インタビュー
キャラは可愛いけどダークな感じのMMORPG「X・A・O・C 〜ザオック〜」,独特な世界観やアクション性などについていろいろ聞いてみた
台湾Winkingの風雷スタジオが制作する本作は,大規模な開発チームが8年の歳月と15億円以上をかけて制作した大作MMORPGだ。独特な世界観のダークなストーリーと,MMORPGでありながらノンターゲッティングバトルが採用されており,武器を切り替えつつ戦うハイスピードなバトルが魅力となる。
ここではXAOCの日本運営を担当するUSERJOY JAPANオンラインセクション中岡瑛雅氏に,世界観についてからバトルシステムまで,本作の特徴についていろいろと聞いてみた。クローズドβテストで公開された4種類の職業について,その詳細も掲載しているのであわせて読んでいただきたい。
ダークな東洋ファンタジーな世界観。東洋的なサブコンテンツも豊富に用意
よろしくお願いします。まず,最初に「X・A・O・C 〜ザオック〜」というタイトルに込められた意味を教えてもらえますか。
中岡氏:
本作は,台湾では「参天律」というタイトル名でサービスされており,「X・A・O・C」は副題となっていました。XAOCとはロシア言葉で“カオス(混沌)”という意味を持っていて,文字のそれぞれにXentra(中心)/Alpha(起源)/Oraga(生命)/Crima(罪)という仏教的な単語を含めて,ゲームの世界観を表すようなタイトルとなっています。
4Gamer:
そういう,ある種哲学的で重厚な世界観はXAOCの特徴ともいえそうですね。
中岡氏:
一般的な中世ファンタジーとは毛色の違う,ちょっとダークな世界観ですので,まずは,XAOCの特徴的なバトルに触れていただき,広大なマップを歩いて,少しずつXAOCの世界に入り込んでいただければと考えています。
4Gamer:
ひと言で説明するのは難しいとは思うのですが,ダークな東洋ファンタジーといったところでしょうか。
中岡氏:
ちなみに,各種族は二つの対立する勢力のどちらかに割り振られていまして,勢力間の争いはストーリーのキーワードともなっています。開発陣は,映画を作るような感覚でゲームを制作しています。カットシーンの演出などにもこだわってストーリーを構築しているので,その辺りにも注目していただきたいです。
4Gamer:
中岡氏:
世界設定として,かつて高度な文明があったことになっており,マップの随所にそうした文明の遺物が残されています。銃も過去の技術という設定ですね。
4Gamer:
ところで,USERJOY JAPANさんは,声優にもこだわっている印象がありますが。
中岡氏:
今回,ボイス入りのキャラクター/NPCは100名以上いまして,内田真礼さんをはじめ,豪華な声優陣を起用しております。
4Gamer:
“一つ目”とか“鬼”とか,人外タイプのキャラクターは大変だったのではないでしょうか。
中岡氏:
そのあたりは,化け物らしさを表現してもらいました(笑)。
4Gamer:
ゲーム内では日本の戦国武将をモチーフにしたNPCも確認できましたが,彼らは世界観にどう絡んでくるのでしょうか。
中岡氏:
ゲーム全体で“東洋”がベースになっていて,スタート地点は台湾の雰囲気ですが,なかには日本をモチーフにしたマップも存在します。人物だけでなく建物も日本風になっていて,雷門を模した建物もあったりしますので探してみてください。
4Gamer:
なるほど。フィールドの中に,日本や台湾,中国といった東洋の国をモチーフにしたフィールドがあると。
中岡氏:
ええ。台湾フィールドは本国だけにかなり力が入っていて,お祭などでも郷土色も打ち出しています。身近な風習がゲーム内に盛り込まれているとあって,台湾のプレイヤーには評判がよいと聞いています。ゲーム内にある「天灯」(願いを書いた灯篭を空に飛ばす)というシステムが代表例でしょうか。
4Gamer:
台湾旅行に行ったことがある方は,プレイすると何か気づくことがあるかもしれませんね。そういえば,XAOCの「温泉」コンテンツは一味違うという噂でしたが(笑)。
中岡氏:
また,XAOCでは,戦闘を繰り返していると身体が汚れてきて,緑色の,なにか臭ってる感じのものが出てくるのですが(笑),その状態だとNPCに話しかけても無視されることがあります。ただ,種族によっては,身体が汚れていたほうが戦闘能力が増すこともあるので,クエストの前にはお風呂に入って,重要な戦闘の前にはお風呂に入らないようにするといった調整が重要になります。
あと,温泉専用のアバターアイテムもあります。タオルの柄が変わったりですね。アバターアイテムについては,下着の見た目を変えるものもあるので,ぜひ試してみてください(笑)。
4Gamer:
中岡氏:
茶道は,さまざまな効果を持つ“お茶”を淹れるのが目的ですが,ここは結構こだわって開発されていて,使う茶葉によって最適なお湯の温度やお茶のエキスを抽出する時間が違うといった細かな設定があったりします。失敗すると,「まずいっ」といってキャラクターがむせこんだりも(笑)。そういったアクションを含めて,楽しんでいただけると嬉しいですね。
4Gamer:
サブコンテンツとして,ペットなどは存在しますか。
中岡氏:
XAOCでは「妖怪」というペットがいます。妖怪は,プレイヤーの戦闘をサポートしてくれたり,資源の採集を行ってくれるもので,当然ですが育成可能となってます。
そのほかのサブコンテンツとしては,騎乗ペット,装備強化,ギルドなどのコミュニティ機能など,一般的なMMORPGにあるような要素はひととおり入っています。また,正式サービスのタイミングで,外部アプリとの連携も行う予定ですのでお楽しみに。
キー操作により多彩なアクションが繰り出せるバトルシステム
4Gamer:
世界観とともにXAOCの魅力となるバトルについてお聞きします。本作は,ジャンルはMMORPGですが,バトルのアクション性にはこだわって開発したと聞いています。
中岡氏:
アクション性にこだわって独自のエンジンを用いて開発を行っていることもあり,既存のMMORPGというジャンルの枠組みからはちょっと外れているかもしれません。ノンターゲッティングバトルでアクション性も高く,敵に合わせて戦い方を変えたり,危険な攻撃を回避するといった,キャラクターを自在に操る楽しみも感じていただけると思います。
4Gamer:
序盤は敵がさほど強くないこともあって,正面から打ち合うだけで勝ててしまいますが,後半になってくると状況は変わってくるのでしょうか。
中岡氏:
4Gamer:
敵をクリックして攻撃する単純な戦闘も行え,W/A/S/Dキーで移動しながら,通常攻撃や“速撃”,チャージ可能な“破攻”などを駆使して戦うこともできるわけですね。
XAOCには「職業」という概念がありますが,職業によって最大3種類の武器が設定されています。やはり,武器の切り替えもバトルでは重要になるのでしょうか。
中岡氏:
遠距離攻撃可能な武器で先制攻撃をし,接近されてしまったら近接武器で迎撃といった戦い方が可能です。武器によって得意な間合い,スキルの効果範囲などが異なりますので,自分なりの戦術を考えてみてください。なお,物理武器限定ですが,攻撃の組み合わせによってコンボ技スキルを繰り出せます。こちらはスキルの一種ですが,クールタイムが発生しないのが特徴となっていますので,うまくバトルに組み込んで戦闘パターンを考えてもらいたいですね。
4Gamer:
中岡氏:
確かに,各職業の特色と合致しているのは第1武器です。ですが,キャラクターの特性を決める「資質」というパッシブスキルがありまして,自分の好きな武器の能力を底上げすることができます。これによって,XAOCでは,第2武器,第3武器でもメイン武器に劣らない能力を引き出せます。ただし,すべてのスキルを覚えることはできないことには注意してください。
4Gamer:
なるほど。キャラクタービルドで,自分なりの戦闘スタイルを確立できるわけですね。バトルはパーティ単位でも行われると思いますが,パーティは最大何人で組めるのでしょうか。
中岡氏:
基本のパーティは4人ですが,「戦隊」を組むと最大6パーティ,つまり24人のプレイヤーが一つの集団として行動できます。
4Gamer:
戦隊はどういったときに使うものなのでしょうか。
中岡氏:
普通のインスタンスダンジョンは基本的に4人のパーティになりますが,一部特殊なダンジョンについては戦隊で挑むことになります。また,将来的に戦隊を組むと獲得経験値などにボーナスを付けていきたいと考えていますので,一般フィールドでも周りの人と戦隊を組んで,大人数で効率よく狩りを行えるようにするとよいでしょう。
クローズドβテストで公開された4種類の職業と武器の詳細
クローズドβテストで公開された4種の職業について,中岡氏に細かく解説してもらったので,ここでまとめて紹介しておこう。
●銀甲
・第1武器「手甲」
主に盾役としてパーティに貢献できる武器。防御面とヘイト管理に優れた「星拳」モードと攻撃面を強化してスタンなどが使える「覇拳」モードの,二つを切り替えられるのが最大の特徴。手甲のモード変更スキルを使うことで瞬時に切り替えられるが,どちらに特化したスキルを取るかでキャラクターの特徴も変わってくる。
・第2武器「匕首」
移動速度が上昇する特性を持つ武器。単発の攻撃力自体はそれほど高くないが,攻撃速度により手数で押していける。ヒット時に一定の確率で相手を「出血」状態にすることができるのが特徴で,この出血は最大10回まで重ね掛け可能だ。
・第3武器「長兵器」
火力に特化した武器で,3つのスキルを連携させて大ダメージを狙える。相手の移動速度を減少させるようなDebuffスキルもある。
●百刃
・第1武器「双剣」
両手に持った剣から繰り出される連打攻撃が強力。移動距離の長いスキルを持っており,相手の懐に入り込むことはたややすい。また,剣圧による中距離攻撃も覚えることから,中間距離での戦いも行える。
・第2武器「太刀」
武器に炎や氷などの属性を付与させられるため,刀による物理ダメージに魔法属性の追加ダメージを加算できる。付与させた属性により,相手に状態異常を与えることもできる。
・第3武器「双頭刀」
両端に刃のついた矛状の武器で,攻撃範囲はやや広め。とにかく一発の攻撃力が高いのが特徴で,とくにボス戦で活躍しそうだ。
●弁天
・第1武器「法器」
魔法を主体とした武器。光モード時は味方の回復と支援を行え,闇モード時は相手を魔法で攻撃できる。モードチェンジに制限はないので,頻繁に切り替えながら戦うことになりそうだ。
・第2武器「弓」
長距離からの攻撃が得意な武器で,光モード時は即座に発動して敵にダメージを与え,闇モード時はチャージしての大ダメージを狙える。
・第3武器「長兵器」
長兵器は弁天師が持つ唯一の近接武器となり,近くの敵を巻き込んで攻撃できることから乱戦のときでも使っていける。銀甲の使う長兵器とは,まったく使い勝手が異なり,光モードでは高速な攻撃が,闇モードでは遅いが強力で状態異常を伴った攻撃が行える。
●銃火
・第1武器「二挺拳銃」
遠距離対応の物理攻撃武器。罠設置や爆弾投擲といったサブスキルを習得でき,煙幕や閃光弾を張って相手の視角を悪くすることも可能。また,FPSにあるようなスコープモードを発動することもでき,かなり遠くから敵を狙撃できたりもする。ちなみに,ヘッドショットのようなものはないとのこと。
・第2武器「匕首」
出血によるダメージを期待できるのは銀甲と同様だが,銃火の匕首は変形してチェーンソーになったり,刺した相手を爆発させたりとギミック要素が多く,トリッキーな戦いが行える。
・第3武器「轟砲」
遠距離対応武器だが,通常攻撃は手にした大砲を使って敵を殴りつける近接攻撃となっている。スタン効果も発動するので,相手に接近されたときの自衛の手段にも使える。最大の特徴は射撃モードから繰り出されるスキル攻撃で,遠距離かつ広範囲な攻撃で敵を焼き尽くす。
第2武器を使えるようになるのはレベル10。これは普通にプレイすると数時間程度で達成可能だ。第3武器はレベル20で使用可能となるが,ここまでキャラを育てるには少々時間が掛かる。
各職業の特徴を読んでもらえれば分かるかもしれないが,XAOCの本当の面白さは,すべての武器を使えるようになり,さらに資質を含んだビルドがある程度完成してからと言える。ひたすら硬いタンカーとなるか,二挺拳銃で遠距離の敵をスナイピングするか。キャラクター育成の自由度はかなり高く,自分の考えたキャラクターのコンセプトが,アクション性の高いXAOCのバトルにきちんと反映されるのである。
独自の世界観のもとで構築されたクエストを追うことでゲームが進行する
4Gamer:
ゲームの進行については,ストーリーを追いかけるようなクエストをプレイしていくことになると思いますが,こちらはソロでのプレイも可能なバランスでしょうか。
中岡氏:
4Gamer:
ゲーム後半ではレベルアップのためのフィールド狩りは必要になるのでしょうか。
中岡氏:
そうですね。後半になるとクエストだけでは経験値が足りなくなってきますので,戦隊を組んでフィールド狩りをしたり,インスタンスダンジョンを周回したりしてレベルを上げることが必要になるでしょう。装備品を探しながらレベリングができるインスタンスダンジョンがオススメです。
4Gamer:
フィールド狩りのパーティを気楽に申請できるような雰囲気になると,楽しくプレイできそうですね。インスタンスダンジョンについては,何かギミックのようなものはありますか。
中岡氏:
いろいろとありますが……特徴的なものは,難度が高いダンジョンには隠しボスがいるということですね。ユーザーの行動によってルートが分岐するシステムなども,今後入れていきたいと企画を進めています。
4Gamer:
ボスが変化する条件ですか。気になりますね。
中岡氏:
4Gamer:
アクション性の高いタイトルなので,PvP要素も気になるところですが。
中岡氏:
もちろんPvP要素は用意されています。オープンβテストには間に合いませんでしたが,正式サービスのタイミング,もしくは正式サービス開始から間を置かずにコンテンツの一つとして投入したいと思っています。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
本作の魅力は,MMOながら高いレベルのアクション性を実現していることと,キャラクタービルドの自由度が高いこと,そしてギミックの豊富なダンジョンということになるだろうか。当たり前のようだが,実際に自分の組んだビルドで戦って成果を上げられると相当楽しい。レベル20で2番めのインスタンスダンジョンも開放されるので,ゲームの特徴を吟味できるのはこのあたりからになりそうだ。
そこまで到達するのに少し時間がかかることが気がかりではあるが,オープンβテストでも,3本の武器は開放されているので,この機会にXAOCの魅力を確かめてみてはいかがだろうか。
「X・A・O・C 〜ザオック〜」公式サイト
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