プレイレポート
「The Elder Scrolls Online」プレイレポート。多人数プレイで増幅されるファンタジー世界のリアリティ
かねてよりアナウンスされていた通り,オンライン機能を使ったMMORPGとなったESOは,過去のシリーズ作の伝統と格式を受け継ぎつつも,オンラインゲームならではのプレイヤー間の協力プレイなどを楽しめるタイトルだ。
基本的なゲームシステムについては,こちらを参照してもらうとして,ここでは,1月31日から行われたオンラインプレビューセッションへ参加して得たプレイフィールを,序盤のゲームの流れに沿って紹介していきたい。
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囚われの身から始まる伝統の導入部分。スタート時のワクワク感はあいかわらずだ
ゲームで最初に行うのは,キャラクタークリエイトだ。こちらで詳しく解説しているのでここでは割愛して,今回はDark ElfのTemplarを作成してすぐさま冒険へ。ちなみに,Dark Elfは個人的にルックスが好きで,Templarは攻撃も回復魔法も使える万能勇者っぽくて,短いテスト時間の中でいろいろ試せそうだという理由から選択した。
実際にゲーム内に入ると,どうやらプレイヤーキャラクターは,牢屋に入れられた状態のようだ。思えば「The Elder Scrolls IV: Oblivion」も「The Elder Scrolls V: Skyrim」も同じような状況からのスタートだった。当然,装備は囚人服と自分の拳のみ。といっても,少し先に進むと自分の好きな系統の武器を一つだけ入手することはできる。ESOでは,どの職業がどの武器を使ってもかまわない。今回はあまりTemplarぽくないかもしれないが,片手剣と盾のセットを選択した。
冒頭はチュートリアルも兼ねていて,操作方法を学びつつ,投獄されていた場所から逃げ出すことになる。ここでは敵との戦闘も行われるが,基本的に弱めの敵との一対一の勝負になるので,操作感を確かめながら敵を殴ればそう負けることはないだろう。
一本道の通路を抜けると,広めのフィールドへ突入し,ここからはオブジェクトを操作したり,NPCと話したりしながら先へ進むことになる。マップを開くと次に行くべき場所がマーキングされているので,とくに迷うことはない。
そして,初期フィールドの最後に待つボスモンスターAnchor Guardianを倒せば,The Elder Scrollsシリーズの代名詞ともいえる広大なオープンフィールドへと降り立つことができる。
町や村を拠点にフィールドを探索しながらクエストに挑戦。クエストでは強力なボスが出現することも
新米冒険者のDark Elfが降り立ったのは,Bleakrock Villageという小さい村だった。小さいといっても,商店をはじめとする各種施設は完備されているので,冒険の拠点としては申し分ない。初期エリアは陣営ごとに異なっており,Dark Elfが属するThe Ebon Heart Pactは一つの地域に集まっており,火山地帯付近の雪国から始まる。
村を一通り歩き回ってみたが,ESOでは他人のものを“盗む”ことにペナルティはないようだ。畑の作物を採取したら私有地で衛兵に追いかけられる……なんてことは起きないので,フィールドでも家の中でも思う存分アイテムを集めるといい。また,NPC個人の家の鍵を開けて忍び込むことも,町にいるNPCを斬り付けることもできなくなっている。過去作で,悪人プレイを楽しんでいた人にはちょっぴり残念なお知らせだ。
村にいるNPCと一通り会話し,ついでにクエストも受けたところで村の外へ。手っ取り早く盗賊でも倒して装備を充実させようと思ったわけだが,出てくるのは狼ばかり。それでも皮系素材だけでなく回復ポーションなどは落とすので,採取をしながら倒しまくる。
ESOでは,アイテムに“重さ”の概念はなく,インベントリの許容数(初期値50スロット)だけアイテムを持ち歩ける。盗賊どもからできるだけ多くのアイテムを回収しようと,裸に武器だけ持って狩りに出かけた日々は,もはや懐かしい思い出だ。生産素材やポーション類はスタックできるので,比較的インベントリには余裕がある。ただ,ポーション類は品質が違うと同じアイテムでもスタックできなくなってしまうことに注意。
さて,野外の探索にも慣れてきたところで,クエストに挑戦することにする。マップのマーカーを追っていくと,スケルトン系のモンスターが蔓延る砦のような場所にたどり着いた。この砦では複数の敵が接近している配置されているケースがあり,遠隔攻撃で一匹ずつおびき出して倒したいところだが,多くの場合,近くの敵すべてが反応してしまう。つまり,一対多の戦いを余儀なくされてしまうのだ。
近接攻撃タイプの敵ばかりなら,範囲攻撃ができるスキルを多用して一網打尽にすることも可能だが,盾を持った敵の後ろから弓で援護されることもあって,ザコ敵といえどもなかなか手強い。近接タイプの攻撃は,攻撃範囲の外に逃げたりできるが,遠隔タイプの攻撃は,逃げても移動しながら攻撃されてダメージを受けてしまう。いざというとき走って逃げることを考えると,遠隔タイプの敵を先に倒したほうがよさそうだ。
バトルは,通常攻撃とガード,それにアクティブアビリティを駆使して戦う。アクティブアビリティにはクールタイムはなく,攻撃モーションが終わればすぐさま同じアビリティを使うことも可能だ。しかし,物理系アビリティはStamina(スタミナ),魔法系アビリティはMagicka(マジカ)を消費するため,無制限に使い続けるわけにはいかない。とくにスタミナはガードや回避といった防御系の動作でも消費するものなので,残量を管理しながら戦う必要があるだろう。
アクティブアビリティの選択については,Skill Pointが限られていることとショートカットに5つしか入れられないこともあって,十分に吟味して習得したい。また,アクティブアビリティを使い続けるとレベルが上がって強力になるが,進化後のレベルアップにはかなりの経験値が必要になる。物理系と魔法系で一つずつ使いやすいアビリティを選び,それを優先的に使い続けたほうがよさそうだ。
クエストを追っていくと,随所でボスモンスターとのバトルが勃発する。スケルトンの砦では,祭壇のような場所を調べると,魔法を使ってくる強力なスケルトンが出現した。このときは,たまたま別のプレイヤーキャラクターがいて,とくに声を掛けるでもなく,協力してボスモンスターを撃破できた。思わぬ出会いと,その場のノリで協力プレイができるのはオンラインゲームの面白いところでもある。
イベントなどで一部インスタンスエリアに侵入することもあるが,基本的には誰でも入れるコモンエリアとなっている。どうしても敵が強くてクエストがクリアできないという場合は,仲間とグループ(パーティ)を組んでチャレンジするのがベストだ。
MMORPGということで,一般フィールドでPK行為ができるのか気になる人もいるだろう。初期段階のフィールドは,同じALLIANCEに所属するプレイヤーが集まっていることもあってか,PK行為は行えなかった。一般フィールドはあくまで協力して探索するためのもので,対戦プレイがしたい人は,独立したコンテンツであるAlliance War(同盟戦争)などを活用することになりそうだ。
メインクエストを進めると行動範囲が広がる。ドラマティックなクエストも多い
一仕事終えてクエストの報告へ村へ戻ると,報酬として経験値やゴールド,ときにはアイテムなども受け取ることができる。サブクエストも含め,クエストは相当数用意されているので,まずはクエストを一つずつクリアしながら,キャラクターのレベル上げと装備の充実を図るといいだろう。
なお,メインクエストを進めていくと,自然と行動できる範囲が広がっていく設計になっている。拠点にしている村が襲撃され,村人を守りながら戦う……といったドラマティックな展開も多く,逆にただテキストを読むだけの単純なクエストは少ない印象だ。
キャラクターのレベル上げは,クエストとザコ狩り,どちらでも問題なさそうだ。クエストだけを進めていくと,レベル10を超えたくらいで戦力不足で先に進めなくなると思われるので,ザコ狩りを交えたレベルを上げが必要になってくるだろう。
サブクエストはフィールド内の各所に足を運ぶことになるため,同時に素材系のアイテムを集めやすく,ザコ狩りはアビリティの経験値を稼ぎやすいという利点がある。状況に応じてレベル上げの手段を選択しよう。
ゲーム内マネーの運用に関しては,ややシビアなバランスになっていると感じた。武具の修理費で出費がかさみ,ポーションなどの消耗品の店売り価格も高めに設定されている。逆にクエストで入手できるゴールドや敵から奪った装備品の店売り価格は比較的安い。お金を貯めようと思ったら,ザコ敵との戦いは使い捨ての廉価な武器を使ったり,普段からポーション類を備蓄しておくなど,細かいところでプレイヤー自身が考えていかなければならないだろう。もちろん,普通に戦闘しているだけなのに宿屋に泊まるお金も貯まらない,なんて理不尽さはないので安心してほしい。もっとも,ステータスは自動回復なので宿屋に泊まる必要はないのだが(宿屋は存在する)。
シリーズ作として見ると自由度は低下したが,MMORPGとしては抜群の完成度
リアルさの追求というビジョンで統一されたESOの世界は,The Elder ScrollsシリーズやMMORPG経験者にとって,遊び心に溢れ刺激的な世界になるだろう。問題があるとすれば,2014年4月4日発売のPC/Macintosh版は,日本語に対応していないことだろうか。シリーズ経験者であれば,システムは感覚で分かる部分もあるが,世界観を理解しようとすると,それなりの英語力が必要になるのだ。後発のコンシューマ版がどうなるのかにも注目したい。
また,OblivionやSkyrimがヒットした一因になっている「Mod」への対応も気になるところだ。公式のものならば,全プレイヤーが適応することになるので問題ないだろうが,オンラインゲームなので,個人レベルで細かくカスタマイズするのは無理があるだろう。従来のタイトルだと,有志による日本語化MODなども存在したが,オンラインゲームだとチートツールとの区別は困難だ。
と,愛好家の多いThe Elder Scrollsシリーズ最新作ということで,多くのことを求めたくなってしまうが,MMORPGとしての完成度はかなり高い。伝統ともいえる無数に用意されたサブクエストだけでなく,パーティを組んでインスタンスエリアに挑む「Dungeons(ダンジョン)」や,迫りくる敵(デイドラ)を仲間とともに撃退するイベント「Dark Anchors(ダークアンカー)」といった,新しいコンテンツも用意されていてボリューム満点だ。
発売までまだまだ情報を提供していく予定なので,興味がある人は今後の発表にも注目してもらいたい。
※βテストなのでゲーム内容は変更されることがあります
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