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  • 発表日:2011/12/22
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[COMPUTEX]PowerColor,「HD 7970 X2」カードの実動デモを展示。フルスペックのHD 7970を1枚のカードに2基搭載
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印刷2012/06/06 00:00

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[COMPUTEX]PowerColor,「HD 7970 X2」カードの実動デモを展示。フルスペックのHD 7970を1枚のカードに2基搭載

 COMPUTEX TAIPEI 2012で,パーツ系メーカーは主に,TWTC Nangang(正式名称:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall)という大型の展示場にブースを構えているのだが,その5階にプライベートブースを構えるTul(PowerColor)は,1枚のカードにフルスペックの「Radeon HD 7970」を2基搭載する「Devil 13 Radeon HD 7970 X2」(以下,HD 7970 X2)の動作デモ展示を行っていた。

HD 7970 X2
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HD 7970 X2から実際にEyefinityで3画面出力されていた
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 「Devil 13」と書かれたロゴが入ったGPUクーラーは,3連ファンを搭載する3スロット仕様のもの。PCI Express補助電源コネクタは8ピン×3なので,x16スロットからの給電も合わせると最大525Wを供給できることになる。

GPUクーラーは3スロット仕様と大がかりである。補助電源コネクタは8ピン×3だ
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外部出力インタフェースはDual-Link DVI-I×2,Mini DisplayPort×2,HDMI×1。Mini DisplayPortの上に見えるのはオーバークロックボタンだ
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 HD 7970は仕様上,最大消費電力が260Wとされているため,単純な足し算をすると260W+260Wで520Wとなる。電源容量がかなりギリギリのように思えるが,Tulのプロダクトマーケティング担当副社長のBryan Chen(ブライアン・チェン)氏いわく「HD 7970の典型的な消費電力は220W程度だ。220W×2で,そのほかメモリチップやブリッジチップなどの消費電力を入れても,定格動作時の消費電力は450W前後に留まる」。
 つまり,70W程度の余裕が生まれることになる。そこでTulはHD 7970 X2の外部出力インタフェース部にオーバークロックボタンを用意して,動作クロックと動作電圧の引き上げを行えるようにしたのだという。

GPUクーラーを取り外した状態のサンプルも展示されていた。HD 7970が2基とブリッジチップ,GPU 1基あたり容量3GBとなるグラフィックスメモリチップが整然と並んでいる印象だ
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GPUとブリッジチップをクローズアップしたところ。ブリッジチップはPLX TechnologyのPCI Express Gen.3対応品「PEX 8747」だった
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電源部は10+4+2フェーズ構成と見られ,8ピン補助電源コネクタ×3の近くに,10フェーズの電源部がずらりと並んでいる
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カード背面。デモ展示機にはヒートスプレッダが取り付けられており,その隙間からGPUごとに使用フェーズ状況(≒負荷状況)の分かるインジケータが見えるデザインとなっていた(写真左)。静態展示されていたカードでは,ヒートスプレッダが外されていたので,背面にもメモリチップを搭載していることが分かる(写真右)
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デモ機では「重く,場合によってはマザーボードにダメージを与えかねないため」(Chang氏),Tul製の“つっかえ棒”が取り付けられていた。現在,製品ボックスにバンドルさせる方向で検討中だそうだ
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 定格動作時の3D性能だと競合の「GeForce GTX 680」に及ばないHD 7970だけに,オーバークロックボタンでどの程度のクロックまで到達できるのかは気になるところだが,残念なことに最終的なスペックは決まっていないとのことだった。AMDが,開発コードネーム「New Zealand」と呼ばれる“デュアルTahiti”カードを発表したら,その時点から最終調整をかけていくという。
 Tulのマーケティングスペシャリスト,Tia Chang氏は「見てのとおり,カードはもうすでに問題なく動いているので,あとはAMD待ち。AMDが発表さえしてくれれば,7月中にも市場投入できるだろう」と述べていたので,今回動作していたサンプルは製品版にかなり近い状態のものだと見ていいのではなかろうか。

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製品ボックスも相当に凝った作りになっていて,なんと,わざわざ蝋で封をするのだという。今回の展示品は封されていなかったものの,見た目は上段中央のような感じになる見込みだ。製品ボックスには,ドクロを模した3枚のプレートを入れ,3つ重ねると保証書になるという遊び心も入れる予定とのこと(下段中央,右)。また,欧州で人気のあるドライバーセットを特別なオマケとしてバンドルすることも検討しているそうだ
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ファンの使い勝手を追求した「Vortex」シリーズ始動

2D時と3D時でファンの大きさを変えるアプローチも


Vortex IIIベースのGPUクーラーを搭載したグラフィックスカード
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 Tulのプライベートブースには,同社独自技術「Vortex III」を採用するHD 7970カードや「Radeon HD 7950」カードも展示されていた。
 Vortex III自体は,2スロット仕様のGPUクーラーなのだが,隣接するスロットに余裕がある場合は,“ファン部”を引き出すことで,風量を最大13%向上させられるとのこと。また,ファンを引き出す部分は手動なので,角度をつけてエアフローの調整をすることも可能だという。

標準状態(左)と,ファン部を持ち上げたところ(中央),さらに角度を付けたところ(右)
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羽の根元部には,乱気流を防ぐために設けられたという空気孔も見える
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次世代Vortexの開発途上サンプル。スライダーの存在に注目してほしい
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 なお,ブースには,次世代Vortexの開発途上サンプルも置かれていた。これだと,角度は変えられないものの,指をスライドさせるだけでファンの引き出しが可能になる。
 また,2Dアプリケーション実行時はファンを畳んで短くして動作音の低減を図り,3Dアプリケーション実行時はファンを伸ばして風量を稼ぐというコンセプトモデルも展示されていた。それをどうやって自動制御するのかとか,羽を短くして本当に静音化を図れるのかといった疑問もないわけではないが,Tulがグラフィックスカードメーカーとして,クーラーの開発に力を入れていることは間違いなさそうだ。

ファンの羽,先端部を折り曲げ可能にしたサンプル。製品化されるのかは分からないが,面白い試みなのは確かである
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PowerColor公式Webサイト

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