配信を匂わすツイート(関連リンク1,2)をしたときにも大きな反響があった。MiiverseのMOTHER2コミュニティも大いに盛り上がることだろう。
Miiverseは,Webサービスのように機能を随時拡張できるという。そのため,先述の春・夏の本体アップデートとはまた別のスケジュールで,春までに以下の機能が追加されていくそうだ。
さらに,今春にはスマートフォンからMiiverseへのアクセスが可能となる。最初はスマートフォンのWebブラウザからアクセスする形になるそうだが,ゆくゆくは専用アプリも提供される予定だという。
Nintendo Directの配信後,任天堂のTwitter公式アカウントにおいて,岩田氏がさらなる追加情報を公開していた(関連リンク1,2)。これによると,1月28日から始まる1月最終週には,Miiverseにおけるコミュニティの使い勝手の改善と,投稿画面でMiiの表情選択をより行いやすくするためのインタフェース変更が行われる。2月には,プレイ済みかどうかでMiiをフィルタリングする機能と,フォローされたときの通知機能が追加されるそうだ。
プラチナゲームズ,アトラス,モノリスソフトの新作や,任天堂の人気シリーズ新作が続々と発表に
続いては,任天堂から発売されるWii U用ゲームタイトルについての話題だ。
具体的なソフトの情報に入る前に,岩田氏は,2013年1月から2月にかけて任天堂からWii U用ソフトがリリースされないことを陳謝した。岩田氏によると,プラットフォームの立ち上げ期にソフトを定期的にリリースすることを「果たすべき重要な責務」と認め,その一方,開発中のタイトルが任天堂の品質基準を満たすまでにはもう少し時間を要する,との判断があったそうだ。
●プラチナゲームズの開発タイトル「The Wonderful 101」「BAYONETTA 2」のムービーが公開
春から夏にかけては,「GAME&WARIO」「WiiFit U」「ピクミン3」「The Wonderful 101」といったタイトルの発売が予定されているそうだ。いずれも発売日までは明らかにされなかったが,春に発売するタイトルなどは,近日中に続報が届くのではないだろうか。
今回は,プラチナゲームズが開発を手がけるThe Wonderful 101の新たなムービーが公開された。
Wii U用ソフトでは,同じくプラチナゲームズが開発する「BAYONETTA 2」も控えているが,こちらは詳しいゲーム内容を披露する段階にまでは至っていないらしい。今回は,開発現場の様子を収めたムービーが公開されるにとどまった。
これら2タイトルの開発を担当しているプラチナゲームズに関しては,「社長が訊く プラチナゲームズ」が任天堂の公式サイト上で近日中に公開される予定。これまでの「社長が訊く」では主にゲームタイトルが話題の中心になっていたが,岩田氏によると,今年は開発会社の文化や哲学を「訊く」ことも試みるようだ。
●「スマッシュブラザーズ」「3Dマリオ」「マリオカート」はE3 2013で新情報を公開
すでに発表済みのタイトルの中でも,とくにファンからの注目度の高いものといえば,Wii U版とニンテンドー3DS版が同時に開発されている,「大乱闘スマッシュブラザーズ」の新作がある。ただ,同作は非常に大規模な開発となっているらしく,6月にアメリカで行われるE3 2013で,初めてゲーム画面が公開される予定だという。
また,「スーパーマリオギャラクシー」「スーパーマリオギャラクシー2」「スーパーマリオ 3Dランド」といったタイトルを手がけた任天堂の情報開発東京制作部は,現在Wii U向けに3Dマリオの最新作を開発中とのこと。
さらに,任天堂の各プラットフォームで常に1本ずつリリースされている「マリオカート」のWii U用新作も,同じく開発が進んでいる模様だ。
3Dマリオおよびマリオカートの最新作は,いずれもE3 2013でプレイアブル出展されるとのことなので,楽しみにしていよう。
●「Wiiパーティ」のWii U版が開発中。「毛糸のカービィ」開発陣による新作の主人公は“ヨッシー”
「Wiiパーティ」の最新作が今夏の発売に向けて開発されている。今作では,「TVパーティ」「リビングパーティ」「テーブルパーティ」の3つのモードが用意されるとのこと。中でもテーブルパーティは,Wii U GamePadのみでの2人対戦に対応するらしく,パーティゲームとして「Nintendo Land」や「GAME&WARIO」とはまた違った楽しみ方ができそうだ。
●「真・女神転生」「ファイアーエムブレム」がまさかのコラボレーション
岩田氏が「新たなコラボレーションタイトル」として紹介したのは,「真・女神転生 meets ファイアーエムブレム(仮)」。ニンテンドー3DSでシリーズ最新作「真・女神転生IV」も発売されるアトラスの真・女神転生シリーズと,インテリジェントシステムズが開発するファイアーエムブレムシリーズという驚きの組み合わせである。世界設定もジャンルも異なる2つのシリーズが,Wii Uで一体どのようにクロスオーバーするのか,想像を膨らませておこう。
岩田氏は「これ以外にも,いろいろなパートナーの皆さんと,今までにない新たな取り組みを進めております」と意味深に述べていた。ほかにも意外なメーカーやシリーズとのコラボレーションが水面下で進められているのかもしれない。
●「ゼルダのアタリマエを見直す」完全新作と,HDリメイク版「風のタクト」
青沼氏によると,Wii U向け新作の開発テーマは「ゼルダのアタリマエを見直す」というもの。具体例として青沼氏が挙げたのは,「シナリオに沿って進める」「順番にダンジョンを攻略する」「一人で黙々と遊ぶ」といった要素だ。実は前作「スカイウォードソード」でも“アタリマエを見直す”試みはなされていたそうだが,青沼氏いわく,一本道な構成にはあまり手を付けられなかったという。
今作がどのような作品になるのかは明言されなかったが,ここで挙げられた“アタリマエ”から外れた内容としてパッと思いつくのは,オンラインプレイ対応や,“オープンワールド化”などだろうか。
ところで,青沼氏のチームではWii U向けに新作を開発するにあたり,過去のシリーズのグラフィックスをHD化する実験を行ってきたという。その中でも,2002年に発売されたゲームキューブ用ソフト「ゼルダの伝説 風のタクト」のグラフィックスに関しては,青沼氏は「何かまったく新しいものに生まれ変わったように感じた」そうだ。
……といった流れから,先述の新作に先がけて,Wii U向けにHDリメイクされた「ゼルダの伝説 風のタクト」がリリースされるとのこと。本作は,グラフィックスが一新されるだけではなく,ゲーム全体のチューニングが行われ,Wii U GamePad単体でのプレイやMiiverseにも対応するとのこと。発売時期は,今秋の予定だという。
●モノリスソフト新作,赤の「X」の文字
「ゼノブレイド」を手がけたモノリスソフト高橋哲哉氏のチームによる,新作のムービーが公開された。
ムービーによれば,新作のキャラクターデザインに「ゼノギアス」「ゼノサーガ エピソードI[力への意志]」の田中久仁彦氏,音楽にアニメ「機動戦士ガンダムUC」や実写作品などを多く手がける澤野弘之氏,といったスタッフが起用されているらしい。
ゲームのベースシステムは三人称視点のアクションゲームのようで,生身のキャラクターが剣や銃でモンスターを攻撃したり,人型から二輪走行型へと変形するロボットに乗り込んで戦ったりする様子などが確認できた。画面上のUIからは,ほかのプレイヤーとのチャットログらしきものや,ロボットの呼称と思しき「ドール」という名詞が読み取れたことから,オンライン要素やロボットのカスタマイズ要素を備えた作品なのかもしれない。
肝心のタイトル名は発表されなかったが,ムービーの最後に表示された赤い「×」印は,高橋氏の初ディレクション作品「ゼノギアス」のタイトルロゴを彷彿とさせる。今作は完全新作ということだが,タイトルに「ゼノ」の言葉を冠するとなれば,ファンもじっとしてはいられないだろう。
岩田氏は最後に,今回発表のなかったニンテンドー3DSのタイトル展開や,サードパーティによるWii U向けタイトルについても「別の機会に伝えていく」と述べ,今回の発表を締めくくった。
Wii U公式サイト(任天堂)
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- ライター:小倉正也
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