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テストのくせに殺す気満々。「DARK SOULS II」のネットワークテスト用最新バージョンプレイレポート&ディレクターへの合同インタビューを掲載
今回の試遊会でプレイできたバージョンは,テストバージョンとほぼ同様の内容のもの。本稿では,その簡単なプレイレポートと,フロム・ソフトウェアの開発ディレクター谷村 唯氏への合同インタビューをお届けする。
今回は海外メディアと合同の試遊が行われたため,試遊台はすべて英語バージョンだった |
まずは前作から存在している「血文字」についてだ。プレイヤーがフィールドにメッセージを書き残して,ネットワーク上で共有できるというのは変わらないが,本作では「Demon's Souls」のように,メッセージを見たほかのプレイヤーが「評価」すると,書いたプレイヤーの体力が回復するようになっている。この機能の追加によって,プレイヤーがメッセージを残しておく意味が強くなりそうだ。
前作ではメッセージを残すためにアイテムが必要だったが,本作ではシステムメニューにメッセージのコマンドが組み込まれているので,アイテムスロットを圧迫することがなくなっている。
また,前作のオンライン要素がP2P接続で処理されていたのに対して,本作ではサーバーベースで処理されるようになったので,「幻影」や「血痕」などは,より高い頻度で登場するようになっているそうだ。
前作から大きく変わったのは「亡者」のシステムだ。ゲーム中にプレイヤーが死ぬと亡者となって復活するが,前作では亡者になっても,見た目以外にデメリットらしいデメリットがなかった。
しかし本作では,亡者となっている間は,最大HPが減るという大きなデメリットが設けられている。最大HPの減少は,亡者状態で死ねば死ぬほど大きくなり,最終的にはHPが半分近くになってしまうという。加えて,あまりも死ぬ回数が多いと,髪の毛が抜け落ちてしまうなど,さらに醜い見た目になってしまうようだ。
さらに本作では,亡者状態であっても侵入されるように変更されている。前作では,「侵入されないから亡者でいいや」と,わざと亡者でプレイし続けていた人もいると思うが,本作では明確なデメリットが科せられたことで,生を求めて探索することになるかもしれない。
ほかにも,オンライン協力プレイ用の召喚システムにも手が加えられている。これまでは,誰かを自分の世界に召喚すると,そのプレイヤーが死ぬまで同行できたが,本作では時間制に変更された。一定時間が経過すると,召喚されたプレイヤーキャラクターは自動的に自分の世界に戻るようになっている。合わせて,召喚のための「サインろう石」は大小の2種類が用意され,それぞれで有効時間が異なっているという。
これにより,「強敵を倒すために短時間だけ協力してもらいたい」という場合は召喚時間の短い石を,道中の攻略を長く手伝ってもらいたい場合は時間の長い石を使うといった使い分けが可能になるほか,マップのスタート地点とボスの前にしかサインがないという状態も解消されるだろうとのことである。
最後に紹介されたのが,さらに強化された「誓約」だ。今回のテストバージョンでは「青教」「青の守護者」「血の同胞」という3つの誓約が用意されているのだが,この関係がなかなか面白い。まず,青教は,どちらかというと一人でじっくりプレイしたい人向けの誓約になっており,誰かに侵入されると,青の守護者のプレイヤーが自動で召喚されて助けてくれるという。つまり,青の守護者の誓約は,正義の味方のようなロールプレイを楽しむのにうってつけというわけだ。
また,血の同胞は前作における「ダークレイス」のように,誰かを倒すためのロールプレイを楽しめる誓約になっている。
こういった本作のポイントを確認したうえで,ネットワークテスト版をプレイしてみた。今回は,キャラクターメイクが省かれており,「Soldier」「Warrior」「Sorcerer」「Temple Knight」「Dual Swordsman」「Hunter」のプリセットからキャラクターを選んで,ゲームをスタートする形になっていた。
体験できる内容について,これからテストに参加するのを楽しみにしている人も多いかと思うので,ネタバレは避けておくが,とりあえず「DARK SOULSらしい殺意は,ネットワークテストでも健在」ということは伝えておきたい。暗がりから容赦なく襲ってくる敵や,狭い道で暴れまわる大きめの敵。見た瞬間回れ右して全力疾走したくなる不利な状況や,崖に書かれた「飛び降りろ」のメッセージ……。あの手この手で死へと誘う数々のシチュエーションは,まさにDARK SOULSといった感じだ。
テストと言いながら難度も高く,ボス戦もしっかり用意されているので,運よく参加権を得られた人は,ぜひ存分に死んで……いや,楽しんでみてほしい。
続いて,本作の開発ディレクター谷村 唯氏への合同インタビューの内容をお届けしよう。
――今回のテストバージョンの難度はかなり高い印象を受けましたが,これは製品版に近いものでしょうか。
フロム・ソフトウェア「DARK SOULS II」ディレクター谷村 唯氏 |
今回はネットワークテスト用にチューニングしたもので,製品版とは異なります。製品版は全体の展開で難度のバランスを取りますが,今回のバージョンでは,行けるマップ内だけで調整していますので。
――ぶっちゃけた話,製品版はこれよりも難しくなるのか,もしくは簡単になるのか教えてください。
谷村氏:
そこはよく聞かれるところではありますが,DARK SOULSは前作なども含めて簡単とか難しいというものではなく「達成感」が重要だと思っています。理不尽な難しさでもなく,ぬるくもない,適度な達成感を得られるバランスを目指しているので,前作に近いところで落ち着くように調整します。
――テストバージョンのマップは,今回体験したものぐらい難しいという認識でよろしいでしょうか。
谷村氏:
詳しくはお話できませんが,今回プレイしていただいたのは終盤より少し前ぐらいの場所なので,全体としてはとくに難しいところではないです。ですが,2体出てくるうちの片方のボスは,かなり難しいと思いと思います。
――テストバージョンでも,ボスにたどり着くまでの道はかなり分岐していましたが,やはりオープンフィールドを意識した設計なのしょうか。
谷村氏:
そうですね。シームレスにマップを移動できるのは前作と同じです。マップがいろいろな形でつながり,ルートも分かれているのがDARK SOULSのスタイルですので,そこは踏襲しています。
――前作の絵画世界のようなところに飛ばされたりするることはありますか。
谷村氏:
そういう特殊な世界もありますが,基本的には地続きですね。
――今回ネットワークでつながることで,できることについて改めてお聞かせいただけますか。
谷村氏:
仕組みの話からさせていただくと,前作ではP2Pで接続していたものが,今回はサーバーベースでつながっていますので,血文字が出やすかったり,ほかのプレイヤーさんとつながりやすくなっています。
また現段階でお話できる変わったルールとしては,協力プレイヤーを呼んだり敵対プレイヤーが入ってくるベーシックな部分については前作と同じですが,誓約に紐づく特殊なマッチングシステムがあり,青教という誓約を交わしていると,誰かに侵入されたときに青の守護者が自動的に助けに来てくれます。つまりロールプレイとして,「侵入されたときに助けてほしい」という人に対して,「侵入されて困っている誰かを助けたい」人が呼ばれるという形ですね。
――ネットワークプレイにおいて,血文字や血痕が多く出過ぎてしまうことはないでしょうか。
谷村氏:
システム的な上限があるので,一度に表にされる数は決まっています。さらに今回はサーバーで管理しているので,血文字の評価が蓄積されて,評価の高い血文字は長期間残るようにしました。いたずらやスパム的なものについては,どんどん弾かれていきます。
――今回3つのプラットフォームでのリリースが予定されていますが,サーバーはそれぞれ別になるのでしょうか。
谷村氏:
リージョンは共通で,プラットフォームは別です。ワールドワイドですので,たとえばPS3であれば欧州や北米のPS3ユーザーと遊べるようになっています。
――フレンドと遊べるような仕組みはありますか。
谷村氏:
そういう要望は確かに多くありますが,ただフレンドを呼ぶというだけでなく,ちょっと変わったつながり方をするような仕掛けは用意しています。
直接フレンドとつなげるという案もあったんですが,やはりDARK SOULSは通常のマルチプレイのゲームとは違い,「ゆるくつながる」ことを重視しているので,フレンドと遊ぶという考え方とは違うものにしようと考えています。
――今回,亡者にかなり大きな仕様の変更がありましたが,それについてお聞かせください。
谷村氏:
前回と同じく,本作にも生者と亡者のシステムがありますが,亡者になった場合は最大HPが減っていくとうペナルティを設けました。これは一度死ぬとずっと亡者だった前作に対して,亡者の状態として死ぬとさらに減るという,ペナルティが累積的に発生していくというもので,さらに亡者でも侵入を受けるようにもなっています。
一見ハードルを上げたように感じられるかもしれませんが,これは亡者から生者になりたいというモチベーションを持ってもらうための仕掛けです。前作では亡者のほうが心地いいという状態になってしまったので,シンプルな目標として「生者を目指す」という方向に寄せたかったのです。
また,もし亡者となってじり貧になってしまっても,いろんなアプローチで対処できる用意はしています。たとえば先ほどお話しした青教の誓約ですよね。亡者の状態で侵入されたときに助けてきてもらえる誓約もありますし,はなから侵入されたくないという人のためにも,前作でいう亡者になるのとは別の形での対策も用意する予定です。
――召喚はどのように変更しましたか。
谷村氏:
今回は小さいサインろう石というものを用意しました。これはごく短時間だけ召喚するというもので,今回のテストバージョンでは,約5分間に設定してあります。
前作では,最初に呼んで最後まで協力してほしいというケースと,ボス戦前に呼んでボスだけ手伝ってほしいというケースに二極化してしまっていて,その縛りのために,召喚しづらいとい状況になっていました。そこで「ちょっとだけ召喚」として,短時間だけ手伝ってもらうときのめの仕組みを用意したわけです。
例えば今回のバージョンでいうと,橋の近くにいた太った敵の周りに血痕が多くついていましたが,あれを倒すためにちょっとだけ手伝ってもらうことができるというわけです。
――プレイヤーは,サインろう石の大きさを見分けられますか。
谷村氏:
はい,見分けはできますし,呼ばれるほうも意思表示ができるので,互いに呼びやすいと思います。実はサインの大きさも違っているんです。
――今回,回復アイテムの回復量が何種類かありましたが,あの形を採用した意図を聞かせてください。
谷村氏:
一言でいうとプレイの幅を広げたかったということなんですが,前作の特定の範囲を限られた回復剤で攻略するというスタイルを残しつつ,今回はゲーム全体で有限で手に入る回復剤をプラスαとして運用するという考え方ですね。何度も敵を倒したり,金さえ払えば無尽蔵に手に入るというものではなく,取得数が限られたものをいつ使うかプレイヤーにゆだねたということですね。
――今回のバージョンでは最初に選べるキャラクターが6種類ありましたが,おすすめの職業はありますか。
谷村氏:
初めての方でしたら,Sorcererをおすすめします。回数制限はありますが,魔法による遠距離攻撃が主体なので,リスクが少ないんです。剣劇やガードにはテクニックが必要ですからね。逆に玄人の方は,二刀流で防御をしないスタイルで戦ってみてください。
――最後に,今回のネットワークテスト開始に向けて,メッセージをお願いします。
谷村氏:
若干難しいと感じるかもしれませんが,プレイ時間中にはクリアできるように調整はしていますので,ぜひチャレンジしてみてください。
――ありがとうございました。
「DARK SOULS II」公式サイト
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(c)2012 NAMCO BANDAI Games Inc. (c)2011-2012 FromSoftware, Inc.
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