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Samsung,折りたたみ式スマホ「Galaxy Z Fold4」を発表。Android 12L搭載で大画面でも使いやすくなった
2021年に引き続き,夏に行われるGalaxy Unpackedは,折りたたみ式スマートフォン「Galaxy Z」シリーズを披露する場となっている。今回のイベントでも,「Galaxy Z Fold4 5G」(以下,Fold4)と「Galaxy Z Flip4 5G」(以下,Flip4)という2種類の製品が登場した。
Galaxy Z Fold4
Fold4は,本体を開いた状態の内側と,たたんだ状態の外側にそれぞれ有機ELディスプレイを搭載したスマートフォンだ。
筐体には,既存の「Galaxy Z Fold3」と同じく,アルミニウム合金製のフレームを採用しており,IP8相当の防水機能に対応する点も変わらない。
Samsungによると,Fold4はFold3と比べて,筐体サイズ幅と奥行きが大きくなったという。一方,ヒンジ部分の改良により,折りたたんだときの厚みは減っており,片手でも持ちやすくなったという。また,公称本体重量は約263gと,Fold3からわずかに軽くなった。
なお,今回もスマートフォン本体に,Samsung独自のスタイラス「S Pen」を収納できるスペースはないため,専用ケースに入れて持ち運ぶ形だ。ケースを使わずに使いたいという人にとっては残念なポイントかもしれない。
本体内側にあるメインディスプレイは,約7.6インチサイズで,解像度が2176×1812ドットの2つ折り可能な有機ELパネルを採用する。ディスプレイサイズは,Fold3と共通な一方で,解像度が異なり,Fold4のほうが長辺が短く,短辺が長くなった。
ディスプレイの最大リフレッシュレートは,120Hzなのだが,表示するコンテンツに合わせてリフレッシュレートを1〜120Hzの間で自動調整する機能を搭載する。たとえば,写真といった動きのないコンテンツを見るときの消費電力をより抑えられるかもしれない。
外側にあるサブディスプレイは,約6.2インチサイズで,解像度が2316×904ドットと,Fold3からやや高精細となっている。リフレッシュレートは,48〜120Hzの可変式だ。
搭載SoC(System-on-a-Chip)は,Qualcomm製の「Snapdragon 8+ Gen 1」を採用する。これまでのSamsung製スマートフォンでは,販売する国や地域によって,自社製SoCの「Exynos」を搭載するケースがあった。しかし,今回発表となった2製品は,搭載SoCをSnapdragonに統一するようだ。
メインメモリは,容量12GBのLPDDR5メモリを搭載。また,内蔵ストレージは,高速ストレージ用インタフェース規格「UFS 3.1」対応で,容量は最大512GBとなる。なお,Samsungのオンラインストアでは,容量1TBモデルも選択できるそうだ。
内蔵バッテリー容量は,Fold3と同じ4400mAhだが,ディスプレイパネルの変更や,OSを含めたシステム全体の最適化によって,駆動時間を最大2時間延長したという。
標準カメラに組み合わせる撮像センサーは,有効画素数が約5000万画素で,複数の撮像素子を1つにまとめて扱う「ピクセルビニング」に対応している。撮影する写真の画素数は,約1200万相当となる一方で,ピクセルサイズを大きく確保できるため,夜景など暗い場所で撮影した写真の画質向上が期待できそうだ。
また,望遠カメラは,光学ズームの倍率が従来モデルの2倍から3倍に変更となった。より遠い場所を撮影することが多い人にとって使いやすくなったのではないだろうか。
Android 12L搭載でタブレットとして使いやすく
ソフトウェアについても紹介しよう。Fold4では,OSにタブレット向けの「Android 12L」を搭載したのが大きなポイントだ。Android 12Lでは,マルチタスク,マルチウィンドウを前提としたタスクバーの導入や,ジェスチャー操作への対応が行われており,とくに大画面ディスプレイでの使いやすさが向上したという。
また,ディスプレイを途中まで開き,角度を付けた状態で利用する「Flexモード」に,サードパーティ製アプリが対応したこともポイントだ。まずは,NetflixとYouTubeアプリでユーザーインタフェースの最適化が行われるそうだ。いずれはゲームでも対応アプリの登場を期待したい。
Galaxy Z Flip4
一方のFlip4は,ディスプレイの中央部から縦方向に折りたたむと,手のひらサイズになるスマートフォンだ。
ディスプレイサイズと解像度は,既存の「Galaxy Z Flip3」と同じで,約6.7インチサイズ,解像度1080×2640ドットとなる。こちらもリフレッシュレートの自動調整機能に対応した。
Flip4でもヒンジの見直しにより,筐体内部のスペースを広く確保したそうで,内蔵バッテリー容量が従来モデルの3300mAhから,3700mAhに増えた。また,筐体サイズ自体もわずかだが小さくなっている。
搭載SoCは,Snapdragon 8+ Gen 1で,容量8GBのメインメモリと,容量128/256/512GBの内蔵ストレージを搭載する。
Flipシリーズは,豊富なカラーバリエーションを用意するのも特徴だ。Flip4では,標準で「Bora Purple」「Blue」「Pink Gold」「Graphite」という4色を用意する。
これに加えて本体カラーをカスタマイズできる「Samsung Bespoke Edition」では,5色の背面パネルと3色のフレームを組み合わせて,オリジナルのデザインを選べるとのことだ。。
アウトカメラは,標準と広角の2眼式で,このうち,標準カメラに組み合わせる撮像センサーは,有効画素数は変わらないものの,サイズが大きくなった。機械学習による画像処理と合わせて活用することで,暗い場所で写真がより明るく撮影できるようになるという。
また,Flip4のFlexモードでも,アプリの最適化が進んでおり,自撮りをするときにおいて,プレビュー画面の表示を改善した。安定して自立するので,手ブレのない自撮り写真が撮影できる。
なお,サードパーティ製アプリでは,InstagramがFlexモードに対応しており,Flexモードでもストーリーズやリールの投稿が可能になったそうだ。
Fold4とFlip4の国内における販売予定は,いまのところ明らかになっていない。しかし,既存のFold3やFlip3の販売実績を踏まえると,おそらく2022冬春モデルとして国内キャリアから登場するだろう。折りたたみ式スマートフォンというと,ニッチな存在だが,世代を重ねるにつれて完成度が高まっており,スマートフォンの主役に躍り出る可能性を秘めている。とはいえ,原材料の高騰や円安傾向から,これまでに増して高価な製品になりそうなのが気になるところだ。
メーカー | Samsung Electronics |
---|---|
OS | Android 12L |
ディスプレイパネル | ・メイン:7.6インチ有機EL, ・サブ:6.2インチ有機EL, |
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon 8+ Gen 1」 ・CPUコア:Kryo(最大3.2GHz) ・GPUコア:Adreno |
メインメモリ容量 | 12GB |
ストレージ | 256GB,512GB(同社オンラインショップのみ1TB) |
アウトカメラ | 3眼式 ・標準:約5000万画素, ・広角:約1200万画素, ・望遠:約1000万画素, |
インカメラ | 展開時:約400万画素,F1.8 折りたたみ時:約1000万画素,F2.2 |
対応5Gバンド | 未公開 |
対応LTEバンド | 未公開 |
対応3Gバンド | 未公開 |
無線LAN対応 | 未公開 |
Bluetooth対応 | 未公開 |
バッテリー容量 | 4400mAh |
連続待受時間 | 未公開 |
連続通話時間 | 未公開 |
USBポート | USB Type-C |
公称本体サイズ | ・展開時:130.1(W) ・折りたたみ時:67.1(W) |
公称本体重量 | 約263g |
本体カラー | GrayGreen,Phantom Black,Beige |
メーカー | Samsung Electronics |
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OS | Android 12 |
ディスプレイパネル | ・メイン:6.7インチ有機EL, ・サブ:1.9インチ有機EL, |
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon 8+ Gen 1」 ・CPUコア:Kryo(最大3.2GHz) ・GPUコア:Adreno |
メインメモリ容量 | 8GB |
ストレージ | 128GB,256GB,512GB |
アウトカメラ | 2眼式 ・標準:約1200万画素,光学式手振れ補正対応 ・広角:約1200万画素, |
インカメラ | 約1000万画素,F2.4 |
対応5Gバンド | 未公開 |
対応LTEバンド | 未公開 |
対応3Gバンド | 未公開 |
無線LAN対応 | 未公開 |
Bluetooth対応 | 未公開 |
バッテリー容量 | 3700mAh |
連続待受時間 | 未公開 |
連続通話時間 | 未公開 |
USBポート | USB Type-C |
公称本体サイズ | ・展開時:71.9(W) ・折りたたみ時:71.9(W) |
公称本体重量 | 約187g |
本体カラー | Bora Purple,Blue,Pink Gold,Graphite |
また,Samsungは,Galaxyブランドの周辺機器として,スマートウオッチの「Galaxy Watch5」と「Galaxy Watch5 Pro」,完全ワイヤレスイヤフォンの「Galaxy Buds2 Pro」も合わせて発表した。
スマートフォンを中心に,そのコンパニオンウェアとなる機器のラインナップを拡充することで,Galaxyブランドへの囲い込みを狙う考えだ。
Galaxy Unpacked日本語公式Webサイト
SamsungのGalaxyシリーズ製品情報ページ
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