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AMD,プロフェッショナル向けのハイエンドGPU「Radeon Pro W7700」を発表
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印刷2023/11/14 17:50

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AMD,プロフェッショナル向けのハイエンドGPU「Radeon Pro W7700」を発表

 2024年11月13日,AMDは,プロフェッショナル向けのグラフィックスカード「Radeon Pro W7700」を発表した。Radeon Pro W7700は,RDNA 3アーキテクチャベースのGPUで,米国における搭載カードのメーカー想定売価は999ドル(約15万1500円)である。

Radeon Pro W7700
画像集 No.002のサムネイル画像 / AMD,プロフェッショナル向けのハイエンドGPU「Radeon Pro W7700」を発表

 Radeon Pro W7700は,2023年4月にAMDが発表した「Radeon Pro W7000」シリーズの新製品だ。同シリーズでは,2023年4月にウルトラハイエンド市場向けとなる「Radeon Pro W7900」と「Radeon Pro W7800」が,8月にはエントリー市場向けの「Radeon Pro W7600」「Radeon Pro W7500」が発表となっていた。今回のRadeon Pro W7700は,ラインナップのちょうど中央に入る新製品だ。

Radeon Pro W7000シリーズのラインナップ
画像集 No.003のサムネイル画像 / AMD,プロフェッショナル向けのハイエンドGPU「Radeon Pro W7700」を発表

 AMDによると,プロフェッショナル向けグラフィックスカード市場は拡大を続けており,とくにここ数四半期は,ミドルレンジからハイエンドの市場が急拡大しているそうだ。一方,これまでRadeon Pro W7000シリーズは,ローエンドからミドルレンジまでの領域と,ウルトラハイエンド製品をカバーしていたものの,ミドルレンジとウルトラハイエンドの間が空いていた。そこで市場の拡大を逃さないように,「ミドルレンジとウルトラハイエンドの間を埋める製品として投入するのがRadeon Pro W7700である」とAMDは説明している。

 そんなRadeon Pro W7700の主なスペックだが,GPUの規模を示すCompute Unit(CU)数は48基。Radeon Pro W7700はRDNA 3ベースなので,CU 1基あたり64基のシェーダを集積しており,シェーダ数にすると計3072基の規模となる。また,RDNA 3ではCU 1基あたり「Ray Accelerator」を1基備えているので,レイトレーシングのアクセラレータも48基というスペックだ。

Radeon Pro W7700の主なスペック
画像集 No.004のサムネイル画像 / AMD,プロフェッショナル向けのハイエンドGPU「Radeon Pro W7700」を発表

 2023年8月に発売となったゲーマー向けグラフィックスカード「Radeon RX 7700 XT」は,Radeon Pro W7700よりもCU数が6基多い。これは推測だが,GPUコアであるNavi 32の一部を無効化したうえで,プロフェッショナル向け市場に投入したのがRadeon Pro W7700ではないかと思われる。

 Radeon Pro W7700のスペックの中で,AMDがとくに力を入れてアピールしていたのは,「DisplayPort 2.1」への対応だ。
 ゲーマー向けグラフィックスカードで広く利用されているDisplayPort 1.4は,転送モード「High Bit Rate 3」(HBR3)で,1レーンあたり最大8.1Gbps,ケーブル1本あたり25.9Gbpsの伝送帯域幅を持っている。
 対するDisplayPort 2.1では,その2倍以上の帯域幅を持つ「Ultra High Bit Rate」(UHBR)に対応するのが特徴だ。UHBRにはいくつかの帯域幅設定があるが,Radeon Pro W7700では,1レーンあたり13.5Gbpsとなる「UHBR 13.5」に対応しているそうだ。
 ケーブル1本あたりにすると,52.2Gbpsもの帯域を持つDisplayPort 2.1対応によって,Radeon Pro W7700は,超高リフレッシュレートや超高解像度のディスプレイに対応できるというわけだ。この特徴は,とくにRadeon Pro W7700が対象としているプロフェッショナルにとって極めて重要だとAMDは強調していた。

プロにとって重要な8Kを超えるような超高解像度や12bit HDR,超高リフレッシュレートのディスプレイに対応できるとAMDはアピールする
画像集 No.005のサムネイル画像 / AMD,プロフェッショナル向けのハイエンドGPU「Radeon Pro W7700」を発表


競合より安価で高性能を謳うRadeon Pro W7700


 そんなRadeon Pro W7700の競合製品として,AMDは,Ampereアーキテクチャベースのプロフェッショナル向けグラフィックスカード「RTX A5000/A4500/A4000」や,Ada Lovelaceアーキテクチャベースの「RTX 4000 SFF Ada」を挙げている。AMDが繰り返し強調していたのは,「Radeon Pro W7700は,これらの製品よりも安価であるが高性能である」という点だ。

Radeon Pro W7700と競合製品のスペック比較
画像集 No.006のサムネイル画像 / AMD,プロフェッショナル向けのハイエンドGPU「Radeon Pro W7700」を発表

 グラフィックスや各種アプリケーションの総合性能指標である「SPECViewperf Geomean」(※ベンチマークSPECViewperfの加重平均スコア)が,競合比でトップにであるにも関わらず,価格が1000ドル以下というのがAMDのアピールするポイントだ。プロフェッショナル向けの幅広いアプリケーションにおいて,競合よりもRadeon Pro W7700が高い性能を持っており,「Radeon Pro W7700の価格対性能比は,ライバルの1.7倍に達する」とAMDは試算している。

プロフェッショナル向けの各種アプリの性能を,RTX 4000 SFF Adaを100として比較したグラフ。Radeon Pro W7700はRTX 4000 SFF Adaに対して平均139%の性能を持つという
画像集 No.007のサムネイル画像 / AMD,プロフェッショナル向けのハイエンドGPU「Radeon Pro W7700」を発表

 日本では,プロフェッショナル向けのグラフィックスカード市場も,NVIDIAがほぼ独占している格好だが,安価で高速というRadeon Pro W7700の特徴はたしかに魅力的だろう。AMDは,Radeon Pro W7700が主要なプロフェッショナル向けアプリの認証を取得していることも合わせてアピールしている。Radeon Pro W7000シリーズのラインナップ拡充により,プロフェッショナル向けグラフィックスカード市場においても,AMDが一定の存在感を見せるようになってくるかもしれない。

AMDの当該プレスリリース(英語)

AMDのRadeon Pro W7700製品情報ページ(英語)


  • 関連タイトル:

    Radeon Pro,Radeon Instinct

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