プレイレポート
本格カードゲーム「CARTE」プレイガイド。基本ルールを初心者向けに紹介してみよう
CARTEは,多種多様なカードを組み合わせて,オンライン上で戦術を繰り広げるゲームである。カードの絵柄には正統派ファンタジーの趣があり,ゲームシステムもなかなか奥深い。昔ながらの正統派カードゲームを,オンラインゲームとして実現したらこうなった,という感じの仕上がりになっている。
例えば,ゲームモードに関しては,1対1でのバトルが基本で,対プレイヤーと対コンピュータのいずれも遊べるようになっている。また,定期開催される“トーナメント戦”や,仲間とチームを組んで強力なボスに挑む“レイド”といったコンテンツも用意されている。さらにマッチングに関しては,なんと日本国外のプレイヤーとも対戦することができ,チャットも定型文翻訳がサポートされるという(現在は韓国,アメリカ,ドイツでサービス中)。
カードには,“赤/紫/緑/黄/青”の5色に分かれた「ユニオン」(勢力)の区別があり,それぞれ違った特徴がある。ユニオンに属さない特殊なカードもあるが,デッキの大半は自分が選んだヒーローと同じ色のカードで構成されることになるだろう。各ユニオンのカードで構成された初期デッキが5種類用意されているので,最初はそれらをベースに使うことになるだろう。正式サービス以降は,“エピソード”単位で,まとまった数のカードが続々と追加される予定だ。
このようにCARTEは,TCGをベースにオンラインゲームとして仕上げた,これまでありそうであまりなかったタイトルなのである。
【赤】エスファイアの解説
【紫】カイデロンの解説
【緑】シエリオンの解説
【黄】シェイクの解説
【青】アルケンの解説
ということで,CARTEを紹介していきたいのだが,今回CBTに参加して実感したのは,ゲームシステムが奥深いゆえに,基本ルールがやや分かりにくいということだ。OnNetもそのあたりは理解しているようで,公式サイトでチュートリアルやコミックなどをふんだんに用意しているのだが,少なくともゲームの初心者視点では痒いところに手が届いている説明とは言いがたいと(個人的に)感じている。
今回のガイドでは,CARTEの基本システムを,要点を絞って紹介してみたい。ゲームの基本ルールを理解してないとプレイレポートも理解できないと思われるので,ゲームの進め方を眺めつつ全体的な雰囲気を感じ取ってみてほしい。カードゲームの未経験者でも分かるように書いてみたので,今後のゲームプレイで役立ててもらえれば幸いだ。
「CARTE」公式サイト
まず,“マナ”と“クリーチャー”の仕組みを覚えよう
このゲームにおける勝利条件は,敵のヒーローのヒットポイント(HP)をゼロにすることである。その目的のために,大きく分けて「マナの器を増やす」「クリーチャーをセットする」「クリーチャーに戦わせる」の3システムをしっかり理解することが大切だ。
というのも,CARTEではマナやクリーチャーの仕組みが独特で,最初にここを理解しておかないと,適当にプレイしても,よく分からない→楽しめない,という流れに陥りがちだからだ。逆に,そこさえ理解していれば,あとはプレイを重ねることで次第に多くの種類のカードの特徴を覚え,どんどんのめり込んでいけるはずだ。
【基本その1】マナの“器”を増やす
CARTEではマナの“器”ともいうべき値があり,自分のターンが始まる都度,その中いっぱいにマナが満たされる。器の初期値は0なのだが,カードを用いることで,1ずつ増やしていける。器が大きくなることで,ターン内に使えるマナの量が増え,より強いカードやスキルを繰り出せるようになるわけだ。
実際にマナの器を増やすための方法だが,メリット/デメリットが異なる2種類が用意されている。
- 手札から「シャードカード」をシャードゾーンにセットすると,“次のターンの開始時に”マナの器が1増える。なお,シャードカードをセットすると,デッキから手札へカードを1枚補充できる(種類によっては次のターンの最初に1枚補充)。
- 任意のカード(どれでもいい)をマナゾーンにセットすると,そのカードを失う代わりにマナの器と中身が“直ちに”1増える。ただし,手札は補充はされない。
初心者向けのアドバイスとしては,手札の中にシャードカードがある場合は,シャードゾーンを使って毎ターン,マナの器を1ずつ増やしていこう。シャードカードはデッキに最も多く含むことができるカードなので(枚数は任意だが標準は65枚中18枚程度か),最初の手札(先攻7枚,後攻8枚)に1枚もないというケースはそう多くないはず。もしなければ,手札を“リフレッシュ”することもできる。ただし,リフレッシュには回数制限があり(先行1回,後攻2回),さらに使うと自分のヒーローに1ダメージが入ってしまうので,その点には注意しよう。
もう一方のマナゾーンの使いどころについて説明しよう。まずは,ゲーム序盤にシャードカードが手札に入ってこなくてやむを得ない場合に使おう。詳しくは後述するが,少なくともマナの器を4〜5程度まで増やさないと,カードやスキルが使えないため満足に戦えないからだ。
上記は消極的な考え方だが,もっと積極的な方法として,「“今”どうしても,マナがあと1ほしい!」という場合にマナゾーンを用いることもある。たった1と思うことなかれ,中級者以上になると,これが勝敗を分けるケースも出てくるのだ。
ただし,マナゾーンを使った場合は,すでに述べたように手札が補充されることはない。以降は,1枚手札が少ない状態で戦っていくことになる。手札を減らす(=戦術の幅を狭める)リスクを負ってでもマナゾーンを使い,そこで獲得した+1のマナを使ったスキルで逆転するのは,CARTEをプレイしてとくにアツい瞬間である。
【基本その2】クリーチャーをセットする
マナの器を増やすのと並行して,「クリーチャーカード」を使っていこう。クリーチャーは,CARTEの主役といっていいカードである。敵ヒーローのHPをゼロにすることを目的とするゲームだが,ゲーム内における攻防の柱は,このクリーチャー達が担っているといっても過言ではないのだ。
クリーチャーを戦わせるためには前準備として“セット”を行う必要があり,その際はカードの強さに応じたマナを消費する。デッキ内のカード構成にもよるが,実際にはマナコスト1〜5のクリーチャーが主となる。上で,何はともあれマナの器を4か5まで上げるのが先決,と説明したのはこのためだ。
クリーチャーをセットする際は,「アタックゾーン」と「ディフェンスゾーン」のどちらかを選ぶ必要がある。アタックゾーンにセットした場合,そのクリーチャーは敵へ攻撃を仕掛けることができるが,防御は行えない。
逆にディフェンスゾーンにセットしたクリーチャーは,防御専用となる。自分からは攻撃が行えず,相手からほかのカードが攻撃されたときに,代理で戦う役目を担うのだ。いわばヒーローやほかのカードを守るための“壁”のようなものだ。
実際のプレイ時に,アタックとディフェンスのどちらにセットするかの判断だが,ここは駆け引きの要といえる部分なので,一概にどちらがよいとは言えない。とりあえず最初のうちは,敵がアタックに配置していたらヒーローを守るべくディフェンスに配置。もしそうでなければアタックに配置,としておくのがよいだろう。
【基本その3】クリーチャーに戦わせる
セットされたクリーチャーは,“通常攻撃”と“スキル”で戦うことができる。まず注目してほしいのは,セットされたクリーチャーが通常戦闘を行う分には,マナを必要としないということ。仮に,アタックゾーンに10枚のクリーチャーをセットできれば,10回分の攻撃が毎ターン行えるわけだ。これは極端な例だが,なるべく早くマナの器を増やし,より多くの,そして強力なクリーチャーをセットしたいところである。
通常攻撃の際は,攻防それぞれのクリーチャーにおける,アタックポイント(AP)とヒットポイント(HP)の値を確認。お互いにAPの数だけ相手HPにダメージを与え,ゼロ以下になったら消える,というのが基本ルールだ。
もう一方のスキルに関しては,マナを消費して発動する“アクティブスキル”と,状況に応じて自動的に発動する“パッシブスキル”の2種類がある(マナは消費しない)。初心者だと一気に覚えるのは大変なので,「そういうものもあるんだ」くらいに軽く受け止めておくのがいいかもしれない。
実際のゲーム展開をざっくり説明すると,最初はマナの器を増やしつつ,お互いにクリーチャーを出し合ってのせめぎあいが続く。そして相手クリーチャーからの攻撃を防ぎきれなくなった側から,ヒーローのHPがじわじわと脅かされていく。とはいえ,中盤以降は多くのマナがターンごとに得られるようになるため,カードと戦術次第では,これを逆転していくことも決して不可能ではない。
【基本その4】カードの種類を覚えよう
CARTEにはクリーチャーやヒーローなどのほかにも,アイテム,トラップ,マジック,タロットなどなど,いろいろな種類のカードが登場する。とはいえ,ゲームの主軸となるのはクリーチャーによる攻防と,そのために必要なマナの管理である。ここの部分をしっかり押さえておけば,各カードの説明を見ながらプレイすることで,着実にゲームを覚えていけるはずだ。
「マジック」はマナと引き換えに即座に効果を発揮するアクティブスキルのようなもの。似たようなものに1ゲームで1回だけ使える大技の「タロット」がある |
「アイテムカード」はヒーローにバフ効果をもたらすものが多い。これを併用することでヒーローも戦力として活躍できる |
以下では,基本の基本から一歩先のワンポイントアドバイスをしておこう。
とにかくカードの数が多いゲームなので,最初は5種類があるユニオン(勢力)のうち,どれか一つに絞って集中的にプレイするのがおすすめだ。
そしてもう一つ,扱いやすいカードを重点的に使っていこう。例えばクリーチャーの中にはスキルを使えるものもあり,戦術としては有効だが,初心者にとってはAPとHPを把握するだけで頭がいっぱいになるかもしれない。そういった人でも“セット時に効果を発揮するパッシブスキル”を持つクリーチャーなどは比較的覚えやすいし使いやすい。
例えば“シエリオン”(緑)のスターターデッキに含まれる,便利なパッシブスキルを持つクリーチャーをいくつか紹介してみよう。ほかのユニオンで始める場合も,こういった分かりやすいカードを最初に探すのがおすすめだ。
また,対人戦や対CPU戦で相手がなにをやってきたか分からないときは,墓場(カードの捨て場所)をクリックすることで,どんなカードが使われたのかを確認できる。CARTEのカードはかなり個性的なので,今回取り上げた基本攻撃以外の「副作用」を正しく理解することが重要になってくる。少しずつカードの個性を理解し,それを生かした戦略を組み立てていこう。
以上,CBTのプレイを踏まえたうえでの初心者向けプレイガイドを紹介してみた。CARTEの公式サイトや,4Gamerの関連記事でもあれこれ紹介されているので,併せて参考にしてみるとよいだろう。
OnNetの「CARTE」(カルテ)は,今時珍しい正統派のカードゲームである。日本では萌え系のイラストを前面に押し出したタイトルがやたらと目立つが,このCARTEはイラストをはじめ全体的に落ち着いた雰囲気で,大人でも楽しめるオンラインカードゲームとなっている。とりあえずソロモードでならスターターデッキでもそこそこ楽しめるので,興味を持ったらぜひプレイしてみてほしい。
CBTでの人気ユニオンは?
3月14日から8日間行われていたクローズドβテスト。テスターの評価もまずまずといったところのようだ。では,CBTで一番人気だったのはどこのユニオンだろうか? ちょっと気になったので調べてみた。とはいえ,どのプレイヤーも初期状態ですべてのユニオンデッキを持っているので,所有デッキの構成では人気は分からない。OnNetで対戦に使われたデッキのユニオンが集計されていたので,それを紹介してみたい。
対戦回数の多いユニオンは,順に,
黄>紫>青>緑>赤
とのこと。天使などの絵が目立つ黄(白とも呼ばれる)が1位となっていた。妖艶なイラストの多い紫(黒とも呼ばれる)が続いている。
肝心の対戦成績を見てみよう。勝利数が多いのは,
黄>青>緑>紫>赤
の順。敗北数では,
黄>紫>青>赤>緑
の順とのこと。
黄がとにかく多くて赤が少ないというのは分かるのだが,対戦回数と比べて紫の苦戦が目立つようだ。記事で紹介されていたようなコンボが使いやすいこともあって,敗北数などからすると,緑が安定して強そうだというのも分かるだろう。
正式サービスに向けて,ユニオン選びの参考にしてほしい。
「CARTE」公式サイト
- 関連タイトル:
CARTE
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