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[E3 2013]PS4版「Warframe」はグラフィックス,操作性ともに文句なし。これは有力なローンチタイトルになりそうだ
しかし,E3に合わせてSony Computer Entertainment Americaが実施した「PlayStation E3 2013 Press Conference」では,発表どころか簡単な紹介すらなく,詳細はどこへいったのやらという状態だった。
そんななか,E3のSCEブースに足を運んでみたところ,PS4用のプレイアブルコーナーに,しれっとWarframeが用意されているではないか。PS4版の感触を確かめるべく触ってみたので,そのレポートを,現地にいた本作のクリエイティブディレクターであるSteve Sinclair氏へのインタビューともどもお届けしてみたい。
PC版と遜色ないグラフィックス品質。タッチパッドの使い方も良い感じ
さて,PS4版を触ってみた率直な感想は,良い意味でPC版そのままといったところだ。次世代機だけあって,PC版の高いグラフィックス品質と遜色ない画面でゲームプレイが楽しめた。
むしろ,今回プレイアブルで展示されていたPS4用タイトルの中では一番目を引くような品質だと感じている。PC版をプレイしたことのある人ならばともかく,これまで家庭用ゲーム機を中心に遊んできた人からすると,なかなかにインパクトのあるゲーム画面の品質ではないだろうか。
そして特筆しておきたいのが,操作性である。ボタンの割り当ては,[R1]が近接攻撃,[L1]がしゃがみ,[R2]が射撃,[L2]がエイムと,基本的にはよくあるFPSあるいはTPS系といったところだが,ポイントとなるのは,PS4の「DUALSHOCK 4」で搭載されたタッチパッドにも,操作が割り当てられているということ。筆者が確認した限り,今回E3で展示されていたなかでタッチパッドを使うのはWarframeだけだった。
といっても,何も奇抜な操作が割り当てられているわけではない。Warframeでは,使用する強化外骨格によって,それぞれ4つの特殊な「パワー」が用意されているが,これがPC版であれば数字キーの[1〜4]で使用するところを,PS4版では上下左右のスライドで使用できるようにしてあるのだ。これの何が良いかというと,タッチパッドは右手の親指で操作できるので,左手で移動操作をやめることなく,サっとパワーを発動できるのである。全体的な操作感に,まったく不満はない。
E3出展のデモ版は3か月で移植
一通りプレイした後で,Sinclair氏にいろいろと質問してみた。PS4版の仕様や開発の経緯など,気になる部分を答えてもらえたので,最後に掲載しておこう。
4Gamer:
PlayStation E3 2013 Press Conferenceで,まったくWarframeが出てこなかったのでどうなったのかと思っていたのですが,ちゃんと触れる形で出展してあって安心しました。
ははは,ごめんなさい。がんばってE3用にいろいろと用意していたのですが,締め切りに間に合わなくて……。
4Gamer:
そういう理由だったんですね(笑)。今回展示されているプレイアブルタイトルの中で,Warframeはグラフィックス面でかなり際立った存在になっているので,発表会でまったく触れられていないのは意外に思っていました。
Sinclair氏:
ありがとうございます。実を言うと,PS4版のWarframe自体,3か月間全力で取り組んで移植したものなので,時間が厳しかったのです。
4Gamer:
え,3か月ですか? もうあれだけ動いている状態なのに?
Sinclair氏:
そうですよ。PS4版のWarframeは,SCEさんから「開発キットがあるから作らないか」とオファーをいただいて,チャレンジしてみた企画なのです。PS3の時はPCから移植するのは大変でしたが,PS4は大容量のメモリや高いグラフィックス性能がありますから,かなり簡単に移植できてしまうんです。
4Gamer:
PS4は,よく「PCからの移植が容易なハード」というお話をSCEや開発者さんから聞きますが,実際にそういったお話が出ると驚きます。
PS4版ならではの特殊な要素といったものは用意されるのでしょうか。
Sinclair氏:
今のところ決定はしていないのですが,できればPCと同じサーバーに接続する形にしたいので,公平にプレイできるよう,「PS4だけの特別なフィーチャー」は考えていません。ただ,PS4ならではのタッチパッドを使った操作ですとか,そういった面では力を入れています。
4Gamer:
先ほどプレイさせてもらいましたが,タッチパッドはうまい使い方をしていますよね。ちゃんと操作を補助してくれるような役割になっていて,なるほどと思わされました。もしあれが,例えば十字キーに割り当てられていたとしたら,操作性は低下していたでしょうし。
Sinclair氏:
よく確認してくれましたね! タッチパッドの仕様が入ったのは,実はE3の2日前なんですけど(笑)。
4Gamer:
ええ!? 本当に突貫工事で用意していたんですね……。
Sinclair氏:
フルスピードで頑張りました(笑)。
4Gamer:
PS4版のローンチは,PS4本体が発売されるタイミングになるんですか?
Sinclair氏:
その予定です。今回展示しているのはデモ版ですが,ローンチ時には現在PCでプレイできているものと同じような環境で遊べるようになります。PC版とPS4版の間で,アップデート時期にタイムラグなどが発生しないようにもしていきたいです。
4Gamer:
基本的には,PC版がそのまま遊べるような形を目指しているわけですか。PC版はありがたいことに日本語に正式対応していますが,PS4版でもそこは変わらずサポートされるのでしょうか。
Sinclair氏:
もちろんです。日本からはたくさんの人がプレイしてくれていますし,将来的にはテキストだけでなく,ボイスもローカライズしたいですね。
4Gamer:
そこまで! 以前,Warframeの登録者数は,日本がアメリカに次いで2位というお話を聞いたのですが,それは今も変わらずですか?
Sinclair氏:
ええ。日本のクランが,ゲーム中で2番目か3番目の大きさになっていたりします。それだけプレイしていただいているのですから,日本の皆さんにとって,より良い環境を整えたいのです。そもそもWarframe自体,日本のカルチャーの影響を大きく受けているゲームですし。
4Gamer:
なにせ“Tenno”ですもんね。
Sinclair氏:
Tennoもそうですし,アートディレクターが「ガイバー」(※おそらく「強殖装甲ガイバー」)の大ファンだったり,私も「メタルギア」が大好きだったりします。
あ,でも,我々が行っている日本向けの翻訳が,ちゃんと受け入れられているかは心配です。
4Gamer:
う,うーん。翻訳の意味は伝わっているのでプレイはしやすいのですが,ホームページを見るとまだちょっと違和感が……(笑)。
(※公式サイトの日本語訳も,順次アップデートされていくとのことだ)
Sinclair氏:
ははは,頑張ります(笑)。
4Gamer:
ところで,現在PC版はオープンβテストという位置づけですよね。PS4版の準備もかなり進んでいる印象ですが,いつまでβの扱いになるんですか。すでに有料サービスも始まっていますけれども。
Sinclair氏:
秋頃まではβのままだと思います。まだいろいろといじりたい部分があるので,正式サービスになるのは,そのあたりの調整が終わったらですね。課金システムは入れてありますが,βにも関わらずたくさんの人が利用してくれて,本当にありがたいです。
4Gamer:
サービス的には好調なんですか?
Sinclair氏:
ええ,おかげさまで。応援してくれている皆さんのおかげで,最初30人だった開発チームも現在は100人になり,こうしてPS4版などの新たな展開も実現できています。もちろん,今プレイしている人達に向けても,エキサイティングなコンテンツをどんどん投入していく予定です。期待していてください。
「Warframe」公式サイト
4GamerのE3 2013特設ページ
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