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[E3 2011]ストラテジーファンが狂喜乱舞するParadoxの神ゲー候補「Sengoku」に“天下分け目の戦い”が実装! パラド作品なのにマップの完全制覇が可能に
Sengokuは,1467年に発生した応仁の乱から,大阪夏の陣で天下泰平となる1615年までの250年ほどを,時代を追ってプレイしていくというストラテジーゲームだ。プレイヤーは大名家や国人の1人としてプレイを開始し,自家を繁栄させつつ家督を譲ったり,主人から領主を奪い取って独立を果たしたりできる。現在Paradoxが開発中の「Crusader Kings II」と同様に,この手のストラテジーゲームにありがちな領土の拡張ばかりにこだわるのではなく,異なる属性や思想を持つ個々のキャラクター達に焦点を当てているのが,本作の特徴だと言えよう。
「Sengoku」公式サイト
しかし,本作では淡路島が4つのプロビンスに区切られているのはもとより,対馬や五島列島,隠岐や小豆島までもがプロビンスとして登場するほどのこだわり具合。日本人のリサーチャーや日本史の専門家に依頼して,可能な限り中世日本の領土や家系にこだわったらしいが,これまでにリリースされている画面写真からも,Chuzenji(中善寺?)やKizugawa(木津川?)など,聞き慣れない家名のキャラクターが登場しており,逆にマニアらしさというか,リアリティが感じられるものになっている。
アンデルソン氏は,筆者との対話の中で「武田信玄」や「織田信長」の名前を挙げるなどしていたが,時代は15世紀中葉から始まるため,プレイの過程での戦争や婚姻によって,その後の展開は大きく変化する。そのため,彼らをゲームに登場させるのは至難の業かもしれない。
ゲームオーバーと言えば,このSengokuはParadoxの作品群では珍しく,明確なエンディングを迎えることが可能である。国土の半分,つまり200プロビンスほどを占領したところで,勢力外の領主たちが結束し,「Total War: Shogun 2」のような“天下分け目の戦い”を迎えることになるとアンデルソン氏は言う。ただ,Paradoxのストラテジーゲームには,伝統的に戦闘用のマップは存在しないので,このあたりがどのように味付けされているのかが見物である。
ほかに興味深いところでは,国の宗教として神道,仏教,キリスト教の3つが存在し,神道はHonorが上昇し,仏教は武力が上がり,キリスト教は交易名目で金銭の稼ぎが増えるという特徴がある。もちろん,宗教の概念は個々のキャラクターにも用意されているので,宗教の違いによって反目や裏切りが発生することもある。
さらに,テクノロジーツリーは存在せず,プロビンスの1つ1つに鉱山開発や馬生産といった特性を与えなければならないことや,ある一族が戦いに敗れて領土を失った場合,生き残って“浪人”と化した子息や武将を,自分の配下に引き入れるということも可能だそうだ。
Crusader Kings IIのようにキャラクターの人間関係に重きを置いているとはいえ,Sengokuでは日本の中世らしく“天下統一”という目的が用意されており,ここ最近では珍しいほど硬派で,日本史好きには堪らないゲームになりそうだ。アンデルソン氏によると,Crusader Kings IIと同じ世代のゲームエンジンながらも先にリリースされるのは,「余りにもスムースにアイデアが生まれたため発表する機会を作れなかった」とのことだが,日本で発売されれば,ストラテジーゲーマーに大きなインパクトを与えるのは間違いないだろう。
- 関連タイトル:
戦国【完全日本語版】
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