プレイレポート
[E3 2013]政府側で行動するジョディに驚いた「BEYOND: Two Souls」プレイレポート。“もう一つの魂”ことエイデンを使ったパズル要素も体験
Quantic DreamのCOO,Guillaume de Fondaumiere氏 |
本稿では,デモの内容を踏まえつつ,実際に筆者が同一シーンを体験したうえでのインプレッションをお届けしよう。
“2つの魂”を持つ主人公,ジョディ・ホームズの人生を体験
人間には「魂」(Soul)が宿っていると言われる。「BEYOND: Two Souls」は,その魂を2つ(Two Souls)持ってしまったがために,数奇な運命を辿ることになる女主人公,ジョディ・ホームズの人生を体験するゲームである。
彼女の2つめの魂は,彼女によって「エイデン」と名付けられた「霊体」だ。このエイデンが,本作の独特なゲームメカニクスの根幹を担うことになる。
エイデンは,言葉を話すことはできないが,現実世界に物理的に――しかも強力に――干渉する能力を持っている。そしてその“力”には,彼女を守ろうとする明確な意志がある。日本語で言うなら「守護霊」といったところだろうか。
昨年のE3において,ジョディは「政府の秘密組織に負われる逃亡者」という立場として紹介されていたが(関連記事),今年のE3では,なんとジョディが「CIAのエージェントとしてソマリアを牛耳る軍事政権の将軍を暗殺する」という,衝撃的なシチュエーションのミッションが公開されている。政府に追われる身から一転,ジョディが政府側の人間として行動しているのだ。
Fondaumiere氏によれば,プレイヤーは,8歳から23歳までのジョディを操作することになるという。今回公開されたソマリアパートのジョディは,E3 2012時点で紹介されていた逃亡者であるジョディと同じ,成人後のジョディである。今回公開されたシーンは,ジョディが「逃亡者」となるキッカケに大きく関係するもであるとFondaumiere氏は語っていた。
実はジョディは,幼い頃からエイデンを操ることで対象物を物理的に操作することができた。そのため,8歳の頃に超能力少女として政府機関にスカウトされ,CIAエージェントとしての秘密訓練を受けていたのだ。今回のE3で公開されたシーンは,そのCIAエージェントとして活躍していた時代のお話というわけである。
ジョディとエイデンを切り替えてハードシチュエーションを打開
ソマリアを舞台にしたパートは,四方から銃撃を受けている状況で始まる。
ガイド役の少年兵に引き連れられながら,頭上をかすめる銃弾を避けるようにして石壁に走り寄るジョディ。まさに「Call of Duty」か「Gears of War」かといった感じのハードなシチュエーションである。
基本操作は,左スティックで移動,右スティックで視点移動という一般的なものだ。しかし,攻撃方法は少し変わっており,ガンシューティングのように敵に照準を合わせてトリガーを引くのかと言えば,実はそうではない。
視点を動かすと,ジョディの持つ銃の銃口が,銃撃をしてくる敵の方向を向き,そこで[R1]を押すように指示するガイドアイコンが画面に表示される。ガンシューティング“っぽい”操作だが,これはQTE(クイックタイムイベント)の開始操作だ。そして[R1]を押すと,ジョディの銃がダダダと火を噴き,相手は攻撃を受けて倒れた。
しかし銃撃は依然止まらない。次は石壁に隠れながら攻撃してくる敵をなんとかしなければならないようだ。敵を視界に収めても――石壁のせいで――QTEの開始ボタンは表示されず,左スティックをぐりぐり回して別の場所に移動させようにもジョディは動いてくれない。これもガンシューティングとは明らかに異なるゲームメカニクスであり,何か別な操作でこの状況を打開する必要がありそうだ。
そこで,[△]ボタンを押して今度は操作をエイデン(守護霊)へと切り換える。
エイデンの操作も左スティックが移動,右スティックが視点移動であり,ジョディと同じ。しかしエイデンのほうが,スティック操作に対して素直に反応する。霊体のため障害物などの影響受けないからだ。
そのままエイデンで,石壁越しに銃撃してくる敵の近くまで歩み寄れた。ただ,依然として敵は壁の向こうに隠れているので,その実体は見えない。
すると,今度は壁に青いドットインジケータが表示された。どうやら,エイデンがインタラクトできるものに対しては,このドットインジケータが出現するようだ。
エイデンの操作系では,[L1]を押すとドットインジケータにマークされた対象物をロックオンできる。ロックオン中は,左右スティックは移動/視点操作ではなく,ロックオンしたターゲットに対するジェスチャー入力的な操作に使用することになる。
今回の壁に隠れている敵に対しては,2つのスティックを手前に引き,弓を引き絞るようにして力を溜め,一気に放出するようなアクションをするのが正解。エイデンは現実世界に物理的に干渉できると述べたが,この操作によって壁がガラガラと崩れ,その瓦礫が壁越しに隠れていた敵を押し潰した。
これで,ジョディの行動を制限していた2か所の攻撃元を排除することに成功したわけだ。
このように本作は,ジョディをQTEが発動する状況になるまで操作したり,エイデンが物理的に干渉できるポイントを探したりしながら進めていくゲームである。本作のカメラワークは非常に映画的だが,プレイヤーキャラクターそのものを常に操作するわけではないので,アクション的な操作に支障をきたすことはない。画面の映像全体を眺めてストーリーや世界観に没入したまま,要所でQTEによるアクションが楽しめるという作りだ。
その一方で,「QTE連発タイプのゲーム」と言えなくもないので,プレイヤーの好き嫌いが分かれるかもしれない。
エイデンの特殊能力がパズル解法の鍵を握る
プレイヤーが主人公キャラクターの行動をリアルタイムで決めながら物語を進めていくというゲームシステムは,Quantic Dreamが2010年に発売したPS3用アドベンチャー「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」によく似ている。しかし「BEYOND: Two Souls」には,パズル色の強いシステムがある。
たとえばソマリアのシーンでは,暗殺対象の将軍をどうやって殺すか,というパズルがある。ジョディは,将軍のいる本拠地に接近しているものの,警備が厳しいため自ら手を下すことができない。
そんなときは,やはりエイデンを使う。
エイデンは前述した能力のほか,赤いオーラをまとった人間(敵性の人間)の呼吸を止めて殺す,さらに黄色いオーラをまとった人間(赤オーラよりも敵意の少ない人間?)に乗り移る「憑依」という能力を持っている。
将軍の近くには黄色のオーラをまとった人間がいたので,さっそく憑依して将軍に近づいてみたが,警護の人間に止められてしまった(失敗)。
エイデンが憑依した人間は,プレイヤーが自由に動かせるのだが,実は憑依された人間は白眼を剥いてしまうのだ。第三者から見れば明らかに異様だろう。そのため警護の人間に「おい,大丈夫かお前?」と小突かれて正気に戻され,エイデンの憑依が解けてしまった。
ここでの正解は,サングラスをかけた兵士に憑依することだ。これなら白眼であることを隠せるので,警護にも違和感を与えずやすやすと将軍に近づける。以降の展開はネタバレを含むので,とりあえずここまでにしておこう。
ちなみに,質疑応答で「登場する人間によってオーラの色が違うのはなぜか」という身も蓋もない質問が出ていたが,これは「パズルの都合上」というのが大きいのかもしれない。しかし,Fondaumiere氏の語る「公式設定」上は,その人間の精神状態や「心の質」によるもの……とのことだった。
Fondaumiere氏によれば,本作のゲームエンジンは,「Heavy Rain」で使用したものから一新。現在,開発が進められているPS4に向けた新作の制作過程で生まれた技術もフィードバックさせているとのことだ。PS4向け新作の過程で生まれた技術を映像化したものは「The Dark Sorcerer」として,今回のE3で公開されている(関連記事)。興味のある人はぜひチェックしてみよう。
本作のゲームグラフィックスは,顔面に多くのジオメトリ量を割き,かなり精度の高いフェイシャルアニメーション技術を適用している一方,身体や背景のジオメトリ量は少なめ。被写界深度表現などのポストエフェクトの使い方も,やや限定的な印象を受ける。「The Dark Sorcerer」からは,そういったアンバランスさは微塵も感じないので,Quantic DreamのPS4新作への期待感はいっそう高まるのであった。
Quantic Dreamの2作めにして,おそらくはPS3世代の最終作となる「BEYOND: Two Souls」。発売が今から楽しみだ。
「BEYOND: Two Souls」公式サイト
4GamerのE3 2013特設ページ
- 関連タイトル:
BEYOND: Two Souls
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(C)Sony Computer Entertainment Europe. Developed by Quantic Dream.
- BEYOND : Two Souls (初回生産限定版) (初回封入特典 追加シーン・オリジナルサウンドトラックなど豪華ダウンロードコンテンツ 同梱)
- ビデオゲーム
- 発売日:2013/10/17
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