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[E3 2011]「PS3版との違いはほぼ解像度のみ!」――カプコンの小野Pが語るVita版「STREET FIGHTER X 鉄拳」
まず,あらためてSTREET FIGHTER X 鉄拳の概要を説明しておくと,本作は,カプコンとバンダイナムコゲームスによるコラボレーションタイトルだ。その名の通り,25年の歴史を誇る「ストリートファイター」シリーズと,生誕から16年が経った「鉄拳」シリーズが,夢の共演を果たすという対戦格闘ゲームである。
「STREET FIGHTER X 鉄拳」公式サイト
SCEが開催した本イベントの中では,唯一のサードパーティタイトルだった本作。小野氏のプレゼンテーションは,前半が主にVita版についての話で,後半は,PS3版を使っての「STREET FIGHTER X 鉄拳」そのものの,より詳しい解説といった内容であった。
まず小野氏は,登壇するや否や「先日のカンファレンスでは,僕のヘタクソなプレイを皆さんにお見せするという大失態をおかしてしまったので,今回は上手いヤツのリプレイデータを持ってきました」と発言し,Vita版のデモンストレーションを公開。リプレイデータの再生とはいえ,映像自体は実機で動いているもののようで,小野氏も「3Dモデルのボーン構成なども一緒で,PS3版とまったく変わらない。違うのは解像度くらい」と得意げな様子。
ちなみに会場では,Vitaの映像を,プロジェクタでスクリーンに映しだしていたのだが,確かになんの説明もなければ,PS3版と見紛うほどのクオリティで,携帯ゲーム機もここまで進化したのか! というか,昔,アーケードゲームがコンシューマ機で遜色なく遊べると言われたときのような驚きを,また違う形で味わったような感覚があった。いやほんと,凄い時代になったもんです。
さすがに現時点では「べらべら喋ると,平井社長に裏に呼び出されて怒られてしまいます!」と,詳しい話を聞くことはできなかったが,どうも単なる通信対戦だとか,そういうものではないらしく,小野氏も「新しい格闘ゲーム体験を作れるのではないか」「今はまだ話せないが,きっと皆さんに“なるほど”と言ってもらえるのではないか」など,その可能性の高さを強くアピールしていたのが印象的であった。
Vitaの通信機能というと,GPS機能を使った「Near(ニア)」などが連想されるが,一体どんな体験/遊びを提案してくれるのか,非常に楽しみなところである。例えば,各地の強豪プレイヤーをGPS機能を利用して可視化できたりすると,往年の格闘ゲーム全盛時代のような,「地方に遠征して腕を競う!」みたいなコミュニケーションが生まれたりもするかもしれない。
本作のプレイフィールに関しては,「こちら」の記事でも紹介しているので割愛するが,ほかにも,電撃参戦を果たした「INFAMOUS 〜悪名高き男〜」の主人公・コールの話(さらなるサプライズ参戦もあるらしい?)や,「ランチアタック」「キャンセルチェンジ」「クロスラッシュ」などといった各種ゲームシステムの話。さらには「今回は,対決色を押し出したかった」というアートコンセプトの話など,興味深い話題がいくつも語られていた。
とくにアートコンセプトについては,「バンダイナムコゲームスさんとのやりとりはほとんどなし。ほぼノーチェックの状態です」としたうえで,「これは意地悪をして見せないのではなく,まずお互いのクリエイターを信頼しましょうという組み方をしているから,実現できていることです」と解説。さらに「でも,例えば鉄拳のキャラであるニーナにキワドイ衣装を着せたいだとか,ギリギリまで脱がせたいと考えることもあります。僕はジェントルマンなのでやっていませんが。でも,鉄拳側のプロデューサーの原田氏はジェントルマンではないので,もしかしたら裸のチュンリーが出てきたりするかも(笑)」とコメントしながら,「ただ,こういうタイトルなので,そういった“どうなるんだ?”的な部分も含めて楽しんでもらえればと思います」と語っていたのがとても印象的であった。
ちなみにクロスラッシュとは,言ってしまえば「ヴァンパイアハンター」などで実装されていた「チェーンコンボ」のようなシステムで,弱K→中P→大P→ランチアタック→さらに追撃!といった感じで,さまざまな組み合わせや連携が考えられるゲームシステムである。
ただそうした一方で,いわゆる「ガチャプレイ」にも配慮しているとのことで,小野氏も「適当にボタンを押してもそれっぽく動きます」と説明。初心者でも楽しみやすく,なおかつ上級者も満足できる「理想の格闘ゲーム」を目指して開発している点は,長年格闘ゲームを作り続けているカプコンの,意識の高さを感じさせられる部分である。
ともあれ,PS3版 / Vita版ともども,非常に期待の持てる「STREET FIGHTER X 鉄拳」。発売時期などに関してはまだ未定とのことだが,“なるほどと思える機能”の詳細ともども,続報を待ちたいところだ。
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