AMD，「クライシス3」がRadeon HD 7000シリーズに最適化と発表

　AMDが実施している，ゲーム開発支援の取り組み「Gaming Evolved」。その成果の一つに，「クライシス 3」が加わった。AMDは2月22日，同社とCrytekの協業により，北米市場で19日に発売されたクライシス 3が，GCNアーキテクチャのGPU（Radeon HD 7000シリーズ）に最適化されたとの声明を発表した。

　Gaming Evolvedプログラムについては，こちらの記事で説明しているが，簡単に言えばゲームデベロッパが開発中のゲームを，Radeonシリーズに対して最適化してくれるように開発支援を提供するプログラムである。

　AMDの発表文によれば，同社グラフィックス担当バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャーであるMatt Skynner（マット・スキナー）氏は，こう述べている。

「『Crysis 3』はAMD Radeonグラフィックス向けに最適化され，次世代の優れたビジュアル体験をもたらします。Crytekとの協業を通じて，『Crysis 3』のコードパスによる堅牢なAMD GCNアーキテクチャーを発揮しています。当社はゲームファンに最高のゲーム体験を提供することを目標に掲げていましたが，『Gaming Evolved』プログラムを通じて，これを達成することができました」

　また，Crytek社長兼CEOのCevat Yerli（セバット・イェルリ）氏も，Radeonへの最適化について以下のように述べている。

「ハイパーリアルな体験を提供するために，『Crysis 3』ほどグラフィックス・プロセッサーにこだわったPCゲームは他にないでしょう。AMD Radeonグラフィックスを採用したことにより，ゲーマーはどのような設定でも『Crysis 3』の鮮明な映像を体験することができます。『Crysis 3』の発売は，AMDおよび『Gaming Evolved』プログラムとの協業関係の始まりにすぎず，今後のCryEngineのゲームタイトル開発に大いに貢献してくれるでしょう。さらに，AMDとCrytekの提携は，今後のPCゲーム産業の概念を大きく変えていくことになるでしょう」

　クライシス 3では，GCNに対する最適化がどのような効果を発揮しているのかは記載されていないが，Gaming Evolvedの成果により，RadeonとGeForceでパフォーマンスに大きな差がつく「DiRT Showdown」のような例もある。Radeonによるクライシス 3のパフォーマンス向上には期待できそうだ。

　クライシス 3の日本での発売は3月7日の予定だが，AMDでは今後，日本市場向けにもクライシス 3のプロモーションを計画しているとのことだ。なお，米国では，Radeon HD 7900シリーズのグラフィックスカード製品に，クライシス 3が無料で手に入るクーポンが付属するといったプロモーションが実施されている。