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「New Zealand」か? AMD,デュアルGPU仕様となる謎のグラフィックスカードを公開
3連ファンを採用したクーラーを搭載するこのカードは,AFDS 12における最後の基調講演で,AMDのMark Papermaster上級副社長兼CTOが示したものなのだが,実のところ,氏がFirePro W9000として示したスライドのイメージ画像とは似ても似つかない。それどころか,同氏がカードを台から持ち上げるとき,一瞬だけ見えたカードの裏側からは,このカードが2基のGPUを搭載する製品だとはっきり確認できるのである。
ちなみにPapermaster氏は,FirePro W9000が,単精度浮動小数点数で4TFLOPS,倍精度で1TFLOPSの演算性能を実現し,合計容量6GBのGDDR5グラフィックスメモリと組み合わせられることをスライドで明らかにしているのだが,4Gamer読者であれば,このスペックに違和感を覚えた人も少なくないだろう。
そう,Southern Islands世代の現行製品だと,最上位モデルとなる「Radeon HD 7970」は,単精度浮動小数点演算性能で3.79TFLOPSを実現している。今回公開されたデュアルGPUカードのスペックとしては低すぎるのである。
いずれにせよ,AMDが未発表のデュアルGPUカードを見せられる状態になったのは歓迎すべきだろう。AMDは,ワークステーション向けのFireProよりも先にRadeonを投入する傾向にあるだけに,いよいよ,Southern Islands世代におけるデュアルGPUカード「New Zealand」(ニュージーランド,開発コードネーム)の投入が間近に迫ってきたと述べてよさそうである。
なお,Papermaster氏は,基調講演でCPUロードマップのアップデートを行い,Brazos後継となる低消費電力版CPUコアで,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)2W以下の製品を投入する計画や,2013年にはサーバー向けにもAPUを展開する計画があることを明らかにしている。このあたりはまたあらためてレポートしたい。
第4世代のULP(Ultra Low Power)CPUコアで2W以下のTDPを実現するとAMDは予告していた |
次世代サーバー向けプロセッサには,CPUのほか,APUも用意される |
AFDS 12公式Webサイト(英語)
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