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南 明奈さんが“オイチ”のコスプレで登場。NDS「ポケモン+(プラス)ノブナガの野望」完成披露会をレポート
ポケモンとコーエーテクモゲームスの初コラボタイトルとなる「ポケモン+ノブナガの野望」はシミュレーションゲームで,ポケモンと特別な絆を持つ“ブショー”達が,17の国に分かれて覇権争いを続ける「ランセ地方」を舞台に“イクサ”を繰り広げるという内容。詳細は「こちら」の記事を参照してほしい。
「ポケモン+(プラス)ノブナガの野望」公式サイト
このイベントでは,ポケモン代表取締役社長の石原恒和氏とコーエーテクモゲームス代表取締役社長の襟川陽一氏のお二人により,本作が実現に至った経緯や制作中のエピソードが語られたほか,実機による初のデモプレイも実施された。ゲストとして出演した南 明奈さんによるトークセッションと合わせて,本稿では,そのレポートをお伝えしていこう。
石原氏と襟川氏によるトークセッションで,最初のテーマとなったのは,「ポケモン+ノブナガの野望」の企画・開発の経緯について。
以前から親交のあった石原氏と襟川氏は,会合などで顔を合わせるごとに「いずれ一緒に何かやりたい」と常々話していたそうだ。
石原氏は1983年の「信長の野望」第1作からシリーズのファン,襟川氏も「ポケットモンスター」シリーズのファンだということをお互いに知り,襟川氏が口火を切って今回のコラボレーションを提案したとのこと。そして,2009年頃から具体的に企画を動かし始めたという。
石原氏は,コーエーテクモゲームスと一緒にやるという話であれば,「無双」シリーズなどの選択肢も考えられるが,「“シブサワコウ”と仕事ができるのであれば“信長”しかない」と,この企画に対する自身の思い入れを述べた。
石原氏は,本作は“「ポケモン」と「信長の野望」の異例のコラボ”と言われることが多いが,自身としては「非常に正統な組み合わせ」であると思っている,と述べていたが,それはこの思い入れから出たものなのだろう。
石原氏は,「ポケモン」に出てくる主だったトレーナーは3文字の名前が多いと前置きし,自身の「ツネカズ」という名前がなかなか採用されず悔しかったが,今回,ブショーの名前は4文字が多いので見返せると,笑いながら話していた |
襟川氏は,ポケモンのタイプは“全17種類”だが,第1作「信長の野望」も中部地方の“17か国”を舞台にしていたと,“17”という数字に運命的な結びつきを感じたと話していた |
ゲームの狙いについて襟川氏は,ポケモンファンに新しい面白さを提供しようと考えたと話す。
コンセプトとしては,初めてシミュレーションゲームを触れる人には簡単で分かりやすく,一方,コアなシミュレーションゲーマーにも手応えを感じさせるという,両面性を備えたものにしようと決めたとのこと。
石原氏は,自身の持つコアなシミュレーションゲーマーとしての気持ちをグッと抑えて,ポケモン初のシミュレーションゲームとして,多くの人に面白いと思って遊んでもらえるようにしたと説明した。
鯉沼氏は,コーエーテクモゲームス社内に多数のポケモンファンがいると述べ,その中から「信長の野望」「三國志」などに携わった経験のあるスタッフ,コラボレーション経験のあるスタッフらを選んでいったそうである。
石原氏は,史実を元にした「信長の野望」は,歴史の勉強になるほどリアリティがあるが,「信長の野望」と「ポケモン」のイメージをまとめるうえで,歴史モノと感じさせないようにしたいと考えたそうだ。
そこで襟川氏に,「どこまで戦国じゃなくなってもいいでしょうか」と打診したという。襟川氏も「戦国時代は現代人にとって一種のファンタジー」であり,したがって「ポケモン」というファンタジーの中で,架空のブショーが架空の戦いを繰り広げる面白さもあっていいと考えたそうである。
結果として,城や衣装のデザインなども含めて,まったく新しいファンタジーの世界を描くことになったそうだ。
また,「ポケモン」シリーズでは,ストーリーの節目でジムリーダーと勝負していく流れ,「信長の野望」シリーズでは,各国の武将に勝って国々を統一していく流れとなっている。それぞれ,一つ一つステップアップしていくという面白さの軸は共通しており,両者の親和性は高いと,襟川氏と鯉沼氏はコメントしていた。
ゲーム内の状況は,ゲームを少し進めたところで,プレイヤーが「カエンの国」にて,ほのおポケモンを入手し,くさポケモン中心のモトナリ領に攻め込もうというところ。
ちなみに,モトナリなどブショーのキャラクターデザインは,「戦国無双」チームが手がけているとのことだった。
戦闘はターン制で,対峙する両軍のポケモンは最大6体ずつとなる。勝利条件は,敵を全滅させるというシンプルなものから,マップ内の旗をすべて占領するといったものまで,さまざまなものが用意されているそうだ。
デモが行われたマップでは,つる草が伸びて橋の役割を果たしたり,抜け穴で旗の近くまでショートカットできたり,ダメージを食らう落とし穴があったりと,さまざまなギミックが用意されていた。
鯉沼氏曰く,マップ内のこうしたギミックをどう利用するか,戦術/戦略を練る必要があるとのことだ。
また,「ブショーパワー」という要素についての紹介も行われた。
マップで実際に戦闘をするのはポケモンのみだが,それぞれのポケモンのパートナーとなるブショーは,1回の戦闘で一度だけ「ブショーパワー」を使える。これは,いわば必殺技のようなもので,例えばオイチなら「味方のポケモンすべての体力を回復できる」というように,その効果は武将ごとに異なっている。
さらにブショーとポケモンの組み合わせを任意に変えられることや,ポケモンだけでなく一部のブショーが“進化”することも明かされた。
なお,「ポケモン+ノブナガの野望」のボリュームは,メインエピソードをクリアするだけなら約20時間程度とのこと。ただ,フリーシナリオなどが多数用意されており,遊ぼうと思えば200時間近く遊べると,鯉沼氏は述べていた。
また,登場するポケモンだが,これまでのシリーズすべてのポケモンとまではいかないまでも,石原氏によれば「200以上はいる」そうだ。
このあと,本完成披露会をニコニコ生放送またはUstreamで視聴していたユーザーから寄せられた質問に,登壇者達が答えるというコーナーも設けられた。以下にその内容を,Q&A方式で紹介しておこう。
Q:内政や外交などシミュレーションゲームの要素はありますか?
A:「『信長の野望』『三國志』ほどではないですが,エッセンスはちりばめられています。フリーのブショーを採用したり育成したり,ほかの国に派遣したりできますし,また城下町にあるさまざまな施設を強化したりもできます」(襟川氏)
Q:ランセ地方の17の国が舞台とのことですが,「戦国無双」シリーズには40名の武将が登場します。リストラ組はいるのでしょうか? 孫市が心配です。
A:「今後,随時情報を出していきますが,『戦国無双』の武将には何かしらの役割を用意しています。孫市はゲーム中で見かけたことがあるので,安心してください(笑)」(鯉沼氏)
Q:ポケモンシリーズなのに20〜30代がターゲット層なのでしょうか? 小さい子供には少し向いていないようにも思えます。
A:「これまでのポケモンシリーズ同様,簡単に世界に入って遊べるようになっています。決して難しくはありません。何十時間も遊んでいくうちに,高度な戦術/戦略性を求められるようになって遊び方も広がります」(石原氏)
Q:ブショーとポケモンの組み合わせはどうやって決めたのですか?
A:「開発中に一番盛り上がった話題が,“どのブショーとどのポケモンを組み合わせるか?”というものでした。一番ノブナガに似合うのは? ヒデヨシに似合うのは? と話し合って,まったく決まらないまま終わってしまうことも多かったですね(笑)。まずは“さすが”“なるほど”と思える,ブショーとポケモンの組み合わせを楽しんでほしいですし,皆さんもそれぞれ,ベストの組み合わせにトライしてもらえると深く楽しめると思います」(石原氏)
登壇者はそれぞれ,最後に「ポケモン+ノブナガの野望」に期待する人に向け,以下のようにメッセージを述べて,トークセッションを締めくくった。
石原氏:
「“異例のコラボ”と言われていますけれども,僕としては本当に“正当な,皆が楽しめるゲームができたと思っています。ぜひ楽しんでください」
襟川氏:
「ポケモンファンの方にもシミュレーションゲームは初めてという方にも,そしてずっとシミュレーションゲームを楽しんできた方にも,遊んでいただけるように作り上げました。また通信対戦機能がありますので,親子あるいは友達同士で,ぜひ対戦を楽しんでいただきたいです」
鯉沼氏:
「初報では『何だろう?』と思われたかもしれませんが,見てのとおり遊びやすい,“初めてのシミュレーションゲーム”的な位置づけのゲームになっています。『シミュレーションゲームとポケモンはこんなにマッチするんだ,という内容に仕上がりました。またニンテンドーDSだけでなく,ニンテンドー3DSでももちろん遊べます。ぜひ遊んでみてください」(鯉沼氏)
「ポケモン」と「戦国無双」が大好きな南 明奈さんも「ポケモン+ノブナガの野望」に期待
イベントの後半では,スペシャルゲストとして招かれた南 明奈さんのトークセッションが行われた。大のゲーム好きとして知られる南さんは,ポケモンシリーズには並々ならぬ思いを抱いているという。以下に,ゲームにまつわる部分を抜粋して紹介しよう。
──「ポケモン+ノブナガの野望」と聞いたとき,どう思いました?
南さん:
ポケモンは小学生のときからずっとやっているのですが,「信長の野望」は聞いたことはあるけどまだやったことがないので……。ポケモンは“カワイイ”,「信長の野望」は“オトコ”という感じで,どうコラボするのかうまくイメージできませんでした。
──ポケモンへの思い入れを教えてください。
南さん:
本当に大好きで,小学生の頃は「何でウチの庭にポケモンセンターがないんだ」と思っていました(笑)。とくにピカチュウが好きで,小学生の頃のあだ名は「ぴーちゃん」だったくらい。ポケモンセンターにも行きました。
──劇場版ではキャストにも起用されましたよね。
南さん:
大好きだったポケモンに,自分が声優として出させてもらえることにはビックリでした。緊張しましたね。
──南さんがベストリンクに選ぶのは,どのポケモンですか?
迷いますけど,フリーザーですかね。やっぱり強いし,きれいさもあるし格好いいし。
──「信長の野望」は未プレイとのことですが,「戦国無双」はかなりやり込んでいると聞きました。
南さん:
はい。Wiiの「戦国無双3」は,今でもやっています。勉強が嫌いなので,歴史は全部「戦国無双」で学びました(笑)。格好いいキャラもすごく多いですし。「ポケモン+ノブナガの野望」のキャラデザインは「戦国無双」と同じなので愛着があります。
──南さんの好みの武将は?
迷うんですが,やっぱり真田幸村と加藤清正です。二人とも男らしくて,すごく格好いいです。見た目も好きだし。いつもニヤニヤしながらゲームをしています。
──いつも,この二人のどちらかを使ってプレイしているんですか?
南さん:
だいたいそうです。ほかの武将を使っていても,この二人がピンチになると,すぐ助けに行っちゃいますね(笑)。
──お市など女性武将を使うことは?
南さん:
助けたときに,いい感じになるのが嫌なんですよ。私,ヤキモチ焼きだから(笑)。なので,男と男の友情みたいにしています。
──「ポケモン+ノブナガの野望」に期待する人に向けて,実際にプレイした南さんからメッセージをお願いします。
南さん:
シンプルなんだけど,奥が深いというか。ゲーム初心者でもやりやすい,分かりやすいゲームだと思いました。その一方では,ポケモンファンにもゲーマーにも楽しめる内容になっていると思います。小さなお子さんから大人まで幅広く楽しめるんじゃないでしょうか。ぜひ皆さん,遊んでみてください。
──ありがとうございました。
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