インタビュー
「ガン・ブラッド・デイズ」のインタビューを掲載。ゲーム初心者をわずか数日で“良く訓練された兵士”に変貌させる“芝村ブートキャンプ”的ブラウザゲームに注目
本作は,2025年に発生した架空の“日本内戦”を描いた戦略シミュレーションゲームで,日本解放戦線,オルトロス,セイバーの3陣営による戦いが展開する。世界観設定/シナリオを,「ガンパレード・マーチ」などで知られるゲームクリエイター 芝村裕吏氏が担当しており,キャラクターデザインにイラストレーターのkyo氏や緒方剛志氏,漫画家の広江礼威氏などが起用されていることでも注目を集めている。
クローズドβテストを経て,ついにオープンβテストがスタートする本作だが,今回4Gamerは,芝村氏をはじめとする運営/開発スタッフの面々にインタビューをする機会に恵まれた。本稿では,その模様をお届けしていこう。
「ガン・ブラッド・デイズ」公式サイト
ちなみに芝村氏は,今年2月に星海社から初の書き下ろし長編小説「マージナル・オペレーション 01」を発売しており,4Gamerでもインタビューを掲載している。本作と直接の関係は“まだ”ないが,あわせてチェックすれば,より深くクリエイターとしての芝村氏を理解できるはずだ。
芝村裕吏氏の手で料理される“日本内戦”
4Gamer:
まずは自己紹介も兼ねて,「ガン・ブラッド・デイズ」における各々の役割について,あらためて教えていただければと思います。
私はプロジェクト全体の統括をしております。それこそ雑用から人員の調整までぜんぶを含めて。
芝村裕吏氏(以下,芝村氏):
スタッフリストに“企画”とは書かれていますが,実際には色々なことをやっています。設定を作ったり,小説やテキストメッセージを書いたりという感じですね。あとは,ゲームの中身に関するアイデアを出して反映してもらうこともあります。
杉山智則氏(以下,杉山氏):
私は開発全般……肩書きで言うならディレクターです。現場のディレクターは別にいるのですが,私は開発側を統括するディレクターという立ち位置ですね。
上町裕介氏(以下,上町氏):
私は,プロモーション全般とイラスト関連のディレクションを担当しております。ノベライズでは原案という形で,芝村さんと一緒に世界観の構築などに携わりました。イラストレーターさんのキャスティングやイラストの制作進行などは,主に私が管理しています。
4Gamer:
分かりました。では,「ガン・ブラッド・デイズ」開発に至るまでの経緯についてお聞かせください。
小野木氏:
弊社はソーシャルゲームを色々と作っているのですが,オンラインゲーム部としても,そろそろ新作を出したいという話が1年くらい前に持ち上がりまして。そこで開発期間や市場動向などを考えたうえで,ブラウザゲームにしようという話になりました。最近はブラウザゲームでも,色々なことができるようになりましたからね。
4Gamer:
本作の目玉である“日本内戦”というコンセプトは,企画の立ち上がりからあったのでしょうか?
小野木氏:
47都道府県を奪い合うというネタは以前から用意してあり,そこから「ガン・ブラッド・デイズ」の原型が生まれました。ただ,それだけでは引きつけるものが足りませんし,何か外的なフックが欲しいですよね。そこで,芝村さんというクリエイターにスポットが当たったんです。
企画立ち上げの時点から,ゲームと連動して小説を出すというアイデアを考えていました。ゲームのシナリオと小説の両方が書ける方と言えば,世界中を探しても芝村さんかトム・クランシーくらいしかいないかなということで(笑)。
4Gamer:
トム・クランシーか芝村さんか……とはうまいことを言いますね(笑)。でも確かに,コンセプトを考えると芝村さんが適任のように思えます。
上町氏:
とくに軍事SF物に関しては,日本でも第一人者と言える方ですからね。小説を出すということになって色々な出版社さんとお話したんですが,その時にも編集者達が口々に「芝村さんが書いてくれればいいのに」と言っていたんですよ。
芝村氏:
実は,最初に「ガン・ブラッド・デイズ」の話を聞いたのは,某出版社さんと打ち合わせをしている時だったんです。そこの編集者に,「こんな話をいただいたんですけど,芝村さんのこと推しておきましたよ!」って言われまして(笑)。
4Gamer:
なるほど。色々な出版社と話した……という部分がそこにつながったんですね。
芝村氏:
それから1か月くらい音沙汰がなくて,「あの野郎フカしやがったな!」とか思っているところに,メディアワークスさんからお話がきたんです(笑)。
4Gamer:
その時点から,小説の担当も芝村さんに決まっていたのですか?
芝村氏:
いえ,最初は「設定だけ書いてくれればいい」と言われていました。だから気楽にやってたんですが,あとから「いやぁ,小説家のアテがなくて……お願いできます?」と(笑)。
4Gamer:
完璧に計画的犯行ですね……。
まさに最初から計画されていたかのごとく話が降ってきましたね。小説家に渡すための設定をしっかり作っていたのに,結局自分で書くハメになるとは……。だったらこんな細かく設定を書き出す必要はなかったわ! 酷いのはそれから3か月くらい経ってから,「実は最初から書いてもらおうと思ってたんだけど,一度に頼むのも悪いと思って……」なんて言われて,「この野郎ォ!」ってなりましたよ!(笑)。
一同:(笑)
4Gamer:
しかし,日本内戦というテーマは,芝村さんが開発に入ると決まってから出てきたものだと思っていました。
芝村氏:
むしろテーマが日本内戦だったから選ばれたみたいな(笑)。
4Gamer:
ですよね。日本が戦場になると言えば芝村さんですよね。
芝村氏:
日本で戦争が起こりうるならば,どういった必然性が必要なのか……という部分はしっかり描いていきたいですね。それによって,プレイヤーが必ずしも良い気分にはならないと思うんですが,「ありえるかもしれないシミュレーション」としての面白さはあるはずです。細かい政治周りの部分に関しては小説でちゃんと書いていますので,そういった部分を深く理解したい人は小説を読んでください!
4Gamer:
政治周り……ちょっと気になりますねぇ。
なら,ちょっとだけお話しましょうか。まず,それまで日本の政権を取っていた政党を叩いていた対抗政党が,新しく政権を握ります……が,その結果は大失敗。国民の怒りは激しくなり,次にもっと過激な政党を選んでしまいます。しかし過激な政党は当然のごとく過激な政策を施していくわけですから,さまざまな勢力から恨みを買って,最終的に首相が暗殺されてしまいます。そうして国が荒れている間に,大企業が力を持ち始めて……という展開ですね。
4Gamer:
そこから「ガン・ブラッド・デイズ」の3陣営が台頭してくると……。
芝村氏:
まともな政治が行えなくなった日本政府は,アメリカで亡命政権を作ります。そしてアメリカは,日本解放を旗印にして日本に攻めてくる。これがセイバーです。一方で日本解放戦線は,正当な選挙を経ていない企業組織オルトロスと密着した政権を打倒するために戦い始めます。当のオルトロスからすれば,「待て! あの質の悪いポピュリズムが支配する時代に戻りたいのか!?」ということですよね。オルトロスは「選挙がすべての人を幸せにするわけではない」という考えの元に戦っているんです。各陣営ともに言っていることは間違っていないんですが,なら,「どうしてこうなった!」というお話なんです。
小野木氏:
企業であるオルトロスが台頭してきたのは,新エネルギーが日本で発見されたのが理由なんです。まさに今,現実でメタンハイドレートや油田が発見されて,話題になっていますよね。
芝村氏:
国際的なパワーバランスが崩れる材料をひとつでも日本に与えれば,一定のリアリティを保った状態で物語りが動き出します。そういった部分に関しては,ちゃんと描いているつもりです。
4Gamer:
かなり真剣にシミュレーションしているんですね。
芝村氏:
その真剣にシミュレーションした結果を,プレイヤーに楽しんでもらうために茶化すというね(笑)。
4Gamer:
真面目に向き合ったら,ゲームとして楽しみづらくなってしまいますし……。
芝村氏:
ええ,真面目にやりすぎると,プレイヤーにとって非常に不愉快な話になってしまいますから。そういった不愉快な話を好む人もいるとは思いますけど,できればプレイヤーには,「よし,話は分かった。じゃあゲームをやろうか!」という具合になってほしいですね。
ズブの素人も3日鍛えれば精鋭に!?
4Gamer:
しかし芝村さんは,設定を書いて小説を書いて,さらにはゲームのシステム部分にも関わっているんですよね。完全なるワンマンアーミーじゃないですか。
私の名前が作品に入っている場合,そういうことが頻発します。今回の場合は,自分自身でクローズドβテストにも参加していましたよ。
4Gamer:
テスターまで! それはどういった意図で?
芝村氏:
客層が気になったんです。私が今までブラウザゲームに携わったことがないこともあり,お客さんの中にもそういう人がいるんじゃないかなと。それこそ,「マージナル・オペレーション」を読んだだけのミリタリーファンがプレイする可能性だって十分ありますからね。
4Gamer:
リサーチの結果はいかがでしたか?
芝村氏:
それがですね,ブラウザゲーム最初期の素人っぽい意見がポンポン見つかってビックリしたんですよ。「選ばれたゲーマーによるテストを想定していたのに,ごく一般的な質問だらけになってる!」という事態で。その後の打ち合わせでの第一声が,「思ったよりもゲームに不慣れな人が多いので,もっと分かりやすくしないとヤバイです」でしたからね(笑)。
4Gamer:
つまり,意外とブラウザゲーム自体の未経験者が多かったということですか。
芝村氏:
はい。ブラウザゲームの中でも「ガン・ブラッド・デイズ」は比較的シンプルな作りだと思っていたのですが……それでもまだ「複雑です!」という意見が出てくるんです。そこで,ゲーム慣れした人にとってはダルいだろうと思って圧縮していたチュートリアル部分を,しっかりとしたものに変更する必要が出てきたり……とにかくてんやわんやでしたよ。
4Gamer:
具体的に,テスターからはどういった意見が出ていたのですか?
芝村氏:
多かったのは,「何をすればいいのか分からない」「兵士関連のシステムがよく分からない」です。リーダーとなるカードに兵士を配備して戦う……という概念が,若干分かりにくかったみたいで。
4Gamer:
客層が想定とかなり食い違っていた,というわけですね。
芝村氏:
そうですね。全体的に,ゲーマーとして訓練されていない動きでした。……とはいえ,テストは4日間あったので,さすがに3日目くらいになるとみんな慣れてくるんですよ。ラスト4時間くらいなんて,かなりすごかった。
4Gamer:
すごかった……と言いますと?
何をすればいいのかすら分かっていなかった初心者が,いつの間にか兵隊の派遣時間を短縮する効果のあるヘリポートを建てまくるようになっていたり……。人間の適応能力の高さはスゴイなと,あらためて思い知らされましたよ。“初心者”という期間は誰にでもあるけれど,それは星のまたたきのように一瞬のことなんだなと。
4Gamer:
まさに芝村ブートキャンプ……。
芝村氏:
中には,僕が少女漫画の原作を書いていた頃にファンになってくれた人も参加していて,その方も最初は「兵士って何?」なんて,和む内容をTwitterで呟いていたんです。それが3日目にもなると,「ヘリポートだ! ヘリポートを建てるのだ!!」ですからね。なんだか取り返しの付かない影響を与えてしまったような気がします。
4Gamer:
ソルジャー化している(笑)。
芝村氏:
とても……興奮しました……(笑)。やはり,リアルタイムにお客さんが喜んでいるのを見るのは楽しいですねぇ。
4Gamer:
三つ巴の戦いが本作の特徴ですが,クローズドβテストでは日本解放戦線が最大勢力だったとか。
芝村氏:
はい。日本解放戦線が圧倒的でしたね。次点がオルトロスで,一番少ないのがセイバーでした。
プレイヤーが作り出す戦場のドラマ
4Gamer:
やはり,陣営ごとにプレイヤーの動きにも違いがあったのでしょうか?
全然違いました。レジスタンスで烏合の衆という設定の日本解放戦線は,なぜだか本当に烏合の衆になっていたんですよ。規模だけはデカイのに,攻めるときはバラバラ。逆にセイバーは少数精鋭で,チャットで作戦会議をしてから「よし,次はここを全員で攻める!」とかやっているんです(笑)。……私がたまたまセイバーだったというのは置いておいても,あの訓練されっぷりはマジヤバかった!
4Gamer:
プレイヤーが設定通りの動きをしてくれたと(笑)。
芝村氏:
面白かったですよ。プロの軍隊VS.素人,ただし素人は凄まじい数で攻めてくるわけで,女の子が「助けて!」って声を上げようものなら,そこにワラワラと集まっていくんです。するとセイバーが「ここの防御を突破するのは不可能だ! 次に行くぞ!」と(笑)。
4Gamer:
まさに精鋭部隊。では,オルトロスは……?
芝村氏:
オルトロスはちょっと特殊で,「もうゲームの順位とかこの際どうでもいいから,俺達はデータを分析しようぜ!」とか言い始めて,「融合」一覧表とか作って遊んでいるんです。正式サービスでデータが差し替わってしまうかもしれないのに。
杉山氏:
あれは衝撃的でしたね。
4Gamer:
そりゃまた,企業組織たるオルトロスらしい動きをしてますね(笑)。となると,ゲーム外のコミュニティでも大分話が盛り上がっていたのでは?
ええ。実際にテストをやっている時も,Twitterがかなり盛り上がっていました。「どこかに潜んでいるであろう芝村を狩ろう!」という運動があったり(笑)。
芝村氏:
「俺が絶対に芝村を狩ってやるぜ!」とか言ってる怖い人達がTwitterで集まってくるんですよ。しかし当の私は「バカめ! そんなこともあろうかと偽名でプレイしとるんじゃ!」と(笑)。
4Gamer:
狩りって……。
小野木氏:
本作には直接的なPvPはありませんが,ゴーストという形で,他プレイヤーの部隊が出現するんですよ。それを狙っていたんでしょうけど……。
芝村氏:
私の名前のゴーストを熱心に探していたようです。正式稼働の暁には「芝村を狩れ!」という公式イベントをやってもいいかもしれませんね。例えば,「全国3か所に潜む芝村をすべて撃破すれば賞品が!」みたいな。
4Gamer:
芝村さんがそういう人達を煽ったというわけではないんですよね?(笑)
芝村氏:
私は目立つことを全然していなかったのに,プレイヤー達の盛り上がりっぷりたるや凄まじかったですよ。「芝村だからきっと熊本だろう」とか,「京都じゃないか?」とか。こっちが用意していないのに,セルフでイベントを行なっているようで,私自身が「楽しそう!」と思ってしまいました。
4Gamer:
本当に潜伏中のテロリストみたいな扱いになってる……。
芝村氏:
みんなのために働いてたハズなのに! ……とまぁ,こういった話をもっとプレイヤーの皆さんに聞かせてあげたいんですよね。例えばセイバーは順位的には下だったけど,人口比的に見れば明らかに1位の動きだったよとか。公式でそういった報告をしていけば,このゲームはもっと面白くなるのではないかと感じています。
4Gamer:
それはプレイヤーとしても嬉しいかもしれませんね。
芝村氏:
テスト期間中,ほかにも色々と面白い展開があったので,プレイヤー達の手で作り出したドラマを紹介するような遊びはできるはずです。ほかのブラウザゲームでは,そういう動きがあったとしても紹介していませんし。
4Gamer:
しかし勢力バランスの偏りがあることで,そのようなドラマが生まれるとは……ゲーム的に考えて,今後その辺の調整は行うつもりなのでしょうか?
バランスに関しては,なるべく各陣営が平等に戦えるような仕組みを考えています。ほかにも “紅蓮の夜”というNPC陣営が,バランスに影響を与えると思いますね。具体的な仕組みについてはまだお話できませんが(笑)。
4Gamer:
紅蓮の夜は完全なNPC陣営になるのでしょうか?
小野木氏:
基本はそうですね。人気が高くなったら,どうなるか分かりませんが。
上町氏:
その紅蓮の夜のキャラクターデザインが,広江礼威先生になります。プレイヤーから「なんで広江先生のキャラが出ないんだ!」という声がありましたが,これがその理由だったんです。
4Gamer:
なるほど。では,正式サービスに移行する際も,陣営の人気を均一化するような調整はしないということですね。
小野木氏:
それは難しいと思います。
芝村氏:
むしろ,やらないほうが面白そうですよね。今回のテストで,ナチュラルなプレイヤーの動きが面白いということが分かりましたから。我々が調整しなくても,彼らがドラマを作ってくれます。ならば,我々はしっかりとしたシステムさえ提供できればいいんじゃないかな。
4Gamer:
TRPG的な楽しみ方をしているようにも感じられます。
芝村氏:
小さな陣営が結束力を持ってプレイしているのを見ると,ただバランスを均等にするばかりではダメなんだな,ということが分かります。もしもテスト中に日本解放戦線に所属してた人が,正式サービスでセイバーに行ったら,雰囲気の違いに驚くんじゃないでしょうかね。訓練された古参兵に怒られたり(笑)。
4Gamer:
軍隊的な特色を持つセイバーなら,確かにありえそうな展開ですね。
そこで「自分には合わないな……」と,日本解放戦線に帰っていくのもひとつのドラマですよね。もしくはそのままセイバーで訓練されちゃって,また次の新兵が来た時に「なっとらん!」と怒る側に回るというのもまたドラマなんです。そういった,プレイヤーが作り出すシナリオを,開発側として見たいんですよ。
杉山氏:
そういったバラつきや,簡単には解析できないデータは残したほうがいいと思っています。それをユーザー同士で調べたり,議論し合うのが,実はとても楽しいことなんですよね。
芝村氏:
モバイルゲームと比べると,ブラウザゲームはPCがメインプラットフォームということもあって,キーボードが目の前にあるじゃないですか。情報を発信するのがすごく容易なんですよね。なので色々な情報を交換しあいつつ,ゲームを楽しんでほしいと思います。
4Gamer:
そういえば,以前「マージナル・オペレーション」のインタビューでも“少年兵”について語っていただきましたが,本作の日本解放戦線は少年少女ばかりですよね。
そうですね。まさかプレイヤーまでもがそのような年齢分布になるとは思いませんでしたが(笑)。
実はテストの最後に,日本解放戦線の大攻勢があったんですよ。逆転直前まで迫ったセイバーに負けないため,圧倒的兵力に物を言わせてオルトロスの陣地をガンガン侵略するという。
烏合の衆と言っても,最後にはしっかり勝ちをもぎ取っていくのを見ると,本気になったこいつらの団結力はバカにできないなと思いました。
4Gamer:
それは興味深いですね。
芝村氏:
本当に,最終日のラッシュはかなり熱かったです。個人的ゲーム史上で最高レベルのプレイでしたよ。こういった動きがサービス開始後も現れることに期待ですね。
4Gamer:
戦争をテーマにしたブラウザゲームは数多いですが,本作は日本内戦という,現実に起こりうる身近なテーマが独特ですよね。
芝村氏:
自分の知っている地名がどんどん出てきますからね。例えば「自分は秋田県出身なので,秋田での戦いが決着するまでは飯食いません!」みたいなことを言ってる人もいたりしました。
4Gamer:
ああ,確かに自分の出身地は守りたくなりますよね。ちなみに,クローズドβテストで一番戦闘が激しかった地域はどこでしたか?
芝村氏:
熊本と京都はすごかったですね。とくに京都はセイバーが目をつけていたうえ,誤報に騙されて“芝村狩り”に出ていた暴徒が集まっていたので大激戦区域でしたよ。あの様子は実況したかった!
ちなみにアクセスで言えば,大阪や京都を中心に関西圏からのアクセスが多かったようです。もちろん東京からのアクセスも多くありましたが,時間帯によっては大阪のほうが多かったり。
杉山氏:
そんな中,セイバーは敵の手薄なところに進撃していく。
4Gamer:
さすがセイバーは冷静沈着ですね……。
芝村氏:
ゲームの構造上,相手の戦力を確認して攻撃するのが基本です。だけど,そんなのめんどくさいから,テスターさんはまずやらないと思っていたんですよ。でも,ちゃんとやっている人もいるもんですね。「九州ブロック内で手薄な場所を探すぞ!」とか言って,リアル偵察しているんですよ。
小野木氏:
あとはゲリラ的な戦術も出てきましたよね。これを話すと,みんな真似しちゃうから言いませんけど(笑)。
芝村氏:
あいつらの訓練されっぷりと狡猾さたるや(笑)。
4Gamer:
なぜそんなにまで綺麗に陣営ごとの特色が出るのか……不思議ですねぇ。
杉山氏:
まったく意図していないところだったので,本当に面白かったですね。
芝村氏:
ルールの枠内で工夫した遊び方と,学習能力の高さを見ると「やっぱりこいつらは“ゲーマー”だなぁ」と思います。最終的に「数で攻めればいい」という答えを見つけ出した日本解放戦線,攻略情報の充実に走ったオルトロス,狡猾な戦いを見せたセイバー……これらすべて,勝つためにゲーマーが行き着くところですよね。私達が普段使っているゲーマーという言葉は,実は範囲がとんでもなく広いということが分かる。とても良い体験でした。
- 関連タイトル:
ガン・ブラッド・デイズ
- この記事のURL:
(C) CAVE Interactive CO.,LTD. developed by Vanguard CO.,LTD