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「マジック:ザ・ギャザリング」で世界を狙うために何が必要か。プロチーム「Team Cygames」の3人に聞く,プロゲーマーとしての実践と心構え
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印刷2015/12/22 00:00

インタビュー

「マジック:ザ・ギャザリング」で世界を狙うために何が必要か。プロチーム「Team Cygames」の3人に聞く,プロゲーマーとしての実践と心構え

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 2015年12月19日に掲載した記事――Cygames取締役・木村唯人氏へのインタビューに引き続き,トレーディングカードゲーム(以下,TCG)「マジック:ザ・ギャザリング」(以下,M:tG)のプロチーム「Team Cygames」へのインタビューをお届けする。

 先に掲載した記事ではTeam Cygamesを立ち上げた企画者である木村氏に,スポンサーであるCygamesの狙い,考え方を聞いてみたわけだが,ではそれを受けた側の選手達はどうなのか。今回はプロとなった彼らに,その辺りの信条や心構え,また変化した日常などについて語ってもらった。インタビューに応じてくれたのは,Team Cygamesの市川ユウキ選手覚前輝也選手山本賢太郎選手の3名だ。
 プロゲーマーの生活が,一体どんなものなのか気になっている人は,前編と合わせて読み進めていただければ幸いだ。

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Cygames 公式サイト

「Team Cygames」公式サイト


M:tG界に新風を吹き込むTeam Cygames


4Gamer:
 このたび,プロチームであるTeam Cygamesが結成されたわけですが,まずCygamesさんから最初にコンタクトがあったときは,どう思いましたか。

Team Cygames 山本賢太郎選手。中学生の頃に弟の誘いでM:tGをはじめ,2007年のプロツアーサンディエゴ07で準優勝。ほか,プロツアーのTOP8に3度,グランプリTOP8に4度名を連ねる強豪。プレイ歴は15年
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山本賢太郎選手(以下,山本選手):
 正直なところ,僕は「(プロチームを作ることで)Cygamesさんに何の利益があるんだろう」って思っちゃいましたね。実際に話を聞いてみると,プロチームをスポンサードすることで,ゲームのプロが活躍する土壌を育てたい意図があるそうで。それで納得したんです。

市川ユウキ選手(以下,市川選手):
 ああ,それは思いましたね。僕もその話を聞いて,それなら僕らでも協力できるんじゃないかって。

4Gamer:
 山本さんと市川さんは,これまでも別のチームに所属されていたわけで,今回は移籍の形を取られたわけですが,覚前さんはこれが初のスポンサードとなります。「お,俺に来るんだ?」というような思いはありませんでしたか?

覚前輝也選手(以下,覚前選手):
 ありました。まさしくそのとおりの感想で,そこは素直に嬉しかったですよ。実績から見ても,自分よりすごい人は大勢いますから。

4Gamer:
 実際に契約するにあたり,あまり悩んだりはしなかった?

山本選手:
 条件面でかなり良い契約でしたし,それに僕がプロになることで,もっと多くの人にM:tGを知ってもらえるなら,悪いことは何もないじゃないですか。僕自身すごく大好きなゲームなので,皆にもっとプレイしてもらいたいですから。

市川選手:
 それに,(M:tGの)外の業界からスポンサーが入ることって,これまでには無かったことですからね。これがきっかけとなって,もっと大きなムーブメントにつながれば,M:tGだけでなく,TCG業界全体が活性化することにつながると思えました。そういう意味でも,受けない手はなかったですね。

覚前選手:
 M:tGの大会が,例えば地上波のテレビなんかでも取り上げられるようになったら面白いよね。

4Gamer:
 先ほど条件が良いという話がありましたが,実際のところ,契約内容はどういう形なのでしょうか。給与が出るわけではないですよね?

Team Cygames 市川ユウキ選手。兄の影響で小学生からM:tGをはじめ,途中に10年のブランク期間があったものの,オンラインゲーム版「Magic:The Gathering Online」でM:tG界に復帰。それから2年のうちに,プロツアーのTOP8に2度,グランプリTOP8に4度進出を果たすという,獅子奮迅の活躍ぶりを見せる。また,グランプリ上海2015では見事優勝を果たしている
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市川選手:
 給与制ではないです。自分の場合は,海外大会への渡航費負担+戦績に応じたインセンティヴって感じですね。

4Gamer:
 となると,それだけで食べていくのは厳しいのでは?

覚前選手:
 厳しい……ですけど,そこはプロですから。腕でなんとかしていこうかなと(笑)。

4Gamer:
 ちょっとつっこんだ質問になりますが,例えば市川さんは,ほかに仕事を持ってらっしゃる兼業プロですよね。仮に来年好成績を収めることができたとして,そのインセンティブで兼業をやめて,こちらに専念することが可能でしょうか。

市川選手:
 うーん……現状だと厳しいでしょうね。プロツアーの賞金自体が400万円くらいですから,さらにそこから税金(30%の連邦税)も取られてしまうとなると,プロだけで食っていくのは難しい。これが2000万とか出るのであれば,また違うのでしょうけど。これは契約がどうこうというより,大会の賞金の方の問題だと思います。

4Gamer:
 では,将来的にはあるかもしれない? マインドスポーツとしてのM:tGがもっと認められ,賞金なんかにもスポンサーフィーが乗るようになれば,これ一本で食べていけるかもしれない。

市川選手:
 そうですね。先日,StarCityGames.com Open Series(以下,StarGames)の大会賞金が上がりましたが,ああいうのがムーブメントにならないとダメなんだと思います。それがプロツアーにまで波及すれば……いずれ自分もこれ1本でいけるかもしれない。

※StarCityGames.com Open Series……アメリカのカードショップが主催する大規模大会。大会だけでなく,M:tG関連のニュースサイトなども運営している。

4Gamer:
 では,Team Cygamesに加入したことで,何か変わったことはありましたか。周りの反応や,気持ち的なことでも構いません。

Team Cygames 覚前輝也選手。「ポケモンカードゲーム」からTCGを始め,「遊戯王OCG」などを経て,M:tGに辿り着く。高校進学後,一旦TCGから離れるも2013年に復帰。神戸とオークランドのグランプリで2度の優勝を経験し,今後の活躍が期待される新進気鋭のプレイヤーだ。本人曰く,ビート系の速いデッキが好みとのこと
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覚前選手:
 自分は今回が初めての契約なので,プロとしての責任みたなものを感じるようになりましたね。今までは「負けても次がある」という気持ちでしたけど,プロになったからには勝たなきゃならない。そういうプレッシャーを感じています。とはいえ,それも含めてワクワクしているのですけど。
 
4Gamer:
 普段の生活レベルでの変化は?

市川選手:
 アジアとかの海外大会に行きやすくなったのが大きいです。3月のメルボルンとかも。これまではほとんど行くことができなかったんですけど,そういう意味ではフットワークが軽くなりました。

山本選手:
 自分は生活自体は変わらないですけど,注目度が全然違うなって。プロチームも少しずつ増えてきていますし,「HareruyaProsは調子良かったけど,Cygamesはダメだったね」なんて言われないよう,がんばらなきゃって思っています。

※HareruyaPros……国内大手のM:tG専門ショップ「晴れる屋」が運営しているプロチーム。高田馬場に300席のゲームスペースを持つ。

市川選手:
 もともとM:tGが好きで始めたことですし,チームに入ったからといって,M:tG自体への取り組み方がそう変わるわけではないんですよね。練習とかは,これまでもずっとやってきたことですから。

4Gamer:
 プロとしての活動について,もう少し詳しく聞かせてください。プロになっても取り組み方は変わらないとのことでしたが,具体的にはどんな生活をされているのでしょうか。一般のプレイヤーからすれば,そこが気になるところだと思うので。

覚前選手:
 自分はやっぱり,「Magic:The Gathering Online」(以下,MO)で練習していることが多いです。あと,夜は練習に付き合ってくれる友達がいるので,ほぼ毎日彼の家に行ってプレイしている感じです。

4Gamer:
 チームの皆で集まったりはしないんですか?

市川選手:
 集まって練習するのは……プロツアー前くらいかな? プロツアーだと情報共有が重要になってくるので,今試しているデッキについて話したりもしますけど。だから今日顔を合わせたのも,グランプリ北京以来なんですよ。

4Gamer:
 なるほど。プロチームって,もっとこう……合宿とかするのかと思ってましたけど,そういうわけでもないみたいですね(笑)。

市川選手:
 そういうのも,今後はできたらいいと思ってます。ただ,覚前君は住んでいるのが大阪ですし,僕も自分の仕事があったりするので,そこを調整するのが難しいですね。もっと言えばチーム内だけじゃなくて,日本として団結すべきだとは思うんですが。

4Gamer:
 兼業だと,確かになかなか厳しいでしょうね。ちなみに1日のライフサイクルはどんな感じですか?

市川選手:
 朝8時に起きて9時に出社し……23時頃に帰ってきて,3時までMO。この繰り返しです。グランプリ前とかは,5時とか6時までやってますけど。

山本選手:
 自分もフルタイムでこそありませんが,別の仕事もしているので,練習できるのは週に5日だけなんです。練習する日はやっぱりMOを6時間くらいみっちりやる感じで。息抜きにほかのネットゲームをやることもあります。

4Gamer:
 なんだかんだで,練習は皆MOが中心なんですね(笑)。リアルで練習することはあまりないですか。

市川選手:
 効率を考えると,MO一択ですね。リアルでの対戦は,時間が合わないことが多くて,僕はあまりやらなくなってしまいました。情報収集だけして,あとは自分vs.自分でシミュレーションすることが多いかな。

山本選手:
 僕はナベとか,行弘 賢ちゃんとか,あとは晴れる屋勢なんかとは,リアルでプレイしていますね。今だとヤソのところに行って,重点的に調整かけたりとか。

※ナベ……世界最強の呼び声が高いプロプレイヤーの渡辺雄也氏。国内ショップの「MINT」からスポンサードを受けている。
※行弘 賢……TCG情報サイト「Dig Cards」に所属するプロプレイヤー。コラムの執筆なども手がけ,M:tGを盛り上げるために精力的な活動を行っている。
※ヤソ……2015年度の殿堂入りプレイヤーに選出されたプロプレイヤー,八十岡翔太氏。「ファイナルファンタジー・トレーディングカードゲーム」「WIXOSS-ウィクロス-」など,国産TCGのゲームデザインなども手がけている。


4Gamer:
 先ほど海外遠征の話もありましたが,海外へはどれくらいの頻度で行かれるのでしょうか。

市川選手:
 今は月イチ程度かな。Cygamesさんのおかげで遠征に出やすくなりました。行けるんだったら,毎週行きたいくらいです(笑)。

山本選手:
 絶対嘘だ(笑)。

市川選手:
 いやいや,許されるなら毎週行くでしょ(笑)。中村さんみたいに,アメリカをプラプラしながらグランプリに参加して。1年くらいは,そんな生活を送ってみたいです。夢ですけどね,今のところ。

※中村さん……2011年のプロツアー殿堂にも選ばれた,プロプレイヤーの中村修平氏。現在は引退している。

4Gamer:
 先ほど話題にのぼった中村さんなんかは,かつてはまさにそんな生活をしていたと聞きます。グランプリをめぐりながら,アメリカを放浪するみたいな。

山本選手:
 僕はグランプリはちょっと乗り気になれないかなあ。でも,来年度からグランプリの賞金上がるらしいので,それならいいかも? 現状だとちょっと,アジア以外は行きたくないですね。

市川選手:
 じゃあ,アジアは全部行こう(笑)。賞金が上がったら,やっぱりそれを目標にして生活が変わる人が絶対出てくると思うんですよ。とくにアメリカだと,全部回そうとする人は絶対出てくるハズなので。

4Gamer:
 自分達でやろうとは思わない? 個人的には,日本人からもそういう人が出てきていいかなって思うんですけど。

覚前選手:
 僕はやってみたいですけど(笑)。

山本選手:
 賞金が上乗せされたことで,現実味が出てきたのは確かですね。グランプリ以外にStarCityGamesもありますし,そうすると毎週どこかの賞金制大会に参加できることになる。それで食べていけたら,めちゃめちゃプロっぽいですよね(笑)。

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世界における日本の立ち位置と,これからの戦略


4Gamer:
 では,Team Cygamesとしての今後の目標についてお聞きしたいのですが,やはり当面の目標としては,強豪アメリカを相手にどう戦っていくのか,というところになるかと思います。皆さんとしては,日本の強みをどう考えているのでしょうか。

市川選手:
 日本人選手の強みは,やっぱり個人力の高さだと思うんですよ。アジアのグランプリとかを見ていても,僕らの知らない日本人がものすごく強かったりしますから。これは他の国ではないことです。

4Gamer:
 つまり,プレイ人口の多さ,層の厚さが強みであると。

山本選手:
 TCGというものが,恐らく日本人に合っているんでしょう。M:tG以外にも国産TCGがたくさんありますし,裾野が広い。

覚前選手:
 日本人はみんなマジメだよね。プレイも丁寧でさ。

4Gamer:
 では,一方でアメリカ選手の強みというと?

市川選手:
 それはもう,チームとしての連携が強固なところです。プロツアー1週間前とかになると,チーム10人20人で集まって練習したりする。そういうところは,日本はまだ遅れていて。

4Gamer:
 ああ,Channel Fireballなんか,全員同じデッキで出てくることがありますね。確かに現状の日本だと,ちょっとありえないかも。

※Channel Fireball……アメリカのカードショップ。海外のプロプレイヤーが多く所属している。

市川選手:
 75枚全部一緒とか,日本だとありえないですよね。逆に言えば,そうしたデッキの完成度の低さを,個人のセンスで補っているのが日本なんです。

山本選手:
 あと,日本人はリミテッドが強いです。プロツアーなんかでも,リミテッドでは勝つんだけど,構築で負けるというのが多い。そこで負けずに踏ん張った人がTOP8に行けるという。

※構築/リミテッド……M:tGにおけるゲームタイプ。「構築」は指定されたカード(ここ2年間に発売されたすべて,など)からデッキを構築する。「リミテッド(限定戦)」は,未開封のブースターパックをその場で開け,入っていたカードのみでデッキを構築する。
 
4Gamer:
 プロツアーの決勝ラウンドは,どっちで行われるんですか?

市川選手:
 残念ながら構築なんですよ(笑)。だから,最近日本が勝てないのは,そこにあるんじゃないかって思ってます。

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4Gamer:
 あれ,でも先日のミルウォーキーの大会では,日本の瀧村和幸選手が優勝しましたよね? 

市川選手:
 あれは,今の環境にスペシャリティなデッキが存在しなかったからだと思います。アブザンアグロとかジェスカイとか,皆が考えつくようなデッキが強かった。

4Gamer:
 デッキの段階で勝敗が決してしまうような,いわゆるデッキ勝ちがなかった?

山本選手:
 ええ。だから,自力が強いプレイヤーが普通のデッキで普通に勝ったわけです。

市川選手:
 あの時も,僕らの想像を超えるようなデッキを,アメリカ勢が開発していたら,日本勢は勝てなかったと思います。そういう意味では,今回は環境が日本にとって有利に働いたということですね。

4Gamer:
 しかし,それなら日本もそうしたデッキの開発力を身に着けるべきなのでは。単純な話,そうしたら最強ですよね。

市川選手:
 そうですね(苦笑)。もちろん,そうしたい気持ちは重々あります。それがTeam Cygamesにとっての当面の目標になるでしょう。徐々にではありますが,チームでの調整を形にしていきたいです。


2016年のプロツアーに向けて


4Gamer:
 チームの現状と目標は,かなり分ってきたように思います。次は個人としての抱負を聞かせてもらえますか。来たる2016年に向けた目標とか。

山本選手:
 僕は,プラチナレベルの維持と,世界選手権出場の2つですね。世界選手権は2年連続出場しているので,今年も出場したいです。プラチナのほうは,今年から必要となるポイントが引き上げられたので大変かもしれない。かなり勝たないとダメそうです。

※プラチナレベル……M:tGでは,賞金トーナメントの上位に入るとポイントが付与され,そのランキングによってランク分けが行われる。プラチナはその最高ランクで,以下ゴールド→シルバーと続く。上位ランカーは大会への参加権が付与されるほか,Wizards of the Coastから報奨金や渡航費の援助が得られる。

4Gamer:
 世界選手権の3年連続出場は,達成できればM:tGの長い歴史の中でもかなりの偉業じゃないですか。あと2016年からは,構築,リミテッドのそれぞれの部門でランキング1位のプレイヤーが招待される枠ができたとか。

山本選手:
 ええ。僕の場合,リミテッド部門でそれを狙っていこうと思っています。

4Gamer:
 では,市川さんはいかがですか。

市川選手:
 僕としては,最低ラインがゴールドレベルの維持だと思っています。ゴールド以上がプロの条件だと思っているので。それからプロツアーTOP8ですね。去年は入れなかったので,今年は入りたいなと思ってます。それが今のところ一番の目標かな。

Team Cygamesとして初めて挑んだ,ウィスコンシン州ミルウォーキーでのプロツアーでの1枚。このときは,残念ながら3人ともTOP8に残ることはできなかった
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覚前選手:
 僕も,今季はゴールド維持したいですね。もう少し長い目で見るなら……一緒に練習できる友達がほしいです(笑)。

4Gamer:
 いや,そこはチームで練習しましょうよ(笑)。ちなみに東京に拠点を移すことなんかは考えてないのですか。

覚前選手:
 ああ,それも考えてます。より良い環境に身を置きたいので。チームでの練習についても……これから相談してみます(笑)。

山本選手:
 5年後,10年後の話をするなら,やっぱりM:tGだけで食べていけるようになるのが目標だよね。むしろ,それがTeam Cygames全体の抱負といえるかもしれないです。もちろん,それにはさっき言ったような業界全体の変化が必要になるわけですけど。

市川選手:
 うん。あとCygamesだけでなく,もっと色々な業種からプロチームが生まれてきてくれると嬉しいよね。

4Gamer:
 では,最後にこの記事の読者にメッセージをいただけますか。M:tGに触れたことがない人も含め,いろいろな人が読んでいると思うので。

山本選手:
 M:tGを遊んだことのない人には,一度は触ってみてほしいですね。本当にすごく面白いので。

覚前選手:
 うん。すごく考えることが多くて,大人になってからもできるスポーツみたいなものだと思うんです。だから,そういう感覚で触れてもらうのがいいかなって。それで楽しかったら続ければいいし,合わなかったら止めればいい。

市川選手:
 皆,いい事いうなあ。これ,絶対事前に答を考えてきたよね? あ,僕は人気者なんで,これからも応援してもらえたら嬉しいです(笑)。

(一同笑)

市川選手:
 あと,ティーチングキャラバンっていう初心者向けの無料講習会が定期的に開かれているので,これに参加してみるといいと思いますよ。それから,M:tGはお金がかかるイメージがあるかもしれないけど,今はかなり安上がりな娯楽になってます。とくにドラフト戦なら,1000円で3時間くらい遊べるので,映画より安い(笑)。

4Gamer:
 では,昔遊んでたけど今は止めちゃった人,あるいはもっと強くなりたい人にアドバイスするとしたら?

山本選手:
 それはもう,ぜひMOをプレイしてみてくださいとしか。ここの皆は全員MO育ちなので,それしか言いようがない(笑)。

市川選手:
 ちょっと回答がガチすぎない?(笑)

覚前選手:
 僕なんか10年前もMOやってたし,復帰したきっかけもMOですからね。

市川選手:
 いやいや,MOは純粋に楽しいんだよね。楽しくてやってたら,いつの間にか鍛えられてた。僕はM:tGは楽しんで覚えるものだと思うので,そうやってカジュアルに遊ぶのがいいと思います。僕らはもう人生かけちゃってますけど(笑)。

4Gamer:
 本日はありがとうございました!

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