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[E3 2011]今度こそダイアナに会えるの?「HITMAN ABSOLUTION」のゲーム内容がE3で明らかに。周囲の様子を探れる“心の眼”とは
デンマークのIO Interactiveが制作するHitmanシリーズの最新作,「HITMAN ABSOLUTION」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360 以下,ABSOLUTION)の紹介が,E3会場のスクウェア・エニックスブースで行われた。2011年5月の開発発表から約1か月,内容がほとんど分からなかった本作の情報が,ついに出てきたわけだ。
スニークを主体に慎重に行動し,狙った相手だけを倒すこともできるが,なんだったら銃を撃ちまくってもいいという自由度の高さや,ゲーム全体に漂うデカダンスなムード,そしてミステリアスな主人公のキャラクター造形などから人気を獲得したシリーズだ。
もっとも,第1弾はさほど話題にならず,ブレイクしたのは続編「Hitman 2: Silent Assassin」(邦題 ヒットマン2 サイレントアサシン)でのこと。2004年の第3弾「Hitman: Contracts」(邦題 ヒットマン:コントラクト)は,グラフィックスやシステムにちょっと問題があって評判を落としたが,ゲームエンジンを新しくした2006年の「Hitman: Blood Money」(PC/Xbox 360 邦題 ヒットマン: ブラッドマネー)で,再び人気を得るという,なかなか山あり谷ありの経歴を持っている。
それだけに,ファンにとっては5年ぶりの新作がどのような感じなのか,気になるところだろう。少なくとも,Blood Moneyでついにサイレントアサシン(ゲームで得られる最高の暗殺者の称号)になって有頂天の筆者は気になっていた。
また,ハリウッド映画にもなったので,プレイ経験がなくても,タイトルを知っているという人は多いはずだ。
ブースでのプレゼンテーションは,まずデモプレイの模様を紹介し,そのあと,IO Interactiveで本作のプロデューサーを務めるChristian Elverdom氏と,ゲームディレクターのTore Blystad氏が説明を行うというスタイルで進められた。ここでは,2人から得られた情報などを織り交ぜつつ,プレイの様子を紹介していこう。
ゲームの冒頭に登場したのは,シカゴの廃屋のようになった図書館で,大勢の警官達がエージェント47を追っているという状況だ。
デモプレイに使用されたのはPlayStation 3版で,前作以上のハイレベルなグラフィックスが確認できた。ゲームに使われているのは,IO Interactiveが独自に開発したエンジンで,本作のために用意されたものだ。
このエンジンは,グラフィックスの描画能力に優れているだけでなく,ゲームで重要な役割を果たすAIが組み込まれていることも特徴で,これまでの作品で採用されてきたエンジンと比べて大幅にパワーアップしているとのことだった。
前作までのAIは,1人がエージェント47の存在に気づいて警戒態勢に入ると,なぜか,ほかのNPCまで全員身構えたりしたが,ABSOLUTIONでそういうことはなく,同時に気がつかれることがない限り,反応するのはあくまで気づいた1人だけに留まるとのこと。
したがって,たとえ正体を見破られても,そいつが通報する前に始末してしまえば事なきを得る。このように,さらにライブ感を高めた環境表現が本作の特徴の1つなのだ。
さて,いつものように,机などの背後を闇に紛れてこっそり移動するエージェント47。オブジェクトに近づくと,できることが表示されるというコンテクストメニューが採用されており,プレイ中“Cover to Cover”という文字も確認できた。これは,オブジェクトの背後から,別のオブジェクトの背後まで,1ボタンで移動するもので,移動先は勝手に選んでくれる。さらに,壁のでっぱりにぶら下がったり,高い位置に登ったり,床の穴を飛び越えたりなど,相変わらずエージェント47の身体能力は高く,動きも自然になっていた。
続いて登場したのが,新機能である“インスティンクト”モード。エージェント47の「心の眼」を通じて周囲を見るというもので,敵がシルエットとして浮かび上がり,位置や向かっている場所まで分かってしまうのだ。
警備員が近づいてきたので,やりすごそうと物陰に隠れたのはいいが,もう行っただろうと思って立ち上がったら警備員とご対面,などというカッコ悪い状況は避けられることになりそうだ。が,ちょっとゲームが簡単になりすぎてしまうのではないかとという不安もある。とはいえ,これはいつでもどこでも発動できるわけではなく,難度によって使用できないなど,いくつかの制限はあるようだ。
周囲のオブジェクトなどを利用できるのも,ABSOLUTIONのポイントとのことで,デモプレイでは机の上の胸像を手に取り,警官の頭に振り下ろすシーンなどが確認できた。また,「クローゼットに隠れる」といった,シリーズ全作品に出てきた伝統的なフィーチャーも健在だ。
多数の警官をやりすごしつつ進むエージェント47だが,進行方向にどうしても動かない警官がいたので,背後からナイフ一閃。続く相手は首をポキ。さらに,警官の銃を拾ったエージェント47。予想どおり銃撃戦が始まってしまうが,ここでちょっと眉をひそめるHitmanファンもいるかもしれない。
上にも書いたように,最高の暗殺者である「サイレントアサシン」は,無関係な人間を誰一人殺さず,また一切の証拠を残さず,ターゲットだけを排除することが求められる。プレイヤーによりけりだが,撃ち合いを避ける人も少なくないはずだ。
Blystad氏によれば,これはデモプレイとしてエージェント47の能力を示すためにやったことで,製品ではもちろん,撃ち合いを避けて突破することも可能だという。
さらに,スニークと,撃ち合いなどのアクションを両立するためにテストが重ねられているとのことだ。
一般論として,スニークもののNPCはある程度認識力が低くないと,すぐにこちらが発見されて興ざめする。反対にアクションがメインのゲームの場合,NPCがそれなりの認識力や判断力を持っていないと,戦闘が易しすぎてつまらなくなる。どちらかといえば前作は「殺戮プレイ」が可能なバランスで,その点を不満に思う人も少なくなかったはずだ。
それに対して本作では,AIを強化して戦闘にも対応させたほか,例えば警官の誰かが撃たれた場合,SWATチームが招集されるなどのフィーチャーを盛り込み,そう簡単には力でねじ伏せられないようになっているとのことだった。
途中,ヘリコプターから激しく撃たれるなどしたものの,なんとか銃撃戦を切り抜けたエージェント47は,警官を1人倒してユニフォームを奪う。これがお得意の「変装」で,従来作同様どこでどのような変装をするかが,ゲームを進めるうえでかなり重要なポイントになるようだ。
しかし,警官の中にはエージェント47のことを不審に思う者もいる。「おや?」という表情がリアルだ。やがて,出口に続くロビーに着いたエージェント47だが,ついに1人の警官が彼に目を止めて話しかけてくる。
そのまま進みたいのだが,前方にはSWATの一団が頑張っており,すり抜けることができない(体が触れあうほど接近すると,変装がばれてしまう可能性がはね上がるのだ)。右手を見ると,SWATのものと思われるアサルトライフルが立てかけてある。もういっちょやるのかと緊張して見ていると,エージェント47は,ライフルの隣にあったドーナツを手に取った。すると,彼に話しかけた警官は警戒を解き,やがってSWATの一団もビルの中に駆け込んでいった。
どういうことかといえば,これは,それぞれの変装には似つかわしい行動や場所があり,警官の場合はそれが「ドーナツを食べること」だったというわけだ。そういえば,「Grand Theft Auto San Andreas」のお巡りさん達も年がら年中ドーナツを食べていたなと思い出すのだが,ともあれちょっとユニークなフィーチャーといえるだろう。
かくして,警官に化けたエージェント47は,無事にビルを出て,人混みにまぎれて姿を消したのだった……。
Elverdom氏によれば,ABSOLUTIONはシリーズのDNAを色濃く受け継ぎながら,新しいフィーチャーを盛り込んでいった作品であるという。デモを見ている限り,まさにそんな印象で,Hitmanシリーズのファンなら一も二もなくプレイしてみたくなるはずだ。
物語についてはあまり説明されなかったが,簡単にいえば「裏切られたエージェント47が復讐を行う」という内容で,ミッションをこなしていくことでストーリーが展開していくという,前作同様の構成になっているそうだ。
また本作ではコレクション要素がより充実しており,これまでのように銃器だけでなく,さまざまなアイテムが収集できるようになるとのこと。
さらに,プレイヤーにはおなじみの「ダイアナ」(殺しの任務を依頼してくる連絡役の女性)は本作にも登場すると教えてもらったので,今度こそ彼女の顔を見られるのかとBlystad氏に尋ねたところ,「それは言えない」とかわされてしまった。うーん,気になる。
いずれにせよ,ファンとって見逃すことのできないタイトルであることが分かったABSOLUTIONは,日米欧ともに2012年内の発売が予定されている。
「HITMAN ABSOLUTION」公式サイト
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