プレイレポート
ガマニアの新作ブラウザゲーム「ラングリッサー・トライソード」テストプレイのプレイフィールを交えつつ,気になるゲームシステムを紹介
細かに設定されたタイムスケジュールのもと,参加したテスターは負荷テストをメインにさまざまなデバッグテストを行い,その結果は今後行われるβテストなどに反映される予定だ。
今回は,デバッグテストに参加した際のプレイフィールを交えつつ,ラングリッサー・トライソードというタイトルのゲーム内容をお伝えしていきたい。また,運営チームから聞くことのできた情報もあわせて掲載しているので,「ラングリッサー」ブランドのファンをはじめ,本作に興味のある人はじっくりと読んでみてほしい。
オーソドックスさの中に独自のルールを加味したゲームシステム
ゲーム内容に関しては,施設を増築しながら資源と傭兵を増やし,指揮官(英雄)を強化して戦争(PvP)に挑むという,ブラウザゲームとしては見慣れたタイプの戦略シミュレーションゲームといえる。慣れた人なら,チュートリアルを読まなくともプレイできるほどの取っつきやすさだ。
ゲームシステムの根っこはオーソドックスで分かりやすいものだが,決して古臭い印象は受けない。根っこの上の,幹の部分に当たるオリジナルのルールやシステムは「よく練られているな」と感じさせる部分もあり,ほかのブラウザゲームを相当研究して開発しているふしがある。
ゲームの基本サイクルを細かく解説。省けるところはシンプルに
ゲーム内容について,「本拠地の施設強化」「指揮官育成」「生産」「戦闘」の基本のサイクルをより詳しく解説していこう。
本拠地の発展状況をビジュアルで確認できないと寂しく感じる人もいるかもしれないが,必要な施設は一通り揃っているので不便には感じないし,楽でいいと思えるほど。開発/運営側としては,メインとなる指揮官育成と戦闘の部分に集中できるように,ほかの部分でプレイヤーに掛かる負担を減らす目的で本拠地の強化システムを思い切り簡略化したのだという。
次に指揮官育成についてだが,先に「一般雇用」と「英雄召喚」という2種類の指揮官の雇用方法から解説しよう。
「一般雇用」は,毎日0:00に自分の本拠地に訪れる3名の英雄の中から,クエストなどで入手できる一般的なゲーム内マネー“GOLD”を払って雇用する方法。お手軽ではあるが,雇える英雄のレア度や能力は低めだ。
「英雄召喚」で召喚される英雄は,強力である場合が多いが,後述の戦争で活躍することで入手できる“RING”などの特殊なアイテムが必要となる。ラングリッサーシリーズに登場した有名な英雄など,レア度の高い英雄が入手できることもある。
雇用した英雄は領主であるプレイヤーの配下となり,傭兵を率いる指揮官として活躍する。
なお,実際の戦闘では,軍団は最大5人の指揮官を配備した“レギオン”(軍団)という単位で動くことになる。施設レベルに応じて複数のレギオンを保有できるようになるので,レアな英雄を集めて強力なレギオンを作ったり,クエストや戦争などに特化したものを作ったりと,自分好みの軍団を作れることも本作の魅力の一つとなっている。
指揮官のクラスについては一次職で6種類。ラングリッサーシリーズの特徴というべきクラス間の相性は,戦闘の勝敗を分ける重要な要素となっているので,レギオン編制の際はクラスのバランスを考えることが重要だ。
・ファイター(戦士系クラス)
剣や斧を使った直接攻撃を得意としたクラス。数多くの攻撃スキルを習得できるアタッカー。
・ナイト(騎士系クラス)
高い防御力を誇るクラス。槍による間接攻撃が使いやすいが,移動力は低く,地形の影響を受けやすいのが特徴。
・ハンター(狩人系クラス)
弓による遠距離攻撃が持ち味で,移動力と地形適応能力が高い。回避能力はあるが攻撃を受けると脆い。
・ヒーラー(僧侶系クラス)
白魔術による回復魔法と防御魔法で仲間をサポート。攻撃能力は低いが,それなりの防御力を備えている。
・キャスター(魔術師クラス)
火/水/風の3属性の攻撃魔法を習得可能なため,相手の弱点を的確に狙い大ダメージを与えることができる。ただし,本作では保有MPはかなり厳しい設定となっているため,MPの残量には常に注意が必要。
・タクティシャン(軍師系クラス)
レギオンでの戦闘に特化したクラスで指揮能力が高く,種別の異なる傭兵を同時に率いることも可能。その半面,ほかのクラスに比べて自身の戦闘力は著しく低い。
クエストについては,数多くの敵と戦う育成クエスト,合成素材などの収集クエスト,物語性のあるシナリオクエストなどが用意されているので,目的や指揮官の成長具合によって好きなものを選択して受ければいい。
各クエストは後述のタクティカルバトルによって敵モンスターと戦うことになる。ただし,指揮官には行動力ともいうべきAP(アクションポイント)という数値が設定されていて,戦闘を行うたびにこのAPが減少していく。APは時間の経過で回復していくが,それでも1人の指揮官だけで延々とクエストをクリアすることはできない仕様となっている。
学院という施設を使うと,指揮官にスキルや魔法を習得させることができる。クラスによって習得できる能力はさまざまで,より強力な能力を習得させるには,それなりのレベルと特殊なアイテムが必要。クエストでレベルを上げ,アイテムやGOLDを集め,武具を揃えつつスキルや魔法を習得していく……。これが指揮官育成の基本サイクルとなる。
また不要な指揮官は“結晶化”することができる。結晶化を行った指揮官は消えてしまうが,代わりにほかの指揮官のステータスをアップさせる“結晶アイテム”が入手できるので,やり込みによって指揮官の能力を底上げできる。
施設のレベルアップや傭兵の雇用で使う資源は,「生産」によって生み出す。この生産システムも本拠地の施設強化同様にシンプルで,生産画面にあるマス内に生産カードを配置するだけ。資源は鉱石/騎馬/堅樹/魔晶石の4種類あり,カードの種類によって生産できる資源の種類や量が決まっている。カードを配置できるマスの数は限られているので,戦略に合わせて配置するカードの種類や枚数を常に変えていこう。
育成した指揮官の活躍の場となる2種類の戦闘システムを解説
ラングリッサー・トライソードの戦闘は,クエストなどで行うPvE用のタクティカルバトルと,戦争で行う間接的なPvP用のレギオンバトルの2種類が用意されている。
人選の妙と戦術のうまさがあれば,強敵相手でも十分に戦っていけるので,腰を据えてプレイしたい人にはたまらない戦闘となるだろう。
もちろん,あまり時間をかけたくない,戦術を練るのは面倒と思う人向けに自動戦闘も完備されている。自動戦闘は合成素材を狙ったり,弱めの敵と何度も戦うような場面でも役に立つはずだ。
レギオンバトルは主に戦争時に発生する,間接的なPvP型の戦闘システムだ。ゲームを開始するときに選んだ,ルミナリア王国(光)/タケガミ(闇)/ラスヴェート帝国(帝国)の三勢力は拠点を巡って戦争状態であり,プレイヤーは敵拠点を攻撃もしくは味方拠点を防衛という形で戦争に参加できるのだ。
傭兵は歩兵/騎兵/弓兵,さらにそれらの上位兵のほか,森林兵や水兵といった特定の地形に特化した兵士も存在する。歩兵は弓兵に強い,といった傭兵同士の相性のほか,地形による相性もあって,どの兵科を選べばいいのかは非常に悩ましい。
デバッグテスト時はテスト用に大量に資源が用意されていたが,今後のテストでは資源量も抑えられると思われるので,限られた資源でどの傭兵を雇うのか,資源をどう遣り繰りして戦争で活躍するのか,といった点はプレイヤーの腕の見せどころとなるだろう。
レベルの高い敵ほど得られる報酬も多くなるので,できるだけ傭兵の相性がいい相手を探すのがポイントだ。
レギオンバトルで防衛を行うときは,自国の防衛拠点にレギオンを配置すればいい。配置した防衛用レギオンはログアウト中でも自動的に他国の攻撃を迎撃し,戦争の貢献度を表す“戦略ポイント”を稼いでくれる。ただし,傭兵は戦闘を行うたびに減っていき,負傷した指揮官は自動的に撤退してしまう点には注意しよう。
ラングリッサー・トライソードの特徴として,“女神の刻”と“龍の刻”の存在がある。時間の経過でこの2つの刻は入れ替わり,戦争は龍の刻の開始と共に始まり,女神の刻になると終結する。女神の刻に指揮官を育成し,龍の刻で行われる戦争で指揮官の力を試す,といったところだろうか。龍の刻でもクエストなどは行えるので,力不足であると感じたら,戦争に参加せずに指揮官の育成に励んでもかまわない。
指揮官を育成し戦争へ参加する。面白さのツボはここに集約されている
指揮官育成と戦争,この二つにラングリッサー・トライソードの楽しさが集約されている。
ラングリッサーらしいシビアなタクティカルバトルで指揮官を育て,GOLDや素材を集めて装備品やスキルを充実させる。クエストはアップデートによって随時追加されるそうなので,戦争をまったく行わないプレイでも十分楽しめそうだ。
戦争パートは,育成した指揮官達の力をアピールできる絶好の機会となる。戦い自体は個人によるところが大きいが,国家レベルの戦略を考えると,同国のプレイヤーと情報を交換し協力して戦っていくことが必要だろう。
戦争については,PvPの楽しさだけに留まらず,活躍することで入手できる褒賞も魅力的だ。英雄召喚に必要となるRINGは,主に戦争で入手できるのだ。戦争で活躍してRINGを入手し,より強力な英雄を指揮官として雇う。そして新しく自分の配下になった指揮官を育成していく。こうして自軍を少しずつ強くしていく感覚が抜群に面白い。
なお,ラングリッサー・トライソードは一定期間でサーバーをリセットする方式を取るとのこと。各国の拠点や本拠地の発展状況などはリセットされるが,育成した指揮官は強化した状態で引き継がれる予定だ。新サーバーを建て,合併しながらプレイヤーを流動的に入れ替える運営方針が予想されるので,いつゲームに参加しても問題ないだろう。しかし,指揮官の育成面を考えると,できるだけ早い段階で参入したほうが有利なのは間違いない。本作に興味を持った人は,ぜひこれから始まるβテストに参加してみてもらいたい。
ラングリッサー・トライソード運営チームへインタビュー
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずはテスターの反応から聞かせてください。
運営チーム:
弊社は数多くのブラウザゲームを手がけていますが,ラングリッサー・トライソードは事前のタイトル発表の時点ですでに反響が大きかったタイトルです。デバッグテストの応募者数に関しても,当社のブラウザゲームでは一番多かったですね。“ラングリッサー”というタイトルの力もあると思いますが,多くの人に期待されているタイトルなんだなと実感いたしました。ガマニアでは10を超えるブラウザゲームを扱っていますので,ガマニアポータルにブラウザゲーム好きなプレイヤーが集まってきているのではないか,とも感じています。
ゲームシステムに関しても,テスターの皆様からは「やり応えがある」とおおむね高評価を得ています。
4Gamer:
プレイヤーは三国から自国を選ぶ方式となっていますが,デバッグテスト時のプレイヤー分布はどうなっていましたか。
運営チーム:
ラスヴェート帝国が一番人気で,続いて僅差でルミナリア王国が2位,タケガミが若干ではありますが,人数が少なかったです。比率で見ると,帝国1:王国1:タケガミ0.7といったところでしょうか。
4Gamer:
デバッグテストの成果はありましたか。
運営チーム:
デバッグテストは,主に負荷テストがメインとなっていました。あえて重い負荷を掛け,問題が起こるかを試しましたが,とくに大きな問題はありませんでした。
ただ,すべてが問題なしかというとそうではなく,Flash特有の問題ですとか,リッチな画像を使うため通信の重さなどの問題はありましたので,次回のテスト開始前に修正いたします。
4Gamer:
実際にプレイしてみて,よく練られたシステムだと思いましたが,戦争のバランス面に問題ありかなととも感じました。
運営チーム:
戦争のバランスに関しては,やはり修正の余地ありかなと。具体的には,攻撃側が相当有利なバランスになってしまっています。元々,攻撃側が若干有利なようにして,戦局が動きやすいようにしようとは考えていました。ですが,攻撃側の有利さが想定以上でしたので,マッチングの方法やレベル差の補正のバランスなどを熟考して修正する予定です。
また,デバッグテストでは戦争を多くの人に体験してもらうため,資源はほぼ無限な状態にしていました。この資源バランスも精査したうえで次のβテストを行います。
4Gamer:
タクティカルバトルとレギオンバトル,2つの戦闘方式が混在していましたが,やや複雑ではないかとも思いました。
運営チーム:
テスターの皆様から,レギオンを編制するユーザーインタフェースが分かりにくいという意見をいただています。メインのユーザーインタフェースを含めて,正式サービスまでには分かりやすさを重視した修正を行う方針です。
4Gamer:
タイトル画面にメサイヤのロゴマークが入っていましたが?
運営チーム:
ラングリッサーファンの皆様にアピールする目的,ゲーム内容とは別のプロモーションに属する話にはなるのですが,以前のラングリッサーを知るプレイヤーの皆様が,思わずニヤリとできるような展開も考えています。メサイヤのロゴについても,知っている人には気にかけてもらえるのかなと(笑)。原作キャラクターもゲーム序盤から利用可能ですので,ラングリッサーファンの方にはぜひプレイしていただきたいですね。
ちなみに,正式サービス以降もラングリッサーの関連キャラクター達は増えていきますのでお楽しみに。また,ゲームを開始すると最初に女神からいろいろと質問をされます。今後はこの質問に対する答えによって,誰になるかは分かりませんが,ラングリッサーキャラを必ず1人仲間にすることができるようになります。
キャラクターの立ち絵が動いているのを見たときはビックリしました。個人的にはラングリッサーといえば“お色気”も外せないポイントかなと思うのですが。
運営チーム:
一部のキャラクターだけにはなるのですが,クリックイベントを仕込んだFlashアニメキャラクターを用意しています。デバッグテストだと,お姉さん系キャラが,胸元を含めて動いていたと思います。この辺りはガマニアの社風としてもキャラクターの魅力は充実させていきたいかなと(笑)。このFlashアニメ対応キャラクターに関しては,デバッグテストに参加されたプレイヤーの皆様からも問い合わせ殺到といった感じでした。
4Gamer:
そんなレアなキャラクターを入手するには,RINGが必要になると思いますが,このRINGは課金で補充できるようになるのでしょうか。
運営チーム:
RINGに関しては,原則として戦争で活躍することで入手できるものです。ですので,英雄召喚を行うには戦争を頑張ってもらうしかありません。課金ガチャも別途用意する予定ですが,無課金であってもRINGを使えば課金ガチャと同等のレベルの英雄を手に入れることができます。
また,別のブラウザゲームだと課金ガチャで入手した英雄をリサイクルしてRINGへ,といったことができるものもありますが,ラングリッサー・トライソードではそういったシステムは導入しない予定です。
4Gamer:
女神の刻と龍の刻,戦争期間と休戦期間とも言い替えられるシステムについて,テスターの反応はいかがでしたか。
デバッグテスト時は女神の刻と龍の刻を1日間隔で入れ替えていました。テスターの皆様からは,この期間が長い,短いと両極端な意見をいただいています。デバッグテストでは資源が多く,傭兵を無制限に出せるような状況でしたが,今後のβテスト以降は3日間隔で2つの刻を入れ替えていくスケジュールとなります。傭兵の雇用がかなりシビアになると思ってください。女神の刻でいかに資源を捻出し,龍の刻で限られた傭兵を使っていかに戦略ポイントを稼ぐのか。この辺りが当タイトルの面白さにもつながってくると思います。
4Gamer:
デバッグテストでは上級の傭兵しか使わない感じでしたが,下級の傭兵も使い道が出てくるんですね。
運営チーム:
下級傭兵はコスト効率がよく,上級傭兵は逆に悪くなります。また戦場の広さによって参加可能な傭兵数は異なります。戦争では傭兵の数がかなり重要となりますので,低資源で雇える下級傭兵も使い方次第で大いに活躍してくれると思います。
4Gamer:
戦争で行うレギオンバトルは,VSボタンを押すと結果が表示されるシンプルなものです。何度も連続で行う戦闘ですので,シンプルなのはまったく問題ないのですが,どうして勝ったのか,またどうして負けたのかが分かりにくいと感じました。
運営チーム:
勝敗の理由が分かりにくい点については,テスターの皆様からも意見をいただいていますので修正する予定です。現状でも戦闘後にリザルトレポートという形で詳細を確認できますが,さらに国主からのアドバイスを追加してフォローする形を検討しています。修正箇所が多くてサービスに間に合うか微妙ではありますが,最善の努力はいたします。何で自分は負けたのか,そしてその先にある,ではどういった部分を強化していけば勝てるようになるのか。プレイヤーの皆様にこの辺りを理解してもらうため,もう少し情報の開示も必要なのかなと。
建築の部分をシンプルにしたこともそうですが,推していきたい戦争,レギオンバトルの部分を,より分かりやすく,何が面白いのかを明確にしていく方向性で今後も開発と協議を重ねていきます。
4Gamer:
戦争はラングリッサー・トライソードのコアともいえるコンテンツになると思いますので,分かりやすく,また末永く遊べるものを期待しています。本日はありがとうございました。
「ラングリッサー・トライソード」公式サイト
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