インタビュー
オープンサービスが11月2日に始まるMMORPG「BLESS」日本運営プロデューサーの箕川 学氏に聞く。CBTから見えた課題と今後の展開について
さて,約5か月ぶり,合計3万人規模で実施されたCBT2だが,そこでどんな課題が見えてきたのだろうか。本作の日本運営プロデューサーである箕川 学氏に今後の展開も含めて話を聞いてきたので,さっそくお届けしよう。
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「BLESS」公式サイト
「SUN」での経験を活かし,“プレイヤーとの距離が近い”運営を目指す
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。箕川さんには,これまでも何度かほかのタイトルでインタビューさせてもらっていますが,「BLESS」では初めてになります。
そうですね。以前は「Soul of the Ultimate Nation」(以下,SUN)のプロデューサーを3年ほどさせていただいていました。そのときの方針が“プレイヤーとの距離を近くに”というものだったんですね。
4Gamer:
確か,「SUN」のプロデューサーに就任したあとの最初のインタビューでは「距離を縮めてニーズを吸収する」とおっしゃっていました(関連記事)。
箕川氏:
「BLESS」に関してもその方針は変えずに,活かしていきたいです。ですから今も,Twitterなどでプレイヤーさんと密にコミュニケーションを取っているんですよ。
4Gamer:
かなり頻繁にリプライを返してますよね?
箕川氏:
はい(笑)。最初は,いわゆるBOTが返していると思われていたようなんですが,ちゃんと見てもらうと,それぞれ違う文章になっていますので(笑)。
4Gamer:
「あ,本人だ!」と(笑)。でも,ゲームも見ながら,Twitterも見てだと,大変じゃないですか?
箕川氏:
ほかのプロデューサーには,「大変だから,やるときは覚悟してやったほうがいいぞ」と言ってますよ(笑)。
4Gamer:
で,ですよね。
箕川氏:
でも,楽しんでやっていますから。
4Gamer:
プレイヤーへの情報発信としては,すでに生配信も何度か実施していますよね。
箕川氏:
ええ,先日の配信で3回めになります。
4Gamer:
反応はどうでしたか。大規模MMORPGの新作ということで,期待が大きいと思うのですが。
箕川氏:
3回の配信で,それぞれ違った反応がありましたね。最初の配信では,「BLESS」という作品名は知っているけど「とりあえず,何か大作が来るんだね」という反応でした。CBT1のあとの配信では,プレイした皆さんからの手厳しいご意見もありましたが,「今後に期待している」という感じだったんです。
そして,CBT2の募集での配信では,CBT1から時間が空いていたこともあって,「待ってました」「やっときたか」「楽しみにしている」という声が多くて,期待の大きさにプレッシャーを感じました。
4Gamer:
話を戻して,「SUN」での方針を活かしたいとのことでしたが。
箕川氏:
ええ,そこは大切にしたいと思っています。もちろん「SUN」でできなかったことも,いろいろ試したいと考えているんですよ。
4Gamer:
これだけ大規模な作品になると,新しいこと,というのはなかなか大変なのでは?
箕川氏:
いえ,逆に規模が大きいほど動きやすいという部分はあるんです。ですから,SUNで成功した分はしっかりと引き継ぎ,新たなチャレンジをしていきたいですね。
物語と映像,音楽でゲームを盛り上げる「本当のRPG」
4Gamer:
では,CBT2も終わり,参加者としては次の展開,つまり次のテスト,あるいはサービスが気になっていると思うので,いろいろ聞いていきたいと思います。
箕川氏:
えっと,その前にあらためて「BLESS」の“ウリ”を紹介しておきたいんですよ。
4Gamer:
最初の発表時(関連記事)には,「大規模」「協力」「競争」のコンセプトが挙げられていました。もっとゲーム内容に即した,推したい要素を伝えたいという感じでしょうか。
箕川氏:
ええ,そうなります。例えば,生放送でもいくつか紹介していますが,一番推しているのは「物語」なんですよ。「BLESS」は,MMOであると同時にRPGなんです。プレイヤーは,さまざまなNPCと出会い,絡み合いつつ,そこで体験していく物語がそのまま戦いの理由になっていきます。
4Gamer:
「BLESS」は大規模戦をウリにしていますよね。その物語がいろいろ絡まって,そこにつながっていくと?
箕川氏:
おっしゃるとおりで,大規模戦に至る物語が複雑に絡み合っているんです。そして戦う理由を「正義」として捉えたとき,どちらかが正義で,どちらかが悪というわけではなく,(2勢力の)どちらもが正義なんですね。
4Gamer:
それぞれが自分達の正義を持っている,と。
箕川氏:
そうです。自分たちの“正義と向き合う”ことになり,その先に大きな戦いがあるんです。もちろん,この戦いだけではなく,過程となるストーリーも推せる内容になっていますよ。
4Gamer:
どんな展開なのか楽しみです。
簡単に紹介しておくと,BLESSの世界は2つの勢力に分かれています。北がハイロン,南がユニオンで,それぞれストーリーがまったく違う形で展開していくんですよ。
ちなみにCBT2で参加された方はハイロン側だとハンスというキャラクターが人気で,ユニオン側はドン・チコが話題になっています。所属する勢力でストーリー性が結構違っていて,両方とも壮大なストーリーになっているのも1つのウリだと思います。
4Gamer:
CBT2で序盤をプレイして思ったのですが,ゲーム上の表現は割と刺激が強いですよね。
箕川氏:
そうですね。レーティングの基準は違いますが,韓国では18歳未満が禁止になっています。でも日本では,ある程度抑えたものなんですよ。
4Gamer:
そうなんですね。とはいえ,とあるキャラクターの腕が切られたりといった,少しショッキングなシーンもありました。
箕川氏:
ああ,ハイロンでのシーンですね。あれでも控えめなんです(苦笑)。ユニオンの人間側のスタートであれば,首を吊ってしまうシーンがあったり,ちょっと大人な描写もあったりで。ですが,そこもウリではあるので……これを削ってしまうとストーリーの良さが失われてしまいます。ですから,ギリギリまで残したのが今のものなんです。
4Gamer:
ユニオンの人間側のスタート,という表現をされたように,種族によってもストーリーは変わるんですよね。
箕川氏:
ええ,変わります。基本的に話は収束していくので,ストーリーの違いは序盤がメインになるのですが,同じ陣営であっても人間と獣人で,それぞれ背負っているものがあり,展開が異なるんです。ですから,1キャラクターだけ遊ぶのではなくて,違う種族も試してもらえると,BLESSの壮大なストーリーがより体感できると思います。
4Gamer:
CBT2では,ハイロンの人間をプレイしていたので,次の機会は別の種族も試してみたいですね。
箕川氏:
ぜひ(笑)。ただ,MMORPGのプレイヤーさんは,ストーリーを読み飛ばしちゃうことが多いんですよ。
4Gamer:
先に進みたい人,多いですから。
箕川氏:
もし,CBT1,CBT2でそのプレイスタイルだった人は,次回以降にじっくりと読んで進めていただけると「こういうことだったんだ」ということが分かると思います。
4Gamer:
ストーリーを進めていて気づいたんですが,プレイ中に突然インスタンスに変わるところがありますよね。
箕川氏:
ああ,ありますね。あれ,いつの間にか自分だけ?と(笑)。
4Gamer:
はい(笑)。あまりに自然に一人用のクエストに移行したので,最初は驚きました。
箕川氏:
あれは,気がつかないプレイヤーさんもいるかもしれません。あと推したいのは,やはりグラフィックスですね。
4Gamer:
プレイしていて,街中の建物などがすごく作り込まれているなと感心しました。
箕川氏:
そうですね。「BLESS」のグラフィックスの良さは,ほかのタイトルにあるような華やかさというよりも,よりリアルに作り込まれたところにあるんです。さまざまな風景もそうですが,装備1つとってもかなり質感が出ていて,CBT1の時点でもかなりの評価で,CBT2でもご好評をいただきました。
4Gamer:
一方で,それもあってか推奨スペック(※)が高いですね。
※CBT2における推奨スペック
OS:Windows 10(64bit)
CPU:Intel Core i7 7700以上 / AMD RYZEN 7 1700以上
メインメモリ:16GB以上
GPU:NVIDIA GeForce GTX1060以上 /AMD Radeon RX580以上
ストレージ:SSD / 空き容量55GB以上
DirectX:Direct X 9.0c 以上
箕川氏:
綺麗なグラフィックスを見ていただこうと思うと,そうなってしまいますね。みなさんが気づかれていなかった可能性もありますが,設定5(高スペックの設定)と設定4とでは,例えば首都に行ったときに,賑やかさの表現に違いがあるんです。
4Gamer:
それは,どのようなところですか?
箕川氏:
設定5だと街中でNPCがいろいろなことをやっているのですが,設定4以下になると,それが表示されていなかったりします。ですから,設定5にして楽しむと,街の印象もずいぶん違ったものになると思います。なので,できれば推奨スペックを満たしていただき,設定5でBLESSの良さを味わっていただきたいですね。
4Gamer:
実際にテスターのPCスペックはどんな感じだったのでしょう。
箕川氏:
まだ詳細なデータは取れていないのですが,低いスペックのPCで遊んでいたプレイヤーは,そこまで多くはなかったですね。
4Gamer:
わざわざ応募して参加するテストですし,コアなPCゲーマーが多かったのかもしれないですね。
箕川氏:
最近の人気タイトルは,それなりのPCスペックが必要ですし。とはいえ,設定3でなんとか動くというラインの方も,それなりにはいらっしゃいました。
4Gamer:
そんなプレイヤーにも設定5で遊んでほしい……ということで,推奨PCを出していくことを考えていたり?
箕川氏:
もちろんです(笑)。ゲームオンでは最大規模でやる予定ですよ。
4Gamer:
「じゃあ,買います!」とはなかなか言えないでしょうけど,スペック的にそろそろ買い換えを考えているプレイヤーなら,良い機会になるかもしれませんね(笑)。
箕川氏:
そうなってもらえると嬉しいです。
あと,BGMもウリですよ。「BLESS」のBGMは「パイレーツ・オブ・カリビアン」で作曲を担当している,ハンス・ジマー氏が手がけているんです。プレイヤーもそれを感じ取ってくださっているようで,Twitterなどを見ていると,音楽がいいという声があるんですよ。
4Gamer:
BGMはプレサイトでも聞けましたよね。
箕川氏:
はい。ですから,CBT2に参加できなかった人も,ぜひ確認してみてください。
このように,「BLESS」は,壮大なストーリーと,それを盛り上げるグラフィックス,そしてBGMが存在する,本物のRPGがオンラインになったという作品なんです。BLESSは「RPG」としてしっかり作られたものだと思っていただければと思います。
4Gamer:
ところで,ここまでの話で,とくにストーリーの流れを聞いていると,ゲームのエンドコンテンツは,やはり対人戦がメインになりそうですよね。ほかにも用意されているのでしょうか?
箕川氏:
もちろん用意しています。やはり対人戦は,日本では好まれないというか,率先して遊ぶという感じではないんです。なので,そうしたプレイヤーさんに向けた,いろいろコンテンツを用意しています。
4Gamer:
具体的には,どんなコンテンツがあるのでしょうか。
箕川氏:
1つは,「ペット」コンテンツです。当初はマウントを含む2種類のペットとミニオン(NPCの仲間)を紹介しましたが,ミニオンは仕様を改善するため,現在は引っ込めています。
4Gamer:
2種類のペットということですが,マウントはいわゆる騎乗できるものですよね。もう一方は?
箕川氏:
マウントがプレイヤーキャラが乗るタイプのもので,もう一方は連れて歩けるタイプのペットになります。
4Gamer:
どれくらいのモンスターをペットにできるのでしょう。
箕川氏:
いまの時点で,400種類くらいですね。とにかくそこら中にいるモンスターをテイミングして,自分の仲間にできます。それを育成していくと,最終的に伝説級という等級まで育てられます。成長すると,外見ががらりと変わったり,プレイヤーキャラにバフを付与するようなスキルを身につけたりして,プレイに役立つようにもなります。このあたりがやり込み要素ですね。
4Gamer:
モンスターを集めるだけでも,やりがいがありそうです。ペットにできるモンスターは,アップデートで追加されていくのでしょうか。
箕川氏:
もちろんです。それに現状のものだけではなく,ペットコンテンツ自体の拡充も考えています。
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