プレイレポート
新作オンラインアクションRPG「DARK BLOOD」のファーストインプレッションを掲載。綿密に計算されたアクション性がもたらす“バトルの楽しさ”
本作は,かつては「Karcass Online」というタイトルで開発されていた作品であり,4Gamerでもデモムービーなどを紹介したことがあった。その後,大々的なリニューアルを経て「DARK BLOOD」と改名,2011年に韓国でサービスを開始している。開発を行ったJCR Softは,アクションでは定評のある「ELSWORD」などを開発したチームから独立して作られた会社だという。
日本でのクローズドβテストを直前に控え,今回ローカライズ中のバージョンをテストプレイする機会を得た。プレイ時間は短かったのだが,とくにこだわって制作したという“アクション性”を中心に,プレイフィールを紹介していきたい。
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アクション性へのこだわりが,良好なキャラクターの操作感覚を生む
冒頭で本作を「オンラインアクションRPG」とジャンル分けしたが,正確には2Dベルトスクロールアクション風のゲームといったほうが分かりやすいかもしれない(ただし,表示自体は3D)。見下ろし型サイドビューのフィールド上で敵と戦い,経験値を稼いでレベルアップをするという,「アラド戦記」に代表されるタイプのオンラインゲームである。
操作系は,キーボードの方向キーで移動,Zキーでスキル攻撃,Xキーで一般攻撃,Cキーでジャンプ,Spaceバーでbuffの使用,数字キーでショートカットなど,2Dベルトスクロールアクションとしてはオーソドックスな仕様となっている。クエストや会話など一部の選択でマウスを使うこともできるが,基本的にはすべての行動がキーボードだけで完結できる配慮もなされている。
また,ゲーム内インタフェースにキー設定機能も内蔵しており,プレイヤーが任意のキー設定を割り当てることも可能。アクション性の高いゲームは,自分なりのキー配置で遊びたいという人もいると思うが,その点は安心していいだろう。ちなみに,まだ調整中ということだが,ゲームパッドとジョイスティックにも対応させたいとのこと。いずれはゲームパッドを持ち,寝転んでプレイすることも可能になりそうだ。
こういったゲームでのアクション性というのは非常にデリケートで,ちょっとした違和感があるだけで,プレイを続けるうちに,それがストレスに変わってしまうことがある。その点,DARK BLOODは違和感なく自キャラを動かせ,さらに「動かして楽しい」とも感じる部類のものであった。
動かして楽しいと感じる部分がどこかというと,やはり敵とのバトルである。バトルには,ド派手な範囲スキルを使って群がるモンスターを一掃するか,敵を空中へと打ち上げるスキルを使って無力化し,空中コンボをつなげて倒すかの2種類の戦闘方法があり,それぞれで違った爽快感を味わえるのが特徴といえる。
とくに注目すべきは空中コンボのほうで,効果だけでなくクールタイムまで留意してスキルを使用する順番を決めなければならず,自分なりのコンボを作るのが難しくもあり楽しくもある部分だ。長くコンボを続けようと思うと,シビアなタイミングでのスキル発動が必須となり,かなりの練習を積まなければならないだろう。実際,ゲーム内で人形相手にひたすらコンボの練習をするプレイヤーも多いとか。
DARK BLOODの世界観とプレイアブルキャラクター
DARK BLOODの世界観は「公式サイト」でも公開されているように,巨人/龍族/魔族,さらに闇の侵食といったキーワードが飛び交うダークファンタジーを背景としている。開発元のJCR Softでは,この作品のために小説家を起用しているのだとも聞いた。オンラインアクションRPGというと,ポップでかわいいキャラクターのカジュアルなタイトルが多い中,DARK BLOODでは血沸き肉踊る,骨太なストーリーが期待できそうだ。
ロードナイト |
ベルセルク |
各系統は,それぞれ2次転職でさらに2種類の職業に分かれる。
・ウォーリア
→ベルセルク
→ウォーロード
・ナイト
→ロードナイト
→パラディン
・メイジ
→ウィザード
→ウォーロック
・ハンター
→トリックスター
→スナイパー
つまり,現状では8種類の職業から自キャラを決めることになる。
トリックスター |
ウィザード |
各職業とも,スキルを習得してキャラクターの強化をしていくことになるが,スキル習得に必要なポイントは有限であり,カンストまでレベルを上げても,すべてのスキルを習得することはできない。必然的にスキルの取捨選択をプレイヤーの判断で行うことになり,スキルの習得状況によって同じ職業でも戦闘スタイルが変わってくることもあるわけだ。
冒険の舞台はインスタンスタイプのダンジョンがメイン
ちなみに,フィールドの移動はミニマップ上をクリックするだけで自動移動できるなど,バトル以外は極力プレイヤーにかかる負担を軽減させるような設計がされている。
ダンジョンは,ソロもしくはパーティ単位のインスタンスエリアとなっていて,ザコ敵を倒しながら奥のエリアへ進んでいき,ボスを倒すとクリアとなり報酬がもらえる仕組み。クエストを受けていれば,道中で敵に襲われるNPCを助けるようなシチュエーションもあるという。
敵キャラは攻撃するために自キャラに向かってくるので,敵を追いかけるよりも,向かってくる敵を迎撃するような戦いが多くなるだろうか。近づいてくる敵を打ち上げるスキルで先制し,そのまま空中コンボで撃破していくわけだが,自キャラがキビキビと動くこともあって,戦闘はなかなか楽しい。
序盤はただ敵を攻撃するだけのゴリ押しで進めることも可能だが,ダンジョンの難度が高くなるとそうもいかなくなる。強力な技を使う敵キャラが出現するのだ。ただ,強力な技を使うときは,敵キャラの色が変わったり,攻撃の着弾点にマーカーが出たりするので,これらを確認したらダッシュや緊急回避系のスキルを使って逃げるようにすればいい。この辺りはプレイヤースキルの見せどころといったところだろうか。
キャラクターが強くなると楽にダンジョンをクリアできるようになるのは当たり前だが,プレイヤーのテクニックが上がることでも,ダンジョン攻略がスムーズになるのである。
DARK BLOODの特徴の一つとして挙げられるのが,通常のダンジョンとはまったく異なる「阿修羅ダンジョン」の存在だ。
この阿修羅ダンジョンは,1日3回しか入場できないという制限のついた最上級難度を誇るダンジョンだ。各レベル帯に合わせたエリアごとに1か所ずつ用意されており,LV20後半から進入可能になる。どのくらい難度が高いかというと「クリアできなくて当たり前」な設定なのだという。
阿修羅ダンジョン内にはさまざまなギミックが存在しており,それが攻略の鍵となっている。何回も通うことで,それらのギミックをプレイヤーが覚えていく必要があるのだ。ギミックの中には,パーティメンバーがそれぞれ別の場所に設置されたトラップを破壊しにいく必要があるものもあり,各プレイヤーが存分にテクニックを発揮できるような場所にもなっている。そう,このゲームでは,パーティメンバーが1画面内にいなくても問題なく進行するのだ。
クリアが困難なダンジョンだけに,ドロップアイテムには最高クラスのレア武器が期待できる。そのため,一度クリアしてからも何度も通うことになりそうだ。
育成したキャラクターを披露する場としてPvPも重要視
また,DARK BLOODのPvPには「Tag Match」というシステムを取り入れたモードもある。こちらは,1人のプレイヤーが2体のキャラクターをTabキーで切り替えながら決闘できるシステムだ。相手の職業によってどちらのキャラクターを使うのかを決めたり,空中コンボ中にキャラクターを切り替えてコンボを継続するといった使い方が想定される。使用できるスキルが単純に2倍になるので,攻めのバリエーションが増えるのが利点だ。半面,スキルのクールタイム管理はより厳しくなるので,高いプレイヤースキルが要求されそうなモードである。
ちなみに,日本運営チームとしてはPvPを盛り上げるため,さまざまな施策を考えているという。対戦時のキャラクターのレベルや武器強化の格差をどうするのか,自動マッチングの仕組みをどうするか。さらには,DARK BLOODのサービスを行っている他国のプレイヤーとの対戦も実現したい,オフラインでの大会も行いたい,といった話も出ていた。
今回のテストプレイでは,主に自キャラの動きの確認を中心に試遊してみたのだが,個人的には満足できる挙動になっていると感じた。ほんの触りの部分をプレイしただけなので,使用できるスキルは少なかったが,マジメに「コンボを練習したい」と思えたタイトルは久しぶりだ。
ド派手な戦闘も華麗な空中コンボも自由自在。ソロでコツコツとキャラクターを育成するもよし,仲間と高難度の阿修羅ダンジョンに挑戦するもよしの懐の深いゲーム性。そんなDARK BLOODに興味を持った人は,ぜひ今後行われるクローズドβテストに参加してみてほしい。ほんの少しのプレイでも,綿密に計算されたバランスに裏付けられたアクション性を感じることができるはずだ。
「DARK BLOOD」公式サイト
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