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印刷2010/11/01 17:44

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海外ゲーム四天王 / 第64回:「WRC: FIA World Rally Championship」

海外ゲーム四天王 〜戦うおじさん〜
第64回:今週の泥まみれ:「WRC: FIA World Rally Championship」
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 イギリスのMilestoneが開発し,イタリアのBlack Bean Gamesが販売を担当する「WRC: FIA World Rally Championship」は,タイトルどおり,世界ラリー選手権(WRC)をテーマにしたレースゲームだ。どう考えてもニッチな市場だが,それだけにこだわりのメーカーがこだわりのプレイヤーに向けて,こだわり抜いて作っている作品が多い。コードマスターズの「Colin McRae: DiRT」シリーズなどが,決定版タイトルとして知られてはいるが,そんなジャンルに殴り込みをかけた本作を,「毎日が耐久レース」と語るライターのUHAUHA氏が紹介する。

ニッチな市場にあえて進出してきたその意気を買いたい 世界ラリー選手権公認のラリーゲームが登場だ

 

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 ラリーをテーマにしたレースゲームといえば,やはりコードマスターズの「Colin McRae Rally」シリーズ,「Colin McRae: DiRT」シリーズ,そして発売から約6年が経過したが,いまだに輝き続けるSCi Gamesの「Richard Burns Rally」などが大御所だが,これらと肩を並べそうなタイトルがついに登場した。イタリアのパブリッシャ,Black Bean Gamesが放つラリーゲーム「WRC: FIA World Rally Championship」PC/PlayStation 3/Xbox 360)がそれだ。今回は,そのPC版をプレイしてみた。

 ゲームを開発したのは,本連載でもとりあげたことのある「Superstars V8 Racing」「Superbike World Championship」シリーズを手がけたイギリスのデベロッパ,Milestoneで,ラリーゲームとしては同社初になるものの,これまでの作品で培った高い技術と経験が十分に生かされている。とくに,それぞれの土地の風景,天候や路面の表現,そしてなによりラリーカーのモデリングといった美しいグラフィックスは一見の価値ありだ。

 

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 タイトルにもあるように,本作はラリーの最高峰となる世界ラリー選手権(WRC)をメインとしているが,そのほか世界ジュニアラリー選手権(JWRC),プロダクションカー世界ラリー選手権(PWRC),スーパー2000世界ラリー選手権(SWRC)にも参戦できる。
 しかも国際自動車連盟(FIA)公認なので,セバスチャン・ローブ,ミッコ・ヒルボネン,キミ・ライコネンといったWRCドライバーのほか,PWRC参戦中の日本人ドライバー,新井敏弘などが実名で登場。チームやドライバーなどのデータも,最新のものが使われている。

 

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 ラリーカーは18台が収録されており,シトロエン C4 WRC,フォード フォーカス 09 WRC,スバル インプレッサ WRC 2007といったWRCラリーカーのほか,フィアット プント S2000,シュコダ ファビア S2000,プジョー 207 S2000,スバル インプレッサ N4,ミツビシ ランサー X/IX,スズキ スイフト S1600,シトロエン C2 S1600,ホンダ シビック R3など,SWRC〜JWRC出走マシンが登場し,モデリングからカラーリングまで忠実に再現されている。

 

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 車の挙動はどちらかといえばアーケード寄りだが,荷重移動での動きの変化やアクセルオフしてコーナーに進入した際,イン側に巻き込む感じなどがうまく再現されているという印象だ。ゲームに慣れてくれば,ラリーカーならではのリアの流れをコントロールした走りを楽しめるだろう。
 ただし,タイヤの接地感がやや薄く,路面をスルスル滑るような印象で,このへんが気になる人はいるかもしれない。なお,筆者はXbox 360ゲームパッドでプレイしているが,別にステアリングコントローラがなくてもパッドで十分に楽しめそうだ。

 

 

 ゲームモードはキャリアモードである「The Road to the WRC」,トップドライバーのタイムに挑戦する「Rally Academy」,ステージを選んで走ったり,年間を通してチャンピオンシップに挑戦する「Single Player」,2〜4人が交代でプレイする「Hot Seat」,そしてオンラインでマルチプレイを楽しめる「Online」が用意されている。

 

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 メインはやはり「The Road to the WRC」で,これは,下位から各所で行われるラリーイベントに参加して賞金を稼ぎ,それで新たなラリーカーを購入,上位のカテゴリに挑戦して,いずれ最高位のWRCを目指すというものだ。
 現時点でなんと,筆者はまだWRCまでたどりついていないのだが,今のところライバル達はそれほど強くなく,余裕で快勝を続けている。そのため,淡々とラリーをこなしている状況になっているのだが,これから苦戦するようになるだろう。なるといいなあ。

 

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 現実のWRCと同じく13か国で開催されるチャンピオンシップは「Single Player」に用意されている。実際の2010年WRCのカレンダーどおりに各国を転戦していくのだが,開催国をランダムに組み替えることもできるので,現実とは違う流れのチャンピオンシップも楽しめる。キャリアモードと違い,誰でも参戦できるので,ぜひWRCに挑んでほしい。

 

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 本作はキャリアモードも楽しめるし,WRCを含む各カテゴリのチャンピオンシップも楽しめる“欲張り仕様”なところが大きな魅力だ。思ったよりも「Rally Academy」が楽勝だったのが残念だが,Single PlayerやOnlineなどを含めれば,いろいろなゲームモードが用意されているので長く遊べる。ラリーゲーム好きなら間違いなく挑戦すると思うが,まずは公式サイトにあるデモ版をプレイして,挙動やグラフィックスなどをチェックしてほしい。今回は,ゲームの概要にざっと触れただけだが,いずれ全国津々浦々1000万人(当社比)のラリーファンに向けて,さらに突っ込んだ記事を掲載しようと思っているので,担当編集者はぜひボツにしないでいただきたい。ほら,ここに書いちゃったから,載せてね!

 

コラム:「グループB」のモンスターカーを乗りこなせ!
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 WRC: FIA World Rally ChampionshipのPC版には,1980年代の「グループB」に参戦していたプジョー 205 T16,ランチア デルタ S4,フォード RS200,シトロエン BX4 TC,ルノー R5 マキシターボの5台も収録されている。
 グループBのラリーカーは,見た目は市販車に近いものの,中身は600馬力近いエンジンを搭載したモンスターマシンなので,暴力的なラリーカーを乗りこなす楽しさ(難しさ)をたっぷり味わえるはずだ。PlayStation 3/Xbox 360ではダウンロードコンテンツとして販売されるらしいので,最初から収録されているPC版はお得感いっぱい。

 

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■■UHAUHA(ライター/四天王)■■
 レースゲームやアクションゲームなどを好んでプレイする,反射神経系のライター。とはいえ,人間が相手だとつい熱くなってしまうので,マルチプレイはちょっと苦手。高いところと,ホラー系が不得意なので,高い場所が出てくるゲームと,怖いゲームもちょっと苦手と意外と弱点も多いが,とくに悲壮感はない。4Gamerがスタートした頃からライターをやっている,ベテラン中のベテランだ。特徴は,遠距離通勤。
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