プレイレポート
「ファークライ3」のファーストインプレッションを掲載。広大な島を舞台に,戦いだけではないさまざまなアクティビティを楽しもう
「ファークライ3」公式サイト
ユービーアイソフトから2013年3月7日に発売される予定の「ファークライ3」(PlayStation 3 / Xbox 360)は,FPSファンにはすっかりおなじみ,Far Cryシリーズ最新作だ。これまで,2作品が発売されているが,いずれも広大なエリアを自由に行き来しつつ戦うというオープンワールドが特徴となっていた。
このたび,そのキャンペーンモードを一足早くプレイするという機会が得られたので,ここでそのファーストインプレッションを,大きく4つの要素に分けてお伝えしてみたい。
オープンワールドを楽しみ尽くせ!
FPSには,あらかじめ決められたルートをたどっていくタイプのものと,ゲーム内に作り込まれたオープンワールドを自由に行き来してミッションをこなしていくタイプのものがある。もちろん,どちらが良い悪いという話ではなく,これは制作者がその作品で何をプレイヤーに体験してほしいかによって決められるものだ。リニアな一本道でもオープンワールドでも,いずれも傑作/人気作はたくさんある。
ファークライ3は後者のタイプで,プレイヤーには移動に関する高い自由度が与えられている。もちろん,果たすべき目的は順を追って設定されるが,本作の場合,その目的を達するのための方法は一つではないのだ。
例えば,山を背にした敵の拠点を攻撃する場面を想像してほしい。単純に攻撃すれば,気づいた敵に警報を鳴らされ,増援を呼ばれてしまう。そこで,草むらに潜みつつ,敵を一人ずつ近接攻撃で倒し,死体を隠しつつ接近することになる。あるいは,手元にスナイパーライフルがあれば,それで遠距離攻撃して,警報を鳴らさせないという方法も選べるだろう。とはいえ,これくらいなら,多くのFPSで実現されていること。ファークライ3の場合,さらにいろいろなパターンで進めることができるのだ。
筆者の場合,ハンググライダーに爆発物を取りつけて後方の山頂から飛び,敵が集まるのを狙ってハンググライダーを激突させ,爆薬でまとめて吹き飛ばすという作戦を試してみた。もちろん,突入直前にハンググライダーから飛び降りる必要があり,難度はそれなりに高いが,まるでハリウッド映画さながらの作戦だ。
飛び降りたあとは,混乱に乗じて警報を切り,残った敵を始末する。ハンググライダーが存在することや,爆発物を持っていることなど,実行するための条件はやや厳しいが,うまくいったときの快感は格別だ。
これは,あくまでも一例であり,プレイヤーの「ひらめき」によって,もっと違う作戦も試せるだろう。もちろん,失敗することも少なくないが,「じゃぁ次はこうやってみよう」と工夫を凝らしたくなるところが,ファークライ3の魅力なのだ。
大人のプレイヤーなら楽しめる,常識を超えた狂気の島
主人公のジェイソンは,友人達と一緒にバカンスを過ごすため,南太平洋の小島「ルークアイランド」を訪れる。しかしそこは,暴力や犯罪がはびこる無法地帯だった。ジェイソン達は,犯罪者集団である海賊達に捕まってしまう。
なんとか一人で逃げ出すことに成功したジェイソンだが,海賊のボスであるバースに目をつけられてしまう。かくして彼は,依然として捕えられている友人達を救い,島から脱出するため,地元民の協力を得ながら戦っていくことになるのだ。
余談ながら,こうした大人オンリーの設定を持ったゲームをUbisoft Entertainmentという大手メーカーが作ってしまうところに,欧米ゲーム業界の懐の深さを感じる。もともと,北米のゲームメーカーとはちょっと雰囲気の違う作品を作ることは知っていたが,人気シリーズの最新作をこのような設定にしてしまうUbisoft,かなりアブナい会社かもしれない。
さて,ジェイソンは最初,ごく普通のちょっと弱々しい青年なのだが,ゲームが進むにつれてルークアイランド色に染まり,次第に猛々しい男(漢)になっていき,あらゆる手段を講じて海賊達を叩きのめしていく。モヤシっ子が大自然にもまれて,たくましくなっていくわけで,その変わりっぷりも見どころの一つだ。
戦いを重ねて,ジェイソンを成長させていくのだ
以上のように,ゲーム開始直後のジェイソンは,戦闘に関してズブの素人。最初は持ち運べる武器が少なく,体力もほとんどない。だが,敵や獣を倒したり,地元民の依頼を達成したりすると経験値を獲得でき,これが一定量溜まるとレベルが上がり,スキルをアンロックできるというRPG的なシステムが用意されている。
ルークアイランドを生き抜くためにも,スキル獲得は必須だが,なかでも大切なのがヘルスを増やす系のスキルだ。本作ではダメージを受けても,一定時間じっとしているとヘルスが自動的に回復するのだが,敵陣の奥深くへ侵入すればダメージを食らう可能性が高くなり,回復する暇もない激戦が展開されたりもするため,これはかなり重要だ。
次に重要なのが戦闘系のスキルだろう。とくに敵を背後から倒し,そいつの持っていたナイフを投げてもう一人の敵を倒すといった,ステルス系のスキルが重宝する。たいてい,多勢に無勢の戦いを強いられるので,まずはコッソリ敵の数を減らしたい,などというときに役に立つはずだ。
これ以外にも多数のスキルが存在し,これらをうまく活用することで,過酷な戦いを切り抜けられるようになる。スキルは,習得すると主人公の腕のタトゥーが少しずつ増えるというシステムになっており,タトゥーの面積が広くなることで達成感が得られ,さらにキャラクターの成長も目に見えて実感できるという仕掛けだ。
キャラクターの強化に欠かせないハンティング
FPSの大きな魅力である武器だが,サブマシンガンやアサルトライフル,火炎放射器,弓など,かなり豊富に用意されている。これらの武器は,ストーリーに沿って手に入れたり,購入したりすることで使えるようになるのだが,初期状態では武器のスロットが一つしか用意されていない。武器スロットや携行できる弾薬量を増やすためには,島にいる動物を狩り,獲得した皮を素材として入れ物などをクラフティングすることになる。
狩りの対象となるのは,人畜無害なヤギから危険な海のハンターであるサメまで,バラエティ豊かだが,簡単にこれらの素材を入手できるかといえば,答えはノー! だ。狩られる側も命がかかっているので,必死に逃げたり,反対に襲いかかってきたりする。油断していれば,狩るはずなのに逆に狩られてしまうだろう。
メインミッションとはあまり関係ない作業なのだが,茂みの中で息を殺しながら動物を追うハンティングごっこはかなり面白く,筆者はちょっと病みつきになってしまった。
人気シリーズの最新作にふさわしい面白さ
ルークアイランドはオレのもの
車を手に入れてのんびりと運転し,海に太陽が沈む,息を呑むほど美しい景色を堪能するもよし,ゲームの目的を全うすべく,過酷な戦いに身を投じるもよし,ハンティングをするもよし,FPSとは思えないほど自由気ままに遊べる本作。
シリーズ従来作で弱いとされていたストーリーやキャラクターにも大きな力が注がれており,遊びごたえは十分だ。リリース後には,さらに詳しいレポートをお届けしたい。
「ファークライ3」公式サイト
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(C)2012 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Far Cry, Ubisoft and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries. Based on Crytek’s original Far Cry directed by Cevat Yerli. Powered by Crytek’s technology “CryEngine”.
(C)2012 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Far Cry, Ubisoft and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries. Based on Crytek’s original Far Cry directed by Cevat Yerli. Powered by Crytek’s technology “CryEngine”.