G-Star 2012のNeowiz Gamesは,一般向けとしては初のプレイアブル公開となったMMORPG「
BLESS 」一本に絞った出展を行なっていた。
BLESSのゲームシステムは,ほかのタイトルと比較してこれといって大きな特徴はない。しかしゲームエンジンに
「Unreal Engine 3」 の改良版を採用していることもあり,グラフィックスのクオリティと軽快さが,高いレベルでバランス良くまとまっている。G-Star 2012にはほかにも新作MMORPGが何作か出展されていたが,この点ではBLESSが頭ひとつ抜けていた印象だ。
今回のプレイアブルバージョンは,あらかじめ作成された
「ガーディアン」「パラディン」「バーサーカー」「レンジャー」 という4つのクラスからキャラクターを選択できた。カットインによるストーリーを挟みながら,港町や森林のエリアでクエストを行い,最後に城塞へ乗り込んでボスと戦うといったゲーム展開である。
ガーディアン
パラディン
バーサーカー
レンジャー
繰り返しになるが,操作方法をはじめとした各種ゲームシステムは,MMORPGとしてごく一般的なものである。クエストの目的地がミニマップ内に直接表示されたり,NPCとの会話やドロップアイテム取得といった行動がFキーで汎用的に行えたり,エリア間の移動時にワイバーンに騎乗して飛行したりといった具合だ。個人的な第一印象としては,「『
TERA The Exiled Realm of Arborea 』をターゲット形式に変えたMMORPG」であった。
しかし,グラフィックスをじっくり観察すると,描き込みのクオリティが半端ではないことに気付かされる。しかも全体的に落ち着いたテイストで,日本人好みではないだろうか。BLESSのトレイラームービーを掲載するので,とりあえずチェックしてみてほしい。
Neowiz Gamesの新作MMORPG「BLESS」のプロモーションムービー(世界観編)
VIDEO
試遊台でのプレイ後に,グラフィックスとゲームシステムがアンバランスではないかとNeowiz Gamesの開発スタッフに尋ねてみたのだが,その回答もなかなか興味深かった。BLESSでは映像体験に絶対の自信があるため,ゲームシステムは万人に受け入れられるハードルの低さこそが必要で,それ以上は不要というスタンスなのだそうだ。
もちろん,真新しいゲームシステムがないだけで,2012年に登場する新作MMORPGとしてあるべき機能は,(少なくとも今回プレイした範囲では)過不足なく含まれている。より多くのMMORPGファンにアピールするためには,BLESSのスタンスはある意味正しいのかもしれない。
Unral Engine 3を採用する開発中のタイトルは,BLESSのほかにも何作かある。あと1~2年も経てば,このクオリティが当たり前になるのだろうか。そう考えると,ちょっとワクワクしてくるのは筆者だけではないはずだ。
Neowiz Gamesの新作MMORPG「BLESS」のプロモーションムービー(戦闘編)
VIDEO