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[TGS 2011]PS Vita版「真かまいたちの夜」プレイレポート。ボイスや推理システムの実装により雰囲気をガラリと変えてきたシリーズ最新作
「真かまいたちの夜 11人目の訪問者(サスペクト)」公式サイト
「弟切草」に続いて大ヒットを記録し,サウンドノベルというジャンルを確立させた「かまいたちの夜」。シリーズ自体は,第3作となるPlayStation 2用ソフト「かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相」をもって完結を迎えているため,本作は,キャラクターやストーリーなどを一から構築した完全新作となる。本稿では,実際に「真かまいたちの夜」をプレイしてみた感想をお伝えしていこう。
プレイヤーは作家志望の主人公,坂巻快人(さかまきかいと)となって,ヒロインの立花京香と共に,ペンション内を探索する。PS Vita用ソフトということもあり,スクリーンをタッチして軽快にゲームを進められるのは嬉しい点だ。
またサウンド面は,基本的に新曲を中心した構成になっていたが,「かまいたちの夜」ファンにはお馴染みとも言える名曲「ひとつの推理」の存在を推理シーンで確認。「やっぱかまいたちの夜といえばこれでしょう!」と,プレイしながらニヤニヤしてしまった。ほかにもシリーズ作品の楽曲が収録されているのかは不明だが,「かまいたちの夜」ファンにとっては,非常にテンションの上がる演出である。
またファンとしては気になるであろう“シリーズ初のボイスによる演出”に関してだが,こちらフルボイスではなく,物語の要所要所に挿入されるという感じだ。
筆者は「かまいたちの夜」は相当やり込んでおり,シリーズに対してもかなり思い入れがあるため,ボイス搭載に関して当初は疑問に思う部分があった。だが実際のボイス付きの演出を体験してみて,「あ,けっこういいかも」と感じたのが正直なところである。
青いシルエットのキャラクターが声を出して喋っているのは,やはり最初は違和感があったが,プレイしているうちに,なかなかにいい味を出していると感じるようになった。会場ではプレイ時間が10分しか取れなかったので,物語が盛り上がる前に終了となってしまったのが惜しいところである。殺人シーンや犯人を当てる場面,クライマックスなど,盛り上がる場面を見ていたら,さらにボイスの効果を実感できたかもしれない。
さて,探索シーンでは,画面内の気になる部分にカーソルを合わせて調べていくという,王道のアドベンチャーゲームで使われていたスタイルが採用されていた。カーソルはスティックで動かせるし,指でスクリーンをタッチすることで,気になる部分を直接調べることもできる。
また,探索中の視点移動はスティックとジャイロセンサー両方に対応。本体を傾けることでササっと視点を移動できるので,視点移動は,状況に応じてスティックと併用する形となるだろう。
あちこちを調べながら探索を進めていくと,意外にもあっさりとオーモリのテレホンカードを発見。しかしオーモリはなぜか落ち着かない様子,しかも,何かひっかかる発言をしている。これはなにか怪しい……。
――とここで,本作に搭載された「推理システム」が発動した。このシステムは,今までに入手した情報を自分で組み合わせながら仮説を立て,選択肢を生み出していくというもの。犯人を当てるとき,そのほかの重要な場面で発動するシステムだと思われる。
筆者の場合は情報の入手に不備があったのか,「?????」となっていて選べない選択肢が出てきた。本当は3つ選べるはずの選択肢が,2つになってしまっていたのである。
どうやら,どんな情報を入手したかや,情報をどう組み合わせるかによって,選択肢はまったく違うものに変化するらしい。
そんなこんなで試遊はここで終了となり,シナリオを最後まで遊べなかった。しかし,,アドベンチャーゲームの王道を感じさせる探索モードや,情報の組み合わせによって選択肢を生み出していく推理システムなど,明らかにこれまでのシリーズとは違うということは,明確に実感できた。
主に“読む”というサウンドノベルのプレイフィールを踏襲しつつも,新たなシステムを追加することで,ゲームデザインという意味ではこれまでとガラリと変えてきた本作。サウンドノベルファンはもちろん,アドベンチャーゲームファン全般が楽しめそうな内容といえるだろう。
「真かまいたちの夜 11人目の訪問者(サスペクト)」公式サイト
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(C) 2011 CHUNSOFT
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