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「FFXIV:暁月のフィナーレ」が公開された新情報発表会をレポート。発表会後に実施された吉田直樹氏への囲みインタビューも掲載
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印刷2021/02/06 22:09

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「FFXIV:暁月のフィナーレ」が公開された新情報発表会をレポート。発表会後に実施された吉田直樹氏への囲みインタビューも掲載

 スクウェア・エニックスは本日(2021年2月6日),TOHOシネマズ新宿にてMMORPG「ファイナルファンタジーXIV」PC / PS4 / Mac)のイベント「ファイナルファンタジーXIV 新情報発表会」を開催し,こちらの記事でもお伝えしたように,最新拡張パッケージ「暁月のフィナーレ」PC / PS5 / PS4 / Mac)を2021年秋に発売すると発表した。
 当初は来場者を招いて行われる予定だったが,新型コロナ感染症拡大防止のため,プレスのみが参加する無観客開催となった今回の発表会。本稿では発表内容の詳細とFFXIVプロデューサー兼ディレクター吉田直樹氏への囲みインタビューの内容をお届けしよう。


画像集#001のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」が公開された新情報発表会をレポート。発表会後に実施された吉田直樹氏への囲みインタビューも掲載
「新情報発表会」は,スクウェア・エニックス本社も近いTOHOシネマズ新宿の劇場内で開催された
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FFXIVプロデューサー兼ディレクター吉田直樹氏

「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」ティザーサイト



新拡張パッケージ「暁月のフィナーレ」が発表に。2021年秋の発売予定


 新情報発表会は最新トレイラー(英語版)の公開から始まった。すでに視聴した人も多いと思うが,もちろん新拡張パッケージのもの。戦士に始まり,竜騎士,モンク,侍,そして暗黒騎士と拡張パッケージのストーリーを象徴するジョブで登場してきた光の戦士だが,今回は「ナイト」として登場した。
 シリーズファンではあれば,トレイラーの冒頭に出てくる“月”,そして「ナイト(海外ではPaladin)」の姿を見て「ファイナルファンタジーIV」が思い浮かんだのではないだろうか。ほかにもトレイラーは見どころだらけなので,日本語版のトレイラーを繰り返しチェックしてみよう。


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ヒーラーの新ジョブ「賢者」が発表


 ステージに登場した吉田直樹氏は,暁月のフィナーレ(以下,パッチ6.0)で追加される新ジョブとして,「ヒーラー」「近接物理DPS」を発表した。ヒーラーはトレイラーでアルフィノがジョブチェンジしていた姿のもので,ジョブ名は「賢者」になる。

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 賢者は魔力を込めた武器(賢具)を操るジョブで,対応クラスは存在せず,レベル70から始められるとのことだ。いずれかのジョブがレベル70に到達しており,パッチ6.0の拡張権利が付いていれば,リムサ・ロミンサですぐにジョブクエストを始められるという。
 ジョブの特性としては,いわゆる“バリアヒーラー”になるそうで,自分の魔法を強化していくという新しいプレイ感を目指して開発しているとのこと。

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 なお,ヒーラーについては,パッチ6.0以降はピュアヒーラー2ジョブ,バリアヒーラー2ジョブと明確に区分したバランスを取るらしく,占星術師はピュアヒーラー寄りに改修されるという。詳細は後日紹介されるそうだ。

レイドファインダーなどで,ピュアヒーラーとバリアヒーラーがマッチングするように調整するとのこと
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 もう1つの新ジョブである近接物理DPSについては,次のデジタルファンフェスティバルで公開予定とのことだ。

暑いからとシャツを着替えた吉田氏。配信のコメントが“なぜか”ざわつき始める
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ハイデリンとゾディアークの物語が完結へ


 パッチ6.0のメインストーリーは,これまでに描かれてきた「ハイデリン」と「ゾディアーク」の物語を完結させるものになるという。
 吉田氏によれば,拡張パッケージごとのストーリーは,例えば「漆黒のヴィランズ」が綺麗に完結したのがパッチ5.3であるように,これまではいくつかのパッチシリーズを通して語られていたが,「暁月のフィナーレ」はパッチ6.0で綺麗に完結させるのだという。

 ここで吉田氏は「これで『ファイナルファンタジーXIV』が終わるわけではないと話し,パッチ6.1からはハイデリン・ゾディアーク編とは異なる新しい物語をスタートさせると宣言した。

冒険の舞台となるのが“月”であることが明かされた。光の戦士はハイデリン・ゾディアーク編に残された最後の謎に挑むことになる
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賢者にジョブチェンジしたアルフィノ。衣装はジョブ専用装備のアルフィノバージョンとのこと
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引き続き赤魔道士として戦うアリゼー。ようやく新コスチュームに着替えるらしい
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プレイヤーから嫌われているというアシエン・ファダニエル。ラスボス……ではないが,何か大きな秘密があるそうだ
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光の戦士との戦いだけを望むゼノス。パッチ6.0でどのように動くのだろうか
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パッチ6.0の全体像を紹介


 ここからは,パッチ6.0で追加・変更される,さまざまな要素が公開された。項目数がかなり多いので,スライドをベースに紹介していこう。

レベルキャップが開放されレベル90に
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新エリア「サベネア島」が登場。島では漆黒(パッチ5.0)のユールモアに相当する街(小タウン)「ラザハン」に訪れる。なお,クリスタリウムに相当する大タウンはまだ秘密だ
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新エリア「ガレマルド」。ガレマール帝国の首都であるはずのガレマルドがフィールドとして登場するという。何やらひどい有様だが……
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新蛮族に「マタンガ」アルカソーダラ族が登場。マタンガはアジムステップなどに存在しているが,アルカソーダラ族はその中でも友好的な種族になり,サベネア島で出会うことになるという
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異形の存在「アニマ」公開。ファイナルファンタジーXに同名キャラが登場しているが,実はFFXでアニマを作画したスタッフが,FFXIVのアートスタッフでもあり,FFXIV用に改めて描いたものになるとのことだ
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多数の新ダンジョンが追加される
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新たな高難易度レイド「万魔殿パンデモニウム」が登場。アートのアシエン(の模様)はどこかで見た気がするが……?
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新たなアライアンスレイド。FFXIVオリジナルのストーリー展開になり,エオルゼアにある大きな謎を扱った濃い話になるそうだ。内容はデジタルファンフェスティバルで紹介予定
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新たな少人数PvPが登場。ロールの概念を廃止し,カジュアルに楽しめるものになるという。いろいろな人に楽しんでもらえるように,新しい報酬カテゴリを用意しているとのこと
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ロールクエストは漆黒のヴィランズから内容が変更され,「タンク」「ヒーラー」「近接DPS」「遠隔DPS」の4種類から,「タンク」「ヒーラー」「近接物理DPS」「遠隔物理DPS」「遠隔魔法DPS」と,遠隔DPSのロールを分けた5種類のクエストになるという
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多数の新装備/クラフトが登場
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フェイスにNPC「エスティニアン」が竜騎士(近接DPS)として参加。どういった経緯で参加するのか気になるところ。吉田氏はパッチ5.5からの流れに注目してほしいとのこと
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ゴールドソーサーに新コンテンツが追加される。ドマ式麻雀に並ぶくらいの規模らしく,ゲームとしてかなり大きなものになりそうだ
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新コンテンツ「無人島開拓」が登場。スローライフを楽しむという新しいコンテンツで,ギャザラー・クラフターをしていなくてもプレイできる。例として,動物の飼育や島を開拓して採れた特産物で貿易をしたり,ミニオンを放し飼いしたりといった要素があるそうだ。なお最初のコードネームは「ダッシュ島」だったという。パッチ6.xシリーズ全体を通してアップデートし,開拓を進めていくとのこと
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ついにハウジングエリア“イシュガルド”が追加。これまでのエリア追加と同様に,パッチ6.0スタートのタイミングで居住区のエリアは開放され,購入できるのはパッチ6.1になるとのことだ
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バトルシステムのメンテナンスとして,これまでと同様に新しいジョブアクションの追加や調整は行われるが,今回はそれ以外にも重要な変更が行われる
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1つめがバトル計算式で使っている数値のデノミネーションだ。これは,漆黒のヴィランズリリース前から予告されていた
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吉田氏は実施の理由を改めて説明
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パッチ5.5時点でのボスの最大HPは4億4000万にもなるという。この数値を縮めるのが目的だ

プレイヤーが弱くなるわけではないが,制限解除で遊ぶ場合は今よりもクリアが難しくなるそうだ
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帯防具が削除される。アーマリーチェストの帯防具35枠は,主武器に15枠,指輪に15枠が割り当てられ,残り5枠については今後のためにリザーブする形になるとのこと
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これまで,データセンターを越えたワールド間の移動はできなかったが,データセンター間を移動できる「ワールドトラベル」が追加される。一度ログアウトが必要など「ワールド間テレポ」と比べて制限は多いが,移動先でコンテンツをプレイしたりできるようだ
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 発表会も終わりが見えてきたかと思いきや,スクウェア・エニックス代表取締役社長の松田洋祐氏が登場。PlayStation 5版のオープンベータテストを実施することを発表し,さらにパッチ5.5の実装日である2021年4月13日に開始することを明かした。なお,この時点でパッチ5.5の実装日は公開されていなかったのだが……。

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 スクウェア・エニックスは本日(2021年2月6日),MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」の情報番組「第62回FFXIVプロデューサーレターLIVE」を配信し,次期パッチ5.5「黎明の死闘」を2021年4月13日に公開予定だと発表した。メインクエストは2部構成になるとのことだ。17:00 公式発表を追加

[2021/02/06 15:45]

スクウェア・エニックス代表取締役社長の松田洋祐氏
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PS4版「ファイナルファンタジーXIV」のプレイ権を持っていれば,そのままPS5版にアップグレードできるという
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 というわけで,新情報発表会は以上の内容で終了となったが,次の情報公開は,ここまで何度か話に出てきたようにデジタルファンフェスティバルで行われるとのこと。そのデジタルファンフェスティバルについて,2021年5月15日と16日の2日間実施されることが発表された。一部の音楽などはアーカイブに残らない部分もあるそうだが,リアルタイムであれば全コンテンツが無料で視聴可能になるとのことだ。

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 なお,ファンフェスティバルでお馴染みの販売アイテムもあり,その中でも注目なのが本作初の8人乗りマウントである「マウント:ルナホエール」だろう。

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 発表会の終了後に,吉田直樹氏への囲みインタビューが行われたので,以下に紹介して本稿を締めたいと思う。

──「暁月のフィナーレ」のメインジョブにナイトを選んだ理由を教えてください。FF4との関連性が濃いからなのか,それ以外の理由があるのでしょうか。

 正直言うと,すごく悩みました。僕は性格的にかなり天邪鬼と言いますか,プレイヤーの皆さんの裏をかきたいというか,想像の範疇を超えて行きたいという想いが強いのです。例えば,「漆黒のヴィランズ」の物語を作っていく時に,皆さんは「英雄」とか「光の戦士」と言われているのに飽きているだろうなと思ったので,いっそのこと物語をひっくり返して「光を打ち払って闇を取り戻す」「闇の戦士として戦ってもらう」というコンセプトを僕から出したんです。
 こういった感じに,物語を裏返してみたり,逆さから見たりして,体験というものを変えて行きたいという想いがあるんですが,今回ハイデリン・ゾディアーク編のラストを描くと決めた時に,ちゃんと「王道」としてのFFのラストを考えると,今あるジョブの中だったらストレートにナイトかなと決断しました。

──ナイトに追加されるスキルにメインジョブらしい,イメージに合うような物が追加されると期待してもいいんでしょうか。

 すでに大技の「パッセージ・オブ・アームズ」があるので,あれを超えるのはけっこう大変なんですけど(笑)。主人公ジョブだからって贔屓するわけにはいかないので,ナイトだけではなくて,各ジョブにより派手でカッコよくて,そのジョブを好きになってもらえるようなスキルを用意しようと思っています。

──「暁月のフィナーレ」のロゴはこれまでと違って謎が多いのですが,今お話しできる範囲でコンセプトやロゴに込められた思いを教えてください。

 ズバリお答えするのは難しいですね。僕は毎回,天野先生に直接発注しているのですが,今回は「絶望に対する希望」みたいなニュアンスで,細かくお話しして描いていただきました。

──ロゴに込められた意味はパッチ6.0をプレイすれば分かるのでしょうか。

 そうですね。「そういうことだったのか」というのが分かると思います。ロゴの丸いところが月なのか,もしかしたら惑星ハイデリンなのかもしれないですし。そういったところはパッチ5.5のメインストーリーを進めながら推察してもらえるといいかなと思います。

──これまでの拡張パッケージにはタイトルのテーマカラーがあるというお話でした。今回はPVを見る限りナイトの白い装備が印象的だったので,「白」がその候補かなと思うのですが。

 開発チームには「プラチナ」という言い方をしています。白はちょっと違うと思っています。
 夜明け,暁月ということを考えた時に,黒でもない,白でもない,まさにそこに向かって一瞬しか見えない「黄色が混ざったようなプラチナのような輝き」という話を開発チームにはしています。ロゴも金なのか,黄色なのかというギリギリの線を詰めていきました。今回もストーリー上で皆さんに驚いてもらえるような仕掛けを用意したので,その時にイメージカラーとしてプラチナなんだなって覚えておいてもらえると意識が働くかもしれません。

──今回の拡張版でグラフィックスが向上したり,PC版の要求スペックが上がったりすることはありますか。

 いいえ。PS5に向けて描画に手を加えて,高品質で遊べるようにしましたが,たぶんおっしゃっているのは,いわゆるグラフィックスエンジンの一新みたいな感じですよね。いつかやりたいとは思っているのですが,これまで10年間作ってきたアセットの莫大な量や,データのフォルダ構成とか,そこにどうアクセスするかとか,それらを全部再構築し直さないといけません。今だと4Kテクスチャ対応とかもしなくてはいけませんし,そもそも作り方を変えなくてはいけません。
 例えば,マントをもっとひらひらさせたいとなると,ボーンという概念からリグに変えて,さらに物理エンジンを搭載して,キャラ個別に物理調整をしたりして。でもパフォーマンスを食いすぎるので他のプレイヤーの物理調整をオフにしたりできるようにすると,今度は他のプレイヤーのマントがバキバキになってしまったりもしますし……。全部詰め直さないといけない。今回はゲーム体験に重きを置きたかったのでやりませんでした。僕らは数年単位で計画して物事を進めているので,今回発表させていただいた「データセンタートラベル」もそうなんですが,いつかやりたいとは思っています。ただ今回ではないです。なので,スペックは同じで遊べます。

──新ジョブで賢者が実装されます。白魔道士と占星術師がピュアヒーラー,学者と賢者がバリアヒーラーとなりますが,ピュアヒーラーとバリアヒーラーの差別化はどうなっていきますか。

 バランス的にはそれぞれ2ジョブ,どちらを使っても極端なバランス差はありません。これはヒーラーに限らず全てのジョブに対してやっている調整で,1番大きいのはゲーム体験の違いになります。賢者の場合は,バリアを張るという行為に対して,アプローチの仕方が異なります。学者には,ペットであるフェアリーがいましたが,賢者の武器である賢具はペットではないので,当然バリアを張るという行為や攻撃が学者のプレイ体験とは異なります。どちらを使っていただいてもコンテンツのクリアに差し障りはないようにバランスをとっていくつもりです。

──レイドなどでは,ヒーラージョブの組み合わせによって攻略の感覚は違ったものになるんでしょうか。

 そこはプレイヤースキルによると思います。ただ,やっぱりバランスよくピュアヒーラー1人,バリアヒーラー1人を揃えていただいた方がクリアしやすいようにはするつもりです。最近は「ヒールが暇なんだよね」と言うお声があったので,「希望の園エデン:再生編」では攻撃頻度を激しくしたり,ダメージを大きくしました。ピュアヒーラーだけでは難しい,とくに攻略し始めはバリアを張って行かないと辛いバランスに意図的にしています。レイドファインダーは,ピュアヒーラー2人でマッチングしないようにアルゴリズムの調整を入れて,出来る限りピュアヒーラーとバリアヒーラーの双方が揃うようにします。

──ピュアヒーラーとバリアヒーラーで明確に分かれるとのことですが,それはピュアヒーラー・バリアヒーラーというロールができるということでしょうか。

 いいえ,表示上はあくまでヒーラーです。インスタンスダンジョンなどは,どちらのヒーラーでもクリアできますし,そこを分けてしまうと新規の人たちにとって分かりにくくもなってしまいます。今のところ表示として明確に区分するという考えはないですが,逆に混乱しそうだと判断すれば,ピュア・バリアと区分けする可能性はあります。

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──タンクにもメインタンク・サブタンク,もしくは支援型・自己回復型みたいな何らかのカテゴリ分けをされる予定はないでしょうか。

 今のところその予定はありません。現時点でナイトがサブタンクをやった方がいいと言われていますが,基本的にメインもサブも両方できますし,分けずに行くつもりでいます。

──タンクそれぞれの個性で差別化していく感じでしょうか。

 ゲーム体験の違いを同一ロール内の違いというところにしていきます。DPSの場合は,そこに操作難度と火力の変化も出てきます。

──近接物理DPSの追加があるとのことですが,近接DPSは現在4ジョブあります。数が多いと思うのですが,さらに足そうと思った経緯や,住み分けをどうされるのか教えてください。

 数に関しては,仮に次のパッチ7.0でタンクを足すとなると結局5ジョブになるので,どこかでブレイクしていくしかないですよね。やっぱりDPSをやりたがる人が多いので,拡張ごとに攻撃を行うジョブは追加するべきだと思っています。現在,近接DPSの中で,竜騎士だけがメイルというちょっと特殊な立ち位置なので,枠だけ言ってしまうと新ジョブはそこに足します。

──最近はレイドのギミックなどが近接DPSに対して厳しいと感じます。調節などは検討されていますか。

 近接DPSに対してギミックが厳しいのは開発チームでも認識しています。高難度コンテンツで複雑なギミックを作っていくと,移動,攻撃距離に制限があるジョブはどのMMOでも厳しくなってしまうのです。これをどう回避していこうか,パッチ6.0に向けて各ジョブにどんなアクションを渡すかで悩んでいるところです。もちろん極端に遠隔だけ有利にならないように,ギミックの構築もそうですが,ジョブの追加とは別軸で考えています。

──パッチ5.0でフェイスが実装され,ソロプレイヤーから喜びの声が多くあったかと思います。パッチ6.0で入るフェイスの新機能や,ソロプレイヤーが喜びそうなお話があれば教えてください。

 シナリオに関わる部分なので,まだあまり触れられないのですが……。パッチ6.0も全てのメインストーリー上に登場するダンジョンに関してはフェイス対応していますので,ストーリーを駆け抜けていく時に少なくともダンジョンで困ることはないと思います。

 フェイスが実装された時に,「8人コンテンツに1人で行けるようにならないのか」とか,「新規プレイヤー向けに古いコンテンツには実装しないのか」など,世界中からたくさんのお声をいただきました。フェイスは各ダンジョンごとにアルゴリズムをガチガチにフルスクラッチしなくてはいけないので,ものすごくコストがかかるんです。どうやったら汎用的に組み込んで行けるか試行錯誤をしているので,詳しくお話しできませんが,そういう試みをしているとだけ思っていただければ。

──無人島開拓で貿易ができると聞いて楽しみにしています。Time to Winなコンテンツになるのでしょうか。

 今回はスローライフをコンセプトにしているので,開拓の速さを競い合ったりなどは極力なくしています。他人との交流はゼロではないですが,基本は一人でやっていけるものだと思ってください。貿易はゲームのシステム側にある流通と対話をしてギルを稼いだり,報酬をもらう遊びにするつもりなので,ご自身のペースでゆっくり開拓していくのもいいし,貿易はあまり興味がない人は,自分のミニオンを愛でたり,動物を育てるだけでもいいです。とにかくカジュアルな作りになっているので安心してください。

──帯装備が削除になりますが,減った分のパラメーターは他の装備で補填されるのでしょうか。

 減った分のパラメーターは他に振り分けたりして調整します。
 先ほどの新情報発表で帯装備からマテリアを外しておくように言ってしまいましたが,遺失物管理人から受け取った後でもマテリアを外せるので,とくに準備をしておく必要はありません。

──パッチ6.0以降は帯装備を売ったり,分解したりすることは可能でしょうか。

 可能です。装備ができなくなるのと,説明欄に「かつて冒険者の腰を守っていたと思われていたアイテム」みたいな文章が追加されるぐらいの変化だと思って下さい。

──新情報発表会でヒルディブランドの名前が少し出ましたが,「紅蓮のリベレーター」で飛んで行って以降,音沙汰がなかったのですが,次の拡張で何かあったりするんでしょうか。

 インスタンスダンジョン「漆黒決戦 ノルヴラント」にヒルディブランドが登場しているんですよね。だからあそこにつながっていたんじゃないですかね?(笑)
 ちょっとマンネリ化してきたなと思っていたところがあって,1回お休みしていたのですが,世界中から可愛がってもらっているキャラクターで,次のストーリーが見たいという声もたくさんいただいているので,出来る限り期待に応えていきたいと思っています。終わらせるつもりはないので,ぜひ再登場に期待していただければと思います。

──新しい少人数PvPについて,少人数でロールフリーというと8vs8を思い出すのですが,どういうところが違うのか今お話しできることがあれば教えてください。

 ルールもマップも全て異なる新しいコンテンツになります。現状はヒーラーの負担が非常に重いので,参加する人が少なくてマッチングしなかったり,ヒーラー次第であっという間に勝負がついてしまったりする傾向が強いようです。今計画しているのは自己回復を全員に持たせて,それぞれジョブの特徴を生かして戦っていくという考え方でロールフリーを実現しようと作っています。

──フロントラインよりはフィーストに近い感じでしょうか。

 陣取りなどの要素が加わってくるので,相手を倒すだけの戦い方ではなくなります。カジュアル性と,マップを使った戦略性の両方を出しつつ,レーティングマッチとフリーの2軸で遊べるように考えています。報酬は装備だけではなく,まったく新しい,欲しくなるエッセンスを開発しているので,今後のPLLなどで発表して行けたらと思います。

──PvPの自己回復があることによって,現状だとフィーストのバランスが少し悪い気がします。プレイヤーから要望が多いと思うのですが,今後は大人数PvPとフィーストを分けて調整できないでしょうか。

 次の少人数PvPのタイミングから調整は分けるつもりでいます。少人数PvPはそれ専用のジョブバランスの詰め方をしていく予定です。

──それはフィーストも同じ調整になるということでしょうか。

 まず,フィーストそのものを残すかどうかに関してまだ決めきっていないです。一度新しいPvPに集中してもらって,フィードバックをいただいてどんどん対応いきたいので,その時にフィーストも一緒にやってしまうと,人が分散してしまうので,いったんフィーストを閉じさせていただく可能性が高いかなと思います。

──今回も音楽は祖堅さんが全力で取りかかっていると思うのですが,作曲をされる上で吉田さんから「今回はこんなテーマで」などの指示はされたのでしょうか。

 やっぱりクライマックスという所に向けてですが,全部が“感動巨編”みたいになっちゃうとそれはそれで脂っこい! みたいになってしまうので,シナリオに合わせて強弱をどう配分するか考えてほしいという話はしました。「漆黒のヴィランズ」のメインテーマ「shadowbringers」という曲がロックテイストでかなり挑戦的だったのですが,プレイヤーの皆さんに受け入れてもらえたところがあるので,シリーズ14作目の大きな物語のラストを思い切って提示していこうって感じですね。

──これまでに海を泳いだリ,空を飛べるようになりましたが,今回はそういう類のアクションはあるのでしょうか。

 いいえ。移動などに関する新しいアクションはもうやらなくていいと開発チームに話をしています。今回はハイデリン・ゾディアーク編のラストを迎えるにあたって,RPGをやっていた時の「ああ,ついに終盤に来た。この後8時間ぐらいでゲームが終わるに違いない」みたいな,あのラストスパートのテンションを拡張1本で作っているので,最高の物を詰め込むことに完全フォーカスしています。

 それに,もうネタがないんです(苦笑)。今回月に行くので「無重力ですか?」って開発チームに言われたんですけど,それ泳いでるのと変わらないよねって。一般的なMMOでやれているような操作系の体験はすべて揃ってしまっている状態なので,無理に捻りだしたものを入れたとしても,面倒くさいことをやらなきゃいけないんじゃないかと思うので,今回はズバッと「無しで良いよ」と開発チームに話しています。

──では,月ではどういった体験が期待できるでしょうか。普通のフィールドと変わらないのでしょうか。

 そもそも「月」ってなんなのかとか,月の裏側とか中身とか分からないですよね。僕らなりの「月」を今回大きく描いていく瞬間があるので,そこを「FFXIVチームは月ってこういう物だと定義しているんだな」って思っていただければと。せっかくのファンタジーなので,僕らの思う月の存在をドンと出して行くので,ぜひ期待して下さい。ちなみに,空気はありますよ。窒息ゲージみたいな物は出ませんので安心してください(笑)。

画像集#066のサムネイル/「FFXIV:暁月のフィナーレ」が公開された新情報発表会をレポート。発表会後に実施された吉田直樹氏への囲みインタビューも掲載

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