インタビュー
[TGS 2013]「Tearaway 〜はがれた世界の大冒険〜」の発売日が2013年12月5日に決定。TGSバージョンの試遊と合同インタビューをレポート
本作は,「リトルビッグプラネット」シリーズを手がけた開発スタジオであるMedia Moleculeが手がけた新作で,「紙」だけで作られた世界を舞台とする,アクションアドベンチャーゲームだ。日本での発売日は,2013年12月5日に決定している。価格はPS Vitaカード版が4980円で,ダウンロード版が3900円(いずれも税込)。
すでに発表されているように,本作の主人公は「イオタ」と「アトイ」の2人。彼らの目的は,紙の世界のどこかにいるプレイヤーに手紙を届けることだ。プレイヤーは2人のどちらかを選んで操作するのだが,プレイヤーは主人公を直接操作するというよりも,主人公の行動を見守り,ときには手を貸して助ける存在という位置付けになっている。
2人の主人公,「イオタ」(左)と「アトイ」(右) |
会場に出展されている試遊バージョンをじっくりプレイする時間も用意された。8月に開催されたgamescomでもプレイレポートを掲載しているので,今回は,新たに公開された要素を中心にお伝えしよう。
[gamescom]リトルビッグプラネットの開発チームが手がける新作「Tearaway」をプレイ。主人公をそっとサポートする感覚がたまらない
まず,プレイヤーが主人公を助ける手段を見ていこう。PS Vitaの背面タッチパッドを指で押すと,ゲームの世界にも指が出現する。そこで,指をそのままスライドして,道を塞いでいる障害物を動かしたり,主人公の足場を動かしたり,さらには敵キャラクターを下から叩いたりして,主人公の道を切り開くというわけだ。ゲーム画面上に出現するのは,自分の指そのままではないものの,画面の中に描かれる“紙の世界”と,つながりを実感できる仕掛けが面白い。
さらに,ゲーム中にPS Vitaのカメラ機能を使って自分の顔を取り込むと,紙の世界のさまざまな場所に,自分が登場するようになる。その様子はまるで,紙の世界の住人たちにとっての「カミさま」であるかのように描写される。。太陽の中に,プレイヤーの顔が表示される場面もあり,雲の上から主人公を見守っているかのような,プレイヤーの立場を表現しているようだ。
試遊機でプレイしていたところ,リスに話しかけられて,「かんむりを作ってほしい」と頼まれた。そこで登場したのが折り紙。画面上で鉛筆のツールを選び,紙の上に指で線を引く。続いてハサミのツールを使うと,好きな形に切ることができた。別の色の折り紙で飾りを追加することも可能で,紙工作の要領で操作しているうちに,筆者オリジナルのかんむりが完成した。
このかんむりをリスにプレゼントすると,お礼にカメラをくれた。このカメラを使った撮影モードでは,主人公の視点で紙の世界を撮影し,その写真をTwitterやFacebookにアップロードしたりできる。つまり,ゲームを持っていない家族や友人とも,Tearawayの世界を共有できるというわけだ。
さらに,各ステージで集めた「紙のかけら」と引き換えに,カメラの新しいレンズやフィルターを入手できる。レンズは広角や望遠,アクションシーン向きなどがあり,フィルターも写真の色味を変化させるさまざまなものが用意されている。写真にこだわる楽しさも味わえるようだ。
今回の試遊バージョンは「リンゴの森」というステージをプレイできたが,難度はやや高めで,何回かミスをしてリトライする羽目になった。ただし,ミスをしても即座にプレイを再開できるほか,チェックポイントも多く用意されているため,ストレスはまったく感じなかった。独特のアートセンスに貫かれた世界を堪能するために,可能な限りストレスを感じさせないように配慮した設計となっているようだ。
Tearawayの出発点は「画面に指を登場させる」こと
セッションの最後は,James Spafford氏への合同インタビューが行われたので,本作のコンセプトやこだわり,ゲームの要素などを聞いてみた。
――本作では,主人公が“プレイヤーの分身”ではないという点が,とてもユニークだと感じました。このようなアイデアを採用したのはなぜでしょう。
Spafford氏:
主人公は,プレイヤーの力を借りないと先に進めない。この2人の面白い関係性が,ゲームの世界と現実の世界の融合につながったのです。
――主人公や紙の世界の住人たちにとって,プレイヤーはどのような存在なのでしょうか。
Spafford氏:
紙の世界のキャラクターにとって,プレイヤーの存在感は大きく,それでいて謎に満ちています。そのため,さまざまな呼び方をされます。宗教的な意味での「神様」や,世界を創った存在ではなく,不思議ではっきりとしないものとしてとらえられています。
――主人公の名前が変わっていますが,なにか由来がありますか。
Spafford氏:
ちなみに,この4文字のアルファベットですが,なんとなくPlayStationコントローラーにある4つのボタン(○△□×)に似ている気がしませんか(笑)。主人公2人の顔にも,4ボタンのようなデザインが取り入れられているんですよ。
――主人公の見た目を,いろいろとカスタマイズできるそうですが,どんな要素を変更できるのでしょうか。
Spafford氏:
主人公のキャラクターは,顔や体のパーツを変更して自由にカスタマイズが可能です。それらに使えるパーツは,鉛筆やハサミのツールで紙を好きな形に切って,プレイヤーが自由に作れるのですよ。
――試遊バージョンをプレイしていたところ,ステージ終盤で「ジャンプ」というスキルを習得しました。ほかにはどのようなスキルがありますか。
Spafford氏:
ジャンプは序盤に習得できるスキルですね。ステージを進めていくと,体を丸くして「転がる」ことができるようになります。また,「ウィンドボックス」と呼ばれるアコーディオンのような道具を使って,風を起こすこともできますよ。
――7月に,「海外での発売を1か月ほど延期する」と発表されましたね。現在の進行状況はどのような段階にあるのでしょう。
Spafford氏:
日本に来ている間にも制作はどんどん進んでいますので,帰国したときにどんな風になっているかがとても楽しみです(笑)。
「Tearaway 〜はがれた世界の大冒険〜」公式サイト
- 関連タイトル:
Tearaway 〜はがれた世界の大冒険〜
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キーワード
(c)Sony Computer Entertainment Europe. Developed by Media Molecule.
- Tearaway ~はがれた世界の大冒険~ (初回同梱特典 プロダクトコードシート 同梱)
- ビデオゲーム
- 発売日:2013/12/05
- 価格:¥4,400円(Amazon) / 3950円(Yahoo)