インタビュー
「拡散性ミリオンアーサー」が目指すソーシャルゲームとは? スクウェア・エニックスの安藤武博氏と音楽担当の前山田健一氏に聞く
作り続けることでしか
カタルシスを得られない
安藤氏:
音楽といえば,テーマソングの「Million of Bravery」が凄く気に入ってるんですよ。
ポップなメロディでありながら,重厚なコーラスも入っていて,最初は何か明るすぎじゃないかな? とも思ったんですけど,何度も聴いているうちに,狙っているところが分かってきたんです。
悲しい様子を悲しく描くよりも,あえて明るく振る舞っているもんだから,より悲しみが伝わるような構造で。
前山田氏:
そこに気付いていただけると嬉しいです。
安藤氏:
歌詞も素晴らしいんですよね。
「失うほどもっともっと強くなる」というのは,凄くミリオンアーサーっぽいフレーズなんですよ。カードの合成って,素材になるカードを失いながらカードを強くしていく仕組みですから。
4Gamer:
言われてみれば,確かに。
安藤氏:
それに,「朽ち果てていくことを 誰かが願うたびに 私を突き動かす炎 熱を増してゆくんだ」。この歌詞が凄く良くて……。これ,リア充はこういうこと思わないですよね。
前山田さんはポップだから,リア充に勘違いされることもあると思うんです。でも,これを見るといかにリア充じゃないかってことが分かります。基本,暗いんですよ。で,やっぱりゲームなんかのファンタジーに救われてきた人なんだなって。
前山田氏:
そのとおりです(笑)。
でも,アイドルや声優さんと仕事をしていると,なかなか分かってもらえないんですよねぇ……。
4Gamer:
中学と高校を男子校で過ごした結果,身内以外の異性との接し方が分からなくなっちゃうみたいな人は,少なくないと思うんですよねぇ。
前山田氏:
そう。女性が好きなんだけど,なんかダメということになっちゃうんです。
安藤氏:
僕も男子校出身として,そこにも凄くシンパシーを感じるんですよ。
そもそも,うまくリア充になれないから,創作に救いを求めるところってあるじゃないですか。
前山田氏:
それが大きなモチベーションなんですよね。
だから,作っていないとバランスが崩れちゃうんですよね。
僕の場合,30歳までは剣と魔法が出てくるゲームは絶対に作らないって公言していて,バカゲーばっかで,大赤字が出たこともあったんですけど,作っている間はある種の衝動的なカタルシスがあったんです。
でも,そろそろ商業的なアプローチを見せなきゃってことで,iPhoneで「ケイオスリングス」というRPGを作ったら,全世界15か国のApp Storeでトップセールスになったんですけど,中身はともかく,その売り上げ結果では一切,衝動的なカタルシスを得られなかったんです。
前山田氏:
僕も最近,ももクロちゃんがやっと売れてきて,オリコンのランキングでも上位に入るようにはなったんですけど……。目標を一つ達成すると,その都度,何かを失っていくような感じはあるんですよね。
安藤氏:
結果じゃなくて,作り続けることでしか救われないという。で,結果が出ると何か不安になってしまったり。
そうやって作り続けていくとして,20年後のご自分の姿なんかを想像することはあります?
前山田氏:
うーん,生きてるかどうかも分からないですよねぇ。
安藤氏:
燃え尽きていそうっていうことですよね,きっと。
それって,今現在の燃え方が尋常じゃないからそう感じるんだと思うんです。実は僕にも同じような感覚があって,ゲームを作るときは毎回,これが遺作だと思っている部分があるんです。そう思うと,悔いの残る仕事はしたくないなって思えて。
ああ,何となく分かります。
僕の場合,こういう質問をされたとき,逆に20年前のことを考えるんですよ。今からだと……1992年ですか。当時の世界はどんなだったかな? って。
安藤氏:
ちなみに,その頃にゲームを作っていた人達は,まだ現役ですよ。
前山田氏:
確かに! 植松伸夫さんもイトケンさんも,ガンガン曲を書いてますし。
安藤氏:
弊社の河津もゲームを作っていますし。もっと言うと,宮本 茂さんや堀井雄二さんのようなレジェンドクラスの方々は,それ以上の年月,トップクリエイターとして君臨されていて。
実は以前,ゲームクリエイター40歳定年説みたいのがあったんですが,むしろ蓄積や経験が重要なもの作りがゲームなんだということも分かってきたんですよ。
前山田氏:
そっか……。20年後,僕は51歳なんですけど,もし生きているなら,新しいことをしていたいですね。新しいことをしている若い人達と肩を並べていたいです。先日お会いした田中公平さんも,そういう方でしたし(関連記事)。
4Gamer:
枯れることなく,キャリアを重ねても新しいことに挑み続けるという。
安藤氏:
僕らの世代から見ると,上の世代に第一線で突っ走っている人がいると,ちょっと厄介じゃないですか。名前も実力も元気もあって,創作力に衰えがないっていうのは(笑)。
でも,どの業界を見てもそういうケースはあって,要するに,順番が来るのを待っていてもしょうがないってことなんですよね。年功序列じゃないんだし。
前山田氏:
ですね。とにかく守りに入らないように。
4Gamer:
例えばこの先も,現在のようなペースで曲を書き続けていられると思いますか?
前山田氏:
どうでしょう。でもやっぱ,数年に一度,凄いアルバムだけ出すみたいなタイプのミュージシャンに対して,羨ましい気持ちはちょっとだけあるんですよ。
でもミリオンアーサー関連でいうと,鎌池さんなんかもそうではなくて,とにかく書きまくる方ですよね。きっとこういうのが,この時代に生まれ育った僕らだかからそできるスタイルだとは思うんです。
4Gamer:
大量生産,大量消費の申し子というか。
前山田氏:
そう。バブルの残り香で育ってきた人間なんで。
4Gamer:
で,それが何歳まで持つんだろうっていう話になるわけですよね。前例があまりないだけに。
安藤氏:
このままのペースで何とかなるかもしれないし。
前山田氏:
こればっかりは,そのときにならないと分からないでしょうねぇ。
ソーシャルゲーム最大の問題は
従来のゲーマーが納得できる作品が出ていないこと
4Gamer:
ちょっと話は変わりますが,ここ最近,ソーシャルゲーム全般に対して,いろいろな形の報道がなされています。それについて安藤さんはどんなことを考えていらっしゃいますか?
法律や倫理みたいなものから外れる部分があるとしたら,それは是正していくべきですよね。お金の稼ぎ方にしても,ちょっとえげつなくなっているところはあると思います。
ただ,実際にソーシャルゲームで遊んだことのない,昔からのゲーマーによる拒絶反応って,過激な変化に対する防衛本能のようなものだと思うんですよ。
4Gamer:
パッケージのゲームがだんだん売れなくなってきた分,ゲーム会社がソーシャルゲームのようなものに比重を移し,結果的にパッケージのゲームがなくなっちゃうんじゃないか? みたいな不安もあると思います。
安藤氏:
そう。それは凄く分かるんです。それについては,スクウェア・エニックスみたいな会社は,両方やるしかないんですよ。ビジネスとしてとらえれば,どっちも無視なんてできないですから。
ただ,ソーシャルゲーム側が大きな問題を抱えているのも事実です。
4Gamer:
いろいろな問題が取りざたされていますが,そういうことではなく?
安藤氏:
それだけではなく,従来のゲーマーが完璧に納得できるような面白い作品が,まだ発明されていないということこそ,大きな問題なんです。
例えば,ガチャ課金というものに対して搾取のイメージを持つ方もいると思いますし,一つのコンテンツに1か月で数十万も費やしてしまうとか,パチンコ・パチスロ的な見え方をしてしまうことについて,倫理的にまずいと感じる人もいるでしょう。
4Gamer:
子供が親のカードで数十万を使っちゃったみたいな話もありましたし,そういうのが報道されるにつれ,「ソーシャルゲームは無条件でけしからんもの」みたいに思う人は増えていきますよね。
安藤氏:
でもそれはあくまでも,ビジネスモデルの一つの形なんです。確かに行き過ぎているところはあるかもしれません。だけど,ビジネスモデルというのは,ソーシャルゲームを構成するものの一部であって,すべてではないんです。
4Gamer:
ソーシャルゲームで遊ばない,従来型のゲーマー層の多くは,「ゲームとして物足りないのに,あんなに稼いでていいの?」みたいなイメージを持っていると思います。
安藤氏:
ですよね。だからそこで,ちゃんとしたブランドの,ちゃんと面白くて,安心して遊べるようなソーシャルゲームが一つ出て,それがスタンダードになっていけば,けっこう空気が変わってくると思うんです。逆にそういうものが世に出ない限りは,ソーシャルゲーム市場は将来的にも正しい意味で広がらないでしょうし。
4Gamer:
では,その役割をミリオンアーサーで担おうという狙いはありますか?
安藤氏:
そういう思いはあります。だからこそ,鎌池さんのシナリオ,前山田さんの音楽,pixivやライトノベルの人気絵師によるイラストと,脇をがっちり固めたんです。
ただ,さっきも言ったとおりゲームとしてはまだまだです。これらはあくまで,最低限のおもてなしとして,皆さんに楽しんでいただこうと用意したものなのなんですけど……。
4Gamer:
けど?
安藤氏:
正直,もっと面白くできるだけのポテンシャルがあるという確信は持っているんですが,そのための発明がまだできていないんです。おかげさまで,リリース後,多くの方に遊んでいただいているんですが,ランキングが上がる度に「ヤバイ」って思っています。このままだと悪目立ちになっちゃうんで。
前山田氏:
確かにいくら豪華にコストをかけたものを作っても,ほかのゲームとの違いがそれだけだと,搾取感が出ちゃいますね。
4Gamer:
「スクウェア・エニックス様も,重課金ゲーですか」という見方を払拭できないと,なかなか。
安藤氏:
そうなんです。そうじゃなくてちゃんと面白いじゃん! って思ってもらえるように,早くなんとかしないと。
前山田氏:
僕も実際,とっととレベルを上げて次の話を読みたいのに,アクションポイントがすぐになくなるから,回復アイテムを買わないとなぁって思ってます。
安藤氏:
そういう状態なんですよね。そこは凄く悩んでます。お金を払わなくてももっと快適に遊べて,お金を払ったら払ったなりの満足感が得られるような発明を早くしなくちゃって。
4Gamer:
お金を払うとゲームの進行が楽になるとか,ほかのプレイヤーに差を付けられるということだけでなく,別の形の満足感が高くなるような発明を期待したいです。
安藤氏:
それが見つかったら,すぐに実装しますから。そのスピード感は今後も失うつもりはないですし。見つけたけど,それは別の作品に……なんてやっていたら,また余計に時間がかかってしまいますからね。世の中には消費すべきコンテンツって一杯あるので,どんどん走っていかないと。
こうして運営を続けていって,プレイヤーの皆さんから支持を得続けることができれば,じゃあストーリーの第2シーズンを新たに鎌池さんに用意してもらおうとか,新しい音楽を前山田さんに作ってもらおうとか,そういうお話ができると思いますから。
前山田氏:
そのときは,ぜひ,よろしくお願いします!
プロモーション上の必然から
オープニングアニメが生まれた
4Gamer:
安藤さんのおっしゃる“おもてなし”の一つに,ソーシャルゲームなのにオープニングに豪華なアニメーション・ムービーが入っているというのもありますよね。
安藤氏:
あれは一つ発明できたなっていう手応えがありましたね。
前山田氏:
チュートリアルが終わった瞬間に,テーマ曲に合わせてアニメが流れ始めて,ぎょぎょってしますね。ここか! って思いました。
4Gamer:
プレイヤーがソーシャルゲームに対して抱いているイメージを,チュートリアルの直後にアニメを見せることで,一度壊そうという狙いがあるのかな? と感じました。これはどなたの発案だったんですか?
安藤氏:
最終的にはプロデューサーである岩野の英断です。
ただそこに至るまでに,宣伝プロデューサーとのやりとりがあったことも見逃せないんですよ。というのも,カードゲームのプロモーションムービーを作ろうとしても,動きがないんですよね。せいぜい,カードの後ろに割り箸をくっつけて動かすようなものしかできないじゃないですか。
4Gamer:
ペープサートってやつですね。
安藤氏:
せっかくシナリオも音楽もドラマチックに仕上がっているのに,プロモーションムービーがそんなんじゃ,ドラマチックさが伝わらないんですよ。
じゃあプロモーションムービーを作るにあたって,何が必要かという話をしていくうちに,音楽があるといい,もっと言うと歌があるといい,そして静止画より動画のほうがいい……ということになって,今回の座組を生かすには,アニメしかないという結論に至ったんです。
4Gamer:
いわば,必然ですよね。
安藤氏:
そこで,じゃあ鎌池さん原作の「とある魔術の禁書目録」「とある科学の超電磁砲」でアニメーション制作を手がけたJ.C.STAFFに依頼しようということになって,アニメが出来上がりました。
4Gamer:
つまりその段階では,ゲームのオープニングにアニメを使おうという目的ではなかったんですね。
安藤氏:
ええ。YouTubeなんかでティザームービーみたいな形で公開すれば,注目されるんじゃないかな? ぐらいの話だったんです。でもせっかく作ったものを,有効活用するにはどうするべきか? という段になってから,ええい,ゲームのオープニングとして使ってしまえ! って。
そんな感じで,ノリというか勢いでやってみちゃったんですよ。そうしたら,思いの外うまくはまったという。たぶん,狙ってできることではなかったでしょうね。
4Gamer:
ちなみに,主題歌を作られている段階では,あのアニメの話は……?
前山田氏:
まったくありませんでしたね。でも,バッチリはまっているので,嬉しかったです。
安藤氏:
曲自体が先にあったので,それに合わせてJ.C.STAFFさんに作ってもらったんですけど,それにしてもクオリティの高いものになりましたね。
前山田氏:
僕が歌っている英語バージョンでも,アニメとゲーム内容の説明を込みにしたプロモーションムービーを作っていただいて,それをニコニコ動画やYouTubeで公開したんですが,「アニメ化希望」というコメントが非常に多いんです。
安藤氏:
「最初からアニメでやれ」とか(笑)。
4Gamer:
声優として釘宮理恵さん,喜多村英梨さん,井口裕香さん,伊藤かな恵さんを起用しながらも,あのオープニングアニメを見ると,“萌え”じゃなくて“燃え”になっていて格好いいんですよね。
安藤氏:
そこのバランスは考えました。今回お願いした声優さんって,皆さん役者として実力のある方達ばかりなので,分かりやすい“萌え”で特定の層を狙うのではなくて,王道的な格好良さを目指したんです。
コンテンツに救われた経験があるから
ちゃんと愛される作品を作っていきたい
4Gamer:
一部のコアなファンによって熱狂的に支持されていたものが,見せ方を変えることによって,一気に広く受け入れられるようなことってありますよね。
お話を聞いているうちに,ミリオンアーサーって,そういう見せ方を狙っている部分があるのかな? と思ったんですが。
安藤氏:
というか,こういう風に時代が一気に変わっていて,その空気の中で何かを作ろうとすると,自ずとそうなっていくんだと思います。
例えば僕が中学生ぐらいの頃,20年前なんかは,ゲーム――とくにPCゲームなんですけど――ってクラスメイトに胸を張って言える趣味じゃなかったんですよ。圧倒的に少数派で。
前山田氏:
そういう空気は確かにありましたよね。
安藤氏:
オタク趣味の人間が,とにかく生きづらかったんですよね。あの頃に起きた東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件なんかも,大きな原因の一つだったと思うんです。それまでも少数派だったオタク達が,あの事件以降,より後ろめたさを感じるようになったというか。
4Gamer:
当時のオタクカルチャーに対して,一番悪い形でスポットライトが当たる形になってしまいましたよね。
安藤氏:
それが今や,オタクであることを恥じなくてもいいような感じになってきていますから。こっちは,アニメで感動している俺はおかしいんじゃなかろうか? みたいに悩んだりしていたのに。
前山田氏:
好きなものを好きでいることに対して,背徳感があったんですよね。
4Gamer:
それがあるからこそ,よりはまれるというのもあったとは思うんですよ。自分のことを特別だと思えるような。
前山田氏:
今だと,アニメが好きとかアイドルが好きとか気軽に公言できますし,背徳感はあんまりないですよね。
4Gamer:
売れているもの,人気のあるものに関しては,そうですよね。親に言うのはさすがにはばかられる部分はありますけど。
安藤氏:
心配されますからね(笑)。
僕なんかだと,昔,「天空戦記シュラト」が凄く好きで,絵を描いたらそれをアニメイトに持っていって貼ってもらってたんです。反響は別にないんですけど,自己満足だけがあって。同時に「こんな特殊なことをやっている」という妙な背徳感もあって,すげえ楽しかったんです。
前山田氏:
そう,背徳感って楽しさのスパイスなんですよね。
だから本当はみんながみんな,ポップなものを求めてるわけじゃないと思うんですよ。背徳感を覚えられるようなものだからこそ,俺は好きなんだという人達もいますから。
僕個人としては,やっぱり煮詰まって,鍋底でぐつぐついっているような濃い感じを忘れたくないから,そういうコンテンツを作りたいんです。でも,ビジネスとしては難しくて。とはいえ,ビジネスとしてうまくいくと,愛を持って接してくれない人も増えてきて……という。
アマチュアバンドなんかもそうじゃないですか。最初のうちはお客さんも身内ばっかりなんだけど,お客さんが増えてくると心ない野次を飛ばされるようになったり。でもその人もお客さんであることには変わりないんで,大事にしなきゃいけないし……。
4Gamer:
そうなると,ターゲットを誰にするか? という問題が出てきてしまいますね。
安藤氏:
かといって,マーケティング的なことばっかり考えていると,誰にも刺さらなくなってしまうんで,もの作りをする上では,中学生の時の衝動をいかに保ち続けるか,そしてそれをいかにポップに見せるか,っていうのが大事なんじゃないかという気はしています。
ただね,いくらオタクがブームになってポップになろうとも,何かまずいことが起きたら多くの人はあっという間に去って行くと思うんですよ。
前山田氏:
そう。ライトな人達は,きっとすぐにほかの楽しみを見つけられるんです。でも濃い人達は……。
4Gamer:
後ろめたさを感じながら,そのジャンルにとどまっているという。
きっとライトな人達は,最初から何も後ろめたさを感じていないから,すぐ次に行けると思うんですよね。……これがリア充か!
前山田氏:
ですね(笑)。
ただ,エンターテイメントってどんなものであれ,「俺,なんでこんなものが好きなんだろう。でも,これがなかったら生きていけない」みたいな思いを秘めている人達にとって,大きな救いになってると思うんですよ。僕がそうであったように。そういう人達ほど,コンテンツをただ消費するんじゃなくて,愛してくれると思いますし。
それに……コンテンツに救われた経験のない人が,たまたま手がけたコンテンツでまぐれ当たりを出してしまうと,裸の王様になっちゃうと思うんですよね。
4Gamer:
先ほども話題に出ましたが,創作することそのものにモチベーションを見いだせないと,結果が出てしまった段階で満足してしまいかねないということですよね。そうなると,作り続けることができなくなってしまうというか。
とりあえずミリオンアーサーは,コンテンツに救われた経験のある人達が,創作することにモチベーションを見出して関わっているから,安心して楽しんでくれ! というお話でよろしいでしょうか?
安藤氏:
もちろんです。そのご期待に応えられるように,頑張りますし,頑張らせますよ,岩野を(笑)。
4Gamer:
引き続き,楽しみにしています!
ここ最近,ソーシャルゲームにまつわるさまざまな問題が,多くのメディアで報じられているが,安藤氏はそういった状況があること以上に,「従来のゲーマーが完璧に納得できるような面白い作品が,まだ発明されていないということ」を大きな問題としてとらえているのが印象深い。ミリオンアーサーが今後,アップデートを重ねていった結果として,こういった問題を埋めてくれる存在になり得るのかどうか,注目していきたいところだ。
ちなみに前山田氏は,5月9日にニューシングル「Start it right away」をリリースした。この曲は,アニメ「黒子のバスケ」のエンディングテーマに採用されているのだが……そんなことより,プロモーションビデオが凄い。この時代に,あえてアスペクト比4:3のカメラを使い,往年の海外ドラマっぽい映像を撮影してしまうあたりは,「バカバカしいことを真面目にやる音楽家」以外の何ものでもないと思うのだが……。
それはさておき,前山田氏が手がけたミリオンアーサーの音楽は,インタビューでも触れているとおり,クラシカルなものからトランス的なもの,コミカルなものまでとても幅広い。ミリオンアーサーのアプリ自体は無料で配信されているので,前山田氏がどんな曲をゲームのために書き下ろしたのかが気になるiPhone/iPadユーザーは,一度プレイしてみてはいかがだろうか。
なお,Android版の配信も近日スタート予定とのことなので,Androidユーザーはお楽しみに。
「拡散性ミリオンアーサー」公式サイト
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