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ヨーロッパ・ユニバーサリスIII ディヴァイン・ウインド【完全日本語版】

ヨーロッパ・ユニバーサリスIII ディヴァイン・ウインド【完全日本語版】
公式サイト http://www.cyberfront.co.jp/title/eu3_divine_wind/
発売元・開発元
発売日 2011/09/30
価格 5040円(税込)
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このゲームの読者の評価
85
グラフ
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  • Pages: 1
  • 「ヨーロッパ」・ユニバーサリス3の拡張版 85
    • 投稿者:MitzKyo(男性/40代)
    • 投稿日:2011/12/02
    良い点
    ヨーロッパ・ユニバーサリス3全体として:
     世界史を「ゲームとして遊べる」。政治、宗教、経済、軍事を、それなりに包括してシミュレートできる。「歴史イベント」は発生しないが、それを「政策」などの要素によって適度にコントロールしている。

    拡張パック「ディヴァイン・ウィンド」として:
     建物を建てるのに政務官が必要になったり、「悪評」が上がると多数の「楽しいイベント」が起きるようになったので、拡大征服プレイのハードルがより一層高くなった。
     5.1パッチを当てての話だが、遊牧民がより一層遊牧民っぽく……あけすけに言えば野蛮な騎馬民族っぽくなった。
     少なくとも全体として、今までのEU3をより一層遊べる拡張パックである。

     ディヴァイン・ウィンドの命名の由来? ――さて?
    悪い点
    ヨーロッパ・ユニバーサリス3全体として:
     これが何本目の拡張パックだったか、よく覚えていない。日本の大名でプレイする気が起きない点を改善するために、もう一本くらい出るような気がする。

    拡張パック「ディヴァイン・ウィンド」として:
     ディヴァイン・ウィンド、即ち「神風」という名前が示す通り、日本をはじめとして中華帝国など、アジアにフォーカスされた拡張パックのはずなのだが、日本語版特有のバグもあり、日本の大名でプレイする気が一向に起きない。
    総評
    ヨーロッパ・ユニバーサリス3全体の評価:
     世界史を「模倣」するゲームでも、「追体験」するゲームでもなく、世界史を「創り上げていく」気分になれるゲーム。前作や前作の大型MOD"AGCEEP"などはたしかにたくさんの歴史イベントがあったわけだが、であるが故に前作の基本コンセプトは「歴史を追体験すること」に留まった。
     3になって、歴史イベントがほぼ全廃され、プレイヤーが自由に振る舞えるようになった。最初は自由すぎて歴史性を逸脱しているような体であったが、「国策」や「政策」の導入により、それなりに「ありえたかもしれない歴史」をプレイヤーが創り上げていく気分になれる。この世界史の「架空化」には賛否両論あるのだろうが、私は好きである。

    拡張パック「ディヴァイン・ウィンド」として:
     そうは言っても、このゲームは「ヨーロッパ」・ユニバーサリス。ヨーロッパ以外の国家でプレイした時の「歴史を再現した気分」は、それ程でもない。
     本来なら、それを改善するために、「神風」などというタイトルをつけて、日本を始めとするアジアにフォーカスしたはずなのだが、それが、特に当の日本人にとって、とても微妙。

     ここでのこのゲームの紹介記事に、「源平合戦の再現?」「源平藤橘の四大名が」みたいなことが書いてあったと思うが、どういうことかというと、日本だけ完璧にファンタジーと化している。日本には源、平、藤原、橘という、架空の大名家と天皇家だけが存在している。そして大名として天下統一しても、幕府が開けるわけではなく、天皇制の国になる。もう完璧に「ファンタジージパング」である。
     これは、このゲームを作ったヨーロッパ人の視点に立って言うなら、神聖ローマ帝国が単一の国民国家として存在したり、ドイツ諸侯が抽象化されて七選帝侯あるいは「帝国クライス」という国家として存在していたりするようなもの、あるいはそれ以上だと思うのだが、同時期に「Sengoku」を作っていたパラドックスの中の人は、どう思っているのだろうか。
     一応作った本人(パラドックス)は、気に入らなければMODを作ってくれ、簡単に作れるから、と言ってはいるのだが……
     ファンタジー四大名の他にも突っ込みどころはあり、兵農分離政策の刀狩りを大名の武力を削ぐ政策と勘違いされていたりするのだが、まあ、ファンタジー大名に比べれば可愛いものだ。

     中華帝国にもフォーカスされていて、派閥の三つ巴によって大国であるにもかかわらず膨張を抑制されるなど、基本的には面白そうなものを感じるが、突っ込もうと思うと止まらない。一応、明・満州・朝鮮・日本の各大名には、かなり多くのイベントが追加されたので、格段に改善はされているのだろうが……下手にフォーカスされたお陰で当の本人としては違和感のほうが目立ってしまう。

     この拡張パックだけ日本語版の発売がやたら遅かったのは、CF社がその辺、日本では受けないのではないかという点を感じたからではないかと勘ぐりたくもなる。

     そして日本語版だが、特に日本の大名でプレイするにあたって、致命的なバグがある。ゲームを進めていくと、セーブデータを書いていく中で、日本文化を持つ勢力が「文化なし」となってしまうのである。
     お陰で、他国でプレイしてふと日本の大名を見ると、「藤原ラコヴィツア吉宗2世」みたいな君主になっていたりする。まあ、HttTで新しく入った「王朝」システム自体、ヨーロッパと一部文化以外、そのまま適応できないようなシステムなのだが。


     そういうわけで、あくまで「ヨーロッパ」・ユニバーサリスとして評価しました。日本のファンタジー大名以外は普通に楽しいです。ファンタジーも受け入れてしまえば楽しいんじゃないでしょうか。
    プレイ時間
    60〜100時間
    グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム
    4 4 5 5 5
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