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[E3 2012]シド・マイヤー氏も兵士として登場。「XCOM: Enemy Unknown」のリードプロデューサーに聞く,オリジナル版との違い
Garth DeAngelis氏 ミニインタビュー
まず最初に,DeAngelisさんの本作での役割を教えてください。
Garth DeAngelis氏(以下,DeAngelis氏):
分かりました。私の仕事は,リードデザイナーやリードアーティスト達と一緒に働いて,開発の進行具合を把握することです。きちんとした製品を発売できるように,監督する立場ですね。
4Gamer:
「X-COM: UFO Defense」は名作といわれてはいますが,1994年に発売されたゲームを,今作であえてベースにしたのはなぜでしょうか。
DeAngelis氏:
実は開発チームのメンバーの多くが,オリジナル版のファンなんです。もちろんビジネスですので,好きという気持ちだけで開発はできないですが,オリジナルが素晴らしい作品でしたので,それを現代の技術で再構築したいと考えました。
4Gamer:
ゲームシステムは,オリジナル版からどの程度引き継いでいるのでしょうか。
DeAngelis氏:
ゲームの基本部分,つまり自らの部隊を編成しつつ研究を重ね,技術力を上げていく部分と,ターンベースの戦闘システムなどは,改良を加えつつ引き継いでいます。あとは,一度死んでしまったキャラクターは二度と蘇らせることができないという仕組みも,ちゃんと再現していますよ。
4Gamer:
今回はPC版だけでなく,コンシューマ版も発売されるとのことでしたので,てっきりそういったシビアな部分は削られると思っていました。
DeAngelis氏:
確かに,手塩にかけて育てたキャラクターが死んでしまうのは悲しいことです。でもその悲しさがあるからこそ愛着がわき,ゲームがよりドラマティックになるんですよ。
4Gamer:
おっしゃるとおりですね。いくらでも甦ると思うと,雑に扱ってしまいがちですから。でも,ゲームをある程度まで進めたあとで部隊が全滅,もしくはそれに近い事態に陥ってしまうと,詰んでしまうなんてことになりませんか?
DeAngelis氏:
全滅してしまったら新兵ばかりになってしまうので,かなり厳しいシチュエーションになるのは確かです。でも詰みにはならないよう,バランスは調整しています。
4Gamer:
それは,例えば敵の強さをプレイヤーの部隊の能力に合わせて調整するとか?
DeAngelis氏:
違います。本作には疲労度といった概念があって,同じ兵士を使い続けていると能力が極端に落ちてしまうんです。なので,部隊内の兵士をまんべんなく使っていかなくてはならない。つまり,ほぼ全員がきちんと育っていくような仕組みにしてあるので,わざとやられないかぎり,全滅することはないでしょう。
4Gamer:
なるほど。自分の部隊では,何名までの兵士をマネジメントできるんですか?
DeAngelis氏:
うーん,正確な数字は記憶してないですが……最低でも24人はいけますよ。
4Gamer:
それだけの数の兵士一人一人にスキルを覚えさせたり,装備品を用意したりするわけですから,考えることは多くなりそうですね。
DeAngelis氏:
さらに兵士同士の人間関係にも気を配る必要があるので,部隊を率いることの難しさを痛感できるかもしれません。
4Gamer:
なんだかすごくリアルですね。男性兵士と女性兵士が仲良くなって結婚する……なんてことも起こりえる?
DeAngelis氏:
さすがに結婚式的なものは用意していませんが,夫婦になって共に戦う可能性はあります。
4Gamer:
おお,それは楽しみですね。ところで,各キャラクターのカスタマイズはどこまで可能なんでしょうか。例えば名前を変更したりとか……。
DeAngelis氏:
もちろん。私が気に入っているのもそこなんです。家族や友達と一緒に世界を守るなんて,格別じゃないですか。とはいえ,死んでしまうこともあるので,そこは気を配っておく必要がありますけど。
4Gamer:
ゲームに慣れるまでは,上司の名前とかにしておくとか(笑)。
DeAngelis氏:
そうですね。上達してそうそう死ななくなったら,自分に近しい人の名前をつけるのがオススメです(笑)。
4Gamer:
では部隊メンバーの構成や,ゲームの進め方によってストーリーが変化するといったことは? それからスタートからエンディングまでを楽しむには,どのくらいのプレイ時間が必要でしょうか。
DeAngelis氏:
エンディングは変わりませんが,そこに至る過程はプレイヤーによってかなり差が出ると思います。プレイ時間はやり方によって変わりますが,概ね20〜30時間くらいですね。
4Gamer:
PC版のほか,PlayStation 3版とXbox 360版も発売されますが,内容はどれも同じだと思って良いのでしょうか。
DeAngelis氏:
ゲーム内容に差はないので,同じです。
4Gamer:
UIはどうですか? PC版はマウス+キーボードでの操作を前提としたものになっていると嬉しいんですけど。
DeAngelis氏:
安心してください。ゲーム内容は同じですが,UIなどはPCに最適化していますよ。
4Gamer:
おお,それはなによりです。で,今思い出したのですが,シド・マイヤー氏をモデルにした兵士が出てきますよね?
DeAngelis氏:
ええ,あれはデザイナーの遊びです。最初は科学者役とかを考えていたのですが,なんだか悪ノリしてしまって(笑)。
4Gamer:
会場でデモを見ていた人達も大笑いしていましたね。
では最後に読者へのメッセージをお願いします。
DeAngelis氏:
日本でのパッケージ発売は未定ですが,Steamでのダウンロード販売は行います。オリジナルを遊んだ経験の有無を問わず楽しめる作品ですので,期待しておいてください。
4Gamer:
はい。本日はありがとうございました。
「XCOM: Enemy Unknown」公式サイト(要年齢認証)
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