インタビュー
セクシーすぎるMMORPG「Scarlet Blade」を生み出した韓国LIVEPLEXにインタビュー。ビジュアルはもちろん,ソロプレイやPvPにも注力
今回4Gamerでは,本作を開発する韓国LIVEPLEXと,ネクソンの日本運営スタッフにインタビューする機会を得た。LIVEPLEXはどこに注力して,ここまで突き抜けたMMORPGを作ったのだろうか。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
チェ・ジョニョル氏(以下,チェ氏):
よろしくお願いします。LIVEPLEXで開発作業を総括している,チェです。Scarlet Bladeを日本で無事にサービスすることができて,光栄に思います。
ナム・ドヒョン氏(以下,ナム氏):
日本向けのプロダクトマネージャーを担当している,ナムと申します。日本版のScarlet Bladeは,テキストの翻訳だけでなく,現地化(カルチャライズ)の作業も行なっています。その成果をいよいよ披露するときが来て,期待と緊張でドキドキしています。
阿曽沼 義典氏(以下,阿曽沼氏):
ネクソンでScarlet Bladeの日本運営の担当をしている阿曽沼です。よろしくお願いします。
4Gamer:
Scarlet Bladeは,日本サービスが発表される以前,G-Star 2012のB2Bエリアで見つけて,登場キャラクターが全員女性というのに驚いた覚えがあります。日本でもオープンβテストが迫っていますが,まずはどのような経緯で,本作が企画されたのかを教えてください。
最初の企画コンセプトは「男性プレイヤーをターゲットにしたMMORPGを作ろう」というところから始まっています。そのうえで,あれこれ考えていく内に,「女性しか登場しない」というMMORPGなら珍しいのではないか? と思い至り,その方向で企画を進めていきました。
4Gamer:
市場のニーズを踏まえた,というわけですか。
チェ氏:
そう言えると格好良いのかもしれませんが……実際のところは「可愛い女の子を作りたい!」という思いの方が強いです。企画会議で,社長も混ざって「セクシーで独自性のあるゲームを作ろう」と話していたぐらいですから。
4Gamer:
社長お墨付きのプロジェクトだったんですね。開発現場はいろいろな意味で盛り上がりそうです。
ナム氏:
ええ,男性陣のテンションは高いです(笑)。コンテンツの企画時も,真面目に社内ミーティングを行うより,お酒を飲みに行ったりしたときの雑談などから良いアイデアが出るケースが多かった気がします。
4Gamer:
昨今では,ほかのMMORPGでも,セクシーさを強調した女性キャラクターが登場することは珍しくはありませんが,本作でこだわった部分というのはどうなるのでしょう。
ナム氏:
とにかく肌の露出ですね。
4Gamer:
ストレートですね(笑)。確かに,ゲームスタート後に下着の状態で世界に降り立つ様子には,いきなり驚かされました。
チェ氏:
それどころか,Scarlet Bladeでは下着すら脱いでしまえるようになっていますよ。そこはもう,開き直って突き抜けています。
4Gamer:
海外版のScarlet Bladeは,年齢制限付きですが,本当に脱げてトップレスにできてしまったと思うのですが,日本サービスではどのぐらいの露出になるのでしょう? ネクソンでは,「メイプルストーリー」などの低年齢プレイヤーが多いオンラインゲームのサービスも行われていますから,そのあたりとの兼ね合いが気になるのですが。
日本では全年齢向けのタイトルとしてリリースするので,隠さなければならない部分は小さな装飾品やペイントなどで隠れるようになっています。新たな客層を獲得できるのであれば,こういった方向性のタイトルもアリかな,という結論には至りましたが,さすがに,海外のような年齢制限付きのコンテンツは用意していません。
4Gamer:
それはそれで残念な気もします。とはいえ,ここまで思い切ったビジュアルは,修正してあるといってもかなりのインパクトがありますね。
ナム氏:
そういう世界設定,ということで押し切りました。ちなみにプレイアブルキャラクターは女性だけですが,NPCの中には男性も一部登場しています。また,少し先の話になりますが,男性のプレイアブルキャラクターの実装も検討しています。
4Gamer:
そうなんですか? 本作で男性キャラクターが登場すると言われても,予想が付かないというか,若干不安に思わないでもないのですが……。ビキニパンツ一丁でセクシーさを強調した男性とかになるのでしょうか。
チェ氏:
そんなことはありませんが,そう言われるとデザインのハードルが上がりますね。Scarlet Bladeでは,プレイヤーキャラクターである新人類エルカナは全員女性なので,おそらく突然変異の生命体として登場することになると思います。今のところ,見た目は男性そのものですが,局部がなく,生物学的には男でも女でもないという設定を考えています。
4Gamer:
男性キャラクターも突き抜けた設定ですね。ビジュアルを見てみたいです。
チェ氏:
もう1つ,本作におけるセクシーな要素というと,“エルカナクラブ”にもかなり力を入れています。ここはダンスフロアやプールなどがある施設で,入場するとキャラクターの装備が問答無用で脱がされ,その状態で,現実世界のクラブのようにみんなでダンスを踊れます。
4Gamer:
これもあまりほかでは見ないコンテンツですよね。人が集まると,壮観なことになりそうです。
ナム氏:
韓国では,400人ぐらいの女性キャラクターが集まったことがあります。それはもう,すごい光景ですね(笑)。
4Gamer:
エルカナクラブは,どういった経緯で開発したんですか?
チェ氏:
「同時接続者数を維持するコンテンツがほしい」というのが発端です。それと同時に,最近の3DMMORPGは人と話す場が少ないと感じていたので,コミュニケーションを取る場としてクラブのような施設は欲しいと考えていました。
4Gamer:
最近のMMORPGはチャット機能が便利なので,表立って会話をする機会も減っていますしね。
チェ氏:
それにScarlet Bladeでは,「ロイヤルガード」と「フリーナイツ」の2陣営に分かれてPvPを繰り広げることになるので,通常,陣営が違うと会話ができないんです。しかし,それでは味気ないので,陣営が違っていても話せる場としてエルカナクラブを作ったという側面もあります。
4Gamer:
今だけは,お互い争いを忘れて一緒に踊りましょうよ,というわけですか。
チェ氏:
ええ。所属陣営を変更する仕組みも用意してあるので,エルカナクラブでほかのプレイヤーを勧誘といったことも可能です。ほかにも,使役しているペットが経験値を獲得できたり,特別なバフが得られたりとメリットがあります。戦闘が終わって拠点エリアに戻ったら,エルカナクラブへ行って心身共にリラックスしてもらえればと思います。
4Gamer:
ちゃんと,ゲーム的な目的があるコンテンツだったんですね。かなり細かく作り込んであったので,てっきり開発陣の趣味で用意されたものではないかと(笑)。
チェ氏:
もちろん,そういう部分もあります! とくにダンスのモーションには力を入れていて,クラスごとにモーションが違っているので注目してほしいです。あれは,本物のダンサーの踊りをモーションキャプチャーで取り込んで作っています。
4Gamer:
そこまでこだわっていたんですか!?
チェ氏:
ほかにも,VIPルームのNPCが椅子を使った特別なダンスを披露してくれるので,こちらもぜひ見てもらいたいです。
4Gamer:
VIPルームのダンスはテストバージョンを見せていただきましたが,なんというか,直球でエロいですよね。「ここまでやるのか!」と思わされました。
ナム氏:
あのモーションは,実は開発スタッフでグアム旅行にいったときに見たストリッパーにインスパイアを受けています。蛇のようにうねるダンスは我々にとって衝撃的で,帰国後に再現を目指しました。
日本サービス向けにカルチャライズを実施
4Gamer:
ところで,本作は日本以外ではどこでサービスが行われているのでしょう。
韓国,台湾,北米,ドイツ,タイでサービスを行なっています。その次が日本で,今後はフランス,東南アジアでのサービスを現在予定しています。
4Gamer:
かなり手広く展開されているんですね。Scarlet Bladeはクラスによって外見が変わりますが,国によって人気クラスや遊び方などに大きな違いはありますか?
チェ氏:
韓国ではソロプレイと大規模PvPの人気が高く,最大でフィールドエリアに600人が入り乱れる戦闘が確認されているほどです。そのためか,クラス性能が重視される傾向があり,範囲スキルが得意なウィッパーや,ヒット&アウェイの戦い方に向くセンチネルが人気ですね。
一方北米では,外見やコスチュームで使用クラスを決める人が多く,ディフェンダーやパニッシャーといった,大人っぽい見た目のクラスの人気が高いです。北米は,パーティプレイやコミュティを重視する人が多いのも特徴と言えるでしょう。
ナム氏:
一方,台湾やタイでは,ネットカフェなどで友達とログインする人などが多く,協力プレイの人気が高い印象です。
4Gamer:
これからサービスされる日本では,どう受け入れられると考えていますか?
チェ氏:
個人的には,剣を使えるディフェンダーや,見た目が可愛らしいセンチネルが,ビジュアル的に人気を集めると思います。
ちなみに,日本版のScarlet Bladeは,単純なローカライズではなくカルチャライズを行なっています。例えば,オープンβテストでは,日本サービス用に各クラスのフェイスタイプをそれぞれ2つずつ追加しているので,海外とは違った反響があると嬉しいです。
阿曽沼氏:
フェイスタイプだけでなく,アバターアイテムも日本向けに随時導入予定なので,楽しみにしていてください。
ソロプレイでも楽しめるバランスやPvPにも注力
4Gamer:
ついビジュアルについての質問が多くなってしまいましたが,ゲーム全体の話も教えてください。本作のシステム面でウリになるのは,どういった部分なのでしょうか。
チェ氏:
「ドラゴナ」などを開発したノウハウがあるので,MMORPGとしての楽しさや爽快感にはこだわり,皆さんにストレスなく遊んでもらうことを心掛けています。例えばゲーム序盤は,ソロプレイでさくさく進められるのですが,レベル9以降,インスタンスダンジョンが登場してきても,パーティの人数でダンジョンの難度が変わるようになっているので,そのままソロプレイで遊べるようになっています。
4Gamer:
なるほど。本作の場合,自分のキャラクターの外見を楽しむために気軽に遊びたいという人は多そうなので,ソロプレイにも対応しているというのは嬉しいですね。
チェ氏:
それともう1つ,PvPにも力を入れています。レベル20になると,中立エリアでの冒険が可能になるのですが,ここにはロイヤルガードとフリーナイツの両陣営が入場できるので,必然的にPvPが発生するようになっています。
4Gamer:
攻城戦ではなく,フィールド上で戦闘が発生するような形なんですね。
チェ氏:
はい。ここで相手を倒すと,バトルポイントやドッグタグのようなアイテムを獲得でき,これを集めると,特別なアイテムや強力なスキルと交換できます。また,ほかのプレイヤーを倒しても経験値を獲得できるので,PvPでキャラクターを成長させることも可能です。
4Gamer:
というと,メインコンテンツはだんだんとPvPになっていくんですか?
阿曽沼氏:
いえ,PvPが苦手な人は,インスタンスダンジョンを中心に遊んでも十分に楽しめるようになっています。中立エリアで冒険したほうが,より効率的に成長できるようなバランスですね。
4Gamer:
PvP要素があるMMORPGは,勢力間の人数バランスを取るのに苦心することが多いですが,Scarlet Bladeでは,その点でどういった工夫をされているのでしょう。
チェ氏:
どちらかの陣営が劣勢に立たされると,強力なバフがかかってサポートされるようになっています。LIVEPLEXは,韓国内でPvPが楽しめるMMORPGのデベロッパとして評価されているのですが,その評価に負けないよう,しっかりとプライドを持って作っていますよ。
阿曽沼氏:
もちろん,本作の場合,ビジュアルに興味を持って遊んでみたいという方が多いかと思いますが,触ってみると,ただセクシーなだけではない,しっかり作られたMMORPGということがご理解いただけるかと思います。オープンβテストで,ぜひ一度プレイしてみてください。
4Gamer:
ありがとうございました。
前述のとおり,本作のオープンβテストは10月24日に開始される。正式サービス日程は調整中だが,サービスイン後は毎月1回大きなアップデートを実施する予定で,直近の11月のアップデートでは,レベルキャップの開放や新たな戦闘エリアの追加などが行われるとのことだ。
ビジュアルに興味津々という人も多いと思うが,まずは実際にプレイできる日を楽しみに待とう。
「Scarlet Blade」公式サイト
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