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[GDC 2012]これぞ車好き音屋の真髄。レーシングゲームのサウンド効果を徹底研究するマニアックな報告書がリリース
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印刷2012/03/12 00:02

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[GDC 2012]これぞ車好き音屋の真髄。レーシングゲームのサウンド効果を徹底研究するマニアックな報告書がリリース

ダミアン・カストバウアー(Damian Kastbauer)氏
画像集#001のサムネイル/[GDC 2012]これぞ車好き音屋の真髄。レーシングゲームのサウンド効果を徹底研究するマニアックな報告書がリリース
 GDCでは,ゲームのビジュアルやデザイン,ビジネスに関するものだけでなく,オーディオについての講演も多いのだが,オーディオ関連のセッションは専門性が高く,その内容を言葉で伝えるのが難しいこともあるため,我々ジャーナリストにとっては鬼門となっている。本講ではそんな中から,「Racing Games: A Semi-Formal Sound Study」(レーシングゲーム:準公式となる音響的な考察)という,なんともマニア臭の漂うセッションを,あえて紹介してみよう。

 この講演を行ったのは,Lost Chocolate Labという個人スタジオを経営するダミアン・カストバウアー(Damian Kastbauer)という人物で,「Uncharted 3: Drake’s Deception」や「Star Wars: The Old Republic」など,数々の著名プロジェクトにサウンド効果を提供している。
 カストバウアー氏は,Track Time Audioというサイトを運営するミシガン大学教授のデイビス・二コルス(Davis Nichols)氏と共同で,現在レーシングゲームのサウンドデザインの研究書をまとめており,今月中にもリリース予定とのこと。今回はその中のタイヤ音,そしてエンジン音に関する情報が一部紹介されており,「ある程度」だけ公式な発表になっているというわけだ。

画像集#003のサムネイル/[GDC 2012]これぞ車好き音屋の真髄。レーシングゲームのサウンド効果を徹底研究するマニアックな報告書がリリース

 もっとも,研究はいたって真面目なものであり,レーシングゲームのサウンド効果を研究対象に選んだのは,音楽やセリフなどを使わずに,機械音を中心にした効果音だけでプレイヤーとコミュニケーションしようとする,高度なデザインが要求されるからとのことだ。1982年の「ポールポジション」から,1994年の「Crusin' USA」までを“クラシックゲーム”とし,7作ほどの効果音の進化をじっくりと聞き,さらにその後に“現世代のレーシングゲーム”である「DiRT 3」「Forza Motorsport 3」「Formula 1」といったゲームを紹介した。より自由なコントロールが可能な現世代ゲームでは,車体を360度スピンさせ続けるという,画面を見ていると目の周りそうな実験も行われた。

画像集#002のサムネイル/[GDC 2012]これぞ車好き音屋の真髄。レーシングゲームのサウンド効果を徹底研究するマニアックな報告書がリリース

画像集#004のサムネイル/[GDC 2012]これぞ車好き音屋の真髄。レーシングゲームのサウンド効果を徹底研究するマニアックな報告書がリリース
画像集#005のサムネイル/[GDC 2012]これぞ車好き音屋の真髄。レーシングゲームのサウンド効果を徹底研究するマニアックな報告書がリリース
 興味深かったのは,こうしたレーシングゲームのサウンド効果を年代別に聞いてみても,エンジン音が「スピードの変化」を,タイヤ音が「重量移動による危険性の高まり」を表現したものになっているのが理解できることだ。タイヤの滑るキュルキュルという音が,どれだけ続けばスピンするのか,コースアウトするのかといったことを体感することで,プレイヤーはより効率的にゲームの操作を学習することができる。
 なお,エンジン音に関しては,ギアをシフトするごとにスムーズに変化していく機械音だけでなく,現世代レーシングゲームには吸気/排気音などが重ねられ,音によるコミュニケーションが確実に向上しているのがわかる。

カストバウアー,二コルス両氏の研究は,このほか環境音,路面摩擦音,ユーザーインタフェース,そしてNPCまで多岐にわたっている。興味のある人はカストバウアー氏のLost Chocolate Lab公式サイトをチェックしておくといいだろう。相当なレースゲームマニアでなければ興味がわかないかもしれないが,こういう研究をしている人達がいるからこそ,ゲームの表現力は日々高まっているのだ。

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