Imagination，高性能化した改良版GPU IPコア「PowerVR Series8XE Plus」を発表

　欧州時間2017年1月17日，英Imagination Technologies（以下，Imagination）は，新型のGPU IPコア製品「PowerVR Series8XE Plus」（以下，Series8XE Plus）を発表した。
　Series8XE Plusは，既存のGPU IPコアであるPowerVR Series8XEシリーズ（以下，Series8XE）の上位モデル「PowerVR GE8300」をベースに，コアアーキテクチャを継承しつつ，高性能化を計ったのが特徴だ。Imaginationによれば，半導体ダイ面積あたりの性能が，競合他社のGPU IP製品よりも30％高く，前世代のSeries8XEとの比較では，最大で4倍の性能を備えるという。

　Series8XEとの大きな違いは，シェーダーユニットであるUnified Shading Cluster Array（以下，USC）の構成だ。Series8XEまでは，USCが1基の構成だったが，Series8XE Plusでは，2基のUSCを集積可能となり，それだけシェーダーの性能が向上しているものと推測できる。

Series8XE Plusのブロック図。USCをもう1基追加できる構造だ

　Series8XE Plusは，ハイエンドからミッドレンジまでをカバーする3製品がラインナップされている。

GE8340：ハイエンドのモバイルデバイス向けGPU IP製品。前世代のSeries8XEと比較した場合，ピクセルフィルレート比で4倍の演算能力を持ち，フルHD以上の解像度で高品質のモバイルゲームが実現できるという
GE8325：セットトップボックスやTV，ゲーム機向けのGPU IP製品。ロスレス画像圧縮機能「PVRICv3」やH.265デコード用のビデオストリーミングハードウェア「YUV 10-bit」などを備える
GE8320：ミッドレンジのモバイルデバイス向けGPU IP製品。Series8XEとの比較では，ピクセルフィルレート比で2倍の演算能力を持つ

　なお，Series8XE Plusは，Series8XEの後継製品というわけではなく，既存のGPU IP製品ラインアップを補完するものであると，Imaginationは主張している。サポートするAPIやセキュリティ機能などはSeries8XEを継承しており，既存のカスタマーが導入しやすく，性能も向上したGPU IP製品であるというわけだ。
　実際にこれを採用するSoCが，いつどういう形で登場するかは何ともいえないが，スマートフォンなどの3D性能をさらに引き上げるGPUが登場したことは，歓迎できることではないだろうか。