インタビュー
ウィローエンターテイメントの新生「 X・A・O・C 〜ザオック〜」は,2015年8月中に正式サービス予定。本作の魅力とサービスへの意気込みを聞いてみた
今回は,XAOCの運営プロデューサーを務めるウィローエンターテイメント配信事業部 プロデューサー 近藤俊介氏にインタビューを行い,あらためて本作の魅力を聞きつつ,運営を行ううえでのポリシーや意気込みを聞いてきた。
新生XAOCはPvPとPvEの
二つのサーバーでサービスインの予定
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。今年の4月に,ウィローエンターテイメントさんが新生XAOCの公式サイトをオープンさせましたが,突然なことで驚きました。まずは,御社でXAOCを運営することになった経緯を教えていただけますか。
ウィローエンターテイメント配信事業部 部長 近藤俊介氏(以下,近藤氏):
4Gamer:
以前の運営は,USERJOY JAPANさんが行っていましたが,ユーザーデータなどはそこからの「移管」になるのでしょうか?
近藤氏:
いえ,完全新規でのサービスとなります。サービスを中止していた時期が長かったこともありますので,以前にプレイしたことのある既存のプレイヤーを大事にしつつ,新規で始める方にも同様に楽しんでいただけるような環境を整えていきたいと考えています。
4Gamer:
XAOCの本国台湾でのサービス状況はいかがでしょうか? 当初は,台湾の郷土色をゲーム内に盛り込んで人気だと聞いていましたが。
近藤氏:
台湾でのサービスは好調で,日本でサービスが止まっている間も,アップデートを重ねて進化を続けていますね。
4Gamer:
なるほど。であれば,MMORPGでよく言われるコンテンツ不足の問題はなさそうですね。
近藤氏:
開発のWINKING TREE ENTERTAINMENTさんにとって,XAOCは代表作ですので,大切に育てている印象です。技術力も高まっていて,キャラクターやエリアの追加といったアップデートを短期間で行えるようになっています。我々としては,国内向けのローカライズに力を入れ,いずれは日本独自の仕様なども加えて,XAOCが持つ魅力を引き出せるようにしていきたいと思います。
4Gamer:
分かりました。日本でのサービスは,やはり基本プレイ無料のアイテム課金という形でしょうか。
近藤氏:
多くのお客様にXAOCをプレイしていただきたいので,基本プレイ無料で提供いたします。あと,サーバーは,PvPサーバーとPvEサーバーの二つに分けて,ガチで戦いたい人と,手軽に楽しみたい人,両方のニーズにお応えしたいと考えています。できれば,両方のサーバーにキャラクターを作って遊んでもらいですね。
自由度の高い操作により実現する激しいアクション性は本作の魅力の一つ
4Gamer:
近藤氏:
おっしゃるとおり,ゲームの基本システムはしっかりと作られています。ただ,世界観や用語などで日本のプレイヤーにとってとっつきにくい部分があったのではないかなと。ですので,ローカライズの際は,できるだけ日本のプレイヤーに馴染み深い言葉を使うようにしました。グラフィックスに関しては,比較的日本のプレイヤーにも親しみやすいデザインになっていますので,多くの方に気に入ってもらえるのではないかなと思います。
4Gamer:
新生XAOCを発表して公式サイトが立ち上がったのが今年の4月ですが,プレイヤーからの反響などはいかがでしょうか。
近藤氏:
過去にプレイされていた方から「待ってました」「期待している」といった声が,直接メールで届けられました。また,最初のリリースで温泉の画像を配信しましたが,それに対しても「どんなゲームなんだ」と問い合わせが殺到したりもしました(笑)。
4Gamer:
温泉は,XAOCの象徴的なシステムになってますよね(笑)。祭りなど台湾の風土的なものを盛り込む一方で,温泉とか茶道といった日本でも馴染みのある要素が入れられているのは面白いところです。ちなみに,日本でサービスを休止している間も,本国ではアップデートが行われていたとのことですが,どの程度まで日本で実装されるのでしょうか。
近藤氏:
アップデートで一番大きいところは職業の追加になると思いますが,それに関してはサービス開始からすぐに入れていこうとは考えています。以前にXAOCをプレイしたことのある人にも,早い段階で新しい楽しみを見つけていただけるのではないでしょうか。
4Gamer:
正式サービスと同時ではなく,段階的に追加要素を入れていく感じですか。
近藤氏:
ええ。現在の予定では段階を追って新要素を追加する予定ですが,まずはクローズドβテストを行って,そこでのプレイヤーの皆さんの反応を見てからの判断になるでしょう。プレイヤーの皆さんに楽しんでいただくことが一番ですので,場合によっては導入する順番を入れ替えることも考えます。
4Gamer:
レベルの上限についてはいかがでしょうか?
近藤氏:
台湾ではレベルキャップが75ですが,日本でオープンする段階でのレベルキャップは50の予定です。レベルキャップの上昇に合わせて段階的に上げていきます。新しいインスタンスダンジョンやレイドボスも入れていく予定ですので,より遊びの幅が広がると思います。
4Gamer:
エリアや職業の拡充は正式サービス以降のお楽しみということで,それ以外のシステムの部分で,遊びやすく改修されている要素などはありますか。
近藤氏:
初めてオンラインゲームをプレイする方の目線を考え,例えば,自動移動の精度を上げ,マップ上のポイントをクリックするとその場所に移動できるようになるシステムは導入できそうです。あと,XAOCの基本プレイはW/A/S/Dキーを使って移動するシステムですが,新しく,マウスだけで移動と戦闘ができる「簡単モード」も導入いたします。F12キーで即座に切り替えられるので,場面に応じて使い分けてもらうとよいかもしれません。
4Gamer:
近藤氏:
ダークファンタジーな世界観,ペットの育成やアイテムの製造といった豊富なサブコンテンツなど,アピールしたい要素は数多いのですが,やはり「自由度の高い操作により実現する激しいアクション性」は本作で強く打ち出したいところかなと考えています。
4Gamer:
ノンターゲット式ですし,武器の切り替えもあって,スピーディなバトルの展開は爽快で,キャラクターを動かしているだけでも楽しいですよね。個人的には,3種類の武器を好きなように組み合わせられるところが面白いと感じました。所持している3本の武器がちゃんとグラフィックスに反映されるんですよね。
近藤氏:
4Gamer:
フランスパンなのはお国柄(?)なのでしょうか(笑)。開発との関係は良好ということでしたので,コラボなどで日本のアニメ系のアバターが登場することもありそうですね。
近藤氏:
WINKING TREE ENTERTAINMENTさんは乗り気で,協力しますと言っているので,ぜひコラボは実現させたいですね。
8月中にはオープンβテストから正式サービスへ
4Gamer:
では,正式サービスまでのスケジュールを教えていただけますか?
近藤氏:
クローズドβテストを経て,8月の上旬にオープンβテストを行い,大きな問題がなければそのまま正式サービスに移行する予定です。
4Gamer:
当初は2015年中にサービス開始とありましたが,なんとか夏休み期間には間に合いそうですね。運営のポリシーなどありましたら教えてください。
近藤氏:
4Gamer:
コミュニティの形成は基本的にプレイヤーに一任される部分ではありますが,システム的にフォローできるといいですね。
近藤氏:
コミュニティの重視という意味では,対人戦,対人イベント,ギルド戦などは入れていく予定です。ギルド戦はギルド同士で領地を奪い合って,領地を手に入れることで行けるようになる特別なダンジョンなどもあります。単一のギルド同士で戦うだけでなく,ギルド間で同盟を結んで戦ったりできるのも面白いところです。
4Gamer:
近藤氏:
はい。PvPサーバーは,街以外のエリアでいわゆる無差別PKができるサーバーになっていて,ギルド戦やイベントで行われる対人要素はどちらのサーバーでも行えます。
4Gamer:
PvPサーバーでPKをしたときはペナルティはあるのでしょうか?
近藤氏:
PKをしすぎると赤ネームになって指名手配の状態になってしまいます。また,加害者は被害者の返り血を浴びるのですが,これが一種のマーキングになって,被害者は加害者の場所をマップで確認できるようになります。リベンジの機会が与えられるといったところでしょうか。
こうして説明をすると,なんとなく殺伐とした雰囲気に受け取られるかもしれませんが,実際には,街の中は完全に安全ですし,PvPサーバーでも対人戦をしない非PvPモードに設定することもできます。ですので,好きなときにPvPが楽しめるサーバーという認識が正しいですね。
4Gamer:
分かりました。あと,個人的には,公式サイトにあった「夜は歓楽街のクラブで美人なお姉様とムフフな体験ができるかも……?」という一文が気になるのですが,こちらはどういったコンテンツになるのでしょうか?
近藤氏:
開発の方から,「夜は歓楽街という企画があって導入します」という話でしたが,ローカライズに手間取っていることもあって,実はまだ開放されていないんです。ただ,企画の段階で,すでに我々運営チームをザワっとさせるほどのインパクトがありまして(笑)。一応,XAOCは全年齢指定でプレイできるタイトルですので,内容的に妥当であるのか,倫理的に大丈夫なのかといったところを検討しなければなりません。
4Gamer:
俄然興味が湧いてきたのですが,結構きわどいシステムなんですね。なんとなく,膨大なゲーム内マネーを支払ってお店に入り,たまにぼったくられるイメージだったんですが。夜の歓楽街システムのためだけにでも対象年齢を上げることもご検討ください(笑)。
近藤氏:
検討してみます(笑)。
4Gamer:
今後,日本の独自仕様を導入することなどは考えていますでしょうか?
近藤氏:
4Gamer:
ウィローエンターテイメント色に染まった新生XAOCが,プレイヤーにどんな楽しみを与えてくれるのか,運営手腕に期待します。では最後に,4Gamerの読者に向けてメッセージをお願いします。
近藤氏:
XAOCは一度サービスが終了したこともあり,マイナスのイメージを持っている人もいるかもしれませんが,しっかりとていねいに作られたゲームですので,プレイすればするほど面白さを感じ取れるのではないかと思います。ゲーム内でお友達ができるようなイベントも考えていますので,まずは気軽にゲームにインしてアクション性を確認していただいて,温泉に浸かってのんびりしてみてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
日本人ウケのよいキャラクターと,3種の武器を駆使してフリーターゲットで繰り広げられる対人戦という要素を軸に,温泉やキャバクラといった飛び道具を導入してくる独自性。それらを引き継ぎつつ,新生XAOCでは,以前のサービスでの問題点を踏まえて,日本人には取っ付きにくかったであろう部分を徹底的に改善しているという。
ウィローエンターテイメントでのサービスでXAOCはどのように生まれ変わるのだろうか。クローズドβテストなどの詳細はまだ発表されていないが,すでに先行登録受付は開始されているので,興味のある人は公式サイトから登録してみよう。
「X・A・O・C 〜ザオック〜」公式サイト
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