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ルビー・パーティーの新作「FabStyle」は襟川恵子氏がトータルプロデュース。完成披露会には佐々木希さんやミッツ・マングローブさんらがゲスト出演
本作は,「アンジェリーク」シリーズ,「遙かなる時空の中で」シリーズ,「金色のコルダ」シリーズなど,同社のネオロマンスシリーズを手がけた開発チームである,ルビー・パーティーの完全新作タイトルで,2011年11月24日の発売が予定されている。
「FabStyle」公式サイト
プレイヤーはアパレルショップの新人店長となり,人気・売上ともにNo.1のお店をを目指してプロデュースしていくことになる。
また,ファッションアイテムのコーディネートやヘアメイクを試してファッションセンスを磨いたり,「アカデミー」に通ってビジネスマナーや経営の知識を身につけたりして,お店を“レベルアップ”させていくことも重要だ。
なお本作では,個性豊かな男性達と出会いがあり,彼らと会話することで,さまざまな知識が身につけられるという。さらには,恋に発展することも……。大東俊介さん,中村倫也さん,宮野真守さん,緑川 光さん,草尾 毅さんら豪華キャストが演じるロマンティックなシーンも見どころといえる。
会場には本作の試遊台があり,筆者もプレイしてみた。チュートリアルや用語解説などが用意されていたため,ファッションにあまり詳しくない人でも,すんなりとゲームに入り込めるだろう。また,お店の経営面では,仕入額や人件費・光熱費といった概念も取り入れられており,シミュレーション要素はかなり本格的。クイズや恋愛など,さまざまな要素も取り入れられているため,かなり遊びごたえのあるタイトルになりそうである。
なお本作は,同社の取締役名誉会長である襟川恵子氏がゼネラルプロデューサーを務め,「恋愛だけではなく,おしゃれやビジネスといった分野も入れた,女性の人生をゲーム化していく」というコンセプトで,構想に10年,開発に3年をかけたという。
襟川社長は「女性の社会進出や大いなる人生の充実に貢献できるような,面白くてためになるようなゲームソフトとして,ぜひともミリオンタイトルとして世界に発信していきたい」と意気込みを述べた。
岩田氏は,「FabStyle」を「経営シミュレーションと恋愛シミュレーションを融合したユニークな内容が盛り込まれている」と評し,「これから女性のお客様にもニンテンドー3DSを受け入れていただくうえで,任天堂としても大切に販売していきたい」とコメントした。
なお,任天堂でも女性層に広く受け入れられたヒットタイトルがいくつかあるが,岩田氏曰く,そのどれもが,長期にわたって安定して売上を記録しているとのこと。「FabSyle」についても,「長い目で一緒に育てていけるよう,応援していきたい」と述べた。
襟川会長は,本作のゲームデザイン/CGディレクション/音声音響監督/ムービー監督/脚本・演出/キャラクターデザインと,本作の多くの部分に関わっているが,本名でプロデュースをしたのは,今回が初めてとのこと。
なお襟川会長は,光栄の創業当初からゲームの企画に携わっており,当時,ゲームのパッケージに“E&E”(Entertainment&Educationの略)と表記していたように,「楽しく,ためになるゲームを作ろう」というコンセプトを持っていた。中でも「信長の野望」は,教育者の間でマネージメントゲームと評価されたこともあったそうだ。
また襟川会長は,女性向けのゲームが市場にないということから,1980年代後半から女性社員を積極的に採用しはじめ,1994年には「アンジェリーク」を世に送り出している。
襟川会長は以前から,日本の女性は世界で最高の感性を持っているのに,社会に進出しにくい状況になっていると考えており,女性にエールを送るようなゲームを作りたかったと,「FabStyle」の開発のきっかけを明かした。
そのため本作では,「知識を身に付けて女子力をアップ」「おしゃれのセンスを磨く」「経営の仕組みを学ぶ」「男性との恋を楽しむ」といった,いろいろな楽しみ方を可能にしているそうだ。
本作では,男性とのデート中に各キャラクターのボーカル曲が流れることがあるのだが,これらボーカル曲の作詞・作曲は,なんと襟川会長が自ら手がけたという。その理由は,襟川会長は忙しく,作詞家・作曲家と打ち合わせをする時間が取れないので,自分で作ったほうが早いというもの。手の空いているBGM部のスタッフとスタジオに入り,歌詞を書きながら,なんと1時間あたり1曲から1.5曲のペースで制作していたそうである。
また本作では,大人のムードに合うような楽曲を収録するため,ジャズピアニスト・シンガーのグレース・マーヤさんを起用している。会場では,グレースさんがステージに上がり,本作の収録曲「ス・ファビュラス」をライブで披露した。なおグレースさんは,男装の麗人・ボビー役として本作に出演している。
続いて,本作の開発チームであるルビー・パーティーから4人のスタッフが登壇し,開発する上でこだわった点について,以下のようにコメントを述べた。
「リズミカルにプレイいただけるようにシステムを工夫しました」(リードプランナー 園部知子氏) |
「女性ならではのメイクやヘアスタイル・ファッションのこだわりを,ストレスなくリアルに楽しんでいただけるようにプログラムしました」(コアプログラマー 馬上 彩氏) |
「着せ替えを,実機のイベントムービーに反映できるところが見どころです」(CGディレクター 猪瀬真由氏) |
「アシッドジャズやハウス,ボサノバなどのジャンルを取り入れ,よりおしゃれな音楽を目指しました」(サウンドディレクター 吉田真利氏) |
なお,マコはミッツさんによく似た性格のキャラクターとなっているが,これはミッツさんに素のままで自由に演技してもらい,開発スタッフがミッツさんに合わせ,キャラクターを調整していったそうだ。ちなみに,当初はもっとキャピキャピした感じのキャラクターだったそうだ。
佐々木さんは,CM撮影中に襟川会長のアドバイスを受けながら実際に「FabStyle」をプレイしたところ,「絶対に買う!」と決めるほど気に入ったそうである。
初めて声優に挑戦した中村さんは,「イヴの持つ,大人っぽい見た目だけど,ときどき年相応の無邪気さを見せたり,とコロコロと変わるところを声だけで表現できていたら」と,演技で力を入れた点を述べた。
佐々木 希さん |
中村倫也さん |
最後に,襟川会長が再度登壇し,質疑応答の時間が設けられた。
本作の国内と海外における販売計画についての質問に,襟川会長は国内について「3DS版で50万本,DS版で50万本」と明言。ただし,海外での展開については「国内で大成功してからゆっくりと考えたい」と述べるにとどまった。また広告宣伝については,「信長の野望」や「アンジェリーク」でも,発売から認知が高まるまで1年ほどかかったことから,「まったく新しいものだから,長くにわたってプロモーションしなくてはいけない」と回答。
なお襟川会長は,ネオロマンスシリーズとの違いについて,「普通は一人の対象を攻略していきますが,このゲームでは同時進行でいろんな男性と付き合える」と,自由度の高さを挙げた。
最後に襟川会長は,「“細く長く”とか“太く短く”とか,そんな情けないことをおっしゃらず,ちょっとだけ勇気を出して一つずつ乗り越えていけば,今よりもっともっと“ファビュラス”な世界が開けます。太く長く楽しく人生を送っていただきたいなというメッセージを込めて作りました」と本作に対する意気込みの強さをあらためて述べ,発表会を締めくくった。
「FabStyle」公式サイト
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