これぞケモナーご用達？　まったり楽しめる「晴空物語」のプレイレポートを掲載

　ベクターが運営するMMORPG「晴空物語」は，2011年11月22日に正式サービスが開始された。今回は実際にプレイした感想を交えて，序盤のゲーム内容について紹介していこう。なお，システム面については，以前掲載したレポート記事も参考にしてほしい。ちなみに，本作でプレイヤーが操作するキャラクターはすべて，獣耳と尻尾を備えている。それがどうしたと言われるとそれまでだが，筆者としてはわりと大事なことなので，すこし強調してみた。

キャラクターは見た目で選ぶか，職業で選ぶか。それが最初の問題だ！

　最初にプレイヤーが行うのはキャラクター作成だ。現在は，全部で6つの職業が選択できるが，種族によって職業が固定されているため，性能（能力）と見た目のどちらを重視するかで悩むことになる。いや，悩まない人もいるとは思うが。とにかく，各職業のおおよその能力などは以下の通り。これからキャラクターを作る人は参考にしてほしい。

■キリン族

ストライカー：片手剣，グローブが武器の近距離攻撃職。攻撃スキル以外に，ヘイト系のスキルも習得する

ソーサラー：雷，風系の魔法を覚える魔法職。回復スキルが優秀なので，ヒーラーとしての役割が求められることが多い

■シシ族

アーチャー：弓を用いた，遠距離攻撃職。物理攻撃以外に，エレメントを矢にこめ魔法での攻撃も行える

ファイター：ハンマーといった大きめの武器をぶん回す近距離攻撃職。ストライカーよりも攻撃力がやや高め。また，バフ系のスキルも覚える

■キツネ族

ウォーロック：氷，火系の魔法を覚える魔法職。ソーサラーと同じく回復スキルも覚えるが，より魔法攻撃に特化されている

・アサシン：短剣，太刀などが武器の近距離攻撃職。?い回避能力と素早い連続攻撃が持ち味

　筆者はキツネ族の尻尾に惹かれたので，キツネ族を選択した。尻尾のモフモフ感に首ったけだ。そして職業は，回復もできるウォーロックを選んでみた。
　なお，キャラクター作成時にキャラの隣に浮いているのは，そのキャラクターの変身（トランス）後の姿だ。本作のキャラクターは一定時間変身でき，変身後は能力が上昇する。かなりの頻度でトランスすることになるので，見た目でキャラクターを選ぶ人は，トランス後の姿もしっかりとチェックしておきたい。

クエストを進行しつつ，中ボスとの戦闘で息抜き

　キャラクターを完成させてオープニングを見ると，いよいよ冒険がスタート。最初は「紅葉の野原エリア」にあるトヨクニ村から始まる。ここはラビ族というウサ耳種族の村だが，ほかにもネズミやムシ，フルール（植物）族がいるという，ケモナーにはたまらない場所だ。いや，いるのは獣だけではないが。

　スタート直後にメインクエストが発生するので，まずはそれに従って進めていくことになる。最初のクエストは“旅立ち”という名称で，これは対象NPCに話しかけるだけでOKという簡単なもの。続くクエストも，対象モンスターの討伐や対象アイテムの収集といったお決まりの内容なので，MMORPGのプレイ経験がある人であれば，迷うことはない。また，一つのクエストが終わるとすぐ次のクエストが発生するのでテンポ良く進行する。
　クエストには制限レベルが設けられているが，筆者がプレイした限りは，メインクエストを進めていけば，経験値稼ぎの必要はなかった


　フィールドでのザコモンスターとの戦闘は，マウスの右クリックと左クリックにスキルをショートカット登録できるシステムのおかげもあり，かなりサクサクだ。モンスターのポップ時間も短いので，数10匹単位の討伐でも数分で終わらせることができるのは嬉しい。とはいえ，ザコの討伐だけだと，どうしても中だるみしてしまう。そこでアクセントとなるのが，中ボス的なモンスターや，一定時間ごとに村を襲ってくるボスモンスター達との戦いだ。

　中ボスを倒すと「成就ポイント」を得られ，これが一定値に達する（成就する）とステータスアップの効果がある称号もらえる。また，記録としても残るので，「全エリアの中ボスを倒してやるぜ！」的なモチベーションにもつながるのだ。


　ボスモンスターを倒すと，レアアイテムや名声を獲得できるアイテムが入っている「防衛宝箱」がもらえる。ボスと呼ばれるだけはあり，ザコモンスターよりは強いが，そのエリアの適正レベルになっていれば，倒すことは難しくない。
　また，防衛宝箱はボスモンスターに攻撃したキャラクター全員に贈られるので，いわゆる”横殴り”を気にせず戦闘に参加できる。名声を溜めると，コマンダーと呼ばれるNPCから特別なアクセサリを購入できるので，ボスモンスターが出現したら積極的に狙っていくといい。

　なお，すべてのボスの出現位置は，マップ上で確認できる。狙いたいボスやレアモンスターがいる場合は，その出現位置で待つか，別チャンネルで同じ位置を探してみるといいだろう。マップでは，ボス以外のモンスターやNPCなども確認できるのでうまく活用したいところだ。

適正レベルではパーティ必須のインスタンスダンジョン

　メインクエストを進行していくと，ダンジョンのボスを倒すクエストが発生する。インスタンスダンジョンなので，パーティメンバーのみで攻略することになる。インスタンスダンジョンは1人でもプレイできるが，フィールドとは比べものにならないほど，強力なモンスターが出現するので，パーティプレイ推奨といった具合だ。


　そうなると気になるは，どうやってパーティを組むかということだが，ダンジョン攻略用PTマッチングに登録しておけば，同じダンジョンを攻略したい人と自動的にパーティを組めるのでご安心を。また，PTマッチング利用時に，以下に示したような役割を登録することも可能だ。つまり，全員ヒーラーといったパーティ構成になるといったことは防げるようになっている。なお職業ごとの役割は，概ね以下のようになっていた。

■タンカー
ストライカー，ファイター

■ヒーラー
ソーサラー

■アタッカー
アーチャー，アサシン，ウォーロック


　最初にプレイできるダンジョンは，「春風の谷」にある「樹霊の地」で，最大2名のパーティで攻略できる。なお，各ダンジョンには入場レベルが設定されており，樹霊の地に入るためにはレベル19以上になっていなければならない。

　樹霊の地はフィールドと同じく，キノコや鳥などの可愛らしいモンスターが出現する，のどかな雰囲気なのだが，フィールドモンスターよりも圧倒的にHPが多い。筆者はレベル20で揃えられる最高の武器（自分なりに）を携えて挑戦してみたが，あえなく撤退することに。ただし，インスタンスダンジョン内で倒されても，ペナルティは発生しない。さらに，自分でリセットしない限り一度倒したモンスターは出現しない仕様になっているので，ある程度攻撃力があれば，俗にいう”ゾンビアタック”でボスモンスターまで進むことはできる。


　ボスモンスターとの戦闘で気をつける必要があるのは，ボスが使うスキルだ。全範囲攻撃や行動不可，回復不可などなど，実にさまざまなスキルをこれでもかと使ってくる。樹霊の地のボスであるレオナールの場合，回復不可のデバフをかけてくるミズゼリーを召喚してくるからやっかいだ。筆者は何度も煮え湯を飲まされた。とはいえ，攻撃パターンが分かれば，レオナールならミズゼリーを優先的に倒すといった対処ができる。

　というわけで，ボスモンスターに挑戦するときは，最初にボスの使用するスキルをターゲット情報で確認することをクセにしておくといいだろう。また，ボスと正面からガチンコで戦うのではなく，移動で攻撃を避けることも大切だ。マウスでは細かい動きが難しいので，ボス戦では「W/A/S/D」キーを使って移動をお勧めする。


　また，ボスモンスターとの戦闘での注意点は，もう1つある。モンスターにはBP（ブレイクポイント）というゲージがあり，これを0にしてから倒したときにのみ入手できるドロップアイテムがあるのだ。BPを0にする方法は，トランス状態で一定のダメージを与えること。ボスモンスターと戦闘するとき，とくにパーティでダンジョンに挑戦するさいは，BPを0にする前に倒さないようにしたいところだ。

　ちなみに筆者は，2つめのダンジョンである迷いの森まではソロでクリアしたが，それ以降は装備をかなり整えていないと厳しいように思えた。せっかくダンジョン攻略用PTマッチングもあるので，パーティを組んで挑戦したほうがいいかもしれない。

ダンジョンでレア装備品を収集だ

　本作では，レベル30までの防具はお店で購入できるが，それ以降はモンスタードロップか，「冬枯の森」エリアの春玉城で開催されているバザーを利用することになる。
　防具には，全身を同じシリーズで揃えることでセット効果が発生する装備もあるが，そういった性能が高い装備品をドロップするのは，ダンジョンに出現するモンスター達だ。従って，いい装備品を手に入れるためにはダンジョンに繰り返し挑戦することになるだろう。

　なお武器は防具と違い，一定レベルに達すると自動的に作成レシピを習得できる。材料集めは必要だが，足りないものをバザーで購入できるので，それほど作成に手間取ることはないだろう。

　また，武器と防具の強化は＋10まで行えるが，武器は＋3，防具は＋4以降から失敗の可能性が出てくる。強化の数値によって，ボーナス能力が装備品に付加されるが，そのあたりを目指すときは，お財布と相談することになる。
　ちなみに筆者はあまり所持金に余裕がなかったので，強化は100％成功するところで止めた。無理に強化するよりも，キャラクターのレベルを上げて，より高レベルの武器を使ったほうがいいと判断したからだ。

やりこみ要素に関わる成就ポイント。ソロプレイでも全ゲット可能か

　中ボスのところで少し紹介した“成就”について，さらに詳しく解説しておこう。「晴空物語」では，特定モンスターを倒す，特定クエストをクリアするなどで，成就と呼ばれるポイントを入手できる。現在のところ成就ポイントの使い道は用意されていないが，達成率として記録されるほか，ステータスアップ効果がある称号を入手できることもある。なお，成就ポイントを入手する方法は以下の通りだ。


■モンスター討伐
・各フィールドの特定位置に出現する中ボスモンスターを倒す
・各フィールドの特定位置に出現するレアモンスターを倒す
・ダンジョン内のボスモンスターを倒す

■クエスト成果
・各エリアの特定のメインクエストを達成
・ミステリーハント（モンスタードロップからクエスト受注）
・巨熊の掌（モンスタードロップからクエスト受注）

■特殊成就
・ダンジョン内で特殊な条件を達成する

　筆者がプレイした感覚だと，各エリアに出現する中ボスとレアモンスターを倒すことはそれほど難しくない。ポップ時間も短く，レベルさえ上げれば倒すことが可能だからだ。またクエストも，モンスタードロップの確率は低そうだったが，時間さえかければ達成可能に思えた。問題は，やはりダンジョン攻略に関わるものだ。レベルをかなり上げてから挑んだほうが良い結果がでやすいかもしれない。

　ちなみに筆者がつけていた称号は“駆け出し霊媒師”で，これは魔法クリティカル率と回復量がアップするといもの。攻撃と回復，両方の効果がほしい，どっちつかずな人向けといったところだ。つけている称号で，そのプレイヤーの個性が分かるのは面白いだろう。

優秀なペットは破産覚悟で捕獲に挑戦！？

　キャラクターだけでなく，モンスターも可愛らしい「晴風物語」では，登場するモンスターのほとんどをペットにできる。ペットを入手すること自体は難しくなく，「ペットじいさん」というNPCからペットフードを購入し，それをHP50％以下になったモンスターに使用すればOKだ。ただ成功率があるので，運が悪いときは何度も挑戦する必要がある。


　またペットの能力にも違いがあり，まれに同じモンスターでも優秀なものを捕まえられるときもある。この優秀なペットというのがかなりレアな代物で，筆者は20回ほど挑戦したが，本当にいるのかどうか不安になるほど，見事にすべてハズレだった。レアペットはスキルが2つのところ3つあり，融合時にアップする能力も多いようだ。レアペットは弱いモンスターでもバザーで高額取引されているが，捕まえるまでの労力とかかった金額を考えると妥当に思える。

　ちなみにダンジョンのボスモンスターもペットにできる。ボスモンスターのドロップアイテムで，そのボスの卵が入手できるのだ。ボスだけあって，かなり優秀だが，ドロップ率がそれほど高くないので，ほしい人はダンジョンを周回する覚悟が必要かもしれない。世の中そんなに甘くない。

「晴空物語」公式サイト