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[GDC 2012]15世紀の「ばら戦争」を描いたアクションゲーム「War of the Roses」がプレイアブルで公開。格闘戦によるマルチプレイがメインの一作
「ばら戦争」と聞いてもピンと来るのはヨーロッパ史に詳しい人ぐらいだろうが,これは,イギリス王家の継承権をかけて,赤い紋章を掲げるランカスター家と白い紋章のヨーク家の間で,1455年から30年にわたって繰り広げられた戦争だ。本作のシングルプレイモードでは,プレイヤーは1人の戦士として,この血で血を洗う抗争に身を投じていくことになるという。
ただ本作は,キャンペーンモードよりもチームベースの対戦モードを中心に据えたタイトルであり,ランカスター家とヨーク家に分かれての戦闘がキモとなる。
マルチプレイは,一つのゲームに参加するごとにクラスを選ぶような「Call of Duty」や「Team Fortress」に通じる仕組み。今回試せたプレイアブル版に用意されていたのは,長剣,短剣,メイス,斧,ポールアーム,クロスボウ,大弓がそれぞれ使える7クラスだった。数軒の民家を中核にした農村マップが用意され,全体的に広いフィールドではないと感じたが,これは遠距離戦闘よりも格闘による近距離戦闘がメインとなるゲームだからだという。
例えばFPSでの近距離戦闘は,「相手を狙おうと肉薄して武器を振るが,相手の動きを読みきれずに通り過ぎてしまう」ようなことが起こりやすいが,本作はTPSのため,そのあたりのストレスは軽減されるよう調整されている。
また面白いのは,マルチプレイモードではそれぞれのクラスにフィニッシュムーブが用意されており,殺される側だけ一人称視点になるという点だろう。実際に,6対6の対戦中に何度か敵に倒されたが,「やられた,くっそー!」という敗北感に打ちのめされた。なんとも競争意識を煽る演出である。
まだ不明点の多い作品だが,2つの家系が勢力拡大のために領土を奪い合うような,持続性を持った専用サーバーが用意されるほか,アイテムのアンロック要素などを備えることで,マルチプレイモードを長く楽しめるような工夫があることは明らかになっている。今回は登場しなかったものの,馬をミリタリーシューティングにおける乗り物のような形で利用できるとのことで,どうやら槍騎兵なども登場するようだ。
本作の開発を手がけるFatsharkは,オンラインシューティング「Lead & Gold」などで知られる,スウェーデンの気鋭のインディデベロッパだ。本作では自社製のゲームエンジン「Bitsquid」のDirectX 11対応版が利用されており,「Call of Duty」の舞台を中世に移したような,もしくは「Mount & Blade」にさらに臨場感を持たせたようなゲームになりそうな気配である。
War of the Rosesは2012年の第2四半期のリリースが予定されており,プラットフォームはPCであると発表されている。Paradoxがパブリッシングする作品では,過去最大の開発費を投じる予定であるらしく,同社CEOのフレデリック・ウェスター(Fredrik Wester)氏をして,「長い間,私が夢に描いていたアクションゲーム」と呼ばせるほど,力の入ったゲームとなっているようだ。
「War of the Roses」紹介ページ(Paradox Interactive)
- 関連タイトル:
ウォー オブ ザ ローゼズ 【完全日本語版】
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