COMPUTEX TAIPEI 2011の初日となる2011年5月31日,Intelは会場近くのホテル「Grand Hyatt Taipei」で報道関係者向け発表会を開催し,同社が新しいノートPCのカテゴリとして提唱する超薄型ノートPC
「Ultrabook」に対する取り組みなどを明らかにした。
Ivy Bridgeのウェハを披露するMooly Eden氏(Vice President, General Manager, PC Client Group, Intel)
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同社でクライアントビジネスを担当するMooly Eden(ムーリー・エデン)副社長は,同社が2012年に市場投入を計画している次世代CPU
「Ivy Bridge」(アイビーブリッジ,開発コードネーム)でUltrabookを積極的に推進し,2012年の年末までには,
出荷量における40%の割合を,このUltrabookで占めるという計画を披露している。
Tick Tockで,プロセスシュリンクとなるTick時,これまでアーキテクチャの改良は最小限だったが,今回はそうではないとEden氏
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Eden氏はまた,「これまでの『Tick Tock』モデルでは,プロセス移行時におけるアーキテクチャの変更を抑えていたが,Ivy Bridgeではこれまでよりも振り幅を大きく,
“Tick+”と呼べるほどの強化を施す」と予告。3次元トライゲート・トランジスタ技術による22nmプロセスを採用したIvy Bridgeで統合型グラフィックス機能を大幅に強化して
DirectX 11への対応を果たすことや,Ultrabookの実現を容易にするため,新しい電力制御機能として
「Configurable TDP Technology」を採用することなどを明らかにした。
Ivy Bridgeの概要。グラフィックスの強化ポイントとしてDirectX 11に対応することが初めて公にされた
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Ivy BridgeでIntelは,Ultrabookの普及を図るべく,Configurable TDPと呼ばれる機能を追加する
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同氏は,「Ivy Bridgeのグラフィックス機能は,3D,ビデオ再生ともに大幅な性能向上を果たす」として,Ivy Bridge搭載のノートPC上で,12個のHDビデオストリーム再生や,「StarCraft II: Wings of Liberty」のリアルタイムプレイデモを披露。Configurable TDP Technologyについては,通常動作のためのTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)を低めに抑え,「Intel Turbo Boost Technology」のブースト量を大きくすることで,より薄いノートPCの筐体に実装できるようにする計画が語られている。
Ivy Bridge搭載ノートPCのデモ。左は12個のHDビデオストリームを同時再生するもので,右はStarCraft II: Wings of Libertyのプレイデモ
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通常はアプリケーションがTDPを最大限に利用する時間はごく短く,平均のCPU利用率も低い。そこで「短時間の熱需要」に応えようというわけだ
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Eden氏は「アプリケーションの使われ方を見ると,CPUの最大性能(=TDP値)を必要とする時間は極めて短い。なので,Turbo Boostの振り幅を大きくすれば,より薄い筐体に入れられるようになり,バッテリー駆動時間を延ばせるようにもなる」と述べ,消費電力を大幅に下げずとも,Ultrabookを実現できるようになることを示唆した。
左がSandy Brdige世代のTurbo Boost,右がIvy Bridge世代のConfigurable TDP。Configurable TDPでは,基本動作クロックを低く抑え,その分Turbo Boostの上がり幅を広げ,優れたピーク性能を実現しようとする
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Ultrabookの場合,単体利用時だと通常動作クロックは低く抑えられる。しかし,ドッキングユニットと接続するなどして,冷却性を高められるような状況になると通常動作クロックを引き上げられるようなモードも,PCメーカーは設定できる
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HaswellではSoCのラインナップも投入
Haswell世代では,同社が推進するUltrabookカテゴリのうち,15W以上の製品をカバーする計画も明らかにされた |
Eden氏が,発表会場に集まった台湾のOEM/ODMパートナーに対し,「Ultrabookへの移行を今すぐ進めていこう」と呼びかける局面も |
さらにEden氏は「Ivy Bridgeの先の話」として,2013年に市場投入が計画されている次次世代アーキテクチャのCPU「Haswell」(ハスウェル,開発コードネーム)に関しても言及。
Sean Maloney(ショーン・マローニ)取締役上級副社長による基調講演で披露された「Ultrabookのデザインターゲット」のうち,Haswellで15Wレンジクラスの製品までをカバーし,2015年には10〜20Wレンジの薄型ノートPCセグメントを確立したい考えを示していた。
なお,Eden氏は発表会後に開催された日本の報道関係者とのラウンドテーブルにおいて,
「Ultrabook向けのHaswellはチップセット機能も統合した1チップになる」とも明らかにしているが,ラウンドテーブルなど,今回お届けできなかった内容は,稿をあらためてお伝えしたい。