このゲームの読者の評価
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良質なミステリーノベルゲーム 70 - 投稿者:dognroll(男性/40代)
- 投稿日:2011/09/27
- 良い点
- Steins;Gate(以下SG)をプレイして以来、ギャルゲーに対する認識が変わり、制作がSGと同じ5pbだということで本作を購入。
本編は、未来の日本が推し進めるヒトクローンを中枢に据えたある政策の元に建設された施設である「デュナミスベース」内にある「セレス学園」の生徒およびその関係者を中心とするストーリーを、チャプター毎にプレーヤーの主観が変わるマルチサイトシステムでプレイすることとなる。
マルチサイトシステムと「時間がループする」という謎のリンクが本作の重要なポイント。
なぜ主観が変わるのか、なぜ時間がループするのか、その理由はエンディングで明らかになる。
主要なキャラクタのボイスは、実力派の声優陣が担当しており、本作がフルボイスのノベルゲームである価値を十分に見い出すことができる。
キャラクタデザインも過度に萌えておらず、ギャルゲーという色合いは薄く、ギャルゲーはちょっと…と敬遠気味なユーザーでもとっつきやすいと思う。
SGと同じように、中盤を過ぎた頃からストーリーは急加速し、エンディングまで一気に読み進めることができる。
また、作中で使用されている良質なBGM、挿入歌は本作の雰囲気を盛り上げる重要なファクターとなっており、サウンド面は本作の突出したアピールポイント。
クリアまでに必要な時間は20-25時間といったところで、コストパフォーマンスは良い。 - 悪い点
- 本作はSGとは違い、ストーリーの分岐がほぼないに等しく、基本的には1本のメインシナリオを淡々と読み進めてい完全な「小説」である。つまり、攻略するポイントがないため、そこを割り切れるかが本作を良作だと思えるかどうかの鍵。
物語の序盤の時点で散りばめられた手がかりがあまりに単純で、勘のいいプレーヤーなら、ストーリーのオチを容易に想像できてしまうため、そのあたりがミステリーとしては練り込みが足らない。
狂気を表現するため、一部残酷な描写があるが中途半端。性的描写をほのめかすシーンもあるのだから、このあたりはCEROレートをZ区分にしてでもフィーチャーした方が良かったのではないかと思う。
TVアニメや劇場版といった展開を見せているSGと比較してしまうとかなり力不足な感は否めない。宣伝広告に「SGを制作した5pbが贈る最新作」と謳うからには、それ相応の魅力を持った作品である必要があった。 - 総評
- 数量限定版は2枚組のサウンドトラックとヘッドフォンという豪華特典付き。
本編は単純に娯楽ミステリーノベルと割り切ることができれば十分に楽しむことができる。
また、ヒトクローンという生命倫理に関する、現代社会が抱える問題の導入知識を学ぶには十分すぎるほどの情報量が含まれているため、その辺りのテーマに興味がある人には面白いかもしれない。 - プレイ時間
- 20〜40時間
グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム 3 5 5 3 3
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