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ニコ生で20万人が熱狂した格闘ゲームイベント「GODSGARDEN #4」,数々の名試合が生まれた会場の空気をお届けするフォトレポートを掲載
「鉄拳6」での開催だった前回の#3から半年ぶりとなる#4では,競技種目を再び「ストリートファイターIV」シリーズに移し,最新Ver.である「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」(ARCADE / PS3/ Xbox 360 / PC,以下,スパIV AE)で,優勝賞金をかけたバトルが繰り広げられた。
出場選手は恒例となる投票で決められたスタープレイヤー10人に加え,PS3版で行われたオンライン予選と,京都a-cho予選をくぐり抜けた2名。そして当日予選を勝ち上がった4名を合わせた,計16名の猛者達となる。
ほかでは見られない激戦が繰り広げられた当日の模様を,フォトレポートでお伝えしていこう。
「GODSGARDEN」公式サイト
「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」公式サイト
激戦必至。4つの残り枠を賭けた当日予選
3強と呼ばれるユン・ヤン・フェイロンが台頭するも,アーケード版の稼働から半年以上が経ち,その対策は煮詰まりつつある現在。プレイヤースキルも全体的に向上し,もはや誰が勝ってもおかしくないという雰囲気のもと,当日予選は行われた。
会場中央のネット配信台では,イベント開幕から「金デブ(殺意リュウ)選手 vs. あくあ選手(ヤン)」,「BNBBN選手(ユン)vs.ボンちゃん選手(サガット)」などの注目カードが映し出され,ギャラリーは早くも目が離せない状況に。
事前に振り分けられたリーグ戦を通過し,さらに予選決勝トーナメントを勝ち残らなければならないという厳しい条件のなか,見事本選出場を果たしたのは板橋ザンギエフ選手(ザンギエフ),キャベツ選手(C・ヴァイパー),はなまるき選手(サガット),そして韓国から出場したPoongko選手(セス)の4名。各キャラクターのスペシャリスト達の活躍により,なんと当日予選枠にユン・ヤン・フェイロンが食い込めないという,予想外の結果となった。
ここからは,運と実力を兼ね備えた,神に挑む選手達のインタビューとその試合内容を掲載しよう。
カプコンゲーの実況ではおなじみのアール氏とヨシオ氏。今回も巧みな実況で会場を盛り上げてくれた |
「アルカナハート」などのタイトルでも好成績を残すBNBBN選手と,純ストIV勢であるボンちゃんの対決。ウメハラ選手お墨付きのユン・ヤンキラーだけあり,相手を寄せ付けない立ち回りでボンちゃん選手が勝利 |
当日予選突破選手ミニインタビュー
板橋ザンギエフ選手
本戦出場おめでとうございます。予選を振り返ってみて,とくに印象に残った試合はありますか?
板橋ザンギエフ選手:
予選リーグで当たったxian選手(ユン)との試合ですね。残り数ドットの状態からシベリアンブリザードで逆転して,今日は大吉ってことがよく分かりました(笑)。
4Gamer:
あれは会場が沸きましたね。あそこはバクステ読みだったんですか?
板橋ザンギエフ選手:
バクステじゃなくて二翔読みだったんですよね。EX絶招は隙が少ないから,ジャンプでかわしたあと二翔脚を擦る人が多いんで。
4Gamer:
なるほど。そういえば板ザンさんは,UC2のシベリアンブリザードをメインにしてますよね。その理由は?
板橋ザンギエフ選手:
投げキャラの投げを回避しようとすると,大体みんな飛ぶじゃないですか。その裏をかける選択肢ってところが好きなんですよね。アルティメットアトミックバスターではできない読み合いを迫れるのが面白いです。
4Gamer:
本選では誰を指名したいですか?
板橋ザンギエフ選手:
ユン・ヤン・フェイロンの三強を否定しに来たので襲い掛かりたいところですけど,色々と悩んでいます。一つ言えるのはサガットだけはないかな(笑)。
はなまるき選手
おめでとうございます。予選を通過するまでに印象に残った試合は?
はなまるき選手:
やっぱり合宿さん(ヴァイパー)との1戦ですね。諦めずに放ったUCがヒットしてよかったです。
4Gamer:
0ドットからの逆転は凄かったですね。あれが当たるか当たらないかの緊張感はたまりませんでした。本戦では誰を指名したいですか?
はなまるき選手:
ネモさん(ヤン)です。
4Gamer:
ということは,ヤン対策はばっちり?
はなまるき選手:
そうですね。スパ IV AEでは一番対戦しているのがヤンなので。ただネモさんとはアーケードで対戦する機会もあまりないので,対策がどれだけ機能するか試したいです。今日は勢いもあるし,勝ち上がれればいいなと思います。
キャベツ選手
お疲れ様です。予選通過までで,とく印象に残った試合は?
キャベツ:
全部辛かったですね。志郎さん(まこと)や魔法少女ざんぎたん(ザンギエフ)と,強豪が多いブロックだったこともあって精神的にきつかった。リーグ予選の最後も三つ巴戦になって,ほんとギリギリでした。
4Gamer:
厳しい予選で勝ち抜けられるのが,大会に強いキャベツさんの持ち味ですよね。本戦では誰を指名したいですか?
キャベツ:
みんなが期待するような組み合わせに突っ込んで,大会を盛り上げたいですね。でもPoongkoさんだけは怖いので,いきなり当たるのは困るかな(笑)。
Poongko選手
本戦出場おめでとうございます。予選通過までにとくに印象に残った試合はありますか?
Poongko選手:
ドラゴンスマッシャーさん(ケン)とマゴさん(フェイロン)の試合ですね。個人的にはケン側がきつい組み合わせだと思うんですが,フェイロンを上手く近づけさせない立ち回りや,起き攻めの読みの鋭さに感動しました。
4Gamer:
自分の試合ではどうですか?
Poongko選手:
全部大変でした(笑)。ただセスは日本では対策があまり進んでいないキャラだし,僕自身は強いキャラだと思っているんで。たまたま運がよかった部分もありましたが,勝てて良かったです。
4Gamer:
本戦では誰を指名したいですか?
Poongko選手:
みんな強いから誰を指名するか凄く悩んでいます。勝ち上がりを狙うなら,キャラを被せていきたいところですけど,やっぱりEVO 2011で負けてしまったふ〜どさん(フェイロン)を指名してリベンジしたいと思います。
ついに本戦スタート。勝利を掴みとるのは誰か
当日予選枠の4名を交え,16人による決勝トーナメントがいよいよ開始。GODSGARDEN恒例の「ダブルエリミネーション+フォーチュンボックス制」ルールは,キャラクター相性の激しいスパIV AEにとって勝敗を分ける大きな要素となる。勝ち残るためには,くじ運に恵まれることも重要なのだ。
このように,対戦を成立させるには,自分と相手の戦略を照らし合わせた上で,指名フェイズを立ち回らなくてはならないのが本ルールの最大の特徴といえる。各選手の思惑と,リスク&リターンが交差する,絶妙なルールといえるだろう。
メインキャラクターをさくらに変更したうりょ選手。ネモ選手を指名するが,これは雷撃蹴とジャンプ中Kめくりの表裏の択を通したネモ選手が勝利 |
15番と16番のくじを引いたふ〜ど選手とPoongko選手。今大会のキーマンとなる2人を全員が避けた結果,1回戦目から大一番が実現。Poongko選手の強力な2択を回避しつづけたふ〜ど選手がみごと防衛に成功 |
名試合続出! 職人プレイヤーの意地がぶつかった中盤戦。
ユン・ヤン・フェイロンの3強を誰が倒すか? という点に注目が集まった今大会。あーるえふ選手(サガット)がウメハラ選手(ユン)を,Poongko選手がネモ選手(ヤン)を下すシーンでは,会場のテンションも最高潮に。
その中でもめざましい活躍を見せたのが,さくらでの出場となったうりょ選手だ。これまでオフラインで開催されたGODSGARDENでは,#1と#2にともに準優勝の成績を収めており,「Mr.GODSGARDEN」の異名まで持っている。そしてその名のとおり,今回も魅せる試合を連発していた。
さくらは目押しを絡めた高難度,かつ高火力のコンボがウリのキャラクターだが,今大会のうりょ選手はとくに対空精度の高さが光っていた印象だ。相手の飛びを生UCで迎撃したり,とっさの対空に発生の早い近距離大Pを合わせたりなど。また対ときど戦では,斬空波動拳を弱咲桜拳で潜るといった巧みなキャラ対策を披露し,飛びに対する嗅覚と,逆転チャンスを見逃さない精神力で,観客を魅了していた。
PS3大会で優勝したEGももち選手vs.ネモ選手。ついに始まったユンヤンの兄弟対決はももち選手に軍配が上がった |
ウメハラ選手vs.かずのこ選手のユン同キャラ戦。某ゲームセンターでよく見る光景でもあり,一進一退の攻防が続いたが,今回はかずのこ選手の勝利となった |
そのほかにも名試合はまだまだあったのだが,言葉で説明するよりも動画を直接見てもらったほうが良いだろう。以下にUstreamのアーカイブへのリンクを張っておくので,スタープレイヤーによる最高峰の技術と読み合いを,ぜひその目で確認してほしい。
■Ustreamアーカイブ:
- GODSGARDEN #4 その1(予選リーグ pool league)
- GODSGARDEN #4 その2(プール決勝 pool final)
- GODSGARDEN #4 その3(losers 8)
- GODSGARDEN #4 その4(losers 2)
- GODSGARDEN #4 その5(Winners Final 〜Grand Final)
決勝はEVOとの2冠をかけたふ〜どとプロゲーマーももちの対決
いよいよ訪れたGrand Final。長丁場の激戦を勝ち抜いてきたのは,ここまで負け無しのふ〜ど選手と,直前のWinners Finalで負けを喫し,Losersを再び勝ち上がったももち選手によって争われた。
地上戦が強いフェイロンに対し,雷撃蹴で空中から接近したいももち選手だが,抜群の対空精度を誇るふ〜ど選手のプレッシャーからか,空中から攻めの起点が作れず,ユン側の苦しい展開からゲームはスタート。首尾よく接近できても紫炎脚セビキャンを盾に逆2択を迫られ,バックステップなどで距離を離して仕切り直されてしまう。
要所でバクステ狩りや幻影陣からの高火力コンボを決めて巻き返すものの,結局は攻めのリズムが掴めないまま体力を奪われ,結果は磐石の立ち回りでももち選手の行動を抑え込んだふ〜ど選手が勝利を手にする。
EVOに引き続いてGODSGARDENでも優勝を果たしたふ〜ど選手。晴れてビッグタイトル2冠という栄光に輝いた。
本戦上位入賞選手インタビュー
ふ〜ど選手
優勝おめでとうございます! EVOに引き続き見事2冠を達成されましたね,今の気持ちをお願いします。
ふ〜ど選手:
できすぎてるとは思いますけど,なんとか優勝できてよかったです。最近ついてますね(笑)。
4Gamer:
自信はありましたか?
ふ〜ど選手:
自信というわけではないんですが,今回は16人のトーナメントだったので,EVOと違って勝たなければならない回数が少ないですよね。だから運が良ければいけるかな,とは思ってました。
4Gamer:
EVOとGODSGARDENで,何か違いは感じますか?
ふ〜ど選手:
やっぱり規模が違いますよ。EVOは1500人の中から勝ち上がらないといけないし,相手も全然知らない人ばかりで不安でした。GODSは知ってる相手が多くて,参加人数も16人なので,気が楽です。知らない相手との15戦と,知ってる相手との5戦では,全然違いますから。
4Gamer:
なるほど。初戦はまさかのPoongko戦でしたが,カードが決まったときはどう思いましたか? Poongkoさんはリベンジしたかったとおっしゃってましたが。
ふ〜ど選手:
正直当たりたくない相手でしたね。フェイロンなんで,ほかにもっと楽なキャラもいるし,本当はそっちに行きたかったんですけど。くじ運が悪かった(笑)。なんとか勝てて良かったです。
4Gamer:
ときどさんの豪鬼が苦手という話を聞きましたが,今回は見事勝利を収めましたね。勝因は?
ふ〜ど選手:
一応キャラ対策はしましたけど,何で勝てたのかは分からないですね(笑)。
4Gamer:
次の注目タイトルといえば闘劇ですが,ここまで来ると3連覇も視野に?
ふ〜ど選手:
そうですね,どこまでやれるか頑張りたいです。でも,あまり気張って緊張するのも面白くないので,楽しむことを第一に頑張っていきたいと思います。
ももち選手
準優勝おめでとうございます。本戦を終えた感想をいただけますか?
ももち選手:
ありがとうございます。ここ最近は海外も含めていろいろな大会に出場していますが,準優勝が多くて悔しいですね。足りないあと一歩を今後の課題に,頑張っていきたいと思います。
4Gamer:
今回のGODSGARDENの感想はいかがですか? また,今回の大会で印象に残った試合などあれば教えてください。
ももち選手:
選手とギャラリーの一体感が濃いのがいいですよね。良い試合が多くて選手も楽しいし,それに合わせて会場も盛り上げてくれるので。印象に残ったのはやっぱりPoongko選手の試合全般かな。みんな分かってたと思いますけど,やっぱり強かった(笑)。
4Gamer:
次回,闘劇などに向けた意気込みを聞かせてもらえますか。
ももち選手:
そうですね。去年のスト4で優勝してるので2連覇もかかってますし,今日負けたふ〜どさんも出場が決定しているのでリベンジを果たしたいですね。
うりょ選手
3位入賞おめでとうございます。白熱した試合が多く,大盛り上がりでしたね。とくに印象に残った試合はありますか?
うりょ選手
Poongkoさんとときどさんの試合ですね。
4Gamer:
今回の大会の肝ともいえるセス対策ですが,対策は万全でしたか?
うりょ選手
セスはPoongkoさんのセスとしか対戦してなかったので,対策というよりは人読みが中心でした。動画を見て研究しましたけど,実際に対戦してみると太い択を通すのがホントに上手くて,強かったです。こちらも折れずに前に出たのがよかったと思います。
4Gamer:
カプコン夏の陣での活躍も期待しています。ありがとうございました!
次のステージに向けて
大会終了後は,MadCatz提供の景品を懸けたジャンケン大会や,「OnlineGODSGARDEN #3」の開催告知などが行われた。またスペシャルゲストとして,「スパIV」シリーズのアシスタントプロデューサーを務める,カプコンの綾野智章氏も登壇して,カプコン公式大会「夏の陣」や,本作のバランス調整版「Ver.2012」のロケテストについて発表。こちらの模様は「ニコニコ生放送」でも配信されるとのことだ。
こうして幕を閉じた「GODSGARDEN #4」。主宰の稲葉央明氏の発表によれば,大会と同時に行われていたライブ配信は,ニコニコ生放送が来場数(延べ人数)22万7358人,「Ustream」の同時視聴者数が約2万5000人(延べ23万1999人)という数字を叩き出したとのことだ。
2年前,#1の頃には考えられなかったほどの規模にまで成長を遂げたGODSGARDEN。格闘ゲームがエンターテイメントとして,多くの人に認知される日も,そう遠くはないのかもしれない。
「GODSGARDEN」公式サイト
「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」公式サイト
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スーパーストリートファイターIV アーケードエディション(パッケージ版)
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- ライター:ハナダ
- カメラマン:大須 晶
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