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[TGS 2013]インディーズゲームフェス2013に出展された「Tengami」を紹介。唯一無二のプレイ体験を約束する,はかなくも美しい“飛び出す絵本”
本作は,“飛び出す絵本”の仕組みを取り入れたアドベンチャーゲームだ。プレイアブル出展されていたデモ機はiPadで,タッチ/スライド操作で画面切り替えを行なったり,仕掛けを動かしたりすると,写真のとおり,飛び出す絵本そのままの描画処理がなされる。
デバイスの大きさが10インチ程度ということもあり,プレイヤーにとってはまさに本(あるいは電子書籍)を読むような感覚でプレイできる。デジタルとアナログが混在したような奇妙な感触は,実際に操作してみるととても印象的だ。
ゲームの性質上,展開に関する詳細は避けておくが,本作の幻想的な世界は,タッチ操作で触れた瞬間に儚く崩れてしまいそうなほど美しく,次々と展開される光景には終始驚かされっぱなしであった。
氏によると,“飛び出す絵本”のコンセプトは最初から決めていたが,いざ開発を行う際,「実際どうやってゲーム内に落とし込めばいいのか?」と困り果てたという。結局,専用のツールを開発するところから作業を始め,それだけで約1年の期間を要したそうだ。
ツールはすでに完成しており,ゲーム内における地形データは,仮にプリントアウトしてカッターで切り込みを入れれば,実際に飛び出す絵本として再現可能(!)なのだという。ただし,デザインが緻密すぎるため,耐久度は弱いだろうとのことだった。
実際の飛び出す絵本は,その構造上,1冊におけるページ数はかなり少なくなるが,そういった制限はデジタル作品であるTengamiにはない。東江氏は開発作業が進むにつれ,本作のプレイ体験が唯一無二であることを実感してきているそうだ。
Nyamyamはこれまでも,本作の開発途中のバージョンをインディーズ向けのカンファレンスなどで公開しており,たとえば昨年の「センス・オブ・ワンダーナイト 2012」にもノミネートされている(関連記事)。その都度,海外を中心に高い注目を集めているそうだ。
今回のブース出展の様子を眺めていたが,日本人はもちろんのこと,海外メディアからの注目度がとくに高かった。彼らにとってTengamiは,最高にクールな“日本のゲーム”として映っているのかもしれない。
確かな手応えを感じているだけに,東江氏も妥協をするわけにはいかず,開発作業は予定よりも難航しているという。現在の開発進行度は70%ほどだが,開発期間はすでに2年を越えているそうだ。東江氏は,遅くとも2014年の1月までには完成させたいと語っていた。
ちなみに,東京ゲームショウ2013の終了後に開催された交流会「INDIE STREAM」にて,本作の日本語版が“PLAYISM”を通じて独占リリースされることが発表された(関連記事)。以下に本作のPVを掲載しておくが,無事にリリースされた暁には,ぜひ実際に“触って”もらいたい注目作である。
「Tengami」公式サイト
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Tengami
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