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ニトロプラス勢もガチ参戦。「ドミニオン」の日本最強プレイヤーが決定した「ホビージャパン ゲームフェスティバル」レポートを掲載
※記事中には「ドミニオン」のルールに触れる部分が多数あります。基本的なルールについては「こちら」を参照ください。
「ホビージャパン ゲームフェスティバル」公式サイト
ドミニオン日本選手権の流れ
1日目・予選
- 4人対戦で,1位のプレイヤーは6ポイント,以下2位3ポイント,3位1ポイントを得る。4位は0ポイント。
- 2回戦目以降は,獲得しているポイントが近い人同士の組み合わせになる。
- 1回戦ごとにサプライはあらかじめ決まっており,すべての卓で同じものを使用する。
- 午前の部/午後の部でそれぞれ4回戦ずつがおこなわれる。
- 4回戦を終え,合計ポイントの多いほうから16名が予選通過。ポイントが同じ場合は,獲得勝利点が多いほうが上位になる。
2日目・本戦
- 予選を通過した32名で5回戦目をおこなう。ポイントの計算方法は予選同様で,上位4名が決勝に進出。
- 4名での決勝戦を4回おこなって,合計得点を競う。
- 優勝者は秋にドイツで開かれる「ドミニオン」の世界選手権に招待されるほか,トラベルマネーとして10万円を獲得する。
大会の模様
2日目の本戦には,予選通過者のうち30名が参加。初日は基本セットのカードしか使わなかったが,2日目からは世界選手権と同じレギュレーションとなり,拡張セット「錬金術」や「繁栄」のカードが入ってくる。このため難度が上がってゲームのテンポが遅くなり,時間切れでのポイント勝負になるテーブルも続出した。
ギリギリの戦いを終えて決勝に進出した上位4名のうち3名を,毎週「ドミニオン」を研究している強豪集団「ドミニオン木曜会」のメンバーが占める結果となり,日頃の訓練がいかにものをいうかが見て取れた結果だ。
ニトロプラスの「参戦」
PCゲームメーカーであるニトロプラスのスタッフには「ドミニオン」に激ハマリ中の人が多く,今回の大会にも計7名が参加した。そのうち「さとゆう」さん,「ニトロくん」さん,「下倉バイオ」さんの3名が予選をみごと突破して決勝に進んだ。
「毎日昼休みと放課後にドミニオンをやっている」ほどのハマりっぷりが高じ,ニトロプラスではさまざまなキャラクター達が「ドミニオン」とコラボしたタイトル「ニトロプラス・カードマスターズ」を現在開発中。
これは本家「ドミニオン」のカード内容とルールに,ニトロプラスのゲームのキャラクターを載せたものだが,まだ発売されていない開発中エキスパンション「異郷」のカードも一部収録されていて,ガチの「ドミニオン」プレイヤーでも未体験のゲームを遊べるのが特徴だ。
イラストもキャラクターのイメージに合わせたこだわりのカード選定がニトロプラス内でおこなわれており,豪華オールスターの書き下ろしイラスト満載の作品となっている。
今回,会場ではその「ニトロプラス・カードマスターズ」から,プロモーションカード「ハーレム」が配布された。本家ドミニオンの「ハーレム」は,お世辞にも日本人好みとはいえないイラストだが,こちらの「STEINS;GATE」版を使えば「ハーレム」気分をたっぷりと堪能できるだろう。なお,このカードは東方Projectとのコラボゲーム「東方祀爭録」にも混ぜて使えるとのこと。
「ニトロプラス・カードマスターズ」公式サイト
「東方祀爭録」公式サイト
圧倒的だった決勝ラウンド
そして迎えた2日目。決勝ラウンドは,すでに顔なじみとなった参加者が周囲をとりかこんで観戦する,なごやかなムードの中おこなわれた。
順位は4回戦の総合ポイントで決まるのだが,着実に回るデッキを構築したうえに,運にも助けられたre_ne(ルネ)さんが,なんと3回連続で1位を獲得。4回戦目を待たずに独走で優勝を決めるという圧倒的な強さを見せつけた。
4回戦目は消化試合となってしまったが,「re_neさんの完全試合を阻むために」と3名が挑んだところ,なんとまたもやre_neさんが1位。文句なしの完全勝利を達成し,日本一となったre_neさんに,観客からも惜しみない拍手が贈られた。
優勝者に聞く「ドミニオンの強さとは?」
ズバリ「ドミニオンで強くなるにはどうすればいいか」をうかがうと,まずは「自分のデッキに入っているカードを覚えること」,そして次の段階として「強い定石を覚えること」だという。その定石のスピードがどれくらいかが分かっていれば,その場でどの手を選べば他人より早く勝てるかを導けるからだ。
つまり「ドミニオンは情報のゲーム」であり,強いプレイヤーが情報交換する場に恵まれたことが,日本最強への近道だったということのようだ。
話の中でre_neさんからは「一番強いのはretletさん」という言葉がたびたび出た。
「優勝という名誉をいただきましたが,実力ではこの中で1番だとは思っていません。今回は運が良かったんです。
ふだん木曜会でretletさんの強さは本当によく知っていて,負けることもよくあるので,いかにretletさんを倒すかをずっと考えてました」とのこと。強いライバルがいてこその,あるいはそのライバルを研究してこその今回の活躍というわけだ。
re_neさんは最後に,「今回勝てなかったみんなのためにも,頑張って世界選手権で優勝したいと思います」と,力強く宣言してくれた。
いろいろなボードゲームで日本選手権
農業は気が長くないとできない!?「アグリコラ」
当日併催された「アグリコラ」の日本選手権には,43名が集まった。
畑を耕し動物を飼い,家族を増やして自分の農場を育てる箱庭的な楽しさの一方で,やりくりに失敗して食料を切らすと一気にやりくりに困る状況に陥ってしまうというシビアさもあるこのゲーム。取れる選択肢が多くて非常に面白いのだが,遊ぶのにかなり時間がかかるのがネックであり,今大会でも1回戦の制限時間が2時間半という長丁場で3回戦がおこなわれた。
まる1日にわたる戦いで集中力を切らさずに3戦とも高ポイントを稼いだ優勝者は,ウィーンでの世界選手権への出場権および副賞として「パン焼き機と小麦」(「アグリコラ」内で食料を確保するための重要アイテム)を受け取った。
「アグリコラ」ゲーム中の様子。手前に囲われているのは牛や羊のトークン |
「アグリコラの魅力は,やはり自由度の高さ」と語ってくれた優勝者のカリンさん |
親子で遊んで商品券もゲット!「世界の七不思議/7wonders」
世界の七つの巨大建造物をテーマに,資源を獲得して建物を建て,文明を発展させるゲーム「世界の七不思議」。カードとボード1枚だけでサクサク遊べるのが特徴で,参加者42名の中には小さい子どもの姿も。
7回戦+プレイオフを終えて優勝したプレイヤーには,「7wonders」の名前にちなんでセブン&アイ・ホールディングスの1万500円分の商品券が贈られた。
その他にも……
のべ400名以上が来場した今回のゲームフェスティバルについて,「『ドミニオン』と『アグリコラ』の世界選手権出場者を決めるために,今年初めて開催したイベントが,たくさんのお客さんに来ていただいて感謝している。世界選手権がないタイミングであっても,可能なら年2回くらい開いてもいいと考えている」と語るホビージャパンゲーム事業課の会田 孝氏。次回のゲームフェスティバルは,もっと広い会場でさらに多くのお客さんに参加してほしいとのことだ。
「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」 |
「スモールワールド」 |
「ホビージャパン ゲームフェスティバル」公式サイト
- 関連タイトル:
ドミニオン
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海外ボードゲーム(ホビージャパン)
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東方祀爭録 〜東方紅魔郷編〜
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