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[TGS 2011]リュウと一緒に苦悩してほしい――Team NINJAの早矢仕洋介氏が自ら「NINJA GAIDEN 3」の魅力について語ったステージをレポート
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印刷2011/09/16 11:34

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[TGS 2011]リュウと一緒に苦悩してほしい――Team NINJAの早矢仕洋介氏が自ら「NINJA GAIDEN 3」の魅力について語ったステージをレポート

 東京ゲームショウ2011のコーエーテクモブースで開催された「NINJA GAIDEN 3」PlayStation 3 / Xbox 360)の紹介ステージ。登壇した同作の開発プロデューサー早矢仕洋介氏は,本作の魅力をいくつかのポイントに分けて語った。

右:開発プロデューサー早矢仕洋介氏
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過去のNINJA GAIDENにはない,物語へのこだわり


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 早矢仕氏が最初に触れたのは,NINJA GAIDEN 3の物語についてだ。これまでの「NINJA GAIDEN」は,ただ人を殺すアクションゲームだった。過去のシリーズ作品では数え切れないほどの命を奪い,返り血を浴びてきた主人公のリュウ・ハヤブサ。そんなリュウが,NINJA GAIDEN 3では人を殺した報い(業)を右腕に背負うことになる。

 脚本には,本作の原点である1988年稼働のアーケード用アクションゲーム「忍者龍剣伝」を始め,数々の作品でシナリオを手掛けた加藤正人氏が参加。科学技術が発展した現代で,忍者として生き続けるリュウの活躍と苦悩の物語を,ロンドンの地を舞台に描く。そこには,これまでのNINJA GAIDENにはなかった深くダークなストーリーがあり,早矢仕氏いわく「大人のエンターテイメント」があるという。

デモ版でも,刀で人を貫く感覚や,戦慄し腰を抜かす敵の恐怖の感情などがリアルに描れていることがよく分かる
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あらゆるプレイヤーへの配慮


 NINJA GAIDENは,シリーズ作品として長く続いたため,今ではすっかりハイコンテクストとなった世界設定や,そのゴア表現から,プレイヤーを選びがちなシリーズとなっている。さらにゲームの難度が非常に高く,玄人向けであることで有名だ。早矢仕氏は,物語を解説していたときの真剣な表情を崩し,笑顔でこう話す。

「シリーズファンの要望にはもちろん応えていますが,NINJA GAIDEN 3ではアクションが苦手な人でも楽しめる“仕掛け”をしています」

 その仕掛けというのが,難度設定の一つ「HERO」だ。これは,敵が弱くなったりするただの難度設定とは異なる。例えば,道に迷ったときにボタン一つで進むべき方向が分かったり,HPが一定値まで下がるとオートガードが発動したりといったように,ゲームを普通に進める中でさりげなくサポートが入る仕掛けなのだという。

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 もちろん,玄人向けの難度で遊びたいというファンのために,「NINJA」にはNormalとHardといった難度設定が用意される。さらにゲーム内では,かつて登場したキャラクターや既視感のあるシチュエーションに出くわす可能性がある。このほか,非常に難度が高いことで知られる「超忍道」モードのようなものを搭載する予定もあるという。

 本作における攻撃は2つのボタンを使い分ける必要があるが,ただ連打しているだけでもシチュエーションによって“トドメ”の演出は変化する。また,人を殺めていくことで右腕に業が溜まっていき,業が一定値を超えると「絶技」という派手な必殺技を繰り出せる。このほか,リュウは画面全体を燃やし尽くすような演出の忍法なども使えるようで,簡単操作でも高い爽快感を得られるとのことだった。

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ステージでは,ブースコンパニオンが実際にデモ版をプレイ。ボタンを押すだけで激しいアクションが起こることに驚いていた
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 早矢仕氏は,ステージを去るまえに「“現代のアクションとは何か”と考えながら作った作品です。2012年の発売日をお楽しみに」と話した。

 ステージ後,早矢仕氏に少しだけインタビューする機会を得たので,その内容もお伝えしておこう。氏がNINJA GAIDEN 3のリュウ・ハヤブサに込めた思いとは何なのか,ぜひ感じ取ってほしい。


早矢仕洋介氏ショートインタビュー


4Gamer:
 NINJA GAIDEN 3で早矢仕さんが最もプレイヤーに伝えたいことは何でしょう?

早矢仕洋介氏(以下,早矢仕氏):
 E3でもお伝えしました(関連記事)が,今回のテーマは「ジャパニーズ・ダークヒーロー」です。なので,リュウをとおして人を斬っている,ということを意識してもらいたいですね。

4Gamer:
 刀で人を貫く様子や,怯えてリュウから逃げようとする人間の姿などは非常にリアルでした。

早矢仕氏:
 ゲームをプレイするとき,プレイヤーはどうしても“いい人”になろうとします。ですが,NINJA GAIDEN 3では人を斬らないと先に進めません。ですから,そこで逃げてはいけないんですよ。怯える敵を斬るというのが苦痛な方もいらっしゃるかもしれませんが,それは同時にリュウの苦悩でもあるわけです。そういう彼に感情移入しながら,物語を進めてほしいと思います。

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4Gamer:
 リュウは,なぜ逃げる敵まで斬らなければいけないんでしょうか。

早矢仕氏:
 忍者って,自分の意思を表に出さずに任務を全うしなければいけない存在ですよね。リュウもそうです。彼の任務を成功させるためには,目の前の敵を斬る必要がある。忍者っていうと,例えば「水遁の術」とかいって水の中を進んで行くようなイメージがありますが,現代に忍者がいても本当にそんなことをするでしょうか。

4Gamer:
 忍者とはそういうものだ,と思い込んでいるところはあるかもしれません。

早矢仕氏:
 そうですよね。私は,人を殺して任務を遂行するというのが,現代の忍者像なのではないかと思うんです。

4Gamer:
 少し残酷ですね。

早矢仕氏:
 (壁を指して)リュウがマスクをしているイメージビジュアルが見えますよね? リュウは,マスクをしているときは忍者ですが,はずしているときは人間なんです。これは,物語上でもしっかりと書き分けられています。俗世界的に言えば,仕事をしているときと,子供と遊んでいるときの父親の二面性みたいなものです。そして今お話したのはマスクをしているリュウのことですね。

4Gamer:
 ということは,物語を進めていくと人間らしいリュウの姿も見られる?

早矢仕氏:
 そういうことになります。

4Gamer:
 楽しみです。それにしても,お話を聞けば聞くほど,E3からさらに物語の作り込みに注力されていることが分かります。

早矢仕氏:
 実は,E3でNINJA GAIDEN 3を発表するときには,これまでのシリーズファンの方々をあまりびっくりさせたくなかったので,ストーリーの説明は抑えて,あくまでアクションゲームとしてトレイラーを交えて紹介させていただいたんですよね。それこそ,コンセプトが「ジャパニーズ・ダークヒーロー」であるということをお伝えしたくらいです。

4Gamer:
 確かにそうでした。

早矢仕氏:
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 逆に,今回の東京ゲームショウで公開したトレイラーでは,アクションシーンなどを一切入れず,リュウが苦しんでいる姿だけをお見せしました。そしてこの二つを合わせたものが,忍者なのではないかということを,今初めて伝えられるんですよ。実はE3のトレイラーに入れていた1文字の漢字は「刃」だったんです。そして今回公開しているものには「心」という字が入っています。くっつけてみてください。

4Gamer:
 「忍」

早矢仕氏:
 刃を持った彼の一面と人間としての彼の一面が合わさって,初めてリュウ・ハヤブサという忍者が生まれるというわけです。

4Gamer:
 ということは,E3と今回でやっと彼自身が見えてくるというわけですね?

早矢仕氏:
 実はまだまだ隠していることはたくさんあるんですけどね(笑)。とにかく今回両方の彼を見ていただいたことで,コンセプトである「ジャパニーズ・ダークヒーロー」とは何なのかが,以前よりも伝わったのではないかと思います。

4Gamer:
 それでは,最後に4Gamer読者に一言をお願いします。

早矢仕氏:
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 4Gamerを見ている方というのはゲームが大好きな方々だと思います。やっぱり,今の日本のゲームでわくわくするものが減ってきているというのは,私自身も感じています。そんな中で,長年ゲームを遊んでいる方でも本当に胸がドキドキするようなアクションゲームを,この「NINJA GAIDEN 3」で目指していますので,ご期待いただければと思います。


4Gamer:
 本日は,ありがとうございました。

――2011年9月15日収録

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コーエーテクモゲームスTGS 2011特設サイト

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