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    印刷2014/03/21 00:00

    イベント

    [GDC 2014]Intel,次世代ハイエンドCPU「Haswell-E」の試作チップを披露。All-in-One PCの試作モデル「Project Black Brook」も

     北米時間2014年3月19日,Intelは,「Game Developers Conference 2014」(以下,GDC 2014)に合わせて報道関係者向けのイベントを開催し,2014年半ば以降の投入を予定しているデスクトップPC向けCPUや関連技術を発表した。

    Lisa H. Graff(Vice President,PC Client Group General Manager,Desktop Client Platform Group,Intel)
    画像集#002のサムネイル/[GDC 2014]Intel,次世代ハイエンドCPU「Haswell-E」の試作チップを披露。All-in-One PCの試作モデル「Project Black Brook」も
     発表そのものは,3月20日の記事で報じた内容と基本的に同じ。ただ,Intel副社長兼PCクライアントグループ担当ジェネラルマネージャーであるLisa H. Graff(リサ・グラフ)氏がイベントで発言した内容からは,同社はデスクトップPC分野の何に注力しようとしているのかが見えてくるようになっていた。
     一部の話題は先の記事と被ることをお断りしつつ,本稿では,イベントで何が披露され,何が語られたのかを中心にレポートしていきたい。

    [GDC 2014]Intel,第5世代Coreプロセッサ「Broadwell」や次期ハイエンドCPU「Haswell-E」などの概要を公開。Pentiumの20周年記念モデルも



    デスクトップPCのフォームファクタ変革を目指すIntel


     ここ数年のIntelが推す分野といえば,Ultrabookや2-in-1デバイスといったモバイル製品一色であり,デスクトップPCは存在すら忘れてしまったかのようだった。それがなぜGDC 2014に合わせて,デスクトップPC向け製品のアップデートを予告したりするのだろうか。
     Graff氏はその疑問に答える形で,「Intelはいま,デスクトップPCに変革をもたらそうとしている」と述べていた。もっとストレートにいえば「テコ入れしようとしている」わけなのだが,氏によれば,その理由は3つあるという。

     1つめは,デスクトップPCが依然として大きなビジネスであること。2013年の統計では,PCの出荷数においてデスクトップPCは43%を占めているとのことで,「2013年には330億ドルを稼いだ,Intelにとっても非常に大きなビジネス」(Graff氏)であり,無視していい規模ではないというわけだ。

     2つめにGraff氏が挙げたのは,「非常に興味深いセグメントが急成長している」という点だ。具体的にはAll-in-OneタイプのデスクトップPC(以下,AIO)のことで,2013年に出荷数が急増したのだという。

     3つめは,ハイエンドのデスクトップPC市場が依然として力強く成長しているという点だ。Intelのハイエンドデスクトップ向けCPUは,2013年に過去最高の出荷数を記録したそうである。

    デスクトップPCは非常に大きなビジネスで,かつ成長している分野がある。したがって,無視していいような市場ではないというわけだ
    画像集#003のサムネイル/[GDC 2014]Intel,次世代ハイエンドCPU「Haswell-E」の試作チップを披露。All-in-One PCの試作モデル「Project Black Brook」も

     そこでIntelは,デスクトップPC分野に対して3つの戦略で望むという。中でも興味深いのは,「成長分野に変革を起こす」という戦略だ。ここでいう成長分野とは,先述したAIOとハイエンドデスクトップPC,そしてIntelが少し前から力を入れている,「NUC」(Next Unit of Computing,関連記事)のような超小型PCの分野である。

    デスクトップPC市場における3つの戦略を示したスライド
    画像集#004のサムネイル/[GDC 2014]Intel,次世代ハイエンドCPU「Haswell-E」の試作チップを披露。All-in-One PCの試作モデル「Project Black Brook」も


    AIOにUltrabook並みの力を入れるIntel


     これら3分野の中でも,Graff氏が重点的に説明したのがAIOである。Graff氏によると,Intelは長期間にわたって「持ち運び可能なAIO」を研究し,市場調査を行ってきたのだという。その成果を踏まえて開発したものとして,今回披露されたのが,「Project Black Brook」(開発コードネーム,以下Black Brook)というポータブルAIOのリファレンス機だ。

    Graff氏が掲げているのがBlack Brook。これを“ポータブル”と呼ぶのは,日本人の感性では反則な気もするが
    画像集#005のサムネイル/[GDC 2014]Intel,次世代ハイエンドCPU「Haswell-E」の試作チップを披露。All-in-One PCの試作モデル「Project Black Brook」も

     Graff氏によると,このBlack Brookには,Intelが開発した3Dカメラモジュール「RealSense 3D camera」や,高度なノイズリダクション機能を備えた複数台のマイクといった,IntelがUltrabookや2-in-1デバイス用として研究開発してきた技術が惜しげもなく盛り込まれているという。

     「Intel Smart Connect Technology」のデスクトップPC版と呼べる新技術「Intel Ready Mode Technology」(以下,Ready Mode)も,そうした特徴の1つだ。Ready Modeに対応するハードウェアとソフトウェアを使えば,スリープ中でも適宜ネットに接続して,メールの受信やデータの同期などができるという技術である。Ready ModeはAIOに限定された技術ではないが,すべてのコンポーネントが1つの筐体に収まったAIOのほうが対応させやすいのは間違いあるまい。

     説明会場では,AIOを使ったReady Modeのデモも披露された。Androidタブレットで写真を撮影すると,スリープ中のAIOで動作するReady Mode対応のスライドショー作成ソフト「CyberLink MediaStory」に写真が同期する……はずだったのだが,何かの不具合でデモが失敗してしまったのはご愛敬,といったところか。

    画像集#006のサムネイル/[GDC 2014]Intel,次世代ハイエンドCPU「Haswell-E」の試作チップを披露。All-in-One PCの試作モデル「Project Black Brook」も 画像集#007のサムネイル/[GDC 2014]Intel,次世代ハイエンドCPU「Haswell-E」の試作チップを披露。All-in-One PCの試作モデル「Project Black Brook」も
    Ready Modeのデモでは,スリープ中のAIOで動作しているCyberLink MediaStoryに写真が転送されるはずだったが,なぜか最後までうまくいかなかった(左)。ちなみに,デモに使われたAIOのスリープ時消費電力は7.6W(右)。Graff氏によれば,10W以下でインターネット接続を維持できるのだという

     Black Brookがそのままの形で市場に出るとは思わないが,家屋内での持ち運びを想定したAIOは珍しいものではないので,似たようなコンセプトのポータブルAIOは,今後PCメーカー各社から登場してくるだろう。IntelがUltrabook並みに力を入れたプロモーションを行ってくれるのであれば,今まで以上の普及が期待できるかもしれない。
     実際,Intelの入れ込み具合は相当なもので,「Ultrabookの成功をAIOにも……」と考えていることが明確に伝わってきた。AIOに興味があるという4Gamer読者は多くないかもしれないが,今後の動向には注目しておくべきだろう。


    年内にハイエンド製品が2種類投入予定のデスクトップPC向けCPU


     続いて披露されたのは,3つの戦略のうち,ハイエンドデスクトップPC分野の話題である。
     Graff氏は,次期Core i7 Extreme Editionとなる「Haswell-E」(開発コードネーム)や,改良型のUnlocked版Haswellとなる「Devil’s Canyon」(同),そしてPentium登場20周年記念のUnlocked版CPU「Pentium Anniversary Edition」を,いずれも2014年内に投入すると予告した。
     また,14nmプロセス技術を用いて製造される次期主力CPU「Broadwell」のデスクトップPC版では,統合型グラフィックス機能の上位モデル「Iris Pro Graphics」を採用する製品がLGAパッケージで提供されることもGraff氏の口から明言されている。

     これら新CPUのスペックといった具体的な情報はさすがに公表されなかったが,それでも,先の記事にはなかったいくつかの情報が明らかとなっている。

    次期Core i7 Extreme Editionのサンプル
    画像集#008のサムネイル/[GDC 2014]Intel,次世代ハイエンドCPU「Haswell-E」の試作チップを披露。All-in-One PCの試作モデル「Project Black Brook」も
     まずGraff氏は,次期Core i7 Extreme Editionについて,サンプルを掲げながら「新たなソケットに向けて開発されている」ことと,「非常に高い性能を目指して開発された製品」であることをアピールしていた。
     また,Pentium Anniversary Editionは,「2コアCPUである」(Graff氏)と明言された。現行のPentiumシリーズが2コアプロセッサなので,驚くような話ではないが,エントリー市場向けにUnlocked版CPUが登場するということで,コストを重視する人にとっては面白い選択肢になりそうな気配だ。Graff氏は,「Pentium Anniversary Editionが登場すると,OEMメーカー(≒PCメーカー)は,安価にオーバークロックできるプラットフォームが作れるのではないか」と期待を述べていた。

     今回,実動デモは行われなかったが,こうして存在が明らかになり,Haswell-Eでは製品パッケージも披露された以上,製品化に向けた準備は着々と進んでいると見ていいだろう。今後の動きを注視していきたい。

    Intel 公式Webサイト

    GDC 2014公式Webサイト(英語)


    • 関連タイトル:

      Core i7・i5・i3-4000番台(Haswell)

    • 関連タイトル:

      Core i7・i5・i3・M(Broadwell)

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