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[gamescom]ファンに愛される作品になると信じています――「ドラゴンエイジ:インクイジション」のシニアプロデューサーへのインタビューを掲載
なお,gamescom 2014で出展されていた最新デモは,セダス大陸の南部にある湿地帯「Fallow Mire」で行方不明になった兵士2人を探索するという内容だ。霧が立ち込めるフィールドで,魔物を世界に出現させる「Rift」を破壊するなど,ゲームの基本要素が体験できるようになっていた。ゲームの序盤ではあるが,魔法や炎の効果も非常に派手で視覚的にも楽しめるのは間違いなさそうだ。
さらに詳しい内容については,同じビルドをBioWareのスタジオツアーの際に取材しているので,8月13日に掲載している記事を参照していただきたい。
そんな「ドラゴンエイジ:インクイジション」を約4年間にわたって後見してきたというリー氏だが,元々はElectronic Arts傘下のVisceral Gamesでプロデュースを担当していた過去を持つ。ただ,BioWareにはファンとして入社したつもり,というほどに「ドラゴンエイジ」シリーズへの愛着が強いようだ。
「ドラゴンエイジ:インクイジション」公式サイト
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。「ドラゴンエイジ:インクイジション」を開発するにあたって,シリーズのファンから届いた要望のうち,本作に生かしたものはありますか。
キャメロン・リー氏(以下,リー氏):
前作「Dragon Age II」では,多数のファンから「ゲームの世界が狭くて壮大な冒険をしている気がしない」という指摘を受けました。そこで,とにかく「エピック(大規模,壮大)なゲームにしよう」ということが開発当初の大前提でした。「ドラゴンエイジ:インクイジション」は3つの大国家を自由に移動できるようになっていて,その点は確実にクリアしています。
デモをプレイして,ゲームの世界が広大になっていることは感じました。
リー氏:
E3 2014では,Feraldenの南部にある森林地帯「Hinderland」を紹介しましたが,3つの大国家の周囲にはこのようなエリアが10か所近くあると考えてください。ゲームの世界が広大になったぶんだけ,各地域の自然や環境の特色が鮮明になっていると思います。
4Gamer:
戦闘システムも大きく変わりましたね。以前のBioWareらしくなっているという印象を受けました。
リー氏:
戦闘ではメレー(近距離),レンジ(長距離),スペルのすべてを見直したうえで,アクションをスローダウンしています。1つ1つの戦闘がさらに重要な意味を持つようにしたかったのです。タクティカルカメラによって一時停止してコマンドを与えてから,少しずつ先送りすることでうまく制御できているかを確認できるシステムを加えるなど,戦略性とアクションの要素を融合させています。
4Gamer:
gamescom 2014に合わせて公開された最新トレイラーでは,全身を光に包まれた神のような人物に手を差し向けられ,「お前は存在するべきじゃない」といったナレーションが入っていました。ありがちな表現ではありますが,プレイヤー(主人公)は「選ばれし者」といった位置づけなのでしょうか。
リー氏:
あまり詳しくは説明できませんが,そのとおりです。Riftの出現によって異世界のクリーチャーが押し寄せる一方で,魔道士達とテンプル騎士団との抗争が始まり,小国家や諸勢力はそれぞれにいがみ合っている。そんな状況において,プレイヤーはRiftのパワーを得ることで特殊な存在となり,セダス大陸を1つの意思で統一するための戦いを一任されるというわけです。
4Gamer:
すごく大きな責任を担うことになるんですね。
リー氏:
はい。プレイヤーがリーダーとして選択すること,そこから生じる責任を感じ取ってもらうことが,本作のメインテーマになっているのです。世界が破滅に向かっている中で,プレイヤーにのしかかってくる決断の重みが,ストーリーに良い深みを与えていくと確信しています。
4Gamer:
しかし,広大な世界でさまざまなイベントが同時発生することで,プレイヤーがするべきことが多すぎるという心配はありませんか。
リー氏:
ええ,そこで登場するのが「スカイホールド」(Skyhold)というわけです。
4Gamer:
スカイホールドですか? それは確か,審問官の基地のようなものですね。
リー氏:
おっしゃるとおり,スカイホールドは審問官のヘッドクォータ―としての役割を担っていますが,プレイヤーの居城でもあり,非常に広大なものにアップグレードしていくことが可能です。タペストリーやカーペットの色を変えたり,家具を設置したりといったカスタマイズ要素のほかにも,貴重なアイテムや武器,アーマーを飾るための専用ルームも設置できます。また,審問官の兵士が装備する武器の技術開発を行う鍛冶屋やアルケミスト(錬金術師)などが存在し,1つの都市のようになっています。居酒屋だってありますよ。
そして何よりも大切な要素としては,スカイホールドでは大陸におけるすべての活動をマネージメントし,戦略を立てることができるのです。
4Gamer:
4月に公開されたトレイラーに登場したシーンですね。「最後の晩餐」のような構図で,本当にカッコイイと思いました。
リー氏:
そう言っていただけると,チームのみんなも光栄に感じるでしょうね。あれは「ウォーテーブル」と呼ばれる場所で,それぞれのメンバーのビジュアルや立ち位置などにこだわり,完成までには本当に時間がかかりました。
4Gamer:
でも,あのシーンに登場しているプレイヤー以外のキャラクターは12人でした。コンパニオンになる9人よりも多いのですが……。
リー氏:
ええ。そのうちの3人はコンパニオンではなくアドバイザーで,外交やミリタリーに関してプレイヤーに助言を与えてくれます。ロマンスの対象でもあります。
4Gamer:
なるほど。それでは最後になりますが,プロデューサーとして最も大変だったことを教えてください。
リー氏:
今も発売前の緊張感と戦っているのですが,開発期間を思い返してみると,やはり「Frostbite 3」で本当にアクションRPGを作れるのか,という点が大きな心配でした。ご存じのようにアクションシューティングを念頭に開発されたゲームエンジンなので,会話システムもなければ,インベントリーもない。慣れないゲームエンジンでしたが,DICEのメンバーと協力しながらコツコツと作り上げていかなければなりませんでした。それでもプレイヤーの皆さんに愛される作品にしたいという思いから,やり遂げることにしたんです。そして,私は必ずそうなると信じています。
4Gamer:
11月27日のリリースがますます楽しみです。どうもありがとうございました。
「ドラゴンエイジ:インクイジション」公式サイト
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