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正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
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印刷2014/05/09 00:00

テストレポート

正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)

画像集#002のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
 既報のとおり,2014年5月8日,KDDIは,2014年夏モデルのスマートフォンとタブレット計8製品を発表した。

 スマートフォン新製品を眺めてみると,いずれも前面のデザインは似たような狭額縁仕様で,見た目の違いは小さい。奇抜なものといえば,高耐久性をウリとした「TORQUE G01」くらいなものだ。
 スペック面も似通っており,5インチ以上で解像度1080×1920ドット(以下,フルHD解像度)のディスプレイを搭載するのは今や標準となっているし,SoC(System-on-a-Chip)には,Qualcomm製の「Snapdragon 800/801」シリーズに属する「MSM8974AB」「MSM8974AC」を採用するものばかり。大容量バッテリーの搭載も当たり前となっており,機種ごとの差はあまりない。スペックがほとんど横並びという状況は,2013年冬モデルや2014年春モデルと変わらずといったところか。

 スペック横並びの新製品では,どこに注目すべきかを考えると,やはりトータルでの使い勝手となる。とくにゲーム用途であれば,液晶パネルの見え方やタッチ操作の応答性,ボディの持ちやすさなどだ。スペックについてはそんなに気にしなくてもよくなっているぶん,感性や好みに近いところで選んでも失敗しにくいのはありがたい。

 さて,今回の新製品は5月発売のものから8月発売のものまで,発売時期がマチマチである。それゆえ,展示機の完成度にもばらつきがあったので,主にチェックした端末は下記4製品となる。残る4製品は,まだ絶賛開発中の状態であったのでテストは見送らざるを得なかった。
 Intelの「Atom Z3580」を搭載する「ASUS MeMO Pad 8」はかなり気になる存在だが,発売は8月下旬とのことで,動作している個体すらなかったのは残念だ。

  • isai FL LGL24:2014年7月下旬発売予定
  • Xperia ZL2 SOL25:2014年5月下旬発売予定
  • GALAXY S5 SCL23:2014年5月15日発売予定
  • AQUOS SERIE SHL25:2014年6月下旬発売予定

 KDDI 2014年夏モデルテストレポートの前編となる今回は,「isai FL LGL24」と「Xperia ZL2 SOL25」の2製品を評価している。後編では残る2製品と,TORQUE G01をレポートしたい。

国内メーカーならではのチューニングに期待の「AQUOS SERIE」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンテストレポート(後編)



isai FL LGL24


 LG Electronics(以下,LG)製の「isai FL LGL24」(以下,isai)は,5.5インチサイズで解像度1440×2560ドット,ピクセル密度538ppiの高精細液晶パネルを採用するという,インパクトのある製品だ。
 このピクセル密度のおかげで,小さい文字が見やすく,写真や映像を楽しむデバイスとしても満足度に差を感じられそうだ。それにしても,スマートフォンではすっかり300ppi以上のパネルを採用するのが当たり前になってしまった。

isaiの本体前面。上部と左右のベゼル幅が短い仕様で,下部にインカメラが用意されている
画像集#003のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)

画像集#004のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
4K解像度のサンプルムービーをisaiで表示した様子。当然縮小表示されているわけだが,夜景の細かい明かりまで鮮明に描かれている
画像集#011のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
フルHD解像度と1440×2560ドットのisaiを比較。顔を近づけて見ると,見えかたはかなり違う。なお,最高輝度はちょっと低めのようだ

本体背面。上からアウトカメラとLEDライト,赤外線通信用LED,音量調節ボタンといった構成。音量調節の位置は好みが分かれそうだ
画像集#005のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
 本体サイズは約76(W)×145(D)×10.5(H)mm。さすがに横が76mmもあると持ちにくさを感じそうだが,背面がゆるくカーブしたラウンドフォルムのおかげで,片手でもなんとか大丈夫といった感触だった。[電源/スリープ]ボタンは右側面に,音量調節ボタンは背面という配置になっているおかげで,がっちり持たなくても各ボタンを操作可能になっている。
 ただし,ちょっと画面を見る程度ならば問題ないが,片手で画面を操作するのは厳しい。普段の使い方で不自由がないか,実機でチェックすることをお勧めしておこう。

画像集#006のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
本体上側面。防水カバーに覆われたmicroSDカードスロットと,ヘッドフォン端子がある
画像集#007のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
本体下側面には,キャップレス防水タイプのUSB Micro-B端子を採用している

画像集#008のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
本体右側面。[電源/スリープ]ボタンの配置は,右手で持ったときに親指が届きやすく,左手で持った場合は人差し指が届きやすい
画像集#009のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
バックパネルは開閉可能で,内部にnanoSIMカードスロットがあった。シールに警告があるものの,バッテリーの交換もできそうだ

本体下部にインカメラが配置されている。上部の額縁が極端に少ない最近のスマートフォンでは,よく見られる配置だ
画像集#010のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
 ゲーム用途で考えた場合,画面が大きく高精細なisaiは,両手で持ってゲームをするのに向いていると感じる。パズル系ゲームはもちろん,最近増えている「Clash of Clans」系ゲームでの細かい操作でも,ストレスを感じにくいだろう。
 本体の重心位置が中心よりもやや下に設定されているため,体感ではそれほど重く感じない点も,ゲームプレイに適しているといえるのではないだろうか。

ノックコードでロックを解除しようとしている様子……なのだが,この写真ではなんだか分からないか。数回試してみたが,かなり重宝する機能だと感じた
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 isai独自の機能として,本体を振ることで現在地周辺の情報を表示したり,アプリを起動したりする「isaiモーション」というものがある。また,画面を特定パターンでタップするとロック状態を解除できるという「ノックコード」という機能も備えている。
 ノックコードは画面を4つに分け,それらを決めたパターンで2〜8タップするとロックが解除されるというものだ。画面全体を単純に4分割するのではなく,「最初にタップした場所を基準に4分割する」という凝った処理を採用しているそうだ。そのおかげで,片手持ち状態でのロック解除もしやすく,タップのパターンを他人に見られても分かりにくいというメリットがあるそうだ。
 奇抜な機能に聞こえるが,これは「意外にありだ」と感じた。

 なお,発売時期がしばらく先であるため,残念ながらベンチマークテストは行えなかった。試用機を触った感触を,2013年冬モデル「isai LGL22」での印象を思い出しながら比較してみたが,操作に対するレスポンスはそつのないものだった。

●isai FL LGL24の主なスペック
  • メーカー:LG Electronics
  • OS:Android 4.4(KitKat)
  • ディスプレイパネル:5.5インチAH-IPS,解像度1440×2560ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「MSM8974AC」(クアッドCPUコア,最大CPU動作クロック2.5GHz)
  • メインメモリ容量:2GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1320万画素
  • インカメラ:有効画素数約130万画素
  • バッテリー容量:3000mAh
  • SIMサイズ:未公開
  • LTE対応:受信時最大150Mbps
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n/ac
  • 連続通話/3G待受時間/LTE待受時間:未公開
  • 本体サイズ:約76(W)×145(D)×10.5(H)mm
  • 本体重量:約160g
  • 本体カラー:ホワイト,ブルー,ピンク
  • 主な対応サービス&機能:Eメール(@ezweb.ne.jp),SMS,グローバルパスポート(LTE/GSM/UMTS),ワンセグ,フルセグ(アンテナ内蔵),おサイフケータイ,NFC,赤外線通信,Bluetooth 4.0,Wi-Fiテザリング(最大8台),キャリアアグリゲーション,WiMAX 2+,WIN HIGH SPEED,緊急速報メール,防水


Xperia ZL2 SOL25


 日本メーカー製のAndroidスマートフォンでは,いまやトップクラスのブランドとなったソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia」。その最新モデルが「Xperia ZL2 SOL25」(以下,ZL2)だ。製品名からも分かるかもしれないが,世界市場で「Xperia Z2」として発表された製品の,日本向けバージョンという位置付けである。

ZL2の本体前面。5インチ液晶パネルを包むベゼルの幅が,ほかの製品と比べるとやや幅広なのがちょっと残念に思える
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画像集#014のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編) 画像集#019のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
本体背面。こんもりと膨らんているように見えるが,ラウンドフォルムというほどではない(左)。全体的には持ちやすく,手から滑り落ちることもなさそうだ。カラーバリエーションは3色で(右),中央の「ターコイズ」がなかなかいい

液晶パネルの「トリルミナスディスプレイ for mobile」は発色がとても良好。上下左右の視野角は160度くらいで,それ以上になると画面の破綻が見られた
画像集#020のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
 5インチサイズでフルHD解像度の液晶パネルを搭載する全体的な雰囲気は,2013冬モデルの「Xperia Z1 SOL23」から大きく変わっていない。ただし,高級感を演出していた背面の強化ガラスがなくなり,背面側の四辺が丸みを帯びているので,ソリッドなイメージは失ってしまった。しかし,新しい背面にはまったくチープ感はなく,全体的に柔らかくなった印象を受ける人が多いだろう。
 本体サイズは約72(W)×137(D)×10.8(H)mm。昨今のスマートフォンではごく普通の厚さだが,ほどよく丸みを帯びた背面の四辺と合わせて,持ちやすく感じる。これまでのXperia Zシリーズで「角がごつくて持ちにくい」と感じていた人は,ぜひ実機をチェックしてみてほしい。

画像集#015のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
本体上側面。キャップレス防水仕様のヘッドフォン端子がある。その隣にある穴はノイズキャンセル用のマイクだ
画像集#016のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
本体下側面。左端にストラップホールがあり,右寄りにマイク穴が2つ。左が通常時,右が水没時に使用するマイクとのこと

画像集#017のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
本体左側面。左から,防水カバーに覆われたUSB Micro-B端子,専用クレードルの接点,microSDカードスロットとSIMカードスロットが並ぶ
画像集#018のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
本体右側面。Xperiaシリーズの特徴でもある,銀色の丸い[電源/スリープ]ボタンが目を引く。その左には音量調節ボタンとシャッターボタンがある

 SoCには「Snapdragon 801 MSM8974AB」を採用し,メインメモリ容量は3GBと,今回発表のAndroidスマートフォンでは最大の容量を誇る。CPUコアの動作クロックは,GALAXY S5 SCL23よりも200MHzほど低いが,大きな性能差を生むほどではない。それはベンチマークテスト結果からもうかがえる。

3DMarkは測定上限値のないIce Storm Unlimitedで,2万近いスコアを叩き出した。これはかなり優秀だ
画像集#021のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
 恒例のベンチマークテストは,Android版「3DMark」によるグラフィックス性能の計測と,連射測定アプリケーション「ぺしぺしIkina」による液晶パネルの連打に対する応答性計測を行った。
 まずは3DMarkの結果だが,「Ice Strom」プリセットと「Ice Strome Extreme」プリセットでは,測定上限の「Maxed out!」に到達。「Ice Storm Unlimited」プリセットでは「19266」を記録した。今回の計測した端末のなかでは良好な結果であり,スマートフォンでもリッチなグラフィックスのゲームを楽しみたいという読者ならば,まず最初に検討すべき端末といえる。

ぺしぺしIkinaの結果は「78」で最近のスマートフォンでは低いほうだ。飽和はほぼ10タップごとに生じていたが,1タップ目からの9タップまでの取得状況は良かった
画像集#022のサムネイル/正当進化の中に目を惹く特徴を持つ「isai FL」&「Xperia ZL2」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンをじっくり触ってきた(前編)
 一方,連打に対する応答性チェックの結果では,連射回数が93〜96になるよう実行して,スコアは「78」。およそ10タップごとに飽和が生じていた点は気になる。
 スペックの割にはスコアが低いので,「バッテリー残量に応じて,タッチの処理ペースを下げるような制御が行われているのではないか」と疑ったが,説明員によると,「STAMINAモードをオフにしている場合,そういった制御は一切行っていない」そうだ。
 連打の応答性は抜群にいいほどではなかったが,フリックやドラッグ操作に対する反応は上々だったので,激しい連打を要求されないゲームなら,ZL2は合格点に達しているといえるだろう。

●Xperia ZL2 SOL25の主なスペック
  • メーカー:ソニーモバイルコミュニケーションズ
  • OS:Android 4.4(KitKat)
  • ディスプレイパネル:5インチトリルミナスディスプレイ for mobile,解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「MSM8974AB」(クアッドCPUコア,最大CPU動作クロック2.3GHz)
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約2070万画素
  • インカメラ:有効画素数約31万画素
  • バッテリー容量:3000mAh
  • SIM:microSIM
  • LTE対応:受信時最大150Mbps
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n/ac
  • 連続通話/3G待受時間/LTE待受時間:約1340分/約670時間/約640時間
  • 本体サイズ:約72(W)×137(D)×10.8(H)mm
  • 本体重量:約167g
  • 本体カラー:ターコイズ,ホワイト,ブラック
  • 主な対応サービス&機能:Eメール(@ezweb.ne.jp),SMS,グローバルパスポート(LTE/GSM/UMTS),ワンセグ,フルセグ(アンテナ内蔵),おサイフケータイ,NFC,Bluetooth 4.0,Wi-Fiテザリング(最大10台),キャリアアグリゲーション,WiMAX 2+,WIN HIGH SPEED,緊急速報メール,防水,防塵

国内メーカーならではのチューニングに期待の「AQUOS SERIE」。KDDI 2014夏モデルスマートフォンテストレポート(後編)

KDDI au発表会 2014 SUMMER 特設Webページ

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